けものフレンズ 〜ふぉーるあうと!〜 作:ガイガーカウンター
「なぁフタコブラクダ、さっきのオアシスはありがとな!本当に助かったよ。…それで、私たちはへいげんちほーに行きたいんだけどガイドしてくれないか?」
「ねむねむ…お姉ちゃんに聞いて〜。」
「お姉ちゃんって言うと…?」
「私のことです〜。シニヨン一つでヒトコブラクダ〜♪よろしくねぇ!」
「よろしく!ところでさっきの話なんだけど…」
「ガイドなら任せて〜、でも暑いのが嫌だったら向こうにいるスナネコちゃんにガイドしてもらった方がいいよぉ!」
「あら、スナネコって聞いたことあるわね。噂でかなりかわいいって聞いてるわ。」
「噂っていうかホントだよぉ、スナネコちゃんはすごくかわいいよ〜でもすぐに飽きちゃうのよねぇ。」
「飽きる?まぁ、なんでもいいや!教えてくれてありがとな!」
「どういたしまして〜!」
「あの姉妹二人とも面白いやつだったな!」
「そうね、あの水を飲む速さと量といい、姉の独特な歌といい…なんか癖になるわね!」
「マネしてみるか?そうだな…ツメがあったらデスクロ〜♪」
「うーん、………サーバルより役に立ったらカラカル〜♪」
「なんだそりゃ、物じゃないのか?」
「だって私が持ってる物や力は大体誰かが使えちゃうもの。クローみたいに自分だけが持ってる物ってないわ。」
「何言ってるんだよ、カラカルには誰にも負けない優しさがあるじゃないか!」
「…そんなに優しいかしら?」
「優しいね、優しすぎて心配になるくらいだ。どんな時でも誰かを見捨てたりしない。助けるのを諦めない。やたら世話好き。こんなに揃ってるのはカラカルだけだろ?」
「……うんまぁ、当然ね!」
カラカルは珍しく自信を無くしていたのを取り戻したのか、元気よくさも当然であるかのようにはっきりそう言った。
「あれ?顔が赤いぞ?大丈夫か?」
「う、うるさいっ!早く行くわよ!」
「あるぇ?」
なんだろう、上手く褒めたつもりだったんだけどなぁ…失敗したか。いや、でも自信を持ってもらうっていうのは成功したから成功なのかな?
そういえば…サーバルって誰だろう?
『あはははは、いひひひひ!』
突如あの恐ろしい笑い声が頭に響く。
なぜ今なのかは分からないがこれのせいで身が縮こまってしまった。
「?、どうして止まってるの?」
「い、いや、ちょっとした恐怖をかんじてさ………それよりも、サーバルってどんな奴なんだ?」
一応聞いておこう。
「サーバルは私の…まぁ、ただの友達かしらね。おっちょこちょいでドジっ子で、最近はないけど昔はすぐ泣いちゃう泣き虫で、時々ピンチになったりしてね、とってもかわいいのよ!いじり甲斐があるわ!でもそんなサーバルもとっても優しいところがあるのよ?私に負けないくらいのね!」
やたら笑顔で喋るカラカルを見ていて思う事がある。
……絶対サーバルってただの友達じゃないだろ。
いたずら心が疼いてる。ちょっと突いてみよう!
「随分と饒舌だな?ホントはただの友達じゃないんだろ?」
「なっ!た、ただの友達よ!何言ってるのよ!決して親友とかじゃなくて…!強いて言っても生まれた時から一緒にいるぐらいの関係よ!」
「ふーん、へー?」
「なにニヤニヤしてるのよ!」
たまにはこういうカラカルも悪くないな。
それにしてもカラカル並の優しさか…きっとあの時追いかけてきた女ではないだろう。安心だ。もしサーバルがあの女だったとしても、フレンズだからきっと仲良くなれるだろう。
今度会ったら友達になってみたいな。
今思えばあの時逃げられたトムソンガゼル?っていうやつともなれるなら友達になりたいなぁ…。
「…旅が終わったら紹介してくれよな?」
「任せなさい!」
それでみんなと友達になって、みんなで一緒に遊んだならば……それはきっと楽しいんだろうなぁ…。
それにしても随分と考えが穏やかになった気がする。前までもっと戦いたいって思ってたのにな。これも全部、カラカルに会ったおかげだろうか。本当に、感謝してもしきれないな。
さて、私たちがスナネコの近くに着くとそこにはセンちゃんが居た。どうやら話してる途中のようだ。
っと、センちゃんが私たちに気づいたようで、こちらに指をさしている。
「お?あなたたちが案内して欲しい残りの二人ですかぁ?」
センちゃんの方を見るとコクリと頷く。
どうやら先に話をつけてくれたそうだ。
「たぶんそうだ!私の名前はデスクロー、クローって呼んでくれ。よろしくな!」
「私の名前はカラカルよ。よろしくね!」
「スナネコです。よろしくお願いします。」
そしてスナネコはこちらを見ると、……止まってジッとこちらを見ている。な、なんだ?
「うわー、すごい毛皮ですね、全部ウロコがついてます!」
スナネコはすぐにこちらに近づくと、私のウロコをコンコンと叩き始めた。
「へへっ、自慢のウロコだ!こいつがあればどんな攻撃だってヘッチャラさ!」
「はい。」
「……えっ!?」
なんかいきなり興味無くしてないか!?というか今度はカラカルの方を見てる!
「お、おいおい!もっと注目しなくていいのか?」
「はい、ウロコならセンちゃんにいっぱい見せてもらいましから。」
センちゃんの方を向くとセンちゃんは話し始めた。
「どうやら彼女はすぐに何かに興味を持ちますがすぐに飽きてしまうようで…。」
「な、なるほど…。」
なんかショックだ…。自慢のウロコだったのにな。
「カラカルの噂は聞いてます。とっても高くジャンプが出来るとか」
「えぇ、そうよ!見ていくかしら?」
カラカルが私だったらそんな簡単に飽きられたりしないとでも言いたげな顔をしてこちらを見てきた。
「ホントですか!?見たいです!」
「よーし、じゃあいくわよ!それっ!」
カラカルは近くに生えていた木にジャンプして一回転。
綺麗に木のてっぺんに立った。
「ふっふーん!この程度、私にとっては簡単だわ!」
「そうですか。」
ガーンッ、そんな音が聞こえそうなぐらいカラカルはガクリと頭を下げると、そっとこちらへ降りてきた。
「くっ…!あの娘、なかなか手強いわね。」
「だな、爪でも見せてみようか。」
とは言ってもそんな簡単に野生解放は出来ないし、またアレが起きないとも言い切れないのでやらないが。
「そういえば以前タイリクオオカミという方が私をモデルにした主人公の漫画を描きたいと言ってきましたが、それなら飽きないかもしれません。」
「漫画?なんだそれ?よくわからんがそれならスナネコを…」
「あ、そういえば私は持ってないので見せることすら出来ませんでした。」
ドテッ!って音を出して私はコケた。
フレンズっていうのは本当に個性豊かで、一緒にいると楽しいヤツらだな。
私は青空を見上げながらそんな事を考えていた。
「……そんなところで寝てて熱くないの?クロー。」
「熱っ!あちちちちぃぃぃぃ!」
「うわっ、なんかすごい飛び跳ねてる〜!」
「どうやら興味を引き寄せれたようですね。」
「こ、こんな引き寄せ方は嬉しくねぇよ!あちちちち!」