けものフレンズ 〜ふぉーるあうと!〜 作:ガイガーカウンター
「ここはさっさと抜けようと思う。」
ジャングルの中は思ったよりも歩きやすかった。
というかちゃんと整備されてるようだ。
周りからホロロロロロ、ホロロロロロや、キュリリキュリリリリリなどの変な鳴き声が大量に聞こえてくる。
「え?どうしてなの?」
「ジャングルの中にはセルリアンが隠れる場所がいっぱいだろ?だからこういうのはさっさと抜けるべきなんだ。」
「……別に大丈夫だと思うけど。」
「とにかく、私はここに居たくない!」
私はここをさっさと出たいんだ。
足を走らせて突っ込んで行く。
「ちょっ!ちょっと待って!」
「ほら!早くついて来い!」
止めに入ろうとするカラカルの方を向いて呼ぶ。
「そうじゃなくて…、ま、前ーーー!」
「へ?」
まさかまた!
勢いよくぶつかったがポヨンやボヨヨーンなどの音は出ず、そのまま弾き飛ばされた。
体勢を立て直しながら前を見るとそこにはかなりデカいフレンズが居た!いや、体はデカくなくて私たちと同じくらいなんだが、なんていうか、存在感がデカい!
「なんだこいつ!?」
「あら、ごめんなさいね、踊ってたらぶつかっちゃったわ。私はインドゾウ、よろしくね。」
「あ、あぁ、よろしく。」
「クロー!自己紹介!」
あぁ、そういえば。
「えーっと、私の名前はクロー、趣味はジャパリまんを食うことだ。アンタの場合は…踊ること?」
「初めましてクロー!そうよ、私は踊るのが大好きなの。」
「久しぶりね、インドゾウ。」
「あら、カラカルも居たんだ、珍しいねー。」
「クローが旅をするって言うから付いて来たのよ。」
「そうなんだー、それじゃあ旅が上手くいくように私が踊るわ。」
と言うと、インドゾウはその場で踊り出した。
………確かに綺麗だったけど
「音楽がないと地味」
「!?」
げっ、しまった!つい声に出しちまったか!
「ご、ごめん!踊りはとても素晴らしい物なんだけど音楽が欲しいかなーって…。」
「あら、音楽ならちゃんとあるわ。」
「え?」
「ほら、耳を澄まして、聴こえるでしょ?ジャングルの至る所から聞こえてくる鳥の声が…。」
何を言ってるんだこいつは、でも、……試してみるか。
目を閉じて耳を働かせる。
「なんだかゴチャゴチャした音だな。」
「もっと集中して、もっと、もーーっと。」
………そんなこと言ったって何も変わりはしない。
そもそもこの変な声が音楽になるわけ
「ダメよ、何か考えちゃダメ。ただ何も考えないで、聴くのよ。」
……………………
……………………
……………………
……………あっ、
音が別れた。
あれらの音がゴチャゴチャに聞こえてた時は何も分からなかった。
でも、今ならわかる。全部違う音だ。
ホロロロロ、ピーピーピピピピピピー
キューイ、キューイ、ピョーピョー
聴けば聴くほど他にもどんどん音があるって事が分かっていく!
『ジャングルはさっさと抜けるぞ、ほら来い。』
『そんな!せっかく来たんですしもっと楽しみましょうよ!』
『楽しむってお前、何馬鹿なことを』
『ほら聞いてみてくださいよ、お前らも!いっぱい聴こえるでしょ?これ一つ一つ全てに鳥が居るんだぜ、命があるんですぜ?とっても素晴らしい事じゃないですか。』
『あぁ、確かに、聞けば聞くほど…どうでもいい。さっさと行くぞ。』
『あっ!隊長!待ってくださいよ隊長!』
一つ一つに、命がある…。
今まで仲間以外の命なんてどうでもいいものだと思っていた。
でも、今ならこれら一つ一つに価値があるって分かる。
「………大丈夫かしら?」
「おかしいわね。私は音楽に気づいて欲しかったんだけどなんだか悟っちゃってるみたい。」
「はっ!わ、私は何を…。」
「ジャパリまん食べる?」
「………そうする。」
「さて、集中してない今でも音楽は聞こえるかしら?」
………大丈夫だ、ちゃんと聞こえてる。
「聞こえるぞ。」
「それなら改めて見て、私の踊りを。」
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「ばいばーい!」
「凄かったわね!あの踊り!私も改めてすごさが分かったわ!」
「そうだな!まさかこんなに素晴らしいものだと思わなかった。」
私が心を打たれるなんて、今まで戦いを求め続けていた私が命の素晴らしさに気づく事ができるなんて…。
「………ふふっ、じゃんぐるちほーも悪くないでしょ?」
「……あぁ、悪くない。」
別に、急がなくてもいいか。
敵が来ても薙ぎ倒せばいいだけだしな!