ハイスクールD×D ~龍の兄と鬼の弟~   作:ショタ専用○ンダム

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十話 兄ちゃんは大人の階段に足を賭けた様だ

・・・兄ちゃんの部屋がドタバタとうるさい。

 

時刻は真夜中。

 

先日アーシアが家に引っ越すことになってドタバタしていたから疲れてるのに睡眠妨害とか何のつもりだ。

 

久々に兄ちゃんに対して怒りを覚えつつ兄ちゃんの部屋に向かいドアを開く。

 

 

「兄ちゃん、今何時だと思ってんだ!皆寝てるんだから静かに・・・」

 

「あ、アキラ・・・」

 

「・・・空気を読みなさい。全く、時間が無いというのに」

 

 

グレモリー先輩が兄ちゃんを裸で押し倒していた。

 

え、兄ちゃんとグレモリー先輩ってそういう関係だったの?

 

俺の未来の義姉さんはアーシアだと思ってたんだけど実はグレモリー先輩だったらしい。

 

取りあえずここは。

 

 

「・・・すいません、お邪魔しました」

 

 

見なかった事にしよう。

 

うん、今のは俺が完全に悪い。

 

空気完全に壊したし兄ちゃんとグレモリー先輩の事情が続けられるかも分からないけど退散する以外に無いだろう。

 

静かにドアを閉めようと・・・したところで部屋の床が光る。

 

 

「・・・はぁ、邪魔さえ入らなければ事を成せたのに」

 

 

あれって悪魔が移転するときに使う魔法陣?

 

魔法陣の光が一層増しそしてその中心から人が現れる。

 

銀色の髪を持ったメイド服を着た若い女性。

 

彼女は兄ちゃんとグレモリー先輩、そして俺を見てから口を開いた。

 

 

「こんなことをして破談へ持ち込もうというわけですか?しかも3Pとは」

 

「違うわよ、彼は単なるお邪魔虫!」

 

「なるほど。ならば彼にはお礼をしなくてはいけませんね。彼のお陰で大事には至らなかったみたいですし」

 

 

彼女はゆっくりとこちらを向き頭を下げる。

 

その一つ一つの動作が綺麗ですごく様になってる。

 

 

「はじめまして。私はグレモリー家に使えるグレイフィアと申します」

 

「あ、はじめまして。兵藤晶です。グレモリー先輩には何時もお世話になってます」

 

 

グレモリー家のメイドって訳ね。

 

だけどこの人って俺と何処かで会った事がある?

 

何処かで見た事あるような・・・。

 

 

「失礼ですが・・・何処かで会った事ありません?」

 

「いえ・・・貴方とは初対面のはずですが?」

 

 

勘違い?

 

でも何となくだけど似た様な人を知ってる気がするんだよな。

 

 

「この度はお嬢様の暴挙を止めていただきありがとうございます。お陰で大事に至らずにすみました」

 

 

うわ~、グレモリー先輩が凄く睨んでくる。

 

破談とか言ってたから・・・兄ちゃんと事に及んで障害になる話ならばきっと縁談だろう。

 

兄ちゃんと既成事実でも作って逃げようとしてたんだろうな。

 

 

「・・・グレイフィア、貴女がここに来たのは貴方の意思?それとも家の総意?それともお兄様のご意思かしら?」

 

「全部です」

 

 

グレモリー先輩は気を取り直して尋ねるがグレイフィアさんは即答した。

 

先輩も色々大変らしい。

 

 

「兄の『女王』である貴女が直々人間界へ来るのだもの。そういうことよね、わかったわ」

 

 

漸くグレモリー先輩は服を着てくれた。

 

目のやり場に困ったから一安心だ。

 

 

「ごめんなさい、イッセー。さっきのことはなかったことにちてちょうだい。私も冷静ではなかったわ」

 

「イッセー?まさか、この方が?」

 

「ええ、兵藤一誠。私の『兵士』よ。『赤龍帝の籠手』の使い手」

 

「・・・『赤龍帝の籠手』、龍の帝王に憑かれた者・・・」

 

 

赤龍帝の籠手って確か兄ちゃんの左手のアレだよな。

 

最初見たときは何とも言えない感覚に襲われたけど・・・その時に聞こえてきた不思議な声を聞いてからは何も感じなくなった。

 

あの時の声もあれから全然聞こえないし・・・幻聴の類だったのか?

 

 

「私の根城に行きましょう。話はそこで聞くわ。朱乃も同伴でいいわよね?」

 

「私は構いません。上級悪魔たる者、『女王』を傍らに置くのは常ですので」

 

「よろしい、イッセー」

 

 

先輩が兄ちゃんに歩み寄りその頬へキスをする。

 

兄ちゃんは呆然とした表情をしたが次の瞬間には凄くだらしない顔になった。

 

 

「今夜はこれで許して頂戴。それとアキラ」

 

 

さっきまでの出来事に後ろめたい気持ちもある上先輩に睨まれて俺は申し訳ない気持ちで一杯だ。

 

 

「明日、覚悟しておきなさい」

 

「・・・はい」

 

 

明らかに兄ちゃんと違う意味の笑みを向けながらグレモリー先輩はグレイフィアさんと共に魔法陣で移転していった。

 

 

 

・・

 

・・・

 

「最近さ、また力が上がった感じだよ」

 

「またかい?際限なく上がってるみたいだよね」

 

 

放課後、木場と共に旧校舎の部室に向かっていた。

 

最近の力の上向についての話を聞いてもらう。

 

鍛えても無いのに勝手に力が上がる。

 

筋力、頑丈さ、速さ、スタミナと日を追うたびに自覚できるほどに上昇する。

 

朝起きるたびにドアノブを握りつぶすからついには最近俺の部屋から扉が消え去った。

 

プライベートはもはや死んでいる。

 

 

「この前、体育の授業で野球があったろ?試しに壁に向かって全力でボールを投げたんだよ」

 

「へぇ、どうなったの?」

 

「握力でボールがつぶれた。気にしないで投げたら芯が壁を貫通した。壁の向こうに人がいなくって良かったよ」

 

「部長達も調べてくれてるみたいだけど君の力ってどういう原理なのか分かっていないんだよね?アキラ君自身はそういう力を使う事に抵抗って無い?」

 

「う~ん確かに訳分かんないけど力使うのに抵抗は無いかな。まるでこの力が有って当たり前みたいな感じ。自然と受け入れられる」

 

 

そんな感じでまるで昔持っていた力を取り戻して使っているような感覚だ。

 

無駄に馴染むんだよ。この力って。

 

ちょっと練習すればすぐ制御できるようになるし。

 

 

「お、アキラに木場。今から部室か?」

 

「お~、兄ちゃんにアーシア。そういう二人も?」

 

 

兄ちゃんとアーシアが部室に向かうところだったらしく二人仲良く並んで歩いていた。

 

4人で一緒に部室に向かう。

 

兄ちゃんはグレモリー先輩の事を心配しているようで木場に相談してるけど隣にいるアーシアが嫉妬してるぞ。

 

俺としては兄ちゃんを幸せにしてくれるならグレモリー先輩でもアーシアでもどちらでも構わない。

 

寧ろハーレム実現に向けて両方娶ればいいんじゃね?

 

悪魔はハーレムOKって兄ちゃんに聞いたし。

 

と突然部室の扉の前で木場が顔をこわばらせて警戒していた。

 

 

「・・・僕がここまで来て始めて気配に気付くなんて」

 

 

兄ちゃんは気にせずに扉を開くけどせめて何に警戒したかは聞いてあげてもいいんじゃないか?

 

部室にはグレモリー先輩、姫島先輩、塔城さんと昨日のメイドさん、グレイフィアさんがいた。

 

妙に張り詰めた空気をした室内で俺は黙って部屋の隅で座っていた塔城さんの隣に座る。

 

 

「・・・何故私の隣に?」

 

「いや、何か大事な話してそうだから関わらないほうがいいかなって。塔城さんも余り関わりたくないみたいだし丁度いいかなって」

 

 

グレモリー先輩は室内の一人一人を確認すると口を開く。

 

 

「全員揃ったわね。部活をする前に話があるの」

 

「お嬢様、私がお話しましょうか?」

 

 

先輩はそれを断りはなし始めようとするが口を開いた瞬間、部室の床に魔法陣が現れた。

 

何時も見ている魔法陣が変化しまた別の形の魔法陣へと変わる。

 

次いで輝きを増す魔法陣。

 

人影が現れると同時に炎が巻き起こり室内を熱気が包む。

 

 

「ふぅ、人間界は久しぶりだ」

 

 

声と共に現れたのは一人の男。

 

赤いスーツを着崩し胸元までシャツを開けたホストっぽい二十代前半って所の男。

 

 

「愛しのリアス。愛にきたぜ」

 

 

グレモリー先輩に話しかけるけど・・・全然歓迎されてないな。

 

寧ろ今すぐ帰れって雰囲気が漂ってるぞ。

 

 

「塔城さん。あの人のこと知ってる?」

 

「・・・ライザーフェニックス。純潔の上級悪魔フェニックス家の三男です」

 

「ふ~ん、それって悪魔の貴族みたいな感じ?」

 

「・・・そう思ってくれて大丈夫です」

 

 

成程。

 

しかし、貴族って割には軽そうな男だ。

 

少なくとも俺は好きになれそうに無いし兄ちゃんとしては嫌いなタイプだろう。

 

顔もいいしモテそうだからな。

 

 

「グレモリー先輩と縁談でも上がってたりしない?」

 

「・・・どうして分かったんですか?」

 

「昨日、グレイフィアさんに会ってグレモリー先輩に縁談が上がってるみたいな事を聞いてね。グレモリー先輩は悪魔としてかなりの家柄らしいしフェニックス家の方もそうだよね?家柄で縁談が組まれるのは人間でもあるし「愛しのリアス」って言ってたからね」

 

 

しかしグレモリー先輩は歓迎してないんだよな、この縁談。

 

昨日の行動は明らかに兄ちゃん使って既成事実作って縁談の破談を狙ったものだろうし。

 

 

「・・・アキラ先輩はもし部長とライザーが結婚する事になったらどうします?」

 

「潰すだろうね。だって兄ちゃんが動かないはずが無い。俺は兄ちゃんを助けるって決めてるから一緒になって潰しにかかると思う。勿論、グレモリー先輩の事も心配だからって言うのも有るけど」

 

 

俺にとって第一は兄ちゃんだからな。

 

グレモリー先輩がライザー・フェニックスと結婚なんて事になったら絶対に祝福するなんて事はない。

 

グレモリー先輩本人が本当に望んでいるなら兄ちゃんは渋々だけど認めるだろう。

 

でも、これは違う。

 

明らかにグレモリー先輩が嫌がっている。

 

だから兄ちゃんはグレモリー先輩の為にライザー・フェニックスと対峙するだろう。

 

 

「・・・本当にアキラ先輩はイッセー先輩一筋ですね」

 

「そうでもないよ。俺としては最近、オカルト研究部の皆も気になってる。一番が兄ちゃんってだけ」

 

 

でも、そろそろ兄離れの時期かなって思っている。

 

もしかすれば俺はもう兄ちゃんにとって余り必要の無い存在かも知れないから。

 

これからはここにいる仲間達が俺の代わりに兄ちゃんを護ってくれるから。

 

そんな暗い影を落としながらも俺はグレモリー先輩達の会話を聞き始めた。

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