ー僕には友達がいた。
一緒に楽器をしてきたハーモニカを吹く亜美だ。
気は強いし、口調も少しきついけど、根は優しくて僕のことをよく守ってくれた。いじめられていた僕を守ってくれたし、だからこそピアノをやめなかった。
でも長続きはしなかった。
彼女は死んだ。
病気だったそうだ。入院することになったと聞き、お見舞いにも何回も行ったが、死ぬかもなんて言わなかった。だから安心して、いじめにも耐えていた。
彼女が死んだ時、僕の中で何かが崩れた。
学校にも行けなくなったし、ピアノなんて弾けなかった。
日に日に僕は腐っていった………
チューナー「…………」
ホニャ「…………ニャ」
菜々美「…………」
紗彩「…………」
智美「……………」
みんな黙ってしまった。
なんて無慈悲な話だ。今まで器楽部のみんなの傷を見てきたけどこれはトップクラスで酷い傷だ。
ホニャ「水………お前も辛かったんだニャ」
水「…………あぁ。でもいじめから逃げるためにも転校させてもらったんだ。別の場所に行けば、また弾けるかもと思って」
紗彩「なるほどね」
水「でもみんなの前では弾けなかった。情けない………」
その表情は苦しそうだった。
ホニャ「大丈夫ニャ。お前の救いは我が英雄とその仲間達が取り戻す」
どうやら、傷を知られたことでノイズの親玉、ディスコードもおいでなさったようだ。
水「何?」
ホニャ「お前の中に住む、ディスコード、死神。それがディスコードの名前ニャ」
智美「ぶ、物騒な名前だな!!」
そう言う智美の顔は少し赤い。多分、記憶に出てきた亜美のことだろう。たしかに似てた。性格も話し方も気が強いのもそっくりだった。まぁ、服装はかなりしっかりしてたし、髪型は違ったが。
紗彩「さ、やるわよ!!」
菜々美「こんなやつ敵じゃないですよ!!」
智美はエレキベースに模したハルバートを、菜々美はフルートを模したロングソードを、紗彩はヴァイオリンを模した弓を、それぞれ構えた。
ホニャ「我が英雄!!行くニャ!!」
チューナー「水くん、大丈夫。救うから」
水「………頼む」
こうして、ディスコードは一蹴された。
そして彼の救いもわかった。
亜美が死んでから一週間後に亜美の親から貰った、遺書と彼女が使っていたハーモニカ。それが心の支えになっていたらしい。
そして、それから1日がたち、僕らは器楽部の部室で彼を待っていた。
菜々美「水くん、来ますかね………」
ホニャ「きっと来るニャ!!水は何よりも………」
水「音楽が好きだ」
ホニャ「ニャニャア!!」
気づくと、水が部室に入ってきていた。
ホニャ「脅かすニャ!!」
水「わりぃ。いや、ありがとうな、みんな」
チューナー「当然のことをしたまでだよ」
すると水は少し照れながらみんなをみた。
水「ほ……ほんとにありがとうな。でも、一つだけお願いする」
菜々美「なんでも聞きますよ!!」
その言葉にホッとした顔になった。
水「頼むからあの記憶のことは言うな」
智美「ははは………それはこっちのセリフだ………」
紗彩「その程度は分かってるわよ」
水「そ、そうか!!ありがとう!!」
水はそう言いつつポケットからハーモニカを取り出した。
菜々美「あ!!それって!!」
水「聞くか?」
菜々美「はいっ!!」
水はゆっくりハーモニカを吹いた。綺麗で美しかった。でもやっぱり幼さがあるし、女の子みたいだ。
そして演奏が終わった。
水「ど………どうだった?」
紗彩「才能ね」
菜々美「えぇ!!凄いです!!」
水「そりゃどうも」
水は少し嬉しそうだ。
チューナー「水くん、次は………」
水「水でいい」
呼び捨てでいいと言われたので呼び捨てさせてもらおう。
チューナー「じゃあ、水。ピアノも弾いてみてくれない?」
水「お安い御用」
ピアノを弾く、彼の姿はとても可愛らしく、何よりも楽しそうだった。
次回からのほほんとさせていこうじゃないですか!!
誰から出そうかなぁ~~~?