勇者ヨシヒコと魔王カズマ   作:カイバーマン。

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壱ノ二

邪悪なる真の魔王『竜王』を討伐する為に異世界へとやって来たヨシヒコ一行。

 

しかし自分達を召喚した仏のうっかりミスによってダンジョーとムラサキと離れ離れになってしまう。

 

仕方なくヨシヒコはメレブと二人でレベル1の状態のまま未開の地へと足を踏み入れたのだが……

 

現在彼等の行く手を阻む存在、アクアと名乗る少女が嗚咽を漏らしながら自分達に話を聞いてくれと懇願してくるのであった。

 

「それでねそれでね……最近見かけない変なモンスターがウヨウヨ増えて来てるからってみんなでこの山に経験値稼ぎにやってきたのよ……なのにね、急に邪悪な塊のようなモノが上から落ちてきたと思ったら、アホ丸出しで歩いていたカズマの上に直撃したの、そしたらそしたら……うわぁぁぁ~~~~ん!!!」

「あーもう泣かない泣かない、泣いちゃダメだって~ちゃんとお話聞いてあげるから、ね?」

 

地べたに座り込み話の途中で泣き出すアクアをメレブがよしよしとなだめながらしゃがみ込んで話を聞いてあげる。

 

ヨシヒコもまた彼女の話を黙って情報を得ようとしていた。

 

「それでその、カズマという若者はどうなったんですか?」

「そう! あのヒキニートったら急に悪しきオーラを放ちながら「フハハハハハハハ!! 我が名は竜王! この器は貰っていくぞ!!」とか典型的な悪役じみた台詞吐きながら! 妙にリズミカルなサンバステップを踏みながら私達を置いて走り去ってしまったのよ!!」

「リズミカルなサンバステップ!?」

「ヨシヒコ気にする所そこじゃない、確かに気になるけど、どうしてサンバ踊ったのか凄く気になるけど」

 

急に泣き止んだかと思いきや今度は少し怒った調子で話し出すアクア。

 

その話を聞いている中でヨシヒコにツッコミを入れつつ、メレブは「なるへそー」と短く呟き縦に頷いた。

 

「竜王……どうやらその少年が変貌したのは我々の世界から来た魔王が乗り移った可能性が……う~ん、あるのではなかろうか?」

「は? どういう意味?」

 

キョトンとするアクアにメレブの代わりにヨシヒコが答える。

 

「私達は別の世界から来た、私達の世界からこの世界に逃げて来た魔王を討伐する為に、勇者としてここにやってきたのだ」

「え、ちょっと待って……アンタ達別の世界から来たの? 私の許可なくエリスの奴がアンタ達をここに!?」

「エリス……メレブさん知ってます?」

「知らない知らない、全く以て初耳、誰?」

 

ようやく立ち直った様子で自分の方から尋ねて来るアクアだが、互いに上手く事情が掴めてない状態で一から全部話しては時間がもったいないので

 

ヨシヒコはとりあえず今一番大事な話をする事を優先した。

 

「とりあえず他の仲間達はどこに?」

「えとね、私とカズマの他にめぐみんとダクネスがいて……カズマが走り去った時に3人で急いで後を追ったんだけど……途中で私だけはぐれちゃって一人ぼっちに……うぇぇぇ~ん!!」

「あ~また泣いちゃった~、辛かったんだねぇ一人ぼっちになったら不安だもんね~」

 

再び泣き出してしまうアクアにメレブがまた猫撫で声であやしていると、ヨシヒコがスクッとその場で立ち上がって周りを見渡す。

 

「山の中で迷うのはマズイ、もしかしたら魔物に襲われている可能性も」

 

見渡す限り人の気配はないが、何か別の存在の気配が徐々に感じられつつある。

 

ここはモンスターが出るエリアだと察したヨシヒコは、すぐに一人途方に暮れるアクアを見下ろす。

 

「よければ仲間を探すのを手伝わせてくれないか、私達は逃げた魔王の行方が知りたい、もしそのカズマという若者に魔王が乗り移ったのであれば、私達の目的は一致する筈だ」

「うーんそうねぇ……アンタ達ハッキリ言って凄く胡散臭いけど、このままだと一人で町に戻る事も出来ないし」

 

ヨシヒコとメレブは見た感じ明らかに変ではあるが、何か色々と込み入った事情を抱えているのは確かだ。

 

その辺についても自分の立場としては詳しく調べたいと思っていたアクアは首を捻りながらしばらく考えた後。

 

「いいわよ、一時的にアンタ達に協力してあげる」

「おおっと、これはまさかの新たな仲間が加わる展開でござんすか?」

「勘違いしないで、仲間になるんじゃなくてあくまで互いに同じ相手を探すから協力してあげるだけ」

「ハハ、なんかフリーザ編のベジータみたいな事言ってるぞこの娘、さっきまで泣いてたクセに」

 

泣くのを止めてスクッと立ち上がると得意げに胸を張るアクアにメレブが苦笑していると

 

この窮地を脱するチャンスが手に入ったと内心有頂天の彼女は両手を腰に当てながらすっかり調子が戻ったようだ。

だ。

 

「感謝しなさい、この崇高で美しいアクア様がアンタ達に力を貸してやるわ」

「私達も他の仲間と離れ離れになっている、魔王を倒す為に一緒にいなくなった者達を探そう」

 

崇高で美しい? という言葉が若干気になりつつあるも、とにかくこれで晴れてアクアがヨシヒコ一行に加わる事が決まったのであった。

 

『アクアが仲間に加わった!』

 

 

 

 

 

「……なんか頭の中に突然音楽流れて来たんだけどなに?」

「ああうん、我々の世界ではよくある事だから気にするな」

「宿屋に入ったりレベルが上がる時も鳴りますよね」

「鳴るね~油断してるとビクッと来るよね~」

「アンタ達どんな世界にいたのよ……」

 

 

 

 

 

 

新たにアクアをパーティに入れたヨシヒコ一行

 

3人は他の仲間を探しに山の中の探索を続けるのであった。

 

黙って山道を歩くのも退屈なので、メレブは早速アクアに話しかけてみる。

 

「そういえばさーおたくの職業ってなんなの?」

「ふふん聞いて驚きなさい、アークプリーストよ」

「……え?」

「アークプリースト、癒しの呪文や補助、死者の蘇生や状態異常の回復とか出来るの」

「……それは『僧侶』の事では?」

「違う! アークプリースト!」

 

自分達の世界観からすればそれは俗にいう僧侶という職業なのだが

 

アークプリーストという聞き慣れない言葉にメレブが眉間にしわを寄せて首を傾げていると

 

先頭を歩いていたヨシヒコが咄嗟に彼女達の方に振り返る。

 

「僧侶であれば心強い、戦える者が私しかいないこの状況では回復役はおおいに助かる、私達に何かあったら頼む」

「だからアークプリーストって言ってんでしょ! もしくは女神よ! 私はこの世界に舞い降りて来た女神なの!」

「うわぁ女神って、ヨシヒコさん聞きました? この人自分の事女神とかおっしゃいましたよ今」

「女神!? 凄い!」

「おおっとヨシヒコさん信じちゃいましたー」

 

自分の事を女神と称するアクアに対しメレブがフフッと笑って馬鹿にするも、ヨシヒコの方はビックリ仰天の様子で驚きを露にする。

 

彼はどうも聞いた事をすぐ鵜呑みにするタイプなのである。

 

「失礼しました女神、これからは言葉を改めます、我々と共にどうか世界をお救い下さい」

「ふふーん、私を女神と気付いてキチンと身をわきまえるのは殊勝な心掛けね、ま、何が出てこようがこの女神に任せなさーい」

「メレブさんやりましたよ! 女神ですよ女神! 女神を仲間にした時点で魔王討伐はもはや確実と言っても過言じゃありません!」

「んー言えません」

 

口調を改めて平伏するヨシヒコに、すっかり調子に乗った様子でなんでも来いと言った感じのアクア

 

そんな二人を眺めながらメレブは一人どことなく不安感を覚えていると、隣の茂みの奥から突然ガサゴソと音を立てて……

 

ヌッと3匹のモンスターが現れた。

 

「ぎゃぁぁぁぁ~~ヨシヒコさん助けて~!!」

「えぇ! お前何が出ても任せろって言った傍から……ヨシヒコさん助けて~!!」

「下がっててください、ん?」

 

魔物が現れた途端すぐ様助けを求めるアクアとそれにツッコミ入れつつも自分も避難するメレブ。

 

すかさずヨシヒコは二人の前に颯爽と立って、相手を眠らせる剣、「いざないの剣」を構えるが

 

出て来た魔物達を見てふとある事に気付いた。

 

「……なんか我々の世界の魔物とおんなじなんですけど」

「え? あ、本当だ! スライムだ!」

 

よく見ると、過去何度も戦った事のある姿をした魔物達ばかりではないか

 

序盤からすっかり顔馴染みになっているスライム、その隣をパタパタと飛ぶ黒いコウモリ、そして腐っている程腐敗した涎を垂らす死体。

 

彼等は自分達の世界で何度も戦っている魔物達だ。

 

「は? もしかして最近この辺をうろつく新モンスターってアンタ達の世界の産物なの? って」

 

ヨシヒコの背後からひょっこりと顔を出してモンスターの姿を確認するアクア、すると……

 

「え~何アレ超可愛いんですけど~! なにあの水色の! こっちに向かって笑いかけててホント可愛い~!」

「なに? ウチの世界のスライム気に入ったの?」

「え! スライム!? 冗談でしょ! あんなプリティーな見た目のクセにそんな極悪なモンスターなの!?」

「へ? ウチじゃスライムって大体弱いんすけど?」

「嘘でしょ~! こっちの世界だと滅茶苦茶強いのよスライムって!」

「え、マジ!? こっちだとね! 攻撃されてもHP1ぐらいしか減らないけど!?」

「何それ! そんなに弱いのアンタの所のスライム! しかも可愛いし!」

 

相手が魔物だというのも忘れてスライムを指差しながら嬉々した表情ではしゃぎ出すアクア。

 

どうやらここの世界のスライムはこちらと違って随分と強いらしい。

 

「あ! あの隣でパタパタしてる丸っこいコウモリみたいなのも可愛い!」

「ほほーお嬢さんお目が高い、あのモンスターも結構人気あるんすよ~」

「アンタ達の世界のモンスターを創造した人ってどんな想像力してるのよ」

「あ~やっぱりそこ気になっちゃう? いや~本当に超! 超凄い人なのよ! マジ頭の中摩訶不思議アドベンチャー! 俺もう大好きあの先生!!」

 

すっかり意気投合した様子で二人で勝手に盛り上がってる中、一人黙々と戦うヨシヒコ

 

序盤の敵という事もあってスライムやコウモリを剣で振り下ろしてダメージを与えながら着実に数を減らしていく。

 

「ふん!」

「ああ! スライム消えちゃったじゃないの! 持って帰ってペットにしようとしたのに!」

「慌てるなアクアよ、コイツ等はな、全員倒した後たまに1匹だけ仲間になってくれる時があるのだ」

「ええ! モンスターが倒した相手の仲間になろうとするの! アンタの世界って平和ね~」

「んーまあウチは昔からそういうシステムなんすよ」

 

ヨシヒコが戦う姿を後ろから眺めながらのんびりとアクアとメレブが会話していると

 

ヨシヒコが最後の死体のアンデッドモンスターをやっつけた。

 

すると

 

『なんと くさったしたいがおきあがり なかまになりたそうに こちらをみている』

 

「はぁ~~~!? 死体!? ちょっとなにやってんのよヨシヒコ! 私が欲しかったのスライムなんですけど~! 次点でパタパタコウモリ!」

 

ムクリと起きたのはスライムでもなくコウモリでもなくまさかの死体だった。

 

涎を垂らして長いベロを出しながらこちらを見つめる死体を「うえ~」と呟きながらドン引きするアクア。

 

「チェンジチェンジ! いらないわよこんな死体なんか! アンデット系とかちょーえんがちょーなんですけど!」

「おーいーそんな事言うなよ、仲間になってくれるって言ってんのに失礼だろ?」

「そうです、彼は死体といえど私達に手を貸してくれると誓ってくれた魔物です」

「やだやだやだー! もっかいさっきのスライム呼んで来て! ゾンビを仲間にするとか絶対に無理! マジで無理! 超無理!」

 

文句を垂れるアクアに、魔物を仲間にする事には既に慣れっこであるメレブとヨシヒコが窘めるが

 

彼女は断固として死体の仲間入りを拒否して首を何度も横に振る、すると

 

「……」

「あ! 死体がこっちに背を向けてしゃがみ込んでる!」

 

突然無言でアクア達に背を向けてしゃがみ込んでしまう死体、どうやら彼女の言葉のナイフが彼のピュアなハートを傷つけてしまったらしい。

 

「あーあ、お前がやだやだ言うから落ち込んじゃったじゃん! 死体君かわいそー、謝って」

「はぁ!?」

「心を傷つける様な酷い事言ってすみませんでした、ってちゃんと謝って死体に」

「いーやーよ! なんで女神である私が忌むべきアンデットに頭下げなきゃいけないのよ! 死んでもイヤ!」

 

非難する目で死体に謝りなさいと促すメレブ。しかしアクアは絶対にイヤだとムキになって断ろうとするも、落ち込んでる死体の肩に手を置いて励ましていたヨシヒコが彼女の方へサッと顔を上げて

 

「謝りなさい!!」

「い、いきなり怒鳴らないでよー! わかったわよ! 謝ればいいんでしょ! ふん!」

 

いきなり彼に一喝されて驚いたアクアは、ビビッてしまったのか渋々了承して死体とヨシヒコの方へ歩み寄る。

 

こちらに背を向けてずっとしゃがみ込んでいる死体を見下ろしながら、心底嫌そうな表情を浮かべつつ顔を逸らしながら

 

「あー……死体さん酷い事言ってすみませんでしたー、はいコレでいいでしょ」

 

棒読みで全く心がこもってない形だけの謝罪を済ませてさっさと元の場所に戻ろうとするアクアだったが

 

彼女の言葉をちゃんと聞いていたのか、死体はいきなりスッと立ち上がって焦点の定まらない目をしながら彼女の方へ振り返ると

 

突然右足によるローキックを彼女の太ももに当てた。

 

「いった! 死体のクセに何すんのよ!」

「あーコラコラコラ暴力は止めなさい、二人共落ち着きなさい」

 

いきなり無言で蹴られてはアクアも黙っていられない、即座に自分もまた死体の太ももにローキックをかまし、そして互いに相手にローキックをかまし合う喧嘩を始めてしまう。

 

それを見かねて慌ててメレブが間に入って仲裁に出る。

 

「暴力はいけません、仲間なんだから仲良くしなさい、ローキックはダメ、後々ダメージが足に溜まるんだから」

「私は悪くないわよ! コイツが先にやったの!」

「いやどっちが先とかどっちが悪いとかじゃなくて……ん? どうした死体?」

「……」

 

仲裁の途中でふとメレブが死体の異変に気付いた。

見ると彼は突然膝を折ってその場に座り込み、スネの部分を摩っている。

 

横から見ていたヨシヒコはすぐにしゃがみ込んでその部分を観察してみた。

 

「これは酷い、女神を蹴った部分が赤く腫れています」

「あぁ、私アンデット耐性強いからそらそうなるわよ、私に触れればリッチーであろうとダメージ食らっちゃうんだから」

 

鼻を伸ばしながら己の特性を自慢するアクアに対し

 

「「……」」

 

ヨシヒコと死体は無言で非難する目を彼女に向けた。

 

「なんでアンタ達が文句あり気な態度なのよ! こればっかりは流石に私は悪くないでしょ! あーもうやだやだ! こんな変な連中とパーティ組んだのが失敗だったわ! 女神である私がこんな連中とつるんでるなんてカズマ達に知られたら一生笑いモンよ!」

 

抗議する様にこちらを見つめて来るヨシヒコと死体に頭に来たといった感じで地団駄を踏みながら

 

アクアが早く元のパーティの所に戻りたいといっそ強く願っていると……

 

「!?」

 

突如周りの茂みが震え始め、ドドドドドドと何やら複数の足音がこちらに向かってくる気配を感じた。

 

「え、な、なに!? 何よ急に!」

「おっとーこれはマズイ予感が……」

「……何やら向こうから迫って来ているみたいです」

 

慌てているアクアと少々ビビっているメレブをよそにヨシヒコが前方を指差すと

 

そこから猛々しい女性の声が

 

 

 

 

 

 

「うおぉぉぉぉー!!! おのれ魔物共め! 集団で私を担ぎ上げてどこへと連れて行くつもりだー!」

「ああ! ダクネスじゃないの!」

 

綺麗に装飾された鎧を首から下に着飾った戦士タイプの金髪の女性が

 

一つ目の青いモンスターやドクロの顔をしたモンスターと、ヨシヒコ達の世界でよく見かけた連中によって担ぎ上げられ運ばれているではないか、モンスターの中に数人の黒子も紛れているがそこは気にしないでおく。

 

「一体どんな場所に連れて行くつもりなんだ! は! 読めたぞ! 貴様等私を檻の中に閉じ込め! 身動きが取れなくなったところを集団で……! そんな事でこの私が貴様等に屈すると思うなよ!」

 

半ばモンスター達に胴上げされている様な形で運ばれているにも関わらず、女性は顔を紅潮させながら期待の眼差しで叫んでいるが、モンスター達はガン無視で黙ったまま彼女を何処へと連れて行く。

 

ヨシヒコ達をも無視して、そのまま横を通り過ぎて行ってしまう彼等の後ろ姿を眺めながら、メレブがポツリと呟く。

 

「あれれ~? あの女一瞬俺達と目があったのに気づかないフリしたぞ~?」

「ちょっと追うわよアンタ達! あのクルセイダーは私の仲間なの!」

「ほう、クルセイダーとは?」

「聖騎士よ! 前衛で戦って後ろを護りながらモンスターに突撃して行くタイプ!」

「……それ『戦士』じゃん」

「あーもーなんか私デジャブ感じるんだけどこのやり取り! いいからダクネスを助けに行くわよ!」

「すぐに助けましょう、私が連中の後を追って助けにいきます」

 

こちらの世界の事にはまだまだ疎いメレブに対して苛立ちを募らせながら、アクアが急いで行くぞと彼らに指示を飛ばすと、ヨシヒコは一目散に駆け抜けて彼女の仲間であるダクネスという少女を連れ去ったモンスター達の方へと走り出す。

 

「うぉ~~待てぇぇぇ~~~~!!!」

「うわヨシヒコ速ッ! ってアイツの後に張り付いて追走してるのって!」

 

両手両足を高く振りながら全力で追いかけるヨシヒコを眺めながら驚くアクアだが

 

彼の背後にピッタリくっ付きながら全く同じフォームで追っている者を見て更に目を丸くする。

 

「死体!」

「やべぇ超速い死体! ヨシヒコを風よけにしながら徐々に追い上げて……あ! ヨシヒコ抜いた!」

「……なんで仲間になったばかりのアンデットがあんなに積極的に私の仲間助けようとしてるのよ」

「おーぐんぐん速度上げていくぞ死体、でも誰かさんのせいでやられた足の怪我が無ければもっと速く走れるだろうになー」

「だからなんで私のせいになるのよ! あーもういい! さっさと私達も行くわよ! 死体なんかに遅れを取られてたまるモンですか!」

 

メレブにまで冷ややかな目な視線を向けられ怒った調子で返事すると

 

すぐにアクアもメレブを連れてヨシヒコ達を追いかけるのであった。

 

 

 

 

 

「おおっと! 死体が遂に先頭グループを抜いたー!」

「なんでダクネス捕まえた奴等も追い抜いてんのよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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