かるた部顧問と結婚したい。   作:秒速123km

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三人称か一人称かはっきりしなかったので□←こういうの全話に付けました。何度も書き直してすいません。


第7首 瑞沢高校

□滝野亮

二回戦の対戦相手は東京都代表の瑞沢高校だ。

 

 

「瑞沢は唯一のA級が体調不良で棄権だそうよ。けど決して油断しないこと。強豪北央を破って全国に来たチームよ。全力でぶつかってきなさい」

『はい!!』

 

 

先生の激励に俺を含めた全員が真剣な表情になり試合に向かう。

 

 

「頑張れよ、亮!」

「ああ」

 

 

ヨロシコが声を掛けてきた。よく見ると横に理音もいる。今日も無表情だな、こいつ。

 

「亮、頑張って」

「おう」

 

 

珍しいな、理音が声を掛けてくるなんて。なんか顔も紅潮してた気が

「亮」

先生に呼ばれた!!!

一瞬で振り向くと、俺の反応の速さに若干引いてる先生がいた。そんな表情も素敵です。

 

 

「予定よりも早く出場させることになってしまったけど、あなたなら勝てると思ったから出したのよ。勝ってきなさい」

「っ!!!はい!!!」

 

 

また先生に期待されてしまった。今の俺はやる気に満ち溢れている。絶対勝つ。

(((流石先生、滝野の扱い方を心得てる…)))

(俺と理音の時とテンションが違い過ぎない?亮…)

なんか他の部員から呆れられてる気がするが、絶対勝つ。

 

 

 

 

 

□真島太一

 

次の対戦相手は富士崎高校。去年の優勝校だ。

 

 

「一回戦の富士崎のオーダー見てきたよ。3年生のA級二人と2年生のA級3人がスタメンで、控え3人はB級だ」

 

 

駒野がこの短い時間で調べてきてくれたようだ。A級5人か…厳しいな。西田や大江さんも萎縮してる。

 

 

「全員A級!?どうすりゃ良いんだよ、それ」

「勝てるでしょうか…」

 

正直俺も望みは薄いと思う。けど…

 

 

「けど、諦めるわけにはいかない。千早に少しでも良い結果を持って帰ろう」

 

 

そう言うと3人とも覚悟を決めた表情で頷く。4人で円陣を組む。

 

 

「「「「み ず さ わ ファイッ!!」」」」

 

 

 

 

 

富士崎高校のスタメンが入場してくる。それにしても凄い応援の人数だな。こいつら全員部員なのか。流石強豪校。

スタメンはこの人数の上に立ってるんだもんな。そりゃ強い筈…って、1人明らかに1年生が混じってるぞ!?

駒野の方をチラッと見ると、傍目にも驚いてるのが分かる。あいつにとっても予想外の出来事らしい。

なんにせよチャンスだ。A級の上級生よりはB級の1年生の方がいい。ほぼ0だった勝ち目が少しだけ見えてきた。

 

 

「オーダーを読み上げます」

「富士崎高校 江室凌雅」 「瑞沢高校 駒野勉」

「富士崎高校 市村充輝」 「瑞沢高校 大江奏」

「富士崎高校 滝野亮』」 「瑞沢高校 真島太一」

「富士崎高校…

 

しかも俺との対戦だ。同級で同級生なら十分勝機はある。

 

 

 

□駒野勉

 

あの1年生は真島と対戦か。まさか二回戦でスタメンを変えてきてしかもそれが1年生だなんて。

富士崎が毎年決勝戦で下級生を入れるっていうのは割と有名な話だから、それまでは変えずに来ると思っていた。

うちを舐めてるのか?それとも何かトラブルか?怪我か体調不良か…

体調不良。綾瀬が体調不良で棄権したときは驚いたし、心細くなった。けどだからこそ綾瀬のために勝たなきゃならない。

真島と肉まんくんが勝つのは勿論、僕かかなちゃんのどちらかが勝たないと3勝できないんだ。僕は勝つ気でやるぞ。

 

 

□滝野亮

 

「暗記時間は今から30分までです。始めてください」

 

 

暗記時間が始まると同時に俺以外の富士崎のスタメンが席を立つ。

富士崎伝統の暗記時間中のストレッチだ。連戦すると前の試合の暗記が頭に残るので、札を『覚えすぎる』ことを防ぐため席を立つ。数試合して脳が消耗してくると富士崎がやる常套手段だ。3年生の内1人は既に不戦勝なので、そのまま観覧席に移動しているが。

けど俺は今日初試合。その必要はないので暗記に集中できる。

 

 

それにしても瑞沢は全員袴なんだな。珍しい。動きにくそうだけど大丈夫なんだろうか。

袴、袴か。もし先生が袴着たら綺麗なんだろうな。先生の袴姿……

 

 

(っ!!!!!!!!!!!!!!!!!!)

 

 

頭に思い浮かべた姿のあまりの神々しさに愛(鼻血)が吹き出でそうになるが、必死で抑える。あんまり出血すると審判に棄権させられるかもしれない。先生に期待された以上、それはできない。必死で隠す。

それでも数人にはバレたようだ。ヨロシコの顔が真っ青になっているし、理音は相変わらずの無表情だが雰囲気が慌てている。対戦相手のイケメンも気づいたっぽい。先生は…変わらない。いつも通りの先生だ。ただ俺のことをじっと見ている。

先生に見られてるのに不戦敗なんて不甲斐ないことできるかよ。暗記に集中だ。

 

 

 

「時間です」

「難波津に 咲くやこの花 冬ごもり 今を春べと咲くやこの花」

 

取る。最初の一枚。

 

 

「今を春べと咲くやこの花」

「ゆ『ふ』されば」

 

 

□真島太一

 

取った!しかも相手がお手つきした!ダブだ!

というか、なんだこいつの払い手?札際ギリギリをキレイに払って、しかも全く音がしなかった。こんな取りができるやつが1年生?経験者なのか?

けどこんな序盤でお手つきってことはやっぱ初心者なのか?分からない。なんか暗記時間中に鼻血出てたっぽいし、こいついろいろ謎過ぎるぞ。

 

 

 

 




おや?山ちゃんの様子が…
そしてツッコミ役と化した真島部長。流石ミスター器用貧乏。
※真島部長と主人公は同級生なのに下級生と書いてあると感想でご指摘頂きました。改訂しました。
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