けものフレンズ 〜ふぉーるあうと!〜   作:ガイガーカウンター

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「あの子、本当に大丈夫かしら」

カラカルは夜の空に散らばる星たちと光り輝く月を眺める。

……ちょっと心配ね、追いかけるか。

そして夜のサバンナを歩き出した。


第4話 夜襲

今私は橋を通ってジャングルの入り口についた。

カラカル風に言うならじゃんぐるちほーだろうか?

 

なんでもいい、とりあえず今は夜だ。

別に私は夜でも行動できるのだが流石に無休というのはこの人間の体では耐えられないようだ。全くもって不便だ。

 

とりあえず寝る事にする。そして次起きたら1日でジャングルを抜ける。たとえフレンズが敵ではないと分かってもセルリアンという敵が存在する。ジャングルなど奴らが身を隠すのに絶好な場所はさっさと抜けてしまうのが吉だろう。

 

体を横にして丸めた。

 

……………………しかし、今日は色々あったな。

 

…………………ほんとうに、疲れた。

 

……………

 

……

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

 

 

 

バキィッ!!!

そんな木を吹き飛ばすような音が不意に聞こえた。

 

「っ!?」

 

咄嗟に体を起こしてそこから逃げた。

直後あの時見た触手が4本も私が居た場所を抉っていた。

 

「クソッ!てめぇらどこにでも湧きやがるな!」

 

どうせあの鈍足野郎のことだ、全力で逃げればなんとか…

後ろに走った私をぽにょんという間抜けな音と共に弾きだした。

 

「なぁっ!?後ろにもいるのか!」

 

すぐに体勢を直し、まずは周りを見る。

そこには四方に四体の触手付きセルリアンが居た。

 

「おいおい、勘弁してくれよ…。」

 

なんてこった!今の私じゃ絶対にやられる!このままだとマズイっ!

ジリジリと奴らは距離を詰めてくる。

 

「逃げ場はねぇって言いたいのか?あぁ!?」

 

必死になって怒鳴るがまるで意味を持たない。

月明かりに照らされた目を見ればそれはまるで死んだ魚のような目。

感情というやつを全く感じさせなかった。

 

体がビクビクと震えだす。なんだよ、怖いって言うのか?この私が?デスクローだぞ私は、かつてあいつらと共に戦ったデスクローなんだぞ!?

 

「く、クソッ!チクショウ!チクショウ!来るなら来いよ!かかってきやがれ!」

 

奴らは一斉に触手を構える。

 

……こんな所であっけなく終わるんだな。

 

もはやこんな悪夢は見たくない。私は目を静かに閉じた。

 

 

 

 

 

 

「そこ!しっかりしなさい!」

 

パリィン!っと大きな音がなると私の後ろのセルリアンが砕け散った。

 

「!?、だ、誰!?」

 

「私よ、カラカル。もう忘れたのかしら?」

 

「……!そんな、どうしてここに!」

 

「胸騒ぎがしてね、慌ててこっちにきたらホントにあんたが襲われてたってわけ。さ、早く逃げるわよ!」

 

とにかく、今は逃げよう!

そう思って足を動かそうとする。が、

 

「あれ?おかしい、なんでだ!?なんで足が動かない!?」

 

「っ、待ってて!」

 

カラカルがすぐに私に向かって走って来る。

見捨てられなかった事に私は希望を抱き笑顔になる。

しかし、見えた。

カラカルに向かって一斉に触手が伸びていったのが。

 

「来るなああああああ!!!」

 

時は既に遅く、カラカルはがぶりと、触手に噛み付かれた。

 

「…っ、!?!?あがっ!」

 

あの牙はあまり鋭くないらしく、血は出てないもののかなり圧迫されてるのだろう。強い痛みでカラカルは苦しんでいる!

 

「よせ!やめろ!この野郎!」

 

「ぎゃぁっ、いだい!ぎにゃぁ!?」

 

「やめろよ!それいじょうやったら!」

 

やったら?

やったら、なんだ?

今の私に何が出来る。

 

「あ、あぁ…」

 

相変わらず足が動かない。

ガクガクと震えて止まらない!

どうしていいか分からなくて涙が出る、止まらない!動かない!

神ってやつがいるならお願いだ!助けてくれ!

 

「に、げて…」

 

「え?」

 

「はやく、にげて…!」

 

………今自分が苦しんでるのに、死んでしまうかもしれないのに、それでも私を気にかけてくれるのか?

どうして、そんなに優しくしてくれるんだ?

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

『知ってるか?神に祈っても助けてくれはしないんだぜ。……でも俺たちは違う。俺たちは神のように圧倒的な力を持ってねぇ、でもな、神ほど誰かが高みにいるわけじゃねぇ。俺たちは仲間さ。同じ地を歩き、同じように戦って、共に勝利を分かち合える。目の前に苦しんでる仲間が居たら助けるし、苦しんでたら助けられるんだ。たとえその途中にどんな困難があってもな。………実はこれに気づいたのはついさっきなんだ。お前のおかげさ。お前が単身で敵陣に乗り込んでまで俺たちを助けようとしたからようやく分かったんだ。ありがとよ。そして、……こいつのことは、気にするな。』

 

男はそっと、並んだ靴にライフルを立てた。

 

ライフルの上にヘルメットが被せられる。

助けられなかった。自分は強い。誰にも負けないほど。

 

でも…助けられなかった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

嫌だ!また助けられないなんて絶対にお断りだ!

 

カラカルは…カラカルは唯一の友達なんだ!

失いたくない。絶対に!

 

「うおおおおおおおおおおおおお!」

 

足はもう動く。時間はもうない!走れ!走れ!

 

カラカルの元へと辿り着く、私はそのまま爪を…

 

えぇい!爪がないからなんだ!こんなの無理矢理にでもこじ開けてやる!

 

「おおおおおおおおおおおおおおおお!」

 

「ダメよ…、にげて!」

 

「嫌だ!もう失いたくないんだ!誰も!誰一人!」

 

ひらけ!ひらけ!ひけらええええええええええ!

 

突然体に力が入る、今まで消えていたはずの爪がいつの間にか生えている!これなら…いける!

 

「オラァああああ!!!」

 

セルリアンどもの鬱陶しい触手を全て引き裂く。

解放されたカラカルはその場に倒れこんでしまった。

 

「ぅ、うぅ…」

 

「待っててカラカル、すぐに片付けて助けるから!」

 

時間はもうかけてられない。

 

一瞬だ。

この程度、一瞬で片付けてやる。

 

セルリアンは一箇所に集まってまたも一斉に触手を伸ばして来る。

 

「はっ、馬鹿め!その程度で勝てると思うな!」

 

避けるのも良いが直進した方が早い。

爪を伸ばし、真正面から斬り伏せる!

そしてそのまま奴らの正面に走り!

 

「邪魔だ。消えろ!」

 

そのまま横に薙ぎ払った。

伸びた爪は正面からでもセルリアンのコアに届き、あっけなく粉々にしてやった。

 

どうしてこんなに伸びるのかと疑問はあるがとにかく今はカラカルだ!

 

「大丈夫!?カラカル!」

 

「………」

 

「そんな、まさか…しっかりして!カラカル!カラカル!嫌だ、そんなの嫌だよ!」

 

「………ふふっ、あっははははは!」

 

「……え?」

 

「そんなに心配しなくても大丈夫よ。この通りピンピンしてるわ!」

 

そう言ってカラカルはシュッと立ち上がりその場でジャンプ、一回転して着地して見せた。

 

「よ、かった…」

 

「ちょっ、大丈夫!?しっかりして!」

 

「大丈夫、ちょっと眠くなっただけ…」

 

「……そういえばさっき野生解放使ってたものね。おやすみなさい。………ありがとう。」

 

あぁ、ねむい。

 

ねよう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




「とは言っても、後もう少し助けてくれるのが遅かったら骨がヤバかったわね。……本当にありがとう。」

先ほどの騒ぎが無かったかのような夜の静寂の中
カラカルは自分の膝の上で眠るフレンズの頭を撫でていた。
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