四神としてのお仕事?いや、仕事がなくて自由にしてます。 作:第三のケモナー
桜と言えば何だろうか。春の風物詩、お花見など日本を代表すると言ってもいいほど知らない人はいない。
あっという間に咲き、あっという間に散っていく。その事から昔の日本では咲くまで、散る様子を詩や句に残した。今では満開などを取り上げる事が多くなり、メディアではお花見スポットを紹介している。
もし、ある桜の下で人がたくさん死んでいたとする。そこに人は綺麗だと近づくだろうか。何も知らない人なら仕方がないが、知っている人が綺麗だと近づくか?畏怖を持って近づかないか、肝試しとして近づくかのどっちかだ。
「なんだ…これ…」
そこには噂を聞きつけた人々が「綺麗だ。」と言いながら自殺する姿だった。
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幽香と別れて一年半近くたった。季節は冬と春の間、つまり冬の終わりと春の始まり。
俺と紫は人間になりすまし、噂を聞き付けて近くの町に来た。ここに来るまでが長かったのは、誰も話そうとしない人がたくさん居たからだ。たとえ話をしても「帰ってくれ。」「他の人に聞いて下さい。」など大変だった。
「普通の町と変わらないわね。」
「変わらない…か。」
違和感を覚えたが取り敢えず、近くの店で聞き込みしていく。 恐らく、ここでは桜の話はタブーなのだろうけど…
近くの団子屋に寄って聞いてみる。
「すみません。話があるのですが。」
「先に頼みなさいな。」
「あ…じゃあ団子二つ。」
「あいよ。」
接客に応じてくれたのは気前の良さそうなおばさん。それでいてキッチリしている。
…お金はちゃんと持っているぞ。
「あら、奢ってくれるの?ありがとう。」
「…半分。」
「良いじゃない、ケチくさい。」
「これで何回目か!?そうやっていっつも私が払っていたよな!」
「お金持ってないわよ。」
「…そんな嘘付くなら、これは没収だな。」
「あ~!私のお金…ん゛なにそれ。」
俺が出したのは紫のお金が入った袋だ。
「…見苦しいぞ紫。」
「分かったわよ!全部払うから今までの事はなし!」
…何だそれ俺が損するじゃないか。俺も甘い…
「分かった。」
すると、頼んだ団子が二つ置かれる。
「女二人で珍しいねぇ。ここは初めてかい?」
「初めてです。…話をしても良いですか?」
「…桜の事かい?」
「それもあるのですけど…詩人の娘さんの話です。」
「歌人の娘の事かい…どこで聞いたんだい?何が目的で…」
娘の話をした時、おばさんの顔が驚きの表情になった。何か知っているんじゃないか?やっぱり噂は本当だったが、詩人じゃなくて歌人だったか…
「居場所はどこですか?」
「…変な事したら、ただじゃすまないよ。」
俺達に教えるという事はそれだけ歌人の娘の能力が強力だという事か?それとも、女だから?
「分かりました。」
数時間後…
町の中心から少し離れた場所に寺がある。歌人の娘はそこのお嬢様らしい。
「すみません。」
「本当にここなの?」
でかいお寺だ。さすがお嬢様って所か…
「…はい、どなたですか?」
出てきたのはお坊さん。いたって普通の人に見える。
「歌人の娘さんに会いに来ました。」
「!?…
どこで聞いたか分かりませんが、会わせる事は出来ません。お帰りください。」
「せっかく、ここまで来たのよ?会わせてくれたって良いじゃない。」
「出来ません…」
多分、このままだと会わせてくれないだろう。ここはちょっと…
「桜の事も含めてお話があります。」
(どうだ?)
「…分かりました。こちらです。」
桜について何とかするから会わせてくれという意味を込めて無理やりであるものの、了解を得る事ができた。
「さすが肆ね!」
(調子が良いな…)
時々、紫が胡散臭い雰囲気を出す時がある。将来が心配だ…
案内されて付いて行くとある部屋で
「お待ちください。」
と言われて待っていた。少し時間が経って来た。
「お待たせしました。西行寺幽々子です。」
ピンク色の髪、消え行くような儚い雰囲気を持っており、お嬢様らしい綺麗な容姿だ。…スタイルもいいk
「初めまして、私が肆で…」
「私が八雲紫よ。」
「何が聞きたいですか?」
いきなり本題か…もう少し前置きがあっても…
「桜の事よ!噂は本当なの?」
「待って、言わなくてはいけない事があるだろ?」
「何よ…」
「私達は人間じゃない。」
読んで頂きありがとうございます。
私は桜が満開の方がいいですw
次回もよろしくお願いします。