ハイスクールD×D ~龍の兄と鬼の弟~   作:ショタ専用○ンダム

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三話 兄ちゃんが金髪少女と出会った

「僕は■■に会えて幸せだったよ」

 

「だって僕は死ぬはずだったんでしょ?でも■■は僕に生を与えてくれた」

 

「家族が居た。お父さんとお母さん。そして誰よりも大好きになれたお兄ちゃんと出会えた」

 

「■■の事忘れちゃっても僕は■■が好きでいてくれた僕のままでいるよ」

 

「■■の大好きな人の強さをずっと忘れないよ」

 

「何時か■■の事思い出したとき■■に誇れる僕になってるって約束する」

 

「僕は■■の希望なんでしょ?」

 

「人はきっと■■の好きだった強さを失ってない」

 

「僕がそれを証明するよ。だから安心して眠ってよ」

 

「うん、■■は僕に鬼に成ってほしくないんだよね」

 

「でもね、きっと僕は鬼に成る」

 

「人の心を持った鬼に成る」

 

「だって■■にとって僕が希望だったように僕にとって■■は憧れだから」

 

「だから僕と■■の夢が叶う様な鬼に成る。■■が言う人の強さを持った鬼に」

 

 

・・

 

・・・

 

俺はオカルト研究部という如何にも怪しげな部の存在を先日初めて知った。

 

そして俺は現在オカルト研究部の部室へとやってきている。

 

取りあえず初日にここを訪れて以来、恒例となった交渉を始める。

 

 

「入部させてください」

 

「何時も言っているように無理なのよ。諦めて頂戴」

 

 

そして今日もまた断られる。

 

何故俺が急に興味も無かった部活に必死に入部しようと思ったのは至極単純な理由からだった。

 

兄ちゃんはオカルト研究部に入部した。

 

女子の尻ばかりを追い回していた兄ちゃんが唐突に部活なんて疑問に思ったけど部員を見て理解した。

 

このオカルト研究部、学内で人気のある女の子が三人も在籍している。

 

まずは先日兄ちゃんと添い寝をしていたリアス・グレモリー先輩。

 

次に学内でグレモリー先輩と人気を二分する姫島朱乃先輩。

 

そして一部の男子に人気が高い塔城小猫さんの三人だ。

 

兄ちゃんが入部したなら当然俺も入部するつもりだったんだけど部長であるグレモリー先輩に断られ続けている。

 

 

「だから入部には条件が必要なの。イッセーは条件を満たせたから入部できたんだけどアキラ君は条件を満たせてないから入部できないの」

 

「だったらその条件を教えてください。教えてくれれば条件を満たしてみせます」

 

「それは無理よ。例えるなら女子ソフトボール部に男子が所属するようなものよ。アキラ君には条件を満たせない」

 

 

そうやってグレモリー先輩は入部条件をはぐらかしもう話す事は無いとでも言うように紅茶に口をつける。

 

どうあっても俺を入部させる気は無いみたいだ。

 

部屋の隅で待機していた兄ちゃんに視線をやっても申し訳無さそうに目を逸らし答えてくれそうに無い。

 

他の部員・・・、兄ちゃんと同じ男部員である木場祐斗も苦笑いするだけだし姫島先輩は「あらあら」と言いながらにこやかな笑顔を向けてくれるけど助けてくれそうには無いし塔城さんに至っては俺の事を完全無視だ。

 

この部室に俺の味方になってくれそうな人など皆無だった。

 

 

「・・・はぁ、出直してきます」

 

 

今日も俺は目的を達する事は出来ずにオカルト研究部の部室から出て行くことになった。

 

 

・・

 

・・・

 

「彼、粘りますね。余程イッセー君のことが好きなんだね」

 

「いい迷惑よ。おかげで悪魔としての活動が滞ってばかりじゃない」

 

 

木場が感心したように言うと部長が眉を顰めて機嫌悪そうに答えるのが心底申し訳なってくる。

 

原因といえば俺の双子の弟のアキラが毎日のようにオカルト研究部に入れてもらえるよう部長と交渉する事だ。

 

数日前、俺は付き合っていた彼女の夕麻ちゃんに殺されリアス部長に助けられた事で悪魔となった。

 

それからグレモリー眷属の隠れ蓑であるオカルト研究部に所属する事になったんだけどアキラの奴が俺が入るなら自分もと入部を希望した事が発端だった。

 

グレモリー眷属の隠れ蓑のオカルト研究部に人間のアキラを入れるわけも行かず部長は連日断り続けてるけどアキラは一向に諦めない。

 

そしてアキラの連続訪問はグレモリー眷属達の悪魔の活動にまで影響を及ぼし始め部長の機嫌は悪くなる一方。

 

兄として申し訳ない気持ちでいっぱいだった。

 

 

「いっその事バラしてしまいませんか?もしかすれば何らかの反応を示してくれるかもしれませんよ」

 

「・・・いい加減、迷惑です」

 

 

アキラはオカルト研究部の部員全員から余り好印象をもたれていない。

 

それどころかリアス部長から言わせればアキラは怪しさ抜群だという。

 

部長曰く、

 

 

「イッセーとアキラ君って双子の割りに似てないわよね?貴方達って本当に双子なのかしら?」

 

 

まず俺とアキラは双子にもかかわらず髪の色を除いて似ている部分が殆ど無い。

 

アキラの身長は150cm前後で俺より大分低いし何処か中性的な顔立ちで女装でもすれば殆どの人が女の子と間違えてしまう顔立ちをしている。

 

俺とは似ても似つかない。

 

 

「それに彼って暗示の類が一切聞かないみたいなのよね。天野夕麻を覚えていたし私がオカルト研究部に近寄らなくなる様に暗示掛け様としても全部弾かれる」

 

 

アキラには悪魔の力を使った暗示が全く効果が無いとの事だ。

 

人間では意識しても弾かれる人間なんて殆ど居ない程に強力な物を使っているのにアキラはそれを普通に無効化するらしい。

 

 

「最後にアキラ君は異常と言うほどイッセーに執着している。にも関わらずイッセーが死にそうにまでなった2回の堕天使遭遇に関しては全くという程反応を示していなかった」

 

 

そして俺の行動をストーカーの如く付回しているのに俺の堕天使遭遇に関してアキラは察知できなかった。

 

まず一回目の夕麻ちゃんの時はアキラは絶対後をつけてくると思ったのにアキラは一日中家に居たらしい。

 

二回目の襲撃時は松田の家からの帰りで襲われたけどアキラはバイトを理由に俺よりも先に松田の家から出てしまっている。

 

一回目はともかく二回目がタイミングよすぎて怪しすぎるとの事だ。

 

 

「兄弟という身分を作り出しイッセーに神器が有るかどうかを調べて堕天使に報告したのが彼。神器を確認できたから堕天使に報告したけどイッセーは悪魔になって復活してしまい未だイッセーを殺す機会をうかがっている。同時に私、リアス・グレモリー及びその眷属達の情報収集を行っている。少し矛盾も有るけど私はこう考えてるわ」

 

 

等と言われアキラはめちゃくちゃ疑われていた。

 

この仮説に賛同したのは朱乃さんと小猫ちゃん。

 

逆に否定したのが俺と木場と見事に男女で意見が分かれることになった。

 

木場曰く

 

 

「堕天使側の人間にしては僕達悪魔を見たとき全く反応してないから」

 

 

と反対派についてくれた。

 

とは言っても全く疑っていないというわけでもなく、あくまで堕天使側の反応としてはというだけで敵意は無いにしても怪しい所があるというのは部長達に賛同しているみたいだ。

 

俺としてはアキラにはリアス部長たちと仲良くなってもらいたいけどこの誤解を解かない限りそれは難しそうな事だった。

 

 

・・

 

・・・

 

「あっ!兄ちゃん!!」

 

 

部活の帰りに偶然アキラと遭遇した。

 

 

「どうしたんだ?リアス部長に入部断られて帰ったんじゃなかったのか?」

 

「いや、それがさ、ちょっと難しい問題に直面してさ」

 

 

と言いならが後ろを振り返る。

 

アキラの視線の先にはシスターが居た。

 

アキラはそのシスターに手を振り手振り身振りでこちらへと呼び寄せる。

 

 

「この子が迷子らしいんだけど言葉通じなくてさ。兄ちゃんも手伝ってくれよ」

 

『あ、あの、この方は?』

 

「え、えっと。に、兄ちゃん頼む!この前の英語の授業で兄ちゃん何か英語ペラペラだっただろ?この子の言葉分かったりしないか?」

 

 

悪魔の能力の「言語」を持ってる俺にはこのシスターの言葉は分かるがアキラに対しては全く通じていないみたいだった。

 

 

「あ、あぁ。取りあえず俺に任せろ。え~と」

 

『あ、私はアーシア・アルジェントと言います。アーシアと呼んで下さい』

 

「俺は兵藤一誠。皆はイッセーって呼ぶからイッセーでいいよ」

 

「おぉ、言葉分かるのか兄ちゃん!じゃあ一緒に・・・あっ!!」

 

 

アキラが言葉を続けようとしたその瞬間、突風でシスターのヴェールがふわりと空を舞った。

 

そして信じられない程の反応速度でアキラがそのままヴェールを掴み取る。

 

ヴェールが飛んだ瞬間にはもう反応してたぞアイツ。

 

 

「っと、危ない危ない。ほら、もう飛んでいかないように気をつけてな」

 

『あ、ありがとうございます』

 

「アキラ、お前相変わらず信じられない反応速度だ―――っ」

 

 

アキラの行動に気をとられて気付かなかったが俺の前に美少女がいた。

 

流れるような金色の髪と吸い込まれそうな緑色の双眸、俺の理想の女の子(金髪美少女版)がそこに立っていた。

 

 

『あの、イッセーさん?』

 

「あっ。ゴメン、えっと・・・」

 

 

暫くその美少女、アーシアに見惚れてしまっていたらしい。

 

アーシアが訝しげな表情で俺を覗き込んでくる。

 

アキラはその様子を「なるほど、なるほど」など言いながらニヤケ顔で傍観していた。

 

 

「・・・なんだよ、アキラ」

 

「いやいや、なんでもないよ?うん、なんでもないから気にせず続けていいよ」

 

 

妙な勘ぐりしやがって。

 

確かにアーシアは可愛いし俺好みの美少女だけど・・・シスターだからなぁ。

 

先日悪魔になった俺にとって本来、しゃべるどころか出会ってもいけない関係だ。

 

もったいない、実にもったいないが俺はアーシアと深く関わるわけにはいけない。

 

 

「ってそれよりも兄ちゃん。この子の道案内頼むよ。兄ちゃん言葉分かるんでしょ?」

 

「あ、あぁ、え~と、アーシア。いったい何処へ行きたいんだ」

 

『あ、はい!教会を探していたんですけど・・・迷ってしまいまして。道を聞こうにも道行く皆さん言葉が通じなくて・・・。困っていたらこの方が声をかけてくれたんですけど・・・この方も言葉が通じなくって』

 

「教会の場所なら俺知ってるかも」

 

『ほ、本当ですかっ!?よろしかったら道を教えていただけませんかっ!!』

 

 

こうして俺は美少女シスターのアーシアとアキラを連れて教会へ向かう事になった。

 

 

 

・・

 

・・・

 

「そういえば兄ちゃん、この子の名前って何て言うの?」

 

「アーシアだよ。てか自己紹介もしてなかったのか?」

 

「あはは、言葉が通じないって結構不便だって思い知ったよ・・・」

 

 

どうもアキラは全くアーシアと意思疎通できていなかったらしい。

 

アーシアにも通訳してあげながらアキラを紹介した。

 

二人とも言葉が通じないのに困り果ててたから俺を通してでも話せるのが嬉しいらしくすぐに仲良くなった。

 

そうやって他愛無い雑談をしながら三人で公園を横切った時だった。

 

 

「うわぁぁぁぁぁん」

 

 

突如響いてきた子供の泣き声。

 

振り向いてみると恐らく転んでしまっただろうk度もが泣いていて必死に母親があやしていた。

 

 

「おっと、ゴメン兄ちゃん。ちょいと行って来る」

 

 

とアキラが公園へ徒歩を向ける。

 

座り込んでいる子供に近づきその頭をグシャグシャと撫でる。

 

 

「ボウヤ、男ならちょっと痛いくらい我慢だ。ほら、飴食べるかい?」

 

 

アキラがポケットから棒付40円の飴を取り出した。

 

男の子が目を輝かせて飴に手を伸ばす。

 

飴の包装を取りアキラは男の子に飴を手渡す。

 

 

「うん、いい子だ」

 

 

いい笑顔でアキラが再度男の子の頭を撫でる。

 

 

「全く、アイツは」

 

『良いじゃないですか。優しい弟さんで。私も行って来ますね』

 

 

そう言ってアーシアも男のこの方へを向かっていきアキラの隣に並んだ。

 

アキラも驚いたようにアーシアに反応していたがアーシアはそれを気にせず男の子の膝の怪我に自身の手のひらを当てる。

 

次の瞬間、アーシアの手のひらから淡い緑色の光が男の子の膝を照らしていた。

 

な、なんだ、あれ?

 

俺も近づいて見てみると男の子の怪我がみるみるうちに消えていく。

 

あの光が傷を治しているのか?

 

もしかして神器か?

 

俺の左腕にも宿る規格外の力。

 

それがアーシアにも宿っているのか?

 

いつの間にか男の子の怪我は塞がり怪我のあとは残っていなかった。

 

 

『はい、傷はなくなりましたよ。もう大丈夫』

 

 

アキラも男の子も母親もきょとんとしていて反応はしなかった。

 

そして母親の方が頭をたれて男の子を連れてそそくさと去ってしまった。

 

 

「ありがとう、お姉ちゃん達!」

 

「ありがとう、お姉ちゃん。だって」

 

 

するとアーシアは嬉しそうに微笑む。

 

 

「・・・その力」

 

『はい、治癒の力です。神様からいただいた素敵なものなんですよ』

 

「兄ちゃん、通訳」

 

「神様からもらった治癒の力だってさ」

 

「へぇ~、神様の力か~。世の中には不思議な事もあるんだな」

 

 

感心しているところ悪いけどなアキラ。

 

さっきの男の子は『お姉ちゃん達(・)』といってたから多分お前は女だと思われてる。

 

とアキラの心を抉るような事実を隠しつつ俺は考える。

 

アーシアが自分の力を語ったときの顔は決して自分の力を受け入れているようには見えなかった。

 

微笑む彼女の顔には陰りがさしていて苦労しているんだろうと思わせる寂しい笑顔。

 

余り深く追求しちゃダメかな。

 

神器って異質な力だし人によっては苦労してるんじゃないだろうか?

 

俺のなんて使用方法も分からないしドラゴン波の真似に役立つくらいだ。

 

 

『あ、ここです、良かったぁ』

 

 

といつの間にか教会についていたらしい。

 

ていうかヤバい。

 

非常にヤバい。

 

体中から嫌な汗と悪寒が走っている。

 

一刻も早くここから立ち去りたいくらいだ。

 

 

「じゃあ、俺はこれで」

 

『待って下さい!』

 

 

そそくさとその場を立ち去ろうとしたがアーシアが俺の腕を掴んでいた。

 

 

『私をここまで連れてきてもらったお礼を教会で・・・』

 

「ご、ごめん。俺急いでいるもんで」

 

『でも、それでは・・・』

 

「か、代わりにアキラが行ってくれるからさ。な、アキラ。アーシアがお礼したいから教会に来てくれってさ」

 

 

取りあえずアキラを行かせてアーシアを納得させよう。

 

アキラは人間だし何の問題も無いだろう。

 

 

「え?じゃあ、兄ちゃんも一緒に・・・」

 

「お、俺はほら、部活が有るからさ!」

 

「あぁ、夜の活動の奴?今日はまた随分早くからだね」

 

 

い、何時も夜で歩いているのが部活の一環だと説明しておいて良かった。

 

アキラは納得してくれて一人で教会に行く事になった。

 

 

「じゃぁ、アーシア。また会えたらいいね」

 

『はい、イッセーさん。必ずまたお会いしましょう』

 

 

こうして俺とアキラはアーシアとの初邂逅を済ませた。

 

そしてこれがオカルト研究部を巻き込む数奇な運命の始まりだったと気付くのはまだ少し後の話である。

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