機動戦士ガンダム00@―lost・of・AGE―   作:アニュー・リターン

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九話

ソレスタルビーイングの母艦プトレマイオスは、武力介入を始めてから四ヶ月が経ち、 不具合の出始めたガンダム全機のオーバーホールを行うために静止衛星軌道上を航行していた。

 

 

『エクシア、着艦完了。引き続きコアファイターの着艦作業に入ります』

 

『……背部コンテナ、オープン。相対誘導システム作動』

 

「誘導システム同調。コアファイター」

 

「しじょっ」【着艦】

 

プトレマイオスは4機のガンダムしか運ぶ予定が無かったので、コアファイターとウェアは後付けのコンテナに着艦する必要がある。

 

『コアファイター、着艦しました』

 

「……乙」

 

 

「よぉ、いい着艦だったぞレイ」

 

「イアンさん。お疲れさまです。」

 

「バカ言え、今から仕事だ。」

 

 

と、適当にやり取りする。

 

「それでだ、余り動いていないコアファイターとGアンバットはとりあえず一通りチェックしてから部品を取り替えるが……勝手に乗り回すんじゃないぞ!」

 

「整備よろしくお願いします。」

 

コアファイターの装甲を蹴って、自分の部屋を目指す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガンダム全機のオーバーホールとなればそれ相応の時間が掛かるので1日や2日では終わらない。……正直手伝いたい気分だが……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さぁ!!お待ちかねのラーメンだ。」

 

「しじょっ!!」【らぁめん】

 

たかにゃに宇宙食のラーメンを食べさせていた時…

 

 

 

 

 

 

 

 

『――――緊急連絡です、Eセンサーに敵通信装置! こちらの場所が探知されています!』

 

『各マイスターはガンダムで待機して!』

 

焦ったようなクリスさんの声が艦内放送で流れ、少し遅れてスメラギさんの声が聞こえる。 私は慌ててシュミレーションを終了させると、通信回線を開く。

 

『イアンさん、コアファイターの整備状況は!?』

 

『―――問題ない!デュナメスが脚部のジェネレーターを使えんが、コアファイターとGアンバットとエクシアの整備は終わったところだ!』

 

『キュリオス、ヴァーチェを先行発進!!敵部隊を陽動する動きをとりつつ、敵の背後に回りこんで!!』

 

『トレミー、カタパルトモードに移行します!』

 

にわかに慌しくなる通信の中、必死に頭の中で状況を整理していた。

 

(双方向通信機をばら撒いて粒子による通信遮断領域を特定した……?)

 

 

 

恐らくこの物量は人革連。でも、これは恐らく相当な戦力が投入される……。

 

『ダメです! 敵通信エリアから抜け出せません』

 

『オービタルリングの発電衛星へ向かって。あそこは電磁波の影響で通信空白地帯になる。状況を5分に持ち込めるはずよ』

 

『了解っす!』

 

『キュリオス、発進しました。ヴァーチェをカタパルトデッキへ移行させます!』

 

『ガンダム2機で、陽動作戦か?』

 

『それもあるけど―――』

 

と、そこでフェルトの声も聞こえます。

 

『……遅れました!』

 

『フェルト、発進シークエンスお願い!』

 

『……了解!』

 

『ヴァーチェ、ティエリア・アーデ。いきます』

 

……僕はまだか? ヘルメットを被りなおしつつ、コアファイターの状態に異常が無いことをチェックしながらとても長く感じる数分間を待つ。

 

『トレミー、オービタルリングの電磁波干渉領域に入りました!』

 

『……光学カメラが敵部隊を補足』

 

『来たか』

 

呟く刹那に、操縦桿を握り締める。……今回は武装を持たないトレミーが攻撃を受けることになる。

 

 

 

「しじょっ!!」【おかわり】

 

「空気読めよ!?」

 

たかにゃの頭を軽く殴るとイアンに通信をとった。

 

 

 

「……イアンさん、シグマシスライフルの射出用意もお願いします…っ」

 

『―――っ!? ……わかった!』

 

『 デュナメスが万全じゃない今、 あなたたちが守りの要よ……お願い!』

 

『敵艦、最大望遠でモニターに出ます!』

 

『……接近する艦影は人類革新連盟軍、多目的輸送艦、EDI-402ラオホゥ、5隻と断定』

 

『2隻がそれぞれ左右に展開してます。恐らく、 キュリオスとヴァーチェの攻撃に向かったかと』

 

……モビルスーツの艦隊戦は接近して包囲するのがセオリーなのに、陽動に乗った!?

 

「……スメラギさん…これは罠かもしれません。」

 

『え!?まさか………アレルヤたちへの通信は…!?』

 

『電磁波干渉領域です、無理ですよ…!』

 

『リヒティ、軌道を急速変更! オービタルリングを盾にして、敵艦との距離を取って!』

 

『りょ、了解!』

 

僕は通信を聞き流しつつ、サテライトに追加武装を装備させます。

 

「フルアーマー……ミサイルパック、GNシグマシスライフル、GNドッズレールキャノン二丁の接続良好。」

 

『分かった!』

 

既に合体させたAGE-3サテライト、腰や肩にはGNミサイルを、左腕でシグマシスライフルを装備し、更に右腕と背中にGNドッズレールキャノン。明らかに装備過多であるが、GN粒子の重 量軽減効果もあって問題はない。ま、どっちみちノロマだし―――。

 

『全乗組員に、戦術予報士の状況予測を伝えるわ。接近する艦船は輸送艦、ラオホゥ3隻。恐ら く、そこに敵戦力の全てが集中しているはずよ』

 

『…!?』

 

『敵艦2隻が、キュリオスとヴァーチェの迎撃に向かったはずだ』

 

ラッセの声に、スメラギさんの声が答える。

 

『……本来はそうしてほしくなかったのよ。最初のプランではこっちの陽動を見抜いた敵艦隊がアレ ルヤたちを無視して本艦へ向かう。そうなれば後方に回り込んで挟み撃ちできたんだけど……。敵は、こっちの陽動に陽動で応えたのよ。恐らく、 攻撃に向かった敵輸送艦に搭載されたモビルスーツは既に発進済み。アレルヤとティエリアは迎撃に時間を取られているはず……』

 

僕の発言で気づいたようだが…そう、こちらの作戦は完全に読まれていた。 ガンダム2機は足止めされ、こちらは集中攻撃を受ける。

 

『敵の陽動を受けたアレルヤたちが戻って来るのは、私の予測だと6分。その間、敵モビルスーツ部隊の波状攻撃を受ける事になる……』

 

『ミス・スメラギがそう予測する根拠は?』

 

ロックオンの声に、スメラギさんは苦々しげに言います。

 

『18年前、第4次太陽光紛争時に、これと同じ作戦が使われたわ。……人革連の作戦指揮官は、 『ロシアの荒熊』の異名を取る、セルゲイ・スミルノフ…!!』

 

 

 

 

 

 

……………

 

 

 

 

『……エクシア、デュナメス、コンテナハッチオープン。エクシアはプトレマイオス前面で迎撃 体勢で待機しつつ、砲撃するサテライトの援護をお願いします』

 

『了解した』

 

プトレマイオスの前面、既につけられるだけ武装を付けたAGE-3サテライトの隣に並ぶようにエクシアが浮かび、背後のコンテナでは脚の代わりに鉄骨をつけたデュナメスが狙撃体勢をとる。

 

『……デュナメス、脚部をコンテナに固定。GNライフルによる迎撃射撃状態で待機』

 

『トレミーのプライオリティを防御にシフト。通常電源をカットする』

 

『ほ、ほんとに戦うの…!? この船、武装無いのに…っ!?』

 

『ガンダムが、いますよ!』

 

『3機だけじゃない…っ!』

 

……そういえば、クリスさんは実戦は初めて……。 最悪の事態を想像して、それから小さく呟いた。

 

「……やらせはしない……絶対に」

 

『その意気だ。俺たちに任せとけって』

 

『目標を駆逐する』

 

『―――さぁ、そろそろ敵さんのお出ましよ! 360秒、耐えてみせて!』

 

まるでその言葉に応えるように、リングの陰から2隻の敵艦がこちらに向かってくる。

 

『リングの陰から、敵輸送艦出現!』

 

『デュナメス、サテライト、高狙撃戦開始!』

 

「『了解!』」

 

僕はシグマシスライフルを構えさせ、照準合わせ、そして射出!!

 

 

 

「――――食らえ!!」

 

『行けよ! ……っ、機体重量の変化で照準がズレていやがる…!?」

 

シグマシスライフルとスナイパーライフルが火を噴き、サテライトの狙ったラオホゥが爆散。それと同時にラオホゥの陰に隠れていた20機以上のモビルスーツが散開する。 しかし、デュナメスの狙撃が外れてしまう。ぐんぐんと加速するラォホウに照準を直しながら、 叫ぶ。

 

「スメラギさん、ラォホウは無人です…っ!」

 

『まさか、無人艦による特攻!?』

 

『……ミサイル接近! 数24!』

 

……数が多いっ!? しかも、特攻…!? 即座にシグマシスライフルを背中マウントし、背中からドッズレールキャノンを抜き放って散開したモビルスーツに片方、ミサイルにもう片方を向けた。

 

『―――狙い撃つぜ!』

 

「全弾発射(フルバースト)…っ!」

 

速射モードのシグマシスライフルが連続して火を噴き、ミサイルを纏めて吹き飛ばす。取りこぼしをロックオンが狙い撃ち、刹那も何発か撃墜しながらサテライトを狙う挙動を見せる敵機を牽制してくれる。

 

『ミサイル、全弾迎撃を確認!』

 

「―――まだだ!」

 

『やらせねぇ!』

 

続けて、特攻してくる無人艦にデュナメスとサテライトの放ったGNミサイルが命中。内部に粒子を注ぎ込まれた敵艦は瞬く間に膨張、爆発した。

 

『もう片方の輸送艦の後ろにも敵モビルスーツ部隊を確認した!!』

 

『敵総数、48機…!』

 

ロックオンと刹那が呟き、操縦桿を強く握り締める。 再びライフルを腰に戻したサテライトはシグマシスライフルに持ち替え、狙う。

 

「――――当たれ…っ!」

 

粒子残量を気にする必要はない。それにもう不殺だのなんだのやってる余裕はない!!立て続けに放つ砲撃に、ティエレンが三機纏めて在庫一掃された。

 

 

『くっ、死角に入られた! ブリッジ、コンテナを回転させてくれ!』

 

刹那が急速接近してティエレンを1機GNソードで切り裂き、残り44機。しかしティエレンた ちはエクシアが接近しようとするのを察知すると 三々五々散ってしまい―――。

 

「もぐら叩きだぜこりゃあ!!」

 

正確に照準されたシグマシスライフルがティエレン2機を蒸発させ更に2体減る。すると、敵機はサテライトにも砲撃をある程度集中させつつ更に距離を取る。

 

(おかしい……一気に包囲殲滅してこない…)

 

嫌な予感がどんどん膨れ上がるのを感じながら、一切粒子残量を気にしないサテライトの猛攻と、それに合わせたロックオンの狙撃が更に2機のティエレンを無力化及び破壊するものの、敵モビルスーツ部隊は時間稼ぎをしている…?

 

「―――っ!? スメラギさん…っ!これはまさか…」

 

『……真の目的はガンダムの鹵獲…っ!?』

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