機動戦士ガンダム00@―lost・of・AGE―   作:アニュー・リターン

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三話

……………

 

 

 

 

 

 

 

次の武力介入の目標はセイロン島。 現在は人類革新連盟、いわゆる人革連が展開している。元々セイロンでは民族紛争が起こっているのだが、人革連が自らの利益のために少数派に肩入れしたことで紛争が悪化。無政府状態にまで陥ってしまっていた…。

 

『来たぞ。刹那、レイ! アレルヤとティエリアだ』

 

『確認した。予定ポイントで合流後、ファーストフェイズに入る』

 

「…了解した。」

 

……最大望遠した画面に、旧式MSのアンフが 質でも数でも勝る人革連の重装甲MSティエレンに嬲られるようにしてやられているのが見える。

 

『スメラギ・李・ノリエガの戦況予測通りに各自対応する。それなりの戦果を期待しているのでよろしく』

 

『それなりに、ね』

 

『俺は徹底的にやらせてもらう』

 

空気を軽くするためか少しおどけて言うロックオンにアレルヤが答え、そしてティエリアがとても物騒なことを呟いている…ロックオンが肩を竦めるのが見える気がする。徹底的にやりたいのは同感だが…。

 

『……お好きに。聞いてるか、刹那、レイ』

 

「…………おう」

 

『……無理はするなよ』

 

「……お気遣いありがとうございます」

 

『で、刹那。お前も聞いてるのか? 返事しろ、 刹那…?』

 

 

 

 

その時、刹那の声が耳を打った。

 

『――――…ガンダム』

 

『な、なんだって……?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『――――俺がガンダムだ……』

 

『何言ってんだ…!?』

 

その通りだ。全く……。そしてその言葉と同時に刹那は一気にエクシアを加速させ、ロックオンが慌てて呼びかけるが返事はない。

 

『ぅお、お、おい! 刹那ぁ!?』

 

「――――…ロックオン、掴まって…最大出力で追い付くから!!」

 

『お守りをよろしく』

 

『……作戦行動に移る』

 

アレルヤとティエリアもそれぞれ勝手に動き始め、一人残されたロックオンが呼びかけるが止まらない。

 

『うぉ、おい! お前ら!?………仕方ねぇ、レイ。後で飯奢るから乗せてくれ…』

 

『ビンボークジ、ビンボークジ』

 

『……ちっ、分かってるよ。砲撃に集中する!! 回避運動は任せたぞ、ハロ!!』

 

 

 

 

「では!!」

 

「しじょっ!!」【全速前進】

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

一方、セイロン島に展開していた人革連のティエレン部隊ではキュリオスとヴァーチェ、アレル ヤとティエリアのガンダムが大気圏を突入したことによりガンダムのセイロン島への出現を知り、 にわかに慌しくなっていた。

 

『敵部隊の30%を叩いた。このまま一気に殲滅させるぞ』

 

『大尉、本部から緊急連絡です。ソレスタルビーイングが来るそうです』

 

『そうか―――此処に来るか。各部隊に通達しろ!』

 

その時はすぐに訪れた。 多数派民族の部隊のアンフを人革連のティエレンがカーボンブレードで切り裂こうとしたまさにその時。空から飛来した光線がその腕を吹き飛ばす。

 

 

流れ星のように飛行してきたのは…ストライダー形態のAGE-3エール!!

 

 

 

『……来たのか。ソレスタルビー―――』

 

 

 

エールから放たれたGNバルカンがティエレンのコクピットを避けて蜂の巣にして戦闘不能にする。……舞い降りる二機目、白と青のガンダム…エクシアが強襲をかける。

 

『エクシア、紛争を確認―――根絶する』

 

「AGE-3エール、同じく紛争を確認―――目標を…!」

 

「しじょっ!!」【無力化】

 

 

その言葉と共にエールが可変。モビルスーツ形態に変形し向かってきたティエレンを地面を滑るような動きで回避すると、素早く背後に回りこんでGNシグルソードで一閃。ティエレンの重装甲をやすやすと切り裂き、 ティエレンは戦闘不能の鉄屑に。そのまま空に舞い上がると踏み潰して足を折って更に一機。流れるような動きでもう一機を切り裂く。大柄な外見からは想像できない動きでティエレンを制圧する。

 

―――その瞬間、遠距離砲撃装備のティエレンの一撃がエクシアを襲った。エクシアは盾を構え たものの、装甲の厚いティエレンでもダメージは免れない一撃―――。

 

『や、やったか……!? いや、無傷!? なんて装甲――――』

 

「――――悪いが途中下車だ…。」

 

瞬間、―――エールのすれ違いざまのシグルソードの一撃を受けて両脚を切り取られ、そのティエレンも倒れる。脚が無くなれば、地上でのモビルスーツは動けない荷物でしかない。鈍重なティエレンに囲まれることなどむしろ的が増えるだけでしかない。

 

エールは可変を織り交ぜながら敵の密集地帯に突っ込むと立て続けにシグルソードで切り裂いていく。

 

なんとかエールを包囲して撃破しようとティエレン部隊が動くが、エールはストライダーに可変して上空に舞い上がり――――。

 

「……遅い…ッ!!」

 

ストライダー形態から、シグルソードを握った腕のみを展開し回転しながら螺旋状に包囲網のティエレンを無力化するというゲームのような動きで一掃してみせた。コクピッ トとエンジンは避けてティエレンを一刀両断し、今度はモビルスーツに展開し格闘で狙撃型の砲身を握りつぶす。

 

ティエレンたちはなんとかエールを狙うべくあちこちを見渡すが―――。

 

『デュナメス、目標を狙い撃つ!』

 

必殺の一撃――――正確無比なロックオンの射撃が閃き、隙だらけになったティエレンを次々に 葬る。 一通り仕留めたロックオンは、凄まじい勢いで次々とティエレンを片付けている刹那と、見ているだけで目が回る機動力で次々とティエレンを相手に舞踏会を開催するレイに舌を巻いた。

 

『気合の入れすぎだ、刹那…!!レイも派手な動きばかりしやがって…!!』

 

レイは無茶苦茶な…でも合理的な動きで敵を無力化しているが、あれではレイとたかにゃへの負担は尋常ではないだろう……というか、あんな機動をするのにかかる変形機構への負担よりティエレンの砲撃の方が損傷が少ないのではとすら思ってしまう。

 

そして、ストライダー形態で低空飛行してティエレンの脚を纏めて薙ぎ払うエールを見てロックオンは思わず溜め息をついた。

 

『はぁ…無茶しすぎだ、馬鹿……』

 

とりあえず、レイの周りの敵を狙い撃つことから始めた方がよさそうである…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『……これで僕も稀代の殺人者……けどね!それがソレスタルビーイングだ!』

 

『ヴァーチェ、目標を確認。排除行動に移る ――――!』

 

『て、撤退! 撤退だ!』

 

アレルヤとティエリアからの通信の内容も鑑みると、そろそろあらかた片付いたころだ。

 

人革連が撤退を開始し、センサーにこちらに向 かってくる反応が無いことを確認して僕は小さく息を吐いた。今度も、上手くいったな……。

 

「しじょ!!」【空腹】

 

「………ま、機体制御とかはしてくれたのは感謝してるけどな…カップラーメンくらい買ってやるよ」

 

多数のティエレンを無効化…が、コクピットは全機無事。エンジンが誘爆しなかったことも確認している。……もちろん、刹那がコクピットごと破壊してしまった人、ロックオンが狙い撃った人、アレルヤの爆撃に巻き込まれた人、ティエリアが吹き飛ばした艦に乗っていた人もいただろう。

 

 

 

 

ロックオンが呟く声が聞こえる。 今回、刹那は何か思うところがあったのだろう。凄まじい勢いでティエレンを駆逐していた。……先ほどまで阿修羅の如く戦っていたエクシアは、しかし逃げる相手は追撃しない理性が残っているようで、倒れているティエレンを見下ろして静かに佇んでいた。

 

しかしその時、多数派の部隊からモビルスーツに搭載されているスピーカーによるものと思われ る声が響いた。

 

『――――協力を感謝する!! 敵は崩れた、今までの借りを返してやる!!』

 

『こんの……馬鹿野郎!?』

 

「…っ!」

 

ロックオンが罵倒する声が聞こえ、デュナメスがアンフを止めようとしたが、既に彼らは人革連の部隊を追おうとしてエクシアの近くを通り過ぎようとし――――…ソレスタルビーイングは、 全ての戦争行為に対して武力介入する。それはやられていた部隊の反撃も例外ではない。

 

刹那は負けている彼ら多数派を攻撃しないのではないか――――恐らくそう思ったロックオンか ら不安げな雰囲気が伝わってくる。 だが…。

 

 

 

 

エクシアの流麗な回転切りが立て続けに二機のアンフを切り裂き、爆散させた。

 

『――――これが、ソレスタルビーイングだ』

 

『刹那……』

 

 

 

 

 

 

「」ズゾゾゾゾゾ…

 

 

 

ただ、たかにゃのカップラーメンを食う音が場の雰囲気を滅茶苦茶にしていた。フリーダムだよな…お前は。

 

―――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

そのころ、世界の各所ではソレスタルビーイングの武力介入の情報が伝わっていた。

 

「スリランカで武力介入……双方に攻撃!?」

 

「馬鹿な!?たった一度の武力介入で300年にわたる紛争が終わると本当に思っているのか…!?」

 

しかし、そんな疑問もソレスタルビーイングに関わるものたちにとっては大したものではない。 答えるだけならば単純なのだ。

 

「一度で終わらないのなら、何度でも介入する ―――」

 

「そう、我々に憎しみが向けられるまで……」

 

「それが、ソレスタルビーイング……私たちは、 物事を変えるときにつきまとう痛み…」

 

そして、海の上。 武力介入を終えたガンダム5機のうちの4機、 キュリオス、デュナメス、ヴァーチェ、は並んで飛行しつつ通信していた。

 

『……エクシアはどうした? まさか やられたのかい?』

 

『先に帰投した。初めての紛争介入だ、思うところがあるのさ』

 

『分からないな……何故彼がガンダムマイスターなのか』

 

「アレ」【奢り期待】

 

「こら、アレルヤが優しいからって集るな。」

 

僕達は刹那を一人で行かせたのを一生後悔した…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

************

 

 

 

 

 

エクシアが海の上を飛行していた時、センサーに反応がありモニターに近づいてくる物体の情報が即座に表示された。

 

「―――ユニオンの、輸送機…!?この空域で…?」

 

ここはAEUと人革連の領土はそれなりに近いが、ユニオンはほとんど地球の反対側のは ず…。そんな驚きを感じつつも、冷静に操縦桿を握り締める。

 

「……フラッグ…?」

 

輸送機からはユニオン最新のMSであるフラッグが一機だけ、飛行形態でこちらに向かってきた。しかし、形状が違う…体格は一回り太く、西洋の騎士のようなモヒカンの兜を被り、鎧のような細かなディテールが施されている。

 

しかしあれは、キュリオスと違って飛行中の変形をするスペックは無かった―――1機とは言え 油断せず、あらかじめ頭に叩き込んである情報を思い起こしながら、フラッグの背後を取って攻撃 する方法を組み立て――――驚愕した。

 

そのフラッグは、その有り得ないことを実行してみせた。 空中で失速せずに変形。人型形態(騎士形態)になると即座に腰からソニックブレイドの応用型『ソニックレイピア』を抜き放ち刺突の構えを取ったのだ。

 

「―――っ!?」

 

並々ならぬ気迫を感じ、 知らぬ間に握り締めた操縦桿に、汗が滲んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――はじめまして……ガンダム…………私は田中琴葉…貴方の存在に心奪われた女よ!!」

 

 

 

 




機体紹介…


ガンダムAGE-3エール


武装:GNシグルソード・頭部バルカン・GNミサイル・肩部ドッズキャノン×2






重力下にのみ対応する超高機動可変ウェア『Gプロティコン』と合体したコアファイター。

ストライダー形態に可変出来、最大でデュナメス三機分乗せても速度を落とさず航行出来るため、レイ曰く『戦えるタクシー』。

一部を可変させる事でストライダー形態の機動性を生かしながら白兵も出来る。
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