ハイスクールD×D ~龍の兄と鬼の弟~   作:ショタ専用○ンダム

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八話 兄ちゃんのお得意さんは変態だった

「ねぇ、貴方は何者なの?その力は一体何?神器を持たない唯の人間が何故そんな力を持ってるの?」

 

 

あの教会の一騒動の翌日、俺はオカルト研究部の部室にいた。

 

あの後、教会で負っていた怪我の全てをアーシアの不思議な力によって治して貰った後、グレモリー先輩に部室に来るように言われていたのだ。

 

部室を訪れると待っていたのはグレモリー先輩、姫島先輩、木場、塔城さん、アーシアに兄ちゃんだった。

 

そこで俺は非現実的な世界の裏側について聞いた。

 

悪魔の事、堕天使の事、天使の事やここ数日間で起こった悪魔と堕天使を中心とした事件、悪魔になってしまった兄ちゃんとアーシア。

 

正直信じられない事ばかり聞かされたけど昨日の教会での一件で俺は常識を覆す事が幾つも起こるのも見たし実感している。

 

何より今朝から起こっている俺自身の変化も影響していた。

 

力が異常なほどに溢れていた。

 

ドアノブを回そうとすればドアノブを握りつぶす。

 

助けを呼ぼうとドアを叩いたらドアが真っ二つに折れる。

 

前から強かった力が尋常でないくらいに強化されていた。

 

お陰で今日一日細心の注意を払いながらの生活を送る羽目になった。

 

何せそこら中にあるもの全てが硝子細工のように脆く感じるからだ。

 

そんな異常な力を持っている俺からすれば悪魔とかの非常識を受け入れるのにそれほど時間は掛からなかった。

 

でだ、グレモリー先輩の話を全て聞き終えたら凄い勢いで睨まれた。

 

 

「で貴方は何なの?」

 

 

異常な力を持ち異常な生命力を持ち異常な能力。

 

それらの俺の持つ力について木場と塔城さんに聞いたらしくグレモリー先輩は俺を問い詰めてきた。

 

 

「ねぇ、貴方は何者なの?その力は一体何?神器を持たない唯の人間が何故そんな力を持ってるの?」

 

「・・・わかりません」

 

「巫山戯ている・・・訳でも無さそうね」

 

「・・・自分で言っておいて何ですけど・・・信じるんですか?」

 

「確かに貴方は怪しい。けれどもし後ろめたい事があるなら私がここに呼んだ時点で逃亡を図るでしょうね。でも貴方はそうはしなかった。馬鹿みたいに無防備でここまでやってきた。その時点で私は貴方に抱いてた危機感は霧散してるの」

 

「危機感?」

 

「この際正直に言うわ。私は貴方を敵ではないかと疑っていたわ。私達悪魔を葬るための刺客ではないかと」

 

 

うわ~、だから俺って毎回部室来る度にグレモリー先輩に睨まれてた訳ね。

 

何か妙に納得した。

 

 

「ねぇ、アキラ君。貴方、オカルト研究部に入りたがってたわね。いいわ、入部を許可します」

 

「へ?」

 

 

いきなりその話?

 

しかも前までは全力で拒否してきたのに手のひらを返すように承諾って・・・。

 

 

「本来、オカルト研究部は私達、グレモリー眷属の隠れ蓑なの。アキラ君は悪魔の存在を知らなかったから入部させる気は無かったのだけどアキラ君は私達の存在を知ってしまった。なら入部するのに何の弊害も無いわ。貴方の力も気になるし新人であるイッセーやアーシアのアシストも欲しい。私達にとってもアキラ君にとっても悪くない話だと思うけど?」

 

「まぁ、入部できるなら入部しますけど・・・、アシストって?」

 

「悪魔は人間と契約して対価をもらう事を生業としてるの。アキラ君にはその手伝いをお願いしたいのよ」

 

「まぁ、簡単な事くらいなら手伝えると思いますけど」

 

「難しい事はさせないわ。アキラ君はあくまでイッセーとアーシアが仕事をしやすいようにサポートして欲しいだけ」

 

 

諭すように言ってるけど・・・怪しい。

 

何か裏が有る気もするけどオカルト研究部に入部できるならこれを逃すのは惜しすぎる。

 

それに兄ちゃんの他にも木場や塔城さんにアーシアとこの三人は個人的に仲良くなっておきたい。

 

木場と塔城さんは教会の一件で一緒に戦ってくれた仲間として。

 

アーシアとは言葉で意思疎通できるようになった友人として。

 

 

「・・・じゃあ、お願いします。俺をオカルト研究部に入部させてください」

 

「えぇ、これからよろしくね。アキラ君」

 

 

こうして俺は漸くオカルト研究部に入る事ができたのだった。

 

 

・・

 

・・・

 

「い、イッセー君!!この子は一体誰なんだ!!」

 

「あ、コイツは今日から俺の助手をしてくれる・・・」

 

「助手!?じゃ、じゃあ子猫ちゃんの変わりにこの子にお姫様抱っこってありかい!?」

 

 

翌日の深夜、俺は兄ちゃんと一緒に兄ちゃんの常連客である人の家に契約を取りに同行していた。

 

とあるアパートにその人は住んでいて俺と兄ちゃんは玄関にてその人と退治している。

 

何やら兄ちゃんの召喚者の男の人が色々と興奮しているようだけど俺は悪魔の契約等については殆ど知らないので兄ちゃんに一任。

 

俺は兄ちゃんに助けを求められた時にフォローすればいいのだ。

 

 

「始めまして、兵藤晶です。アキラって呼んでください」

 

 

取りあえず愛想笑い。

 

ちょっとでも印象をよくしてれば契約もとりやすくなるだろう。

 

 

「・・・アキラちゃん!君に折り入ってお願いがある」

 

「はぁ、それは契約の事ですか?」

 

「勿論だともっ!」

 

 

き、気合入ってるなぁ。

 

まぁ、それで契約を取れるって言うならここで了承するのは兄ちゃんの助手としては当然の行動だな。

 

 

「わかりました。何をすればいいんですか?」

 

「ちょっと来て欲しい!!」

 

 

そう言うと男は俺の手を引っ張り部屋の中に連れ込まれた。

 

 

「ちょ、森沢さん!アキラに何させるつもりですか!!」

 

 

遅れて兄ちゃんも部屋に入ってくる。

 

でもあんまり心配する事ないと思うけどな。

 

兄ちゃんの常連なら悪い人って訳でもないだろうし。

 

 

「さぁ、これを着てくれ!!」

 

「・・・何ですか、これ?」

 

 

と森沢さんというらしい兄ちゃんの常連さんが出してきたものを見る。

 

真っ白な布地に青いラインの入った服。

 

胸の真ん中当たりには赤い硝子玉を護るように3枚の金色のプレートによる装飾が施されている。

 

付属品らしい巨大な杖は服の装飾品と同じ色合いで巨大な紅い硝子玉とそれを支える金のフレームとシリンダー、フレームから伸びる白い棒。

 

何処からどう見ても魔法少女のコスプレ衣装だ。

 

 

「君の栗色の髪を見て確信した。アキラちゃんには高村このはのコスプレが似合うと!!」

 

「そ、それってもしかして魔法幼女ブレイブこのはの」

 

「ふっ、イッセー君。君なら分かってくれると思っていたよ。しかもこれは先日公開されたばかりの劇場版仕様だっ!!」

 

 

興奮しながら森沢さんは期待するように見てくる。

 

 

「・・・着ればいいだけですか?」

 

「ポーズをとって写真も取らせてくれ!時にアキラちゃんは力は有る方かな?」

 

「・・・一様力自慢で通してますけど」

 

「お姫様抱っこを要求する!!」

 

「兄ちゃんこの人変だっ!!」

 

 

とんでもなく屈辱的な行為を要求されたっ!!

 

着るのはいい、写真も許そう。何時もの事だ。

 

けどお姫様抱っこは全力で拒否したい!!

 

誰が好き好んで男にお姫様抱っこを要求されなきゃいけないんだ!!

 

 

「兄ちゃん、帰っていい?」

 

「頼むアキラ!やってくれ!!」

 

「お願いだ!!僕の担当が小猫ちゃんからイッセー君に変わって以来ずっと出来なかった事なんだ!!」

 

「やったの塔城さんっ!!」

 

「僕をお姫様抱っこしてくれる子なんて君か小猫ちゃん以外いないんだ!!」

 

「しかもされる方じゃなくってする方!?」

 

「アキラ!俺の契約の為に頼む!!」

 

 

くっ、契約のためと来られたら拒否できないだろうが。

 

手伝いをすると確約した以上ここで拒否すれば俺は嘘をついたことになる。

 

それだけは絶対に許されない。

 

 

「・・・着替えてくる」

 

「ありがとうアキラちゃん!!」

 

「よしっ、これで契約ゲットだ」

 

 

今度、兄ちゃんに昼飯を奢らせる事を誓いながらコスプレ衣装を受け取った。

 

 

・・

 

・・・

 

「ってな事があってさ、悪魔の契約ってあんなのばっかなのか?」

 

「・・・あぁ、あの方ですか。イッセー先輩が担当になる前はよく呼ばれてました」

 

「あはは、僕もアキラ君のコスプレ見てみたかったな」

 

 

先日のコスプレ契約事件で精神を削ってしまった俺は木場と塔城さんと一緒に部室でお茶会をしていた。

 

何となくこの二人に愚痴を聞いてもらいたかった気分なんだ。

 

まさか悪魔の契約があんなのだとは思っていなかった。

 

 

「イッセー君の担当する人はユニークな人ばかりだからね。アキラ君がイッセー君の手伝いをするならきっとまた同じ様なことになると思うよ?」

 

「うわー、それ聞いただけでテンション下がるな~。塔城さんも結構あるの?こういうこと」

 

「・・・たまに。仕事だと割り切ればそれほど気になりません」

 

「悪魔も大変だ。あ、紅茶、おかわりいる?」

 

「・・・頂きます」

 

「僕もお願いしようかな?アキラ君、紅茶入れるの上手いね」

 

「バイト先で教わったからね」

 

 

言いながらも二人のカップに紅茶を注ぐ。

 

この部室っていい茶葉とティーセットが常備だからお茶会にはもってこいだな。

 

 

「そういえばバイトしてるんだよね。何のバイトだい?」

 

「アンティークショップ」

 

「・・・紅茶入れるんだから喫茶店とかじゃ」

 

 

木場が疑問を上げるが俺はもう一度同じ答えを出すしかない。

 

 

「アンティークショップ」

 

「・・・」

 

「・・・」

 

 

二人とも沈黙してしまったが本当のことなんだから仕方ない。

 

 

「どうしてアンティークショップで紅茶を入れるのかな」

 

「そこの店長が風変わりな人なだけだよ。店の真ん中でお茶会を始めるんだ。それでね」

 

「・・・お店の真ん中で、ですか?」

 

「そう、店のど真ん中に大きな机と椅子を置いてそこで始めるんだよ。基本的に俺がバイト入ってるときは絶対にやるね」

 

 

ていうかあの店長は趣味でアンティークショップを経営してるからな。

 

客なんてめったに来ないし何で俺を雇ったのか疑問に思うほどだ。

 

一体あの人は何がしたいんだろう。

 

 

「まぁ、暇なら一度来てみなよ。場所教えるから」

 

「そうだね、その人に会ってみたい気もするから今度お邪魔しようかな?」

 

「・・・私もご一緒しても?」

 

「勿論、基本的暇だから。あの店」

 

「アキラ君、自分のバイト先にその言い方は・・・」

 

「大丈夫、店長も自分で「暇っていいわね~」とか言ってるから」

 

 

それに、その程度で怒るほど器量の小さい人じゃない。

 

なんだかんだで頼りになるし俺も信頼してる。

 

ただ一人だと危なかっしいと言うかほっとけない人だ。

 

 

「きっと来たら美味しい紅茶とお菓子を出すよ。あの人は」

 

「アンティークショップだよね?」

 

「うん、アンティークショップだよ」

 

「・・・先輩はそこに疑問を持たないんですか?」

 

「最初は戸惑ったけどね、もうどうでもよくなった」

 

 

あの人の行動に突っ込むだけ無駄だと1ヶ月で悟って以来はあの人はそういうものだと納得した。

 

どうせ突っ込んでも行動を変えたりは絶対にしないのだ。

 

別に悪い事をしているわけでもないので放置に決めた俺の判断はきっと間違ってはいないだろう。

 

そんな事を話している内に兄ちゃんの仕事も無いので今日の活動は終了した。

 

二人とは結構仲良くなれたから俺としては満足な一日だった。

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