けものフレンズ 〜ふぉーるあうと!〜 作:ガイガーカウンター
「なぁ〜カラカル、へいげんちほーってフレンズが少ないのか?」
「え?そんなことはないけど」
「じゃあさ…」
私はただ穏やかな風が吹くだけの草原を見て言った。
「なんでこんなに歩いても誰も居ないんだ?」
「……合戦があるからじゃないかしら?」
「あー、なるほど。うーん!来るタイミングを間違えたぞ!」
このままじゃダチョウに会っただけでへいげんちほーが終わってしまうんじゃないか?
誰でもいいから姿を見せてくれー!
「?、今何か音が…っ!クロー!後ろ!」
「っ!」
カラカルの悲鳴のような声、そして背後から感じた何かを瞬時に読み取り、思いっきり前へ転がる!
途端、後ろの方で大きな音が地に響いた。
「セルリアンか!?野郎!」
すぐに体勢を立て直して体を回転させて、ソレと対峙した。
「んな!?これは…!」
そこに居たのはセルリアン。
しかしその色は紫色で、腕もなにもなかった。
ただあの目だけが私を見つめる。
「カラカル、こいつは私に任せてくれないか?」
「なに言ってんのよ、あんたまだ力が…」
「いや、あのトンネルで大体思い出した時、力が少し戻った気がするんだ。それを試してみたい。」
無機質な目は相変わらずこちらをジトりと見つめてくる。
そして、動き出した。
「っ、危なくなったらすぐに助けるわよ!」
「任せた!」
私はジッと身構える。
脚の筋肉が張ち切れんばかりに力を込める。
一回、また一回とヤツは小さく飛び跳ねて近づいてくる。
……あの時と同じトロい動きだ。
あの時はヤツを舐めてかかってまんまと返り討ちにあった。
だが、今回はそうはいかない!
『あいつらセルリアンには必ず弱点のコアがある。』
分かってるさ隊長。
いつもなら真っ直ぐ飛び込んでいるところを堪え、先ずはコアを探す。
表面には無し、となるとあの時と同じ…?
「クロー、基本的に石はセルリアンの頭の上にあるわ。」
頭の上、見つけた!
「、おう、分かった。」
さて、あそこにどうやって攻撃するか、カラカルならあの高いジャンプであっという間に頭上をとって倒すんだろうな。
「クロー!危ない!」
「ぅお!?」
慌ててバックステップして回避、危なかった。どうやらヤツ気付かないうちに近づいていたみたいだ。
まったく、考えすぎるのも考えもんだな。
………こんなの、私のやり方には合わない!
バックステップして脚が再び地に着いた瞬間、私は一気にヤツに飛び込む!そして蹴りを入れる!
グニャリと音を立てて足がヤツの体内に入る。あの時と同じ、だがみすみす食われるようなマネはしねぇ!
「もう一発!持ってけこの野郎!!」
私は勢いを止める事なく、脚が入り込んだのをいい事にそれを支えに飛び蹴りする…!!
やはりその蹴りもヤツの体には通用しない。
まためり込んでしまった。だがまだ終わっちゃいない!
「手も持ってけ!」
右の手の全力の力でヤツをぶん殴る。
グニャリとまた入っていく、またか
ならば今度は左を!
ん…?この体勢、ヤツの上に登れるんじゃないか?
上手い事いい位置に入った脚と手を使えば、このままヤツの上によじ登れる…!ならば!
「うおおおおおおおおおおお!!!!!」
脚、手、体、筋肉!何もかもを使ってヤツをよじ登る!
このまま、イケる!
脚と手を引き抜く!……いや、引き抜けない!
「く、くそぉ!」
ヤツは体を震わせてまた飛び跳ね出す!
体がグラグラ揺らされて振り落とされそうだ!だが、離してたまるか!
更に脚と手をヤツの体内へ入れる、左の手も入れて振り落とされないようにする…!
どんどん飛び跳ねる勢いが大きくなる、しかし!私は離れない!
「クロー!その力を使って上へ!」
力を使って…?
……っ!そうか!この飛び跳ねる力を利用すれば!
「今度こそ!」
ヤツの体が着地し、大きく縮む、そしてその勢いを和らげる事なくまた膨らみ出し…!
ジャンプした!
そして私は一気に手と脚を引き抜こうとする!
今度は引き抜けないなんて事は無く、ズルリと抜けて大空へ高くへ放り投げられた。
ヤツの体が少し小さく見えて、そしてコアが良く見える!
「終わりだあああああああああ!!!」
私はそのまま落下に身を任せ、拳をヤツのコアに叩きつける!
ガキリと、ガラスが割れるような鈍い音が響く!そして…
パッカーン!
そんな音を立て、セルリアンは粉砕された。
やった!私は倒したんだ!遂に、遂に…
「ぐべっ!?」
ッ………!!、、!!!!
「ちょっ!?顔から思いっきり落ちたわよ!?大丈夫!?」
「ぅ、うぅぅ…」
あはは…しまらねぇなぁ、でも、これで確信できた。
私は強くなってる。力が以前よりかなり出るようになっていた。
前の私ならあんな事出来なかっただろう。
あと試してみたいのはウロコの硬さだが…それはまた後にしよう。
「ふへへ、カラカルゥ…どう、だった?」
「………はぁ」
カラカルは心配そうな顔をやめてまた呆れた顔をする。
そして
「上出来よ。」
笑顔で真っ直ぐ、私に手を差し伸べた。
……ほんと、カラカルには助けられてばかりだよ。
「そっか。」
私はその手を掴んだ。