ちはやふるss増えろ…!
□滝野亮
転生特典をもらって生まれ、早16年。
二度目の人生を要領よく生きてきた俺は地元の進学校『富士崎高校』に進学した。
(部活どうしようかな…。中学みたいに運動部で無双してやるか)
今は部活動説明会の真っ最中だ。
『…そんな訳で、英語が好きな子、スピーチが好きな子、大歓迎!一緒にESS部で頑張ろう!』
『ESS部のみなさん、ありがとうございました。続きましてかるた部のみなさん、お願いします』
「かるた部?」
珍しい部活につい声を上げると、近くの女子が耳聡く反応する。
「滝野くん、知らないのぉ〜?富士崎のかるた部ってめっちゃ強いらしいよぉ〜。去年も全国大会で優勝したんだってぇ〜」
「へえ、そうなんだ。すごいな」
転生者のテンプレに則りイケメン(自画自賛)な俺は、女子にモテる。
かるた部の部員たちが壇上に上がっていく。顧問とおぼしき先生がマイクを持ち話し始める。
『顧問の桜沢です。本校のかるた部は50年以上の歴史を持ち、去年の全国大会では4連覇を達成しました。これもひとえに部員の…』
「わぁ、美人な先生〜。ねぇ、滝野くん。あの先生びじ…」
女子生徒Aが急に静かになる。俺が口を塞いだのだ。
「ひゃ、ひゃひのふん?」「黙れ」「んぶっ」
息ができず苦しそうな女子生徒。だがそんなことはどうでも良い。
かるた部の生徒が試合のデモンストレーションを始める。それもどうでもいい。
俺の目はかるた部の紹介を続ける先生に釘付けになっていた。
「……女神」
こうして、1人のオリ主がかるた部に入部したのだった。
◆
□桜沢翠
(さて、今年の入部者にはどんな子がいるのかしら)
桜沢翠は、集まった仮入部届けを職員室でチェックしていた。
かるた部顧問である彼女は、30枚近くあるそれに眉一つ動かさない。
現在のかるた部の部員数は3年15人、2年18人。それだけ聞くと今年は例年より多いと考えられるが、あくまで仮入部員数だ。
仮入部期間にハードな練習を体験し、毎年10人以上が本入部しない。
つまり例年通りの部員数だと言える。
問題は経験者の人数だ。競技かるたはマイナーな競技で、強豪校といえど初めから経験者な人間は少ない。ほとんどが初心者だ。
(林田さん、日向くんがD級…山城さん、この子はC級ね)
(町田くん、滝野くん…滝野くん?この子どこかで… !思い出したわ。確かバスケ部顧問の谷先生が言ってた。中学時代、すごい成績を残したバスケ選手だったって…バスケ部に入ってくれれば即戦力だって喜んでたのに、なぜうちの部に?)
彼女の疑問が晴れることはない。自分に一目惚れしたからなどとだれが予想できるのか。
◆
□滝野亮
仮入部期間が終わり、残った生徒は本入部となる。
武道場に集められた本入部者17人の中には、当然俺もいる。
「では、入部した1年生には自己紹介をしてもらいます」
(ああああああああああああああああああ、桜沢先生…好きだ!!!大好きだ!!!ぷっくりとした唇が、涼やかな目が、ショートカットの髪が、凛々しい声が、引き締まった肉体が、すらりとした足が…)
「滝野くん!聞いてるの!?あなたで最後よ!」
「ハッ!」
クスクスと笑われる。恥をかいてしまった。桜沢先生を待たせる訳にはいかないので、素早く立ち上がる。
「1年B組、滝野亮です。中学時代はバスケ部でした。かるたは初心者です。」
「自己紹介も終わったところで…「好きな人は桜沢先生です!!!よろしくお願いします!!!」
「校庭10周してきなさい」
転生特典については次話で書きます。