機動戦士ガンダム00@―lost・of・AGE―   作:アニュー・リターン

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十一話

 

 

 

 

 

 

 

 

「……三国、合同軍事演習」

 

ユニオン、AEU、人革連による合同軍事演習が行われるという情報があった。ガンダムを鹵獲 する為に世界が協力姿勢を取る……。それは、計画の第一段階の終了に近づいているということ だ。恐らく三国はガンダムを捕まえるために本気を出す。そして、敵に鹵獲されればどんな目に遭うのかは想像したくはない。

 

「たかにゃ…マジで大丈夫だろうか…」

 

「しじょ…」【心配】

 

 

 

 

 

 

*******

 

 

 

人革連では、対ガンダムを選任する『頂武』が 人革領の砂漠地帯にある駐屯基地への移動が命じ られた。他にも、人員の異動や再編など、兆候はいくつもあった。頂武に所属する強化人間……超兵1号であり、紅梅色の新型ティエレン『ティエレン・タオツー』のパイロットでもあるソーマ・ピーリスは、それがガンダム絡みであると察し、隊長であるセルゲイ・スミルノフ中佐に訊いた。

 

「出撃ですか、中佐?」

 

「恐らくな。……まだ私にも作戦の内容は伝えられていないが、我々だけではなく他のモビルスーツ部隊にも指示があったようだ」

 

「今度こそ任務を忠実に遂行します」

 

「気負うなよ……」

 

「了解(必ず、借りは返す……。ガンダムを、倒してみせる……)」

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

 

同じく、AEUでも同様に大規模作戦の予兆があった。 そして、転属命令を手にした一人の男がアフリカ北部のAEU空軍基地に降り立った。パトリック・コーラサワー。AEUの模擬戦で2000回 のスペシャル様(自称)。

 

過去、最初のエクシアの介入であっけなく切り倒され、モラリアでの合同軍事演習ではヴァー チェの粒子ビームで早々に戦線離脱。しかしパトリックの自信は全く揺らがない。 油断と敵の不意打ちということで自己完結していた。

 

だから、大幅に遅刻しても全く問題ないと考えていた。 むしろ、AEUのエースパイロットなのだから拍手でもして歓迎して当然だろうと。

 

「AEUのエース、パトリック・コーラサワー、 ただいま到着いたしました!」

 

しかし、その身に浴びせられたのは割れんばかりの拍手ではなく、強烈な鉄拳の一撃だった。派 手な音と「ぐはぁっ!?」という声とともにパトリックは床に倒れる。

 

「遅刻だぞ、少尉」

 

ハスキーな女性の声。そこにはパトリックを殴ったのだろう女性士官が立っていた。

 

「な、なんだ女ぁ……よくも男の顔を!」

 

その瞬間、強烈な二撃目がパトリックの右頬にめり込んだ。再び呻き、床に転がる。

 

「に、二度もぶった…!」

 

痛む頬を押さえて女性を仰ぎ見ると、女性仕官がパトリックを睥睨しつつ言う。

 

「カティ・マネキン大佐、モビルスーツ隊の作戦指揮官だ」

 

そこで、パトリックは気づいた。

 

(……よく見ると、いい女じゃないか)

 

「なにか、少尉?」

 

「い、いえっ! なんでもありません!」

 

パトリックは無駄に素晴らしい復活を果たすと、素早く立ち上がって敬礼する。

 

「遅刻して申し訳ありません、大佐殿!」

 

彼の頭から、怒りなどは綺麗さっぱりなくなっていた。

 

(……惚れたぜ……)

 

 

 

―――――――――――――――――――――

 

「オーバーフラッグス?」

 

ユニオンの対ガンダム調査隊に所属するハワード・メイスン少尉が振り返る。アメリカ西部にあ るMSWADの基地には、青空が広がっている。

 

「ええ、対ガンダム調査隊の正式名称ですよ。公には、フラッグと私のトールギスで構成された第八独立航空戦術飛行隊として機能することになるわ。」

 

と、隊長であり変態仮面のユニオンのエース、田中琴葉大尉が言った。

 

「パイロットの補充はあるんですか?」

 

ダリル・ダッチ曹長が訊く。正式名称があって も、隊員がたったの三名では格好がつかない。

 

「だからこそ、ここにいるんじゃない」

 

仮面越し不敵にニヤリと微笑み、手にした双眼鏡を手渡す。ハワードが不思議そうにそれを受け取り、そして遠方からプラズマジェット推進の音が聞えてきた。

 

「来たわ」

 

空を見上げ、ハワードとダリルもそれに倣う。すると、逆V字の隊形を組んで接近してくる飛行編隊があった。ジェットの雲をたなびかせるそれらは、全てがユニオンフラッグの飛行形態。

 

「じゅ、十二機も!?」

 

ダリルが驚きの声を上げ、そしてハワードが受け取った双眼鏡でフラッグの左肩の部分のオリジ ナルマーキングを見て彼の声が一段と興奮を帯びる。

 

「先頭を飛んでいるのは、アラスカのジョシュア!ジョージアのランディ、イリノイのスチュアー トまでいる…!」

 

「各部隊の精鋭ばかりだぜ……」

 

「驚くのはまだ早い。プロフェッサー・エイフマンの手で全機がカスタム化される予定なのよ」

 

「本当ですか!?」

 

「嘘は言いませんよ」

 

フラッグが次々とランディングしてくる滑走路に目をやり、二人の部下に振り返りつつ言った。

 

「……調査隊が正規軍となり、十二人ものフラッグファイターが転属……かなり大掛かりな作戦が始まると見たわ。引き締めてね。」

 

「「了解!」」

 

二人は敬礼し、そしてダリルが目元を緩ませた。

 

「楽しみですね、隊長」

 

「――――ええ、楽しみね」

 

琴葉の目には、我が愛機トールギスとガンダムとの戦いの渇望が燃えていた。

 

 

 

 

 

 

「(アザディスタンの一件…)」

 

琴葉はアザディスタンでの一件を思い浮かべていた…。

 

 

 

 

 

 

 

………回想……………

 

 

 

 

 

トールギスのコクピットでは、琴葉の目的の一つであった太陽光受信アンテナ防衛をしていたソレスタルビーイングの外套のガンダムに仮面では隠しきれない笑みを浮かべていた。

 

「―――ハワード、ダリル、ミサイル攻撃をした敵を追え。ガンダムは私がやる!」

 

『了解!』

 

『ガンダムは任せますぜ!』

 

離れていく2機を視界の端に捉えながら、琴葉はもう一つの目的を達成するべく、分厚い外套を纏い、狙撃をかけるガンダム……デュナメスに突撃した。凄まじいGを感じるが……この程度!

 

 

『なっ!?効かないだと!?』

 

「―――――トールギス…なんという堅牢な装甲だ!!」

 

 

 

 

 

コクピットさえ穿たれなければどうということはない!!

 

ビー ムを円盾で弾き、さらに接近する!!

 

『び…ビームが効かねぇ!?』

 

実際に声こそ聞こえていないものの、パイロットが驚く気配が伝わってくる。この機体の運動性能が信じられんか、ガンダム。それを操る私が何者か知りたいか、ガンダム。ならば ――――!

 

「あえて言わせてもらうわ――――」

 

スーパーバーニアを噴かせて急接近させ、そのまま思い切り右足をぶつける――――!

 

「田中琴葉であると!」

 

『…っ!』

 

デュナメスが腰からビームサーベルを引き抜く、こちらもビームレイピアを盾から抜き出し突き出しデュナメスはそれを受け止めてみせた。

 

「やはり身持ちが堅いな、ガンダム!」

 

『な…なんでビームサーベルを持ってやがる!?』

 

このビームレイピアはフォトン崩壊炉を搭載している。トールギスのエネルギーの余熱を電力にし、それを崩壊させる事で120分という短時間だがガンダムのモノと互角な出力のビームサーベルを造り出しているのだ!!

 

仮面越しににやりと笑みを浮かべる琴葉はトールギスの力で押し出し、ビームレイピアを振り下ろした。

 

『――――くっ!?』

 

 

デュナメスが咄嗟に後退したが外套はビームレイピアによって両断された。

 

 

『――――や…やりやがった…っ!?』

 

「――――やはり、心踊らない!!」

 

元々白兵の苦手なデュナメスはフェンシングによる白兵が主体のトールギスに圧倒される。アンテナ…右足…左腕とビームレイピアによって次々と穴を開けられてしまい…行動不能になってしまった。そして、ビームレイピアをデュナメスのコクピットに向けた。

 

 

 

「よい闘いであった…」

 

敢えて決着はつけない…楽しみはとっておくものだ。琴葉は微笑むとトールギスのスーパーバーニアを噴かせて立ち去った。敗北の屈辱に吠えるガンダムのパイロットの声を聴きながら…。

 

 

 

 

 

 

 

 

……………………

 

 

 

 

 

 

「フッ…次はもっと骨のあるガンダムを所望したいな…。」

 

琴葉は腕を組むと空を見上げた…。

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