IS×特撮 終わりを告げる者   作:ZUNEZUNE

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第一話から急展開なのでご注意を。


第一話 さらば、ISの時代

 

インフィニット・ストラトス——通称「IS」。

元々は宇宙空間の活動を目的としたパワードスーツだったが、今は兵器と扱われていた。

しかもそれは男には使えず女だけが使えるという。このせいで男女のパワーバランスは一気に崩壊。世界は「女は男よりも強い」という「女尊男卑」が広まってしまった。

 

…醜い。何と醜いものだろう。

この世界…いや()は青く美しい物だというのに、そこに巣くう蟻達は醜い思想を持っている。

俺が正そう。この星の人間を、美しい地球に見合うように。

 

 

 

 

「副担任の山田真耶です。今日から宜しくお願いします」

 

そう女性教師が挨拶をしてきた。ここは学校、「IS学園」という名である。

IS操縦者育成用の学園。つまりここには雌しかいない…筈だった。

雄が自分含めて3名教室内にいる。異質な存在なのだろう、周囲の視線が痛かった。

 

「織斑君!織斑一夏君!」

 

自己紹介の時間にて、その内の一人が前へ出る。

 

「織斑一夏です…」

 

普通名前の後に何か自分の事を説明するものだが…

 

「以上です!」

 

何も無いようだ。クラスが一斉にずっこける。

そして続いて前に出たのは織斑一夏と似た顔を持つ男。兄弟なのだろう。名字も一緒だ。

 

「織斑 百秋(ももあき)です。僕はさっきの何も話せないような愚兄とは違うんでよろしく」

 

と、兄のことを貶して席に戻る。

自分の兄弟のくせにやたらと兄を見下しているな。

 

「次は…光倒(こうとう)君」

 

俺の名前が呼ばれた。自己紹介をしなければ。

俺は女尊男卑を掲げる奴が嫌いだ。しかしこのクラス全員がそうとは限らない。良い印象を持たせないと。友達0人なんて嫌だ。

 

「光倒 終竜(ついりゅう)です。好きな物はゲームや特撮です。一年間よろしくお願いします」

 

我ながら何の違和感も無い自己紹介だ。これなら大丈夫だろう。

こうしてSHRが終わる。

 

 

 

 

 

「あの…光倒?」

 

「うん?」

 

休み時間、織斑一夏が話しかけてくる。

 

「何か用か?」

 

「いや、少ない男子同士仲良くしようと思って…」

 

「そうか、宜しく頼むぞ織斑。俺のことは名前呼びで構わない」

 

「じゃあ俺も一夏でいいぞ!」

 

友達第1号ができる。中々悪くない奴だ。

そしてその後に一夏の弟がやってきた。

 

「ふーん、お前が第三の男性操縦者か」

 

「…百春」

 

「クズ兄は黙ってろ」

 

織斑百春は一夏をどかし、俺の前へ堂々と立つ。

 

「僕の邪魔はするなよ。どこの誰かも分からん奴が」

 

…理解した。こいつは嫌な奴だ。

兄にも初対面の俺にも随分と失礼な奴だ。

百春は篠ノ之箒と呼ばれる雌にどこかへ連れて行かれた。

 

「…すまん終竜。俺の弟が」

 

「そこまで気にしてない。お前が謝ることじゃないさ」

 

あの百春とかいう奴は仲良く出来なさそうだな。

すると今度は、金色の長髪で、気品溢れる雌がやって来た。

 

「ちょっとよろしくて?」

 

「…何だ?」

 

「まぁ!何ですのその返事は!(わたくし)に話しかけられること自体光栄なのですからもっと相応しい反応をしてくださいまし!」

 

…嫌な奴№2かよ。

いかにも俺が嫌いなタイプの雌だ。あんまり関わりたくない。

 

「すまん、俺君のこと知らないし」

 

いいぞ一夏、良く言った。

その雌は顔を赤くしながら名乗る。

 

「このセシリア・オルコットをご存じない!?イギリスの代表候補生の!これだから極東の島国は…」

 

しかも代表候補生かよこいつ。イギリスもこんな人材持って大変だな。

ちなみに代表候補生というのは国家代表のIS操縦者の候補生のことだ。つまり…

 

「随分と偉そうだな、自分がイギリスの顔でもないのに」

 

「なっ!?私は立派な祖国の…」

 

まだ候補生(・・・・・)だろ?お前以外にも候補生はいるんだよ、それとも何か?他の候補生も全員セシリア・オルコットなのか?」

 

「くっ…!」

 

悔しくて何も言い返せないようだ。トドメを刺そう。

 

「安心しろよ、お前みたいな小者なんて代表にはなれん」

 

「何ですって!?」

 

英国の雌は更に怒る。どうやらプライドが傷つけられたらしい。

 

「私が小者!?一体何処が…!」

 

「すぐに激情するとこ、プライドが無駄に高いとこ、しかも他国を侮辱する。そんなに器が小さかったらイギリスの国旗を背負って戦うなんて無理だ」

 

「…言いましたね!光倒 終竜!貴方の名前は覚えましたわ!」

 

そう言ってそいつは教室を出る。

満足だ。言ってやったぞ俺は。

 

「いいのか終竜。あんなこと言って…」

 

「良いんだ良いんだ。ああいうバカは一度言われただけじゃ分からん」

 

「はぁ…」

 

 

 

 

次の時間、この1年1組はクラス対抗戦の代表を決めることになった。

そうして自薦他薦で出た名は一夏と俺、そして織斑百春だった。

そんな面倒くさいことは御免だ。一夏の姉でもあり担任でもある千冬先生に抗議しよう。

 

「先生、俺は辞退します」

 

「認めん、選ばれたからにはそれを全うしろ」

 

嘘だろおい。めっちゃ嫌なんだが俺は。

どうやら一夏も望んではいないらしい。百春もだった。

 

「認めませんわ!そんな選出!」

 

すると後ろのオルコットが立ち上がってそう叫ぶ。

何だよ五月蠅いな。だったら最初っから自薦しろよ。

 

「クラスの代表とも言えるそんな役割を男に任命するなんて考えられませんわ!島国の猿が代表なんて屈辱ですわ」

 

イギリスだって島国だろうが。それに侮辱する対象が男全般から日本になっているぞ。

これは一つ言った方がいいだろう。そう思った矢先…

 

「イギリスだって同じようなもんだろ世界メシマズグランプリ歴代優勝が」

 

百春が立ち上がり、そう言った。

バカ!これ以上状況を悪くするな!まぁ自分も言えたことじゃないが。

 

「何ですって!祖国を侮辱しますの!?」

 

「先に言ったのはそっちだろ!」

 

「決闘ですわ!」

 

子供の喧嘩だなまるで。やるのは勝手だがそれに国の名前を容易く使わんでくれ。

すると千冬先生がそれを黙らせた。

 

「話はまとまったな。一週間後の月曜日に第三アリーナで対戦し、勝った方を代表とする」

 

流石教師、醜い喧嘩が一瞬で収まった。

俺は2人の決闘を優雅に見るとしますかね。

 

「織斑兄弟、光倒、オルコットは準備をしとけよ」

 

…うん?何故俺の名が出た?

 

 

 

 

 

まったく不本意だが、俺も戦うことになった。

この一週間ひたすら理不尽だと思っていた。何で俺まで…

ちなみに一夏と百春は専用機が用意されたらしい。ちなみに俺も持っている。

当日、トーナメント式で決めることになり、初戦は一夏対オルコット。つまり俺は百春と戦うことになる。

一夏は専用機「白式」でオルコットを押していたが、その性質を理解していなかったため自滅。

そして、俺と百春との戦いが始まる。

 

「来たな…光倒」

 

百春はISを展開してアリーナの中心に立っている。あいつの専用機は「白魔」という「白式」と良く似た物である。

俺は、何も展開せずにアリーナへと入った。

 

「何でISを着てない、僕に降参でもしにきたか?」

 

IS戦闘もしたこと無いくせに随分と強者面してんなこいつ。

呆れるぜまったく…

 

「慌てんなよ、今からするさ」

 

そう言って、俺は腰飾りを取り出して付ける。

すると自動的にベルトが巻かれた。「戦極ドライバー」それがこいつの名前だ。

 

「ただし、ISじゃないけどな」

 

「…は?」

 

そして一つの錠前を取り出す。黒い怪獣の顔が描かれた錠前、名を「ロックシード」。それを開けると…

 

 

『ゼットン!』

 

 

俺の真上にジッパーのように空間に亀裂ができ、そこから錠前に描かれている怪獣の頭部が現れた。

百春や観客、見ていた者を全員驚かす。

 

『ロック・オン!』

 

ロックシードをドライバーに取り付け、閉める。

ブレードを振り、ロックシードを開くと、怪獣の頭部が俺に被さる。

そして、鎧の形へと展開したのだ。

 

 

『ゼットンアームズ!グッバイ ウルトラマン!』

 

 

白い両角は肩に移行し、胸には黄色に発光する物が二つ。手足は全身の黒とは正反対の白。顔にも黄色い発光物がある。

 

「何だよ…お前は!」

 

俺の変容ぶりに驚愕したのか、そう聞いてくる。

それに対し、こう答えた。

 

 

「アーマードライダー…エンド」

 

 

エンドの意味は、「終わり」。

だからこう言った。

 

「さぁ、お前の最終回を始めようか」

 

 

 




ゼットンロックシードの音声はバナナの替え歌です。
他にもIS小説の「トリコ 一夏がトリコの世界に行って料理人になって帰ってきたお話」も執筆中なので是非そちらも呼んでみてください。

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