けものフレンズ 〜ふぉーるあうと!〜 作:ガイガーカウンター
じゃんぐるちほーを歩いて15分、いろんなフレンズと出会った。
「あら?オセロットが寝てるわね。」
「あれか?あのフレンズはオセロットって呼ぶのか。」
「そうよ。あの子も私と同じネコ科。」
「ふーん。……起こしてやろう!」
「やめなさい。」
「ダメか…、あ、あそこにも誰か居るぞ。おーい!アンタ誰ー?」
「ん?私はアクシスジカだよ。」
「へー、なにやってんだ?」
「ここの土、舐めると体に良いんだって、塩がなんとかって。」
「ふーん、それ、美味い?」
「うーん、たまに美味い場所があるんだが、不味いところばかりだな。でもこれで健康になれるってんならそれに越したことはない!お前らもどう?」
「せめて美味い場所だけを食える方法を見つけてから誘ってくれ。私は健康とかどうでも良いからな。」
「そんな事言ってると、病気になって死んじゃうぞ〜?」
「はっはっはっ!安心しろ!この私は病気になんて一度もかかった事がないからな!」
「うーん、だよねー。私もなった事がないんだ。塩を舐めるのやめようかな…。」
「………いや、でも健康はいい事だと思うぞ?フレンズになってからは人間の病気にかかったりするかも知れないしな。」
「にんげん?よくわかんないけど、でもお前がそう言うなら舐めることにするよ!美味いところだけを舐めれるようになったらお前らにも教えてやるよ!」
「お、それは期待だ!じゃあまたな!」
「おう!」
「……随分とフレンドリーになったわね。」
「へへっ、なんだか楽しくなってきたからな!」
「あ、そろそろあの橋に出る頃ね。」
「橋?じゃんぐるちほーにも橋があるのか?」
「あるにはあるけど…さばんなちほーの橋みたいにすごいやつじゃないわよ?」
「ふーん、ま、進んでみようか!」
そして私たちは獣道を歩いていると木製の大きな橋に辿り着いた。
「あれがこのじゃんぐるちほー唯一の橋、アンイン橋よ。」
「へー、これが…。」
早速橋に足を踏み入れてみるとギィィ…っと気味の悪い音を立てた。
「おいおい、大丈夫か?これ。」
「たぶん大丈夫じゃないでしょうけど私たちじゃどうしようもできないわね。」
「うーん、本当に?」
ちょっと橋の根元に行ってなんとか出来ないか試してみる…。が、
『INTが足りてねぇ、出直してきな。』
そんな声が頭の中に響いた。
なんだそれ?でもまぁなにも思いつかないから従っとくか。
「どうだった?」
「ダメだった。」
「それは困ったわね。」
「「うーーーん。」」
この橋…どうにかしないと誰も通れなくなるよな、それはマズイだろ。
「ん?そこでなにやってるんだい?」
「え?アンタ誰だ?」
「あら、ジャガーじゃない!久しぶりね。」
「あっカラカル、今ぐらいは昼寝してるんじゃなかったっけ?」
「ふっふーん、今の私は旅をしてるのよ!紹介するわ、私の相方のクローよ!」
「えーっと、うん、クローだ。本当の名前はデスクローだけど気にしなくていい。」
「デス、クロー?聞いたことないなぁ。あ、それよりその橋を渡るなら気をつけてー。今にも壊れそうなんだよー。」
「ありがとう、ジャガー。それにしても私たちに出来ることはないかしら…?」
「うーん、たぶん誰にもどうしようも出来ないぞ…。一応壊れたら壊れたで木の板を持ってみんなを川の向こう側に渡そうと思ってるんだ。」
「そういえば泳げるんだっけ。」
「そうそう、だからここは私に任せて二人は先に行って。」
ジャガーは笑顔でこっちに手を振った。
「……よし、ここは言葉に甘えて。」
「分かったわ。それじゃあ…。」
「またねー!」
私たちは今にも壊れそうな橋を渡った。
「……フレンズってのは本当に優しいんだな。どうしてあんなに他人のために動けるんだ?」
「あら、それはあんたもでしょ?」
「え?」
「なんとかしようとしてたじゃない。」
「でも、私は結局なにも出来なかったぞ?」
「その気持ちだけで十分よ。」
カラカルが微笑んでこちらを見つめてくる。
よくわからないが、コレでいいのならまぁ…そのまま行くか。
「あ、雨ね。」
「ホントだ。」
初めはポツポツと降るだけだった雨がどんどん力をつけていっていつの間にかザーッと大きな音を立てていた。空は暗雲が立ち込め、ゴロゴロと雷の音まで聞こえてきた。
「こ、これはマズくないか?」
「えぇ、ジャガーが危ないわ!すぐに戻りましょう!」
「分かった!」
私たちは急いでさっきまで来た道を引き返した。
「おーい!ジャガー!無事かー!?おーい!」
「あ、あそこにいる!」
カラカルが指をさした方向にはジャガーが居た。橋の柱を掴んでいた。支えているのだろうか。
「大丈夫かーっ!今助けるぞ!」
「っ!いや!こっちのことはいいから!そっちこそ早くここから離れて!」
「そんなこと出来るか!このままだと溺れるぞ!」
見れば見るほど川の水はどんどん溢れて行く。ジャガーも後少ししたら頭全てが水に浸かるだろう。
「あ、あれは!ジャガー!急いでそこから離れて!」
川の上流の方から木が流れ込んで来た!
このままだと橋に直撃する!ジャガーも無事では済まないだろう。
「待ってろー!今行くぞー!」
私はすぐに橋を渡ってジャガーの場所まで行こうとする、が
グシャァ!そんな音を立てて私の足は橋を踏み抜いた。
「うわっ!」
ドシャ!っと大きな音を立てて私は転んだ。クソっ!ダサすぎるぞおい!今ここで転んでる場合じゃない!
急いで立とうとするが立てない。足元を見てみると深く橋に突き刺さっていて、抜こうにもなかなか抜けない!
「クソっ!クソっ!抜けろ!抜けろよこの!」
「クロー!私がジャガーを助けるからあんたは足を引き抜いて逃げて!」
カラカルが私のそばを走り抜けてジャガーの元へたどり着く。
「さぁ!掴んで!」
「ぶぁはっ!だ、ダメだ!この橋が壊れたらみんなが!」
「もし壊れなかったとしてもあなたが居なくなったらみんなもっと悲しむでしょ!ほら早く!」
ジャガーはその話を聞いて観念したのか、手をカラカルの方へ伸ばす。カラカルはすぐにその手を取り、引っ張り始めた。
ジャガーは引き上げられると何かに気がついた様子でこっちに向かって叫ぶ。
「まずい!もうすぐそこまで来てる!」
「クロー!しっかり!」
「くっ…こんのぉ!外れろ!」
ダメだ、橋が雨に濡れてメチャクチャ滑る!それどころか川の激流に負け始めたのかぐらりぐらりと揺れ始めた!
「チクショウ!チクショウ!私はなにも出来ないどころか足まで引っ張るのか!」
そばに来たカラカルが急いで私の体をつかみ、引き上げようとするがカラカルも体勢を崩してしまった。
「きゃっ!くっ…」
ドテンと転んだカラカルはもう一度助けようとしたのかその場で立ち上がろうとするが、上手く立てずにいた。
木はもうそこまで迫って来てる…!
「カラカル、私はもうダメだ、早く逃げて!」
「何言ってんのよ!見捨てて逃げれるわけないでしょ!」
「そんなこと言ってる場合か!もうすぐ木が直撃する、そんな時にここにいたら間違いなく死ぬぞ!」
「それはあんたも同じでしょ!だから助けるわよ!あんたがなんと言ったってね!」
ダメだ、このままだとカラカルは…!
そうだ!
「ジャガー!カラカルと一緒に逃げてくれ!」
「!?、何言って…」
「頼む!自分のやったヘマで他人を、大切な人を巻き込みたくはない!」
「クロー…」
「初めての友達なんだ!私を助けてくれた…、初めての!だから頼む!早くここから…」
「これはちょっと厳しいなー?でも、やるか。」
ジャガーは全く想像もつかない行動をした。それは野生解放。
一息でこっちに来たジャガーは私の開けた穴をこじ開ける!
そのまま足が抜けた私とカラカルを掴んで岸の方へと放り投げた。
カラカルは綺麗に着地できたが私はそのまま地面へと激突した。
「ぐべぇっ!」
かなり痛い、が、ジャガーはどうなった?
私はすぐに橋の方を見るとジャガーはその場で突っ込んでくる木に向かって止まっていた。
「ジャガー!早くそこから逃げなさい!」
ジャガーは聞く耳を持たず、遂に木が橋に激突しようとするその時、ジャガーはジャンプをして木に突っ込んでいった。
そして、そのまま木に腕を振り下ろし、木を粉砕した。
「す、すごい…。」
それだけでは終わらず、砕いた木をさらに粉々に砕く!
自分が砕いた木の上をピョンピョンと跳ねてまた次の大きな木の欠片を砕いていく…!
そしてアンイン橋に着地すると、最後に残った木の欠片を粉砕した。
「よしっ!これで…!」
しかし、最後の欠片を壊したということは足場が無くなったということ、ジャガーはそのまま川へと落ちていく!
「まずい!」
私が動く前にカラカルが動く。
カラカルは大ジャンプをするとジャガーの元へたどり着き、そのまま掴んでアンイン橋に着地した。
「大丈夫?」
「ありがとう!助かったよー!」
……結局私は役立たずか。
そんな事を考えた瞬間、橋から嫌な音が響きだす。
見ればどんどん傾いていっている…!
「カラカル!ジャガー!」
二人とも急いで逃げようとするがぐらつく足場のせいで上手く走れない。
このままだとまずい!
思い出せ!あの時の感覚を!野生解放をするんだ!
「ぅ、うおおおおおおおお!」
体に力が入り、あの爪が姿を表す。
私はすぐに足に力を込め、走り出す!
そして、橋に足を踏み入れると足がまた橋を踏み抜く、そんなものは気にしない、どんどん足を早くして橋を粉砕しながら走る!
そして通りすぎる二人を掴み、そのまま対岸へと突っ込んだ。
大量の土砂が宙を舞う。
立ち上がった私は掴んでいた二人を離した。
「けほっけほっ!」
「うひゃあー、クローはこんなに凄いんだな!」
…………………………
……眠いな、眠いがその前にやらなきゃいけないことがある。
私は爪を研ぐ。
獲物を殺すために。
「っ!、どうしたんだ、クロー?」
「クロー…?大丈夫?」
「大丈夫?そうだな、ねむいけど、お前らを切り刻むには困らない。」
爪をヤツラに向けて薙ぎ払う。
しかし、躱されてしまった。
「ど、どうしたんだ!クロー!いきなり何をするんだ!」
「餌がギャーギャー喚くな。消えろ。」
今度は縦に振り下ろす。
が、これもかわされてしまった。
「クロー!どうしちゃったのよ!」
?、コイツって、なんだっけ?
なんでもいいやとにかくたべたい
「グオォオオオオオオオ!!!!!」
「一体何が起きてるの!?姿が変わって…!」
「ーーーー!すぐにクローから離れるんだ!」
「そんな事言っーーーほっとけーーわよ!」
「今のーーーにちかーーーーダメーはやー!」
なんだ?どんどんあいつらの言葉が分からなくなる。
視界もどんどんくらくなっていく気がする。
しこうもだんだんにぶってるような
…………………………
「いまはーーにげーーーカラカル!」
から……かる……?
…………
…………
あれ?私、なにやってんだ?
突然眠気が押し寄せてくる。抗うことはできず、そのまま飲み込まれた。
デスクローは元の姿に戻っていくとドサリと崩れ落ちた。
「クロー!しっかりして!」
カラカルはすぐにデスクローの元へと駆け寄ると、体を揺らして反応を確かめようとする。
「それにしても、今の姿って…」
「………ツノが生えていたわね。」
デスクローは目を開けなかったが寝息を立てていたのでカラカルは安心していた。
「……橋、壊れちゃったなー。」
そう言って残念そうにするジャガーの眼の前には激流に完全に飲まれ、バラバラに砕け散ったアンイン橋があった。