「トードートーカ、ね。で、その学園のリーダー様が何の用だ」
「ヨルさん。今日一日学園を回ってみていかがでしたか?」
「あん?あー……まぁそうだな。『向こうの方』でちょいちょい見る、ブレイザーっつーんだったか?本当にそいつらしかいねえのは驚いた。俺もそれだってのは実感も何も無えがな。しかし」
「しかし?」
「数合わせにもならねえ奴らばっかだが……大物がいるな。何人か」
ヨルの頭に浮かぶのは、昼間に会ったヴァーミリオン皇国の皇女も勿論だが……その隣にいた、黒鉄一輝と名乗った男。
自分がいた戦場でも、あのレベルの戦士はそうやり合う事もない。
戦った中で一番鮮烈に覚えがあるとすれば、そいつの兄らしい剣士か、あるいは目の前の老人か。
そしてどうやら、その隣にいるこの女も。
「それに関しちゃ驚いたかな。あの男といいあんた『達』といい、安全がタダのこの国で、よくここまでのが出て来たもんだ」
「お褒めに預かり光栄です」
慇懃な言葉遣いで、ぺこり、と軽く頭を下げる刀華。
しかしヨルはその仕種に穏便さを欠片も感じない。
隠そうともしない、馬鹿でもわかる―――彼女が自分を見詰めるその目には、稲妻の如き鋭さがあった。
「あなたのお話は理事長から聞きました。あなたは主に中東で活動する傭兵であり、しかし敵も味方も皆殺しにした経歴があると」
「で?」
ヨルは否定しなかった。
―――筋肉の緊張も生体電気の乱れもない。
自身の
「あなたのその行動の真意は私にはわかりません。しかしこの国においてそれは無法の極みです。……もしもあなたがこの学園内で、同じように己の力を無差別に振るおうとするならば」
しゅら、と微かに金属が滑る音。
東堂刀華が己の刀―――《
僅かにヨルの目が見開かれた。
彼女がいつ脇にあった刀を手に取ったのかが、全く見えなかったのだ。
「―――その前に私が斬って捨てます。あなたの意思次第では、この場ですぐにでも」
(固有霊装……Deviceってヤツだな)
対するヨルの表情はさっきまでより気楽だ。
相手が刃を向けてくる。それが彼の日常。
―――やっと『呼吸が楽になった』。この痛いほどに張り詰めた空気を、ヨルは居心地よさそうに肺に吸い込んだ。
「成る程な。ちょうどいい機会に恵まれた」
「機会?」
「ああ。倒す殺すで今まで食ってきたが、生きてる以上はそれなりの生きる方針ってのが俺にもある。けどこの所、その方針をいく上で―――どうにも理解できねえ事が出てきてんだ。
そいつが靴底にへばりついたガムみてえに、ずっと頭から離れねえ。
脳ミソ殺してスルーすんのもぼちぼち限界でな。
そこでまずはお前に聞きたい」
刀華が怪訝な顔をする。
敵の死をもって己の生を築いてきた修羅の道程、そこに生じた疑問―――少なくとも自分という一個人がその回答を持っているとは到底思えなかったからだ。
二人の視線が激突する。
人と怪物の混ざった顔貌をまっすぐ前に向け―――ヨルは眼前の剣士に問うた。
「お前は、何で強いんだ?」
その翌日。
来訪者を擁した破軍学園の緊張が、水面下で一気に膨れ上がった。
その理由は至ってシンプル。
東堂刀華と《傭兵》ヨルの模擬戦が執り行われる運びとなった報せが、破軍学園の実力者達の元に秘密裏に届けられたからだ。
破軍学園壁新聞
キャラクタートピックス 文責・日下部加々美
YORU
ヨル
■PROFILE
所属:破軍学園一年一組(仮)
伐刀者ランク:NO DATA
伐刀絶技:NO DATA
二つ名:死神、
人物概要:傭兵
運:?
攻撃力:?
防御力:?
魔力量:?
魔力制御:?
身体能力:?
かがみんチェック!:
チェックもくそもあるかーっ!どこにも記録が無くてなーんにもわかんない。強いて言えば二つ名が異様に多いってとこかな?私が独自でできる限り調べてみて、唯一わかったのがこれだけなんだよね。
推測できるのはそれだけ長い期間戦い続けてるか、それだけ色んな印象を与えるほど多様な戦い方をしてるかって感じかな?
あと、私が隠し撮りした