四神としてのお仕事?いや、仕事がなくて自由にしてます。   作:第三のケモナー

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11話

 

雨が降り続き、梅雨の時期が続く。朝からじめじめとして、憂鬱な気分も続く…外の人通りは少ないが、雨を喜ぶ人々が多い。稲を育てるために梅雨が必要である。しかし、夏は台風や冷害などがあり、そのせいで秋の収穫が台無しになる。

 

そうならないために俺の能力がある。スザクは「夏」。夏は『変化』である。天候の『変化』、稲の『変化』。色々な『変化』を操る事が出来る。

例えば枝を御柱に変えるとする。変えたものは本物になり外見と質量、効果までも本物となる。

欠点としては、夏にしか使えない。自らに使えないこと。

 

今日は晴れを雨に変えた。今年の夏は雨の日が少なく、田んぼが干上がってしまうので能力を使った。あまり使い過ぎると土砂崩れ、川の氾濫、稲が病気になってしまうからほどほどにしている。

 

「明日、晴れにしようかな…」

 

3日連続雨にしているので晴れを入れとかないと日射不足となってしまう。

 

(雨だと俺が暇だしな~)

 

神力で神奈子と諏訪子に伝える。

 

『神奈子~諏訪子~明日、明後日、晴れ。』

 

『了解』『分かったよ~』

 

 

(めっちゃ便利!)

 

家の掃除を済ませあっという間に就寝時間となり、寝る。

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

翌日の午後…

 

「巫女の姉ちゃん、遊ぼー!」

 

「分かった。」

 

守谷の二柱の天気予報(確実)があるので一日中晴れだということはみんな知っている。

 

(姉ちゃん…か…)

 

目の前の女の子は明らかに自分よりも年上だ。あれ?もしかして俺って…ロリBBAじゃないか!

姿を変えた事により少し身長が高いものの幼女だ。

 

(遊ぶか。)

 

子供達の集まる場所に行く。

 

 

 

 

 

 

「今日の夜、肝試しをしないか?」

 

帰ろうとした時、そんな声が子供達から聞こえる。

 

「絶対に行っちゃだめだ!親に言うよ。」

 

「む~…分かった…」

 

そして家に帰る…振りをして子供達の会話を聞く。そんな事で子供の好奇心が消える訳がない。

 

「巫女さん、帰ったかな?」

 

帰ってないです。

 

「何で駄目なんだ?」

 

夜は色々と危ないから。

 

「近くのあの山に行こう!」

 

「あの山って近づいたらいけないって…」

 

「大丈夫だって!俺が居るからな。」

 

「…うん。」

 

「決まり!じゃあ夜に集合な。」

 

 

『諏訪子、あの山に何がいる?』

 

『…山精がいる。』

 

『山精?』

 

『女性に取り憑く妖怪か幽霊。夜の山に現れて、一人取り憑くと近くの女性にも感染するように取り憑くやつだよ…』

 

『何で今まで放置してたんだ?』

 

 

『…忘れてた。』

 

『おい!』

 

『そういう話をするってことは、退治してくれるの?』

 

『子供達が肝試しをするって言ってて…』

 

『じゃあお願い!』

 

『分かった…身動き取れないの?』

 

『うん…ミシャグジ様の事で…』

 

『分かった。』

 

 

(先回りするか?いや、チクるか。)

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

夜、例の山へ行く。迷いそうな暗闇、風の音。こんな怖い所で肝試しをしようとしていたなんて…

行こうとした子供達はそれぞれの親に怒られたそうだ。

 

今の姿はスザクで自分から出る神力を霊力に変えている。誘き寄せて攻撃し退治する。

 

 

「ケン…ソウ…メツ」

 

(来たか!)

 

足は一本、それ以外はおじいさんだが異様な雰囲気を感じる。少なくとも人間じゃない事は確かだ。

 

(これってヤマノケ?)

 

前世で聞いた事があり、その時の容姿は足は一本、白くて頭がなく、胴体に顔がある。

 

(時間が経ったからか?それともこいつとはまた別のものなのか?)

 

「ケン…ソウ…メツ」

 

「結界」

 

山精の周りに結界ができる。そして身動きが取れなくなる。

 

「『結界』を『岩』に」

 

一瞬にして立方体の岩が出来る。

 

「『岩』を『石』に」

 

ちっちゃくなりサイコロの大きさになる。

 

(意外と簡単だな…)

 

このようにスザクの力は変化であり、発動に時間がかかる事はなく変化できる。

 

「終わったー!帰ろ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数時間後…

「どこ?迷ってしまった…」

 

山の中をさまよっていた。これはどうもおかしく、下りだったはずなのにいつの間にか上りだったりしている。飛んでも同じ所をぐるぐる回っているようで気味が悪い。

 

「またここか…」

 

(ある道をいかないと正解とかではないか?)

 

スザクで方角を調べても歪められて分からない。

 

「ケン…ソウ…メツ」

 

「またお前か!」

 

こいつで四匹目…と思ったが後ろいや、全方位に山精がいる。

 

(囲まれた?…何か囲まれることが多いような…)

 

数が増えていくため、いつもの方法は出来なかった。空を飛ぶことを考えたがそう簡単にはいかない。どうするかと考えた時…

 

(月明かりがない!)

 

山に入った時から月明かりはなく、スザクの炎で照らしていた。光?

 

(こいつら光が弱点だな?)

 

そうと決まればできるだけ大きな結界を出し、山を覆う。

 

「結界の中の『夜』を『昼』に変える!」

 

 

急に明るくなり、目を閉じる。周りは山精が灰となり消えていく途中だったがやがてすべてが終わった。すると一人の子供がかけよってきた。

 

「助けてくれてありがとう!」

 

(おかしい、この子には生がない?…まさか!)

 

すぐに謎の子供から距離をとり確認する。手には小さい刃物があった。

 

「せっかく道ずれに…しよう…と…思っ…た…」

 

ロウ人形のように溶けていく。

 

(山精の最後の抵抗か…)

 

 

あと一歩遅かったら引き裂かれていただろう…結界を解くと朝日が見えた。

山から飛び、早速家に帰りそのまま寝る。

 

「すぅ…すぅ…すぅ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの例の山はもう怪奇現象は起きない。新しい神が住み着き山を守っている。

 




読んで頂きありがとうございます。

今度は「ヤマノケ」と頂いた感想にあった「怖い夢」を参考にしました。次回もよろしくお願いします。

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