勇者ヨシヒコと魔王カズマ   作:カイバーマン。

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其ノ参 新たな世界での洗礼、そして裏切り!
参ノ一


お昼頃、ヨシヒコ一行はアクセルから少し離れた平原にてモンスターの襲撃にあっていた。

 

『マミーはなかまをよんだ マミーDがあたらしくあらわれた』

 

「あーもうまたぁ!? またあの包帯グルグルアンデットが仲間を呼んだんですけど!」

「倒しても倒しても群がって私の身体を襲いに来る……おのれモンスターめ! そこまでして私を堕とし入れたいか!」」

 

さっきから何度も地面からニョキッと這い出て来るミイラみたいなモンスターに

 

アクアがうっとうしそうにダクネスが目を輝かせながら叫んでいる中、ヨシヒコは剣を構えながら眉を顰める。

 

「このままではキリがない、消耗戦になる前に逃げるべきでしょうか」

「ダメよ! ここで退く訳にはいかないわ!」

 

経験値を捨ててここは撤退するのもやむ無しと考えていたヨシヒコだが

 

それをアクアが即座に却下しながら彼の隣に立つ。

 

「だって凄くかわいいの見つけちゃったんですもの! あの黒いブチが付いた黄色いスライム!」

 

バッとアクアが指差した方向には黒いブチがいくつも付いた黄色いスライムが。普通のスライムよりちょっとだけ大きい。

 

「コイツ等全員倒せばたまに1体だけ仲間になってくれるんでしょ、だったらあの子仲間にしたいわ私!」

「ほう、お前も少しずつ俺達の世界のシステムが理解できたようだな。バカのクセに」

 

あのブチの付いたスライムを仲間にしたいとワガママを言うアクアに対し

 

キノコ型の髪を手でなびかせながらメレブがサッと前に出た。

 

「だ~が~? ここであのブチ色君を仲間にする確率は恐ろし~く低い、何故なら? さっきからずっと仲間を呼ぶ魔物がいるせいで、何体もの敵がこの戦闘の中で倒れている、すなわち、ここで魔物を全滅させたとしても~? 1体しかいないあのブチ色君を引き当てるのは非常に……ベリーハード!」

「大丈夫よ問題無し! 確率なんてこの水の女神たる私の運で思いのままに操っちゃうんだから!」

「ん~運に水は関係ないと思うのですが~?」

 

メレブの的確な推理にアクアは関係ないと言い切って、黙々と魔物を倒していくヨシヒコに声を掛ける。

 

「とりあえずミイラの方から先にやっちゃいなさいヨシヒコ!」

「はい!」

 

『ヨシヒコのこうげき ミイラおとこをやっつけた』

 

「あ、アレは仲間を呼ぶタイプのミイラとは似てはいるけど別個体だな……ドサクサに出て来てたのか」

「は? どっからどう見ても同じじゃないの、どこが違うわけ?」

「それはその……あ~名前とか若干色が違ってたり? 別に手抜きとか無いんじゃないんだよ? それだけはわかって、ホントに」

 

少し色が薄かったり濃かったりで別個体扱いされるという判別の仕方にアクアが疑問を持つも、メレブは苦笑しながらわかってくれと手を前に突き出す。

 

「まあいいわ、それよりダクネスは……とにかく頑張って攻撃を当てて!」

「フ、言われるまでもない!」

 

アクアに指示されながらダクネスは華麗に大剣を振るうも

 

『ダクネスのこうげき ぶちスライムはボーっとしている』

 

 

「く……!」

「「コイツの攻撃は無視してもさしたる問題はねぇわ」って感じでボーっとしてるなあのスライム」

 

さっきからまともに攻撃を当てれないダクネスのポンコツ性能に魔物達も気付いたのか

 

遂には避ける動作さえしなくなってしまった事にボソリと呟くメレブ。

 

「とりあえずその高い防御力でヨシヒコを庇って、モンスターの攻撃を引き受けてくれる役に徹してくれ」

「ハァハァ……! 大好物だ! 引き受けた!」

「ハハハ、少しはその性癖を隠したらどうなんだい?」

 

荒い息を吐きながら恍惚とした表情で自分の方からモンスターに接近していくダクネスを眺めながら

 

メレブは「やっぱアイツヤベェわ……」と小さく呟くのであった。

 

 

 

 

 

そして程無くして

 

『ヨシヒコは モンスターをやっつけた』

 

「よし、無事に魔物達を倒せましたね」

「安心するのはまだ早いわ、こっから本番よ」

 

なんとか敵の全滅を成し遂げるヨシヒコ達であったが、アクアはまだ油断するなと警戒しながらじっと見据える。

 

「ブチ色スライム来い、ブチ色スライム来い……! ブチ色スライム来なさい!」

 

すると

 

 

『なんと ミイラおとこがおきあがり なかまになりたそうに こちらをみている』

 

「はぁぁぁぁぁぁ!? またアンデットォ!?」

「ぶは! しかも仲間を呼びまくってた方のミイラじゃなくて、その中に1体だけまぎれてた別ミイラを引き当てた、アクアさんマジ運パネェっす」

「もういやー! 死体に続いて次はミイラとかなんの嫌がらせよコレって!」

 

メレブにゲラゲラと笑われながらアクアは両手で頭を抑えながら何度も首を横に振った。

 

「女神たる私にまたアンデットの仲間とか絶対に無理! あ~ヨシヒコ? そいつ斬っちゃいなさい、ブチ色のあの子にチェンジ、今すぐチェンジ!」

「いえ無理です」

 

立てた親指を下に向けながら斬り捨てろと命令するアクアだったが

 

既にヨシヒコはミイラを仲間にすると選択して固い握手を交えていた。

 

「ミイラよ、我々と共に魔王を倒そう」

「ダメよ絶対にダメ! 死体とミイラと一緒に魔王討伐に行かなきゃならないとか! 天界の神々に笑われちゃうわよ私! 捨ててらっしゃいヨシヒコ、段ボールに入れて遠くの町にコソッと置いとけばバレないから」

「女神、このミイラはもう既に改心し私達と共に戦うと誓ってくれたんです。そんな言い方はあまりにも……」

 

さり気なく無関係な町に魔物を野放しにするという女神としてはどうかと思う命令をするアクアに

 

流石にヨシヒコも異議を唱えようとすると、後ろから優しくポンと肩に手を置かれる感触が

 

「ミイラ、お前……」

「……」

 

自分の肩に手を置いたミイラにヨシヒコがハッと振り返ると、ミイラは無言のまま静かに首を左右に振った。

 

それを見てヨシヒコは更にハッとさせる。

 

「その「私がどう言われようと気にしないで下さい」と訴えてそうな目……! お前はこれだけ卑下されても女神を許すと言うのか……!」

「……」

 

自分の心の声を代弁してくれたヨシヒコにミイラはコクリと縦に頷く。

 

「なんという出来たミイラだ……!」

「理不尽な罵声を浴びせて来たアクアを許してやるとは……魔物にしておくには勿体ない紳士だな」

「おお素晴らしい、大人だねぇミイラ君」

 

アクア以外のメンバーがミイラの周りに集まり、照れ臭そうに後頭部に手を置く彼の背中を叩きながらふとメレブが一人ポツンと蚊帳の外になっているアクアの方へ振り向き

 

「それに引きかえお前……ホントお前……」

「な、な、何よぉ! なんで私悪者扱いされてんのよ! なんで女神の私を悪者にしてモンスターの味方すんのよアンタ達ィ~!」

 

目を細めて軽蔑の眼差しを向けて来るメレブにいたたまれない気持ちになったアクア

 

涙目になって自分は悪くないと主張する彼女だが、ヨシヒコはミイラに優しく言葉を掛ける。

 

「助けて欲しい時はすぐに呼ぶ、それまでは馬車の中で待ってていてくれ」

「……」

 

彼の言葉に素直に頷き、グッと親指を立てた後こちらに手を振りながら何処へ駆けて行くミイラ。

 

そんな姿を微笑ましく見送りながらヨシヒコは

 

「なんて爽やかなミイラなんだ……」

「うむ、死体に続きまた頼もしい魔物の仲間が出来たな」

「アクア、次会う時はちゃんと彼に謝っておくんだぞ、私も一緒に頭を下げるから」

「もうやだぁ! なんでみんなアンデットなんかの肩を持つのよぉ!」

 

ヨシヒコとメレブがミイラを見送ってる中、ダクネスが怪訝な表情でミイラに謝るようにと忠告。

 

アクアは一人、仲間外れにされた事に悲しみに打ちしがれていると……

 

 

突然パァー!と空から光が降り注がれる。

 

「あ、このムカつく気配間違いないわ」

「仏か、ヨシヒコこれ被りなさい」

「はい」

 

こちらに向かって光が差された時にすぐに仏の気配を感じ取ってアクアが見上げる。

 

ヨシヒコもまたメレブから〇イダーマンヘルメットを受け取ってそれを被って空を見つめる

 

すると

 

 

 

 

雲の隙間から恐る恐るそーっと出てくる巨大な仏の姿が

 

「……」

「……何やってんのアンタ?」

「……あ、みんないる?」

「いるわよ、ちゃんと4人揃ってるんだけどこっち」

 

顔を半分出しながらこちらを覗いて来た仏にアクアが顔をしかめていると

 

ヨシヒコ一行がそこにいた事に安堵したかのようにやっと上半身を曝け出した。

 

「良かったー! こっちで合ってたー!」

「いや合ってたって何?」

「うんまあその……ちょっとね、ハハハ」

 

何かあったのか、耳たぶを触りながらぎこちない笑みをこちらに浮かべる仏

 

「実はさっきね……間違えちゃって別の世界に降臨しちゃったんだ~私」

「えぇ! アンタ何やってんのよ!」

「いつかはそういうのやると思ったがもうやらかしたのかコイツ……」

「いやだってだってだって、私だって自分の世界でならそりゃ簡単にパァーって出れるぜ? でもこういう異世界だと色々と手順が複雑で、ついうっかりすると別の世界にパァーしちゃうのよ、こういうの私以外にもみんなやってるから普通に、誰もが失敗するパァーあるあるだから」

「なんだよパァーあるあるって……」

 

どうやらここに来る前に世界を間違えたらしく、別の異世界にうっかり降臨してしまった仏。

 

そんな彼にアクアとメレブが呆れていると仏は全く反省してない様子で「いやー」と後頭部を掻きながら

 

「しかもなんかねー、すんげぇ私の知り合いがいた世界だった。色んな所の神様が地上の大きな街中で徒党を率いて暮らしてる、的な場所? そこにいつもの様に顔をビシッと決めて出てみたら、「おい! アイツ仏じゃん! なにアイツ顔決めて降臨なんてしちゃってる訳!? 超ウケるんですけど!?」って感じのリアクションでみんなに指差されて、もうね、超恥ずかしかった!」

「えぇ~……アンタもしかしてその世界って」

「ホントあまりにも恥ずかし過ぎて! ここで慌てて消えたら次の忘年会でネタにされると思ったから! なんか街中をウロウロしている白髪赤目の小柄な男の子がパッと目に映ったから、その子に向かって「それでは勇者よ! この世界にいる魔王を倒すのだ!」って言い残した後にスッと消えてきた」

「おう!? お前それ! なに関係ない子供巻き込んでんじゃん! 勝手に勇者に仕立て上げて勝手に魔王倒せって無茶振りし過ぎだろ!」

 

一体何処の世界なのかとアクアが勘付いてる中、仏の相変わらずの適当っぷりにメレブが指を突き出しながら彼を責め立てる。

 

「そもそもその世界に魔王いんの?」

「ん~……いるんじゃない? 基本的にどこの世界でもいるよ、魔王って名乗る奴なんて」

「なにその曖昧な感じ、いなかったらその子超可哀想なんだけど……」

「大丈夫大丈夫、魔王なんてホントどこにでもいるから、この前間違えた時に降臨しちゃった時にはさ、魔王が普通にファーストフード店で働いてる世界とかあったぜ?」

「嘘つけそんな世界ある訳ねぇだろ!」

 

仏の曖昧かつ嘘くさい話にメレブが一喝していると、ヨシヒコが心配そうに

 

「しかしその世界に本当に魔王がいたらその少年の身が危ないですね、よければ私がそっちの世界に出向いても……」

「待てヨシヒコ、お前は行くな、絶対行くな、お前はこっちの世界で成すべき事をやれ、お前が行ったら100パー面倒な事になる」

「その通りだヨシヒコよ、真の勇者であるお前にはその世界で竜王を倒す使命があるのだ。あっちの世界の事は……あっちに任せよう、そうしよう、うん」

「アイツ自分でやらかしておいて逃げる気満々だな……」

「カズマもビックリするぐらいのクズね、流石神々の中でゴッドオブクズとか呼ばれてるだけあるわ」

「え、私そんな風にみんなに呼ばれてたの? ちょっと心外だなー、私は何時だって心は綺麗なままで保っていると自信あるのになー、おかしいなー、神話的にはゼウス君の方が絶対クズなんだけどなー」

 

アクアに自分でも知らなかった二つ名で呼ばれていた事に軽くショックを受けながら

 

仏はハハハと苦笑しつつ改まった様子で

 

「じゃあ気を取り直してお告げいきまーす」

「あーはいはいお告げね、じゃあさっさとやりなさい」

「アイツが最初の下りでいつも無駄話するからさ、尺足らなくなるんだよなホント」

 

ブツブツと文句を言いながらアクアとメレブが話を聞く態勢に入ると

 

仏はヨシヒコに向かってゆっくりと口を開いた。

 

「ヨシヒコよ、そこから北をまっすぐ行った先に微かに我等の世界と同じ気を強く感じる。もしかしたらそこにお前の仲間、ムラサキ、もしくはダンジョーがいるのやもしれん」

「本当ですか!?」

「おお、今回はまともな情報くれるじゃん」

「だが気を付けろヨシヒコ、その道を進む中でお前達を阻む魔物の気配も感じる、しかもそれは我々の世界の魔物ではなく、この世界の魔物だ」

「この世界の魔物……?」

 

まともなお告げをする仏にメレブが驚いていると、ヨシヒコは顎に手を当てふと気付く。

 

「そう言えばこの世界に来たというのに、私達は私達の世界の魔物としか戦ってませんね」

「あ、言われてみればそうだな、この辺うろついても俺達の世界の魔物ばかりだし」

「恐らくだが、ヨシヒコ達の世界のモンスターがはびこったせいで私達の世界のモンスターにも何かしらの影響があったのかもしれんな」

 

この世界の魔物という存在を一度も見た事が無いと思い出したヨシヒコとメレブに、ダクネスがあくまで仮説を唱えていると、仏の話はさらに続いた。

 

「その魔物は巨大かつ素早いを動きをする魔物で、自分より小さな生き物であれば容赦なく大きな口で飲み込んでしまう恐ろしい魔物なのだ。その名はジャ、ジャ……ジャ~……」

「……アイツまたド忘れしやがった」

「待って待って今思い出すから、ジャイ……ジャイア……」

 

肝心な魔物の名前が出てこずにずっと頭を捻って思い出そうとすると

 

仏は「あ!」と叫びながらポンと手を叩き

 

「ジャイアンだ! おいヨシヒコ! ジャイアン倒して来い! ジャイアンならきっと空き地にいると思うから!」

「はい!」

「待て待て待て! 絶対違う、絶対ジャイアンじゃない、その名前じゃないという事だけは俺でもわかるぞ仏よ。なんで俺達4人がかりで小学生のガキ大将を倒しに行くんだよ」

 

絶対に覚え間違えているとメレブが断言すると、隣に居たアクアも先程の仏同様ポンと手を叩き

 

「あ、私わかった、ジャイアントトードの事よきっと。あのデカいカエルがこの先待ち構えているんだわ」

「そうそうジャイアンとトト子! それだそれ! ハハハハ! やっと出て来たわ!」

「いやコイツが言ったのはジャイアントトード! なんだよジャイアンとトト子って……不二雄と不二夫のコラボ?」

 

アクアが言った名前に即座にそれだと指を突き付けるも、未だ仏が間違った覚え方をしている事をメレブが呆れた様子で指摘するも仏は軽くスル―

 

「かつての仲間と再会する為にヨシヒコよ、行く手を阻むそのジャイアント……トード?って奴を倒すのだ!」

「わかりました、この世界の魔物に私の力が通じるのか良い機会です、全力でジャイアンをやっつけます」

「あーもうヨシヒコまだ名前間違えて~る……」

 

もはやヨシヒコの頭の中ではジャイアンになってしまっている事にメレブが静かに悟っていると、仏の姿は雲の隙間から消えて行き

 

「それではさらだばヨシヒコー!」

 

最後に叫びながらフッと消えて行った。

 

それを確認するとヨシヒコはライダーマ〇ヘルメットをメレブに返し、次なる目的を達成する為に決意を固める。

 

「どうやら初めてこの世界の魔物と戦う事になりそうですね」

「まあでも相手はバカでかいカエルだってコイツも言ってたし、カエルぐらいなら俺達でなんとかなるだろ」

 

アクアが言っていた事を思い出しながらメレブがきっと大丈夫だろうと不安げなヨシヒコに言っていると

 

それに対してアクアが「はん」と鼻で笑い飛ばす。

 

「甘く見ない方が良いわよ、アイツ等はね、デカい上に数も多いの。しかも飲み込まれたら口の中でベタベタのトロトロのヌメヌメの生暖かい変な液体塗れになるのよ?」

「それは恐ろしい……ベタベタのトロトロのヌメヌメにされるとは、もしやトゥルトゥルにも……」

「いいえそれだけじゃないわ、ヌルンヌルンになる可能性も高いわね」

「ヌルンヌルン!? バカな! それ程恐ろしい敵が今回の相手だとは……」

「……君達の表現がバカっぽくってどれ程の恐ろしさか一切伝わらないんだけど?」

 

そういえばこの二人って知能最低レベルだったという事にふとメレブが気付いていると

 

そんな彼等をよそにダクネスは一人不敵な笑みを浮かべている。

 

「フフフ、ジャイアントトードか……遂に、遂に奴等と戦う機会が私に巡って来たという訳か!」

「どうしたのかなダクネス、まさかお前、ジャイアントトードに何かしらの恨みでもあるのかい?」

「いやそういうのはない、だが前にカズマ達が奴等と戦った時散々な目に遭わされたと聞いていたので、是非とも私もその散々な目とやらに遭ってみたいと思っていたんだ!」

「遭いたいんだ散々な目に、へぇ~……」

 

まあ薄々勘付いてましたといった感じで、興奮した面持ちで拳を掲げるダクネスを遠い目でしばし見つめた後

 

メレブは出発の為に三人に声を掛ける

 

「それじゃあ蛙討伐の為に、まずは北へ行ってみようか」

「女神! ヌルンヌルンの可能性があるならチュルチュルになり得る事もあり得るんじゃないですか!?」

「そこはなんとか耐えるのよ! チュルチュルの感触なんて考えただけでも最悪よ! 必死に耐えてヌルンヌルンでセーブすればギリギリOKよ!」

「待っていろジャイアントトード! 女騎士を粘液塗れに出来るモンならやってみろ! フハハハハハハ!!」

「……」

 

自分の言葉も届かず、すっかり盛り上がってしまっている三人を優しく見守るように見つめながら

 

メレブはコクリと縦に頷いた

 

 

 

 

 

 

「ダメだこりゃ」

 

 

 

 

 

 

 


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