四神としてのお仕事?いや、仕事がなくて自由にしてます。 作:第三のケモナー
「私達は人間じゃない。」
さて、どんなリアクションだ?逃げるか驚くか…
「知ってますよ。」
(なん…だと…)
予想していなかった答えて唖然とする肆。なんで知っているか分からない紫。
「なんで分かったの?能力?」
噂によると歌人の娘、つまり西行寺幽々子は何かしらの能力を持っているという。
紫は相手を見抜く能力だと思い、肆はまだ唖然としている。
「能力というのは合ってますが、正しくは能力によってできた副産物のようなもの。」
「副産物?」
「私の能力は『死を操る程度の能力』です。その為か生き物の気質が分かります。」
その言葉を聞き、肆は正気になる。死を操る程度の能力はそれこそ恐ろしい能力。有無も言わさず、人などを死なせる事が出来るという意味。
「紫さんが妖怪なのは分かります。しかし、肆さんは妖怪ではない不思議な気質です。」
「肆は妖怪じゃなくて四神よ。」
「!…
そうだったんですか。神様…」
「そんな大きい存在じゃないわよ。」
どういう事だ!四神ってメジャーじゃ無かったのか?もしかして、俺がそう思っているだけで大したこと無かったとか…
外から見たらどうなってた?「あの人何やっているの?」「見ちゃいけません。」
…ア゛ァァァァ
叫びたくなるくらい恥ずかしい事ってあるよね…
「ど、どうしたんですか?」
「…気にしないでいいわよ。それと~さんはいらないから。」
「じゃあ、紫と…肆。」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「…それじゃあ桜について教えてくれる?」
何事も無かったかのように話す肆。二人は触れないように話を始める。
「例の桜は西行妖といって妖怪。人の精気で妖怪となった。そして…」
まず、最初の発端は噂通り幽々子の父親だそうだ。
しかし、自殺ではない。美しい桜の下で生涯を終えたくて死ぬ直前に桜へ行き、亡くなったそうだ。
そこまでは良かったが、それにあやかる人や幽々子の父親を募っていた歌人などが同じ場所で死んでいった。そのため、桜は妖怪となったそうだ。
そして、今日の夜が西行妖の満開となる。
「元々、私は『死霊を操る程度の能力』を持っていたの。あの桜がおかしくなった時にその影響で『死を操る程度の能力』に変わったの。」
「そうか…ありがとう。すまなかった…」
ちょっと暗い雰囲気になり、思い出させた事に謝る肆。
「肆、幽々子と二人きりで話をさせてくれるかしら。」
「ん?ああ、いいよ。」
紫が幽々子と二人きりで話したいそうなので席を外す。
その間、西行妖の攻略を考える。
セイリュウは『始まり』を操る事が出来る。今回、その始まりが幽々子の父親の死亡。もし、その始まりをなくしてしまえば解決する。
しかし、そう簡単にいかない。あまりにも複雑で何が起こるか分からないからだ。この能力は歴史を変える事と同じようなもの。
(そんな事はしたくない。)
西行妖の始まりは幽々子の父親とあやかった人々。『幽々子の父親が桜の下で亡くなった』という事を変える事は出来ない。無くせば何が起こるか分からない。
セイリュウは始まりを作る事が出来るが過去では作れない。スザクだとしても同じ事。
(やっぱり、『退治』と『封印』しかないか…)
西行妖の力が分からないため、これ以上考える事は出来ない。
「何でよ!
…分かったわ、好きにしなさい…」
紫が急に大声となり小声となる。何かあったのか?部屋から出て来て一言、
「肆、もうこの町から出るわよ。」
有無も言わさずスキマに放り込まれ、町の外れに着く。もう夕方で辺りは薄暗くなっていた。
「紫!何で?」
「こっちが聞きたいわよ!…ねえ、肆。肆から見た人間って何?」
元人間の肆は答える事が難しく、
「よく分からない。」
と、答える。そして紫が驚き「…そうよね」と呟く。
「もし二人の友達がいて、片方が助ける時にもう片方から助けないでいいと言われたとする。理由は何だと思う?」
「それは、巻き込みたくないとかじゃないか?…まさか!」
「幽々子は自らの命と引き換えに西行妖を封印するの。」
一瞬頭が真っ白になった。もうやると前から覚悟していたのだろう。急がないと!
「紫!西行妖の場所は?」
「助けるの?何で…」
「そういう所で助けるのが親友なんだよ!」
「ッ!…場所は知らないけど、寺に戻るわ。」
二人はスキマに入り、寺へと戻る。辺りはもう暗い。
「幽々子は?西行妖はどこに?」
「…もう…お出かけに…お教え出来ません…」
マズイ!時間がない。
「肆!あっちに大きな妖力があるわよ!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「なんだ…これ…」
とてつもない大きな妖力を目指したら「美しい」「綺麗だ」と言った人々が自殺していく。血を吸っているように見える。あれが西行妖…
(幽々子は?)
その時西行妖が大きく揺れ動き、花は散っていった。一瞬の出来事、まるで幻を見せられたかのように花が無くなっていた。
桜から逃げる人、何が起こったのか分からない人、やがて大きな悲鳴となる。
だいぶ落ち着き始め、桜の下には紫と肆しかいなかった。
「なんで…命を使ってまでする事なの?」
「…多分、これ以上自分と同じような能力の存在が人を死なせる事に我慢出来なかったと思う。」
「同じような…能力?」
「幽々子はあの桜の影響で『死を操る程度の能力』に変わったと言っていた。縁がある父親が関係してくるから影響したんだろう…」
「父親が…」
「人を死なせるためだけの存在を自分自身、許せなかった。」
紫や俺を巻き込みたくない事もあったと考える。
「ねぇ、なにしてるの?」
聞き覚えのある声で振り返ると幽々子がいた。
命と引き換えに封印したんじゃ…
「幽々子…なの?」
「ゆゆこ?もしかして私の名前なの?」
違うようだけど少し浮いてて幽々子にそっくりだ。
「紫…どういう事?」
「…生きてはないけど、幽々子は亡霊になっているわ。記憶も封印したんでしょう…」
「あなた達の名前は?」
「ああ、私は肆。」「八雲紫よ!」
読んで頂きありがとうございます。
お気に入り40ありがとうございます!これからもよろしくお願いします。