四神としてのお仕事?いや、仕事がなくて自由にしてます。   作:第三のケモナー

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25話

 

 

肆は焦っている。

 

なぜなら能力を重ねる事ができず、なおかつ『スザク』だからだ。

 

今、『目に入ってくる闇を光に変える』『相手の能力の影響を安全なものに変える』その2つが精一杯である。変えるための容量が大き過ぎた。

『スザク』は空を飛ぶ事が出来るが、パワーとスピードは『ゲンブ』と『ビャッコ』の方が圧倒的に強い。

 

他の姿になるのも良いが、見えなくなるのは致命的だ。能力もリセットされるため出来ない。

 

「うっ!」

 

段幕で何とかカバーしているが相手の剣が長くて少し当たってしまう。

 

「遅い。空でやっても遅いの?」

 

そして、空中戦でも苦戦している。

肆も全力の身体の底上げを神力で行っているが、スザクの全力の底上げは勇儀と戦った時と同じ位の力だ。

パワーは同じだがスピードが足りない。しかも、相手も段幕を使ってくるから近づく事が出来ない。

 

「さっきの姿の方が強そうだったよ?」

 

「さっきの姿って…何の事?」

 

肆は考えた。

あの痛み、あの感情、そしてなぜだかおぬの事を考えてしまう。

 

(そういえば…)

 

なぜ、能力の発動に集中出来なかったのが急に出来るようになったのだろうか…

 

ゲンブの『冬』が発動した?いや、姿はスザクだったし、今は『夏』だ。

 

(おっと、今は関係ないな…)

 

肆は『夏』の能力を使わないと勝てない事を考えて能力の容量を減らす。

 

『相手の能力の影響を安全なものに変える』の代わりに

 

(『相手のスピードを遅く変える。』)

 

「!?」

 

女性のスピードが落ちて肆の攻撃が当たっていく。

流れは完全に肆だと思われたが…

 

 

 

「グッ!?アアァァ!」

 

(さっきの痛みが…)

 

「やっと効いた…さあ、あなたの心の『闇』見せて?」

 

 

肆は怒りで感情が塗り潰された。自我が残っているが、痛みがだんだんと自我を削っていく。

 

普段、姿を変える時は痛みを伴う。『スザク』などの四つの姿の痛みは、頭蓋骨や肩甲骨、尾てい骨など部分的なすぐ終わる痛み。

 

しかし、今は全身が鈍い擦れたような痛み。意識が飛びそうになるが必死に我慢する。

 

赤い髪の毛が金髪へと変わっていき、おでこには短い一本の角が生える。神力が上がっているが、肆の意識があるためかそれ以上の変化は見られない。

すると…

 

「ひゃんっ!」

 

次に快楽。

肆の意識を無くすため、女性が仕組んだもの。彼女は『闇を操る程度の能力』であり、心の奥にある本能さえも呼び覚ます事が出来る。

 

ここで女性はミスを犯した。痛みが続く中で快楽を出すと両方とも緩和され、肆は平常を取り戻す事が出来た。

本来のスザクへと戻る。

 

(『相手の能力の影響を安全なものに変える』)

 

「ハァ…ハァ…」

 

心身共に疲れたのか、肆は息を切らしている。

 

「…面白くない。」

 

肆はこれからどう反撃していくか考えた。

『相手の能力の影響を安全なものに変える』は絶対に変えてはならないものだとわかった。

見えなくなるのも致命的で相手の位置も方角も分からないまま動くことは出来ない。

 

(?『方角』『位置』…そうだ!)

 

元々、四神は方角から生まれたもの。方角って事はまた新たな能力もあるかもしれない。

 

(南って…ん~南、あ!『指南車』)

 

歴史の授業で、先生のうんちくを思い出した。

昔の中国で霧の中でも南の方角をずっと指していたため、迷わなかったという。その南の方角をずっと指していた道具が『指南車』だ。

 

(指南車!そして、『目に入ってくる闇を光に変える』を『相手のスピードを遅く変える』にする。)

 

全く見えないが、相手の位置が見える。

肆に流れが出来る。女性は能力が効かない事に焦っている。

 

「こんな事、無かったのに!」

 

隙を狙って、前もって準備しておいた一点集中段幕を女性の腹に叩きつける。

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

「何て奴なんだ…結構本気で打っても気絶って…」

 

今、女性が気絶して横たわっている。本当は退治しないといけないが…

 

(封印して大量に人間を食わないようにしないと。)

 

肆は赤い布を懐から出して、神力を全力でその布に込めて、女性にリボンとしてつける。

すると、女性は女の子になって力が弱まる。

 

(ええ!女の子ぉ!?)

 

肆はこれが初めてだが、こうなるとは思っても見なかった。

 

「ん~?誰なのか~」

 

ヤベッ起きた…

 

「ここはどこなの?誰?」

 

記憶も封印したのか…

 

「君の名前はなにかな?」

 

 

 

 

 

「ルーミア!」




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