ヨシヒコが逃げ出してから数十分後
仏の助言を受けたヨシヒコが普通に戻って来た。
「すみません皆さん! ただいま戻りました!」
「ってうわ! ホントにヨシヒコが戻って来たわ!」
「だろー、俺の言った通りやっぱり戻って来た」
ここまで全速力で戻って来たヨシヒコに両手を上げて驚くアクア、全く心配していなかったメレブがフッと笑う。
そしてダクネスもまた彼の帰還に安堵した表情を浮かべ
「安心したぞ、お前にもまだ勇者としての使命を全うする決意が残ってくれた事に、これからも共に戦おう」
「ああ、実は仏から大変ありがたいお話を聞かせてもらい、この程度の事で挫けてはいけないと諭されたんだ」
「あの仏がありがたい話をするとはどうも信じきれんが……とにかく戻って来てくれて嬉しいぞヨシヒコ」
どうやら別れた直後に仏と出会っていたみたいで、彼の言葉を受けて素直に自分が為すべき事を思い出したらしい。
一体どんな話を聞かされたのかと気にはなりつつも、とりあえずヨシヒコが無事に戻って来てくれた事にダクネスはホッと胸を撫で下ろした。
「実はなヨシヒコ、お前が逃げして少し経った後、魔王を倒す為の切り札らしき情報を手に入れたんだ」
「魔王を倒す為の切り札?」
「ん~なんかね、突然メレブの後頭部に、茂みの中に隠れていた誰かが勢いよく石を投げつけたみたいなのよ」
剣もアイテムも失ったこの状況で切り札とは一体?
首を傾げるヨシヒコにアクアがふとメレブを指差しながら話始める。
「その石を包んでた紙には、魔王を倒す為のとっておきの伝説の剣が、この近く湖の底に眠っていると書いてあったのよ」
「伝説の剣が湖の底に!? 凄い! 確かに我々にとっては逆転できる一手になるかもしれませんね!」
「いや伝説の剣云々よりも前に、まずは思いきり石を後頭部にぶつけられた俺を慰めて欲しいんだけど?」
伝説の剣と呼ばれているモノであれば間違いなく魔王を倒せる切り札となるに違いない。
すぐにでも探しに行かなければとやる気満々のヨシヒコとは対照的に
先程思いきり後頭部に石を投げつけられてコブが出来てしまっているメレブはそこに待ったをかける。
「ていうかヨシヒコ、この情報の信憑性はかなり薄いぞ、いきなり俺に石を投げつけてきた上に書かれていた情報の内容もどうも胡散臭い」
「なんて書いてあったんですかメレブさん?」
「うむ、今から読んで聞かせよう、どれどれ~……」
後頭部を摩りながらメレブは頷くと、懐に仕舞って置いたクシャクシャの紙を取り出し
そこに書かれた匿名の人物からの情報を読み聞かせ始めた。
「え~この地を平和に導かんとする勇者達よ、もしお前達にまだ混沌の世を救う意志があるのであれば、ここより東南にありし湖を目指せ、その湖の底には王家の者のみが持つ事を許された聖剣、に匹敵するんじゃないかと思われる伝説の剣『エクスカリヴァーン』が新しき使い手を求めて長き眠りに着いているらしい、己が真の勇者だと思うのであればその剣を手に入れるがいい、さすればその勇者に魔王と戦える為の絶大な力を与えてくれるであろう、常闇の底に溺れ、進むべき道を見失っているお前達がもう一度光を手にするには、その力を用いてもう一度あのカズマという愚かな少年を今度こそ叩きのめして欲しい」
「……なんだか妙に物語っぽく書かれた内容ですね」
「なっが……書いてる途中で恥ずかしいと思わなかったのかしら?」
長い上にどうも厨二臭いその内容にヨシヒコとアクアが怪訝な表情を浮かべていると
メレブは次に2枚目の紙を取り出す、どうやら1枚には書ききれなかったらしい。
「しかし油断するな、その湖に潜む存在は聖剣だけにあらず、湖を住処とし、聖剣を狙いに来た冒険者達を今まで幾度も屠った凶悪なドラゴンがいる。その名も『クーロンズヒュドラ』」
「ドラゴン……!」
「八つの首を操る恐るべき怪物であり、高い戦闘力と共に、例え首を斬り落とされても己の体内に蓄積されている魔力を用いて瞬時に復活してしまうという恐るべき再生能力も備わっている。当然倒すのは容易では無いであろう」
ここから先にある湖に辿り着き、その底にある聖剣を手に入れれば、魔王と戦える力を再び手に入れる事が出来る、しかしそう簡単に上手い話ではなく、やはり伝説の剣ともなればそれを護る守護者も存在するみたいだ。
「お前達が本当にこの世界を、魔王の呪縛に心を操られている者を救いたいと思っているのであれば、その八つ首のドラゴンを倒して見事エクスカリヴァーンを手に入れてみるがいい、影ながら助力する気高き孤高の者より……以上です」
朗読を終えてメレブが持っていた紙を下ろすと、話を聞いていた一同は静かに頷く。
「どうやら魔王を倒す為の剣を手に入れるには、その湖を護るドラゴンを倒す必要があるみたいですね」
「メレブの言う通りどこか胡散臭い所はあるけど、今の私達にはもう疑う時間さえも残っていないわ」
「そうだな、本当かどうかはわからないが、ここは賭けてみるしか手は無いな」
この近くに湖が本当にあるかどうかさえ分からないが、もはや藁にも縋る思いで信じるしかない。
しかしメレブはまだ「う~ん」としかめっ面を浮かべながら手に持っている紙を見下ろし
「どこの誰だか知らんが……やたらと俺達の事を良く知っているのが引っかかるんだよな、仏ならともかく、どうして俺達がカズマ君に負けた事までわかっているんだコイツ、それにやたらと厨二臭い書き方でちょっとイラッと来る……」
未だこの情報を提供してくれた人物が何者なのか腑に落ちない様子のメレブに、アクアはフンと鼻を鳴らす。
「そんな事はどうだっていいでしょ、こうしてる間にもカズマの奴は魔王と手を組んで着々とこの世界の支配を目論んでいるのよ、さっさとぶん殴って正気に戻してやらないと私の気が済まないの」
「そうですね、ダンジョーさんやムラサキだけでなく、あのカズマという若者もまた魔王に操られた被害者、すぐに救ってやらねばなりません」
「あ、裏切りめぐみんの奴は別に操られてないみたいだから魔王とまとめて退治しても構わないから」
「アクア、お前な……」
彼等を倒すのではなく救う(めぐみんは除く)事をとりあえず第一の目標とし、ヨシヒコ達はその為にまずドラゴンが潜む湖を探す事にした。
「メレブさん、とりあえず湖を探してみましょう、見つからなかったら情報は嘘だったと判断し、すぐに別の策を考えればいいんです」
「……それもそうだな……ほかに手は無いんだし、大人しくこの情報を頼りにするしかないか」
「そうと決まったらすぐに出発よ!」
「いや待てアクア、こんな真夜中に森の中をうろつくのは危険だ。とりあえず夜が明けるまでここで休もう」
「え~仕方ないわね……確かにモンスターに襲われるのは嫌だし、ちょっと休憩しましょうか」
四人の話は上手くまとまると、とりあえず一晩ここで休む事を提案するダクネスに従ってヨシヒコ達は焚火を中心に円で囲んで、夜が明けるのを待つ事にしたのであった。
日が明けたらドラゴン退治に出発だ
「ところでヨシヒコよ、お前仏に会ったみたいだけど、アイツからどんな話聞いたの?」
「はい、パッドバズーカ事件の全貌を教えてくれました」
「うっそマジで!? あのエリスちゃんの奴をヨシヒコ全部仏から聞いたの!? あ、だったら俺にも教えて! 俺ずっと前から気になって仕方ないの!」
「勿論です、私が仏から聞いた内容を一語一句正確に全て話します」
「あ~懐かしいわね~あの時の事件、そういやあの時私、タケミカヅチの奴と料理取り合って喧嘩してたわね、いいわあの時のアイツとの熱き戦いを今ここで話してあげる」
「アクア、妄想も程々にな……ヨシヒコ、エリス様の話を聞いたのであれば私にも是非教えてもらいたいんだが……」
「ちょ! なんで私の事をスルーしてみんなでエリスなんかの話を聞きたがってるのよ! エリスよりも私の話を聞いて~!!」
しかし結局夜が明けるまで彼等は寝る事もなくずっと騒ぎ続けたのであった。
そして日が昇り早朝、ヨシヒコ達はすぐに行動を開始する。
聖剣が眠るといわれるドラゴンが潜む湖を探す為に彼等は歩き出した。
「でも仮に湖を見つけたとしてもそっからどうするかが問題だな、その湖にはあのクーロンズヒュドラがいるんだろ? まともな攻撃方法が無い私達では絶対に勝てないぞ」
「え、もしかしてそのドラゴンって、結構強い?」
「ヨシヒコが仲間にした冬将軍は2億、魔王軍の幹部は大体3億、そしてクーロンズヒュドラの懸賞金は……」
茂みの中を歩きながら少し間を置くと、ダクネスはそのクーロンズヒュドラというドラゴンにかけられている懸賞金をメレブに向かって答える。
「10億エリスだ」
「うっそ! 冬将軍さんの5倍じゃん! 滅茶苦茶強いでしょ絶対! ヤバくない!? ダクネスさんそれヤバくない!?」
「物凄くヤバい、仮にヨシヒコに剣があったとしても、私達だけで倒すのは到底不可能だ」
「え~~じゃあどうすりゃあいいんだよ~、ドラマタかける?」
「それは禁術だ二度と使うな、相手がドラゴンと言えど慈悲ぐらいかけてやれ」
「あ、はい」
最終奥義とも呼べる新呪文、ドラマタを使うべきかと尋ねたメレブにダクネスはバッサリと却下する。
ドラゴンの放屁などそれこそドラマタの名に相応しい大爆発を引き起こし、自分達にも被害が発生するのは目に見えている。
「しかし今の俺達のままじゃ全滅は避けられん、なんとかして勝つ方法を今の内に考えておいた方が良いのではないか?」
「私にいい考えがあるわ!」
「お前は黙ってろ、何かいい作戦はないかダクネス?」
「おいちょっとキノコヘッド!」
自信満々に自分の胸を叩くアクアを軽くスルーしてダクネスに尋ねるメレブ。
怒れるアクアを尻目にダクネスは顎に手を当てながら目を細め
「やはり私達だけではなく他の冒険者達を助っ人として呼ぶというのが一番現実的だろうな、それも最低でも五十人は欲しい、だが早急にこれだけの数を集めるというのは難しいな……」
「ねぇねぇ! 私にいい作戦があるんだけど!」
「アクア、今私達は大事な話をしているんだ、後にしてくれ」
「ちょっとー! 私との話は大事じゃないって事それー!?」
メレブに続いてダクネスからも袖に流されるアクアがプリプリと怒っていると
そこへ静かにしていたヨシヒコがスッと軽く手を挙げる。
「冒険者ではありませんが、すぐにここへ連れてこれる頼もしき仲間達がいます」
「ふむ、ヨシヒコそれは一体誰の事だ?」
「私達が今まで仲間にした魔物です」
「あ、そうか!」
メレブはポンと強く手を叩いて納得すると、ダクネスもなるほどと縦に頷く。
「確かに魔物なら馬車の中で待機させてるし、すぐに連れ出せるな」
「ああ、死体とミイラは新婚旅行で長期休暇を取っているが、他に仲間にした魔物なら総動員ですぐに呼び出す事は出来る」
「あの2体はまだ戻ってきていないのか……うーむ」
魔物を連れて行くという案には賛成するダクネスだが、頼りになる死体とミイラが欠席だという事に少々不安も覚える。
「いくら魔物を沢山仲間にしているとはいえ、クーロンズヒュドラを倒すとなるとそれなりの精鋭達でないと難しいぞ……?」
「安心しろ、彼等ならきっと私達と同じぐらい、いや私達以上に活躍してくれる筈」
数だけでなくちゃんとした強い魔物が欲しいと希望するダクネスにヨシヒコは真顔で頷くとすぐに背後に振り返る。
すると茂みの中からゴソゴソと
「「うわ!」」
ずっと待機していたのか、前にヨシヒコが仲間にしたロボと冬将軍がヌッと現れたのだ。
いきなり出て来た彼等にギョッとするメレブとダクネス
「もう連れて来てたんかい! うっわ~やっぱ冬将軍いかつい! ロボもなんか変な音が出てるけど大丈夫!?」
「この2匹は常にセットみたいな感じで一緒にいるな、仲が良いんだろうか……」
「将軍とロボの強さは私が保証します、相手がドラゴンと言えど素晴らしい戦いを見せてくれるでしょう」
やたらとヨシヒコに対しては従順な冬将軍と、さっきからビービー!と警告音みたいな音を出しながら目を赤くさせているロボ。
この2匹だけでもかなりの戦力になる筈、そして更にヨシヒコはまだ奥の手を隠していた。
「それと実は最近、もう1匹新しい魔物を仲間に出来ました、まだ新入りですが光るモノがありますので連れて行こうと思ってるんですけどいいでしょうか?」
「え、いつの間にお前新しい魔物を仲間にしたの?」
「仲間にしたというより出て来たんです、タマゴから」
「タマゴから!? あ! それってもしかして!」
タマゴから出て来たと聞いてすぐにメレブはピーンと来る。
「まさか死体とミイラの間に現れたタマゴが! 遂に産まれたって事!?」
「はい、つい最近生まれました、元気な男の子です」
「はぁ~そうでございましたか~……あ、死体とミイラにおめでとうございますって言っておいて」
死体とミイラが結婚式を挙げた直後にいつの間にか現れたモンスターのタマゴ
それをウィズから受け取ったヨシヒコは今までずっと大事に預かっていたのだ。
そのタマゴが遂に孵化したと聞いてメレブは素直に祝福の言葉を送るも
「あの死体とミイラの子供ですって~!?」
アクアは思いきり嫌そうな顔を浮かべながらヨシヒコの方へ身を乗り出した。
「アンデット同士の子供なんて絶対にアンデッドじゃないの! 何度も言ってるでしょヨシヒコ! 私はアンデットなんかと一緒に冒険とかしたくないの!!」
「女神、死体とミイラの間に産まれた子供はアンデット系ではありませんでした」
「え?」
「生まれた魔物はどうやら「さまようよろい」というぶっしつ系と呼ばれる種類の魔物らしいんです」
「なんでさ!?」
「読者の方々から教えてもらいました」
「読者って!?」
死体とミイラの間でなんでそんな名前の魔物が生まれるのだと素っ頓狂な声を上げるアクア。
「アンデット同士のタマゴからどうして「さまようよろい」なんていうモンスターが生まれるのよ! そもそもタマゴから鎧ってどういう事よ!」
「アクア、その事についてはツッコんじゃいけない、俺達の世界でモンスターが結婚した時にたまに魔王がポンと生まれる事だってあるのだ」
「やっぱおかしいわよアンタ達の世界!」
「おかしいとか言うな! そのシステムだけでどんだけ大ヒットしたと思ってんだ!」
「知らないわよ!」
変な所で叫び出すメレブをアクアが一蹴していると、ヨシヒコは後ろに振り返ってちょいちょいと手でこっちに来いと指示
「ほら、隠れてないでこっちに来て皆さんに挨拶しなさい」
「えーまさか本当に連れて行くの? その、さまようよろいとかいう素性の知れないモンスターを……」
「というか生まれたばかりのモンスターを戦いに行かせるというのはちょっと心配だな……私達で何とか守ってやらねば」
アクアは嫌そうにダクネスは心配そうに茂みの奥から出てくる魔物の登場を待っていると
すぐにその魔物はザッと茂みを掻き分けて現れた。
それは傷だらけの漆黒のフルプレートを着飾った
目元を横一線に赤く光らせた禍々しい気配を漂わせる騎士の姿をした不気味なモンスターであった。
「「「……え?」」」
想像していたのとなんか違うと三人が困惑していると
「さまようよろい」は突然刃物の如く鋭い指をワナワナと震わせながら空に向かって
「Aaaaaaaaaaaa!!!!」
「「「えぇぇぇぇぇぇ!?」」」
狂ったように奇声を上げ始める魔物に一同は慌てて後ろに退く。
しかしヨシヒコは笑みを浮かべたままその魔物に近づいて肩をポンと叩き
「新人りの、さまようよろいです」
「いやそれ明らか!! さまようよろいじゃないだろ絶対に!」
メレブがすかさず手を伸ばしてツッコミを入れた。
「とても全部平仮名の名前の魔物には思えないんだけど! ビジュアルもどこかウチの世界と違う感じがするし! そもそも描いてる人違うって絶対! 鳥山先生じゃないって!」
「なんか……私達の世界やヨシヒコ達の世界でもない別の世界から来た感じに思えるんですけど……」
「Gaaaaaaaaaaaa!!!!」
「おいヨシヒコ! さっきからそいつはなんで叫んでいるんだ! 私達に敵意を向けてるんじゃないよな!?」
「何を言ってるんですか皆さん、彼は死体とミイラの間に産まれた子供であり、我々の大切な仲間の一員です」
言葉にならない絶叫を上げ続ける黒騎士に三人が更にドン引きしている中、ヨシヒコは彼の肩に手を置いたまま新しい仲間だと真顔でアピール。
「確かにちょっとどす黒いオーラを放ってたりいきなり変なタイミングで叫んだりしますけど、強そうですし絶対に役に立ちます」
「いや確かに強そうだけどー……「ぶっちゃけ俺達いなくてもコイツ一人で魔王を倒しに行けるんじゃね?」って感じの迫力出てるけども……」
「コイツ自身が魔王であったとしても不思議じゃないな……」
「ねぇヨシヒコ……その子さっきからなんか私の事ジッと見てるんですけど……」
ヨシヒコの言う通り確かに強そうだが味方とは思えないと呟くメレブとダクネスをよそに
さっきから黒い霧の様なモノを体の周りに発生させつつも、その奥からジッとアクアを凝視していたと思えば
「Arrrthurrrrrr!!!!」
「ひぃ!」
また急に意味深な叫びを上げ始める黒騎士。
これにはアクアもすっかりビビってしまい頬を引きつらせる。
「コイツを連れて行くの絶対にダメ! だってうっかり背中見せたら裏切られそうだもん!」
「大丈夫です彼は絶対に我々を裏切りません、さあ行くぞ、将軍、ロボ、よろい」
「……」
ヨシヒコの問いかけに他2匹と同じく無言で頷くよろい、どうやら言う事は一応聞くらしい。
アクアの不安をよそにヨシヒコは冬将軍とロボ、そして新たに仲間入りしたよろいと共に
ここら近辺にあるという湖を探しに再出発する事に。
「さあ皆さん! 湖の底に沈んでいる聖剣を取りに行きましょう!!」
「Uaaaaaaaaa!!!!」
「え~なになに!? 湖と聖剣と聞いて急にテンション上がった感じでまた叫び始めたぞコイツ!」
「というかこのモンスター……さまようよろいじゃないんじゃ……明らかに中身が入ってそうな感じがするんだが……」
「入ってるとしたら間違いなく頭のおかしい奴ねきっと……はぁ~せめて言う事を聞かせる為のおまじない的なモノでもあればいいのに……」
メレブ達の心配をよそに、ヨシヒコは意気揚々と魔物を引き連れて歩き出すのであった。
いざ、聖剣を護りしドラゴンが潜む湖へ