魔法少女いろは☆マギカ 1部 Paradise Lost   作:hidon

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FILE #32 鶴が掃き溜めに落ちる時

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『これは、慈悲深き我らが神に祝福されし戦闘である』

 

 画面の右端で、血の様に赤いターバンで顔面を覆った重武装の男が、ライフルの様な大型の銃を掲げて、威圧に満ちた異国語で宣言する。画面下に表示されたのは日本語で訳された仰々しいテロップだ。

 だが、鶴乃の意識は男に向かわなかった。

 彼とは対極の位置――画面の左端に映る人物を凝視する。男と全く同じ格好だが、背丈は頭二つ分は小さい。ターバンで幾重にも巻かれた頭の後ろから、長い巻髪が腰まで伸びている。

 

『我らは、現世と決別し、神の御為に自身の敵によって殺されることを望む』

 

 ソプラノの様な高い声を聞いて、確信。

 女性だった。背丈と声色から自分より幼い少女に違いなかった。

 歌う様に口ずさんだのは、例え熱心な修道者であろうとも、到底理解できそうにない、正に狂信とでも言うべき内容だった。

 

『私達は我らの宗教を守り、同胞を守り、故郷に勝利を捧げんが為に、これを遂行した。不浄と悪徳に満ちた異教徒共の撲滅を願った時、神は我らに祝福を賜りなさった。私は神に選ばれた純潔なる聖女である。私達はこの力を以てこの船に蔓延る不浄な不信仰者共を殲滅、及び服従させるものとする』

 

 彼女の言葉は頭に入らなかった。

 自分より幼い女の子が、テロリストに賛同し、何の罪も無い人々を悪と決めつけて皆殺しにしようとする――――理解の範囲外。正に別世界の様な光景に、ただ呆然となった。

 少女は、重武装の男が掲げているのと同等のライフルを携えると、銃口を鶴乃に向ける。

 ……いや、正確には、彼女の視線の先にある誰かに突き付けた。

 

「!!」

 

 カメラが引かれて、少女の標的が顕わになる。

 一瞬、頭の中がぼう、と真っ白になった。

 

 二人の人質。

 お母さんと、お祖母ちゃんだ。

 

 二人は、両手を後ろに回されていた。大方縛られているのだろう。

 暴行されたのか、年の割に整っていた筈の相貌は、至るところが赤く腫れ上がっている。あまりにも痛ましくて目を背けたくなった。

 

『日本国政府に告げる』

 

 少女は対極に立つ男と息を合わせたかの様に、大型のライフルの銃口を人質の後頭部に押し当てる。

 標的は母だ。引き金に掛かる指に少し力を加えれば、頭なんて簡単に吹き飛ぶだろう。

 

『我らの神が我らを祝福なさった様に、貴方達も自国民を寵愛しているのであれば我らの要求に答えろ。貴国に我らの活動資金10億ドルを要求する。そして、貴国に我らが宗教の布教及び教会の設立を許されたい。さすれば、この者達に慈悲を与える』

 

 彼女達の要求は、現実的に考えれば、到底認められるものではなかった。

 豪華客船に搭乗していた日本人は母と祖母を含め37名。

 脅迫を受けた日本政府は一時的なパニックと緊張状態に陥るが、首相が抵抗姿勢を主張。テロには屈さず、各国の軍隊と協働して人質救出に全力を掛けるように防衛省に指示した。

 しかし、当時、客船が浮かんでいた海域が、独裁国家・A国の領海であった事が、仇となった。

 A国大統領は、「自国の恥を世界に晒す真似はできない」、「テロリストには屈しない」と主張し、自国のみで過激派武装組織への徹底抗戦を宣言。

 客船に多数の軍隊を強行させ、人質の救出よりも、テロリストの殲滅を優先した。

 

 結果――――

 

 

『過激派武装集団■■■■に人質にされていた日本人37名の内、由比紀子さんと津和吹美江さんですが、混乱の最中、命を落とされた模様です』

 

 

 数日後のニュースでは、沈痛な面持ちのキャスターが淡々と状況を伝えた。

 詳細によると、突入したトラキア軍隊に焦ったテロリストが、人質達を用済みと見做して尽く撃ち殺したらしい。

 その中で、最初の犠牲者が、母と、祖母だった。

 過激派武装組織は、この一件で活動を自粛する程の大打撃を受けたが、代わりに、世界各国の多くの民間人の命が犠牲になった。

 

 

「…………」

 

 二人が死んだ。

 その事実をテレビで目の当たりにした時、鶴乃は顔面に浮かんだ感情に驚くことになる。

 

「ふ」

 

 口元が自然と弧を描いた。笑った。

 家族が死んだのに、悲しいとか虚無感とかは無かった。寧ろ、胸の奥でずっとつっかえていたものがようやく取れたような安心感で満たされた。

 

「ふふ……」

 

 ざまあみろ。これは罰だ。ひいおじいちゃんとおじいちゃんを汚そうとしたから、天罰が下ったんだ。

 笑い声が口元から溢れていく。もう、抑えきれなかった。

 なんて心地がいいんだろう。

 ずっと愛想笑いばかりしてきたから、心から笑えるなんて久しぶりだ。

 ああ、自分はなんて、

 

 

 ――――“幸福”なんだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「幸運が欲しかったんだろう? どうしてそんなにふさぎ込んでいるんだい」

 

 窓も締め切り、真っ暗に閉ざされた部屋で、白い獣が語り掛ける。

 今日は酷く不愉快だ。誰の声も聴きたくなかったのに、こいつだけは遠慮なく話しかけてくる。

 

「うるさい」

 

 鶴乃が乾いた瞳で彼を睨みつける。

 今の彼女の心を満たしているのは、重すぎるぐらいの罪悪感と後悔だった。

 あの後、二人の死を一生懸命悲しんだ――――つもりだった。

 だが、どれだけ泣こうと思っても、涙は出なかった。

 

「わたしは、望んでいなかった……おかあさんと、おばあちゃんが、死ぬことなんて」

 

「願ったのは君じゃないか?」

 

「……っ」

 

 言われたことを即座に否定してやろうしたが……言葉に詰まった。

 代わりに唇を噛み締めて、怒りの表情を向けてやる。

 

「君たちの世界には『人の不幸は蜜の味』という諺があるね。それは真理だよ。一人が幸せになるためには、誰かの不幸が必要になる。世界はそうしてバランスを取っているのだからね」

 

「でも……お母さんとお婆ちゃんだった必要はっ!」

 

「彼女達は君に不幸を与えていた」

 

「っ」

 

 淡々と告げる真実に、鶴乃は息を飲んだ。

 

「君が幸福になる為には、二人の排除無しに考えられなかった。僕は君の家庭環境を観察して、そう推測したが……違うのかい?」

 

 違わない。だけど、あの二人だけじゃないのだ。

 過激派武装組織が、撃ったのは……

 

「大勢の人も、巻き添えになった……」

 

 何も関係の無い、罪の無い人までもが、自分の“願い”の犠牲になった。

 そう考えた瞬間――――悪寒が全身を際限なく走り回った。

 ガタガタと震える体を抑えるように、自分の体を強く抱き締める。

 

「人間のそういうところがよく分からないな」

 

 白い獣は呆れ返った様に首を振って、飄々と告げた。

 

「今までの君はニュースを観ていて、人が死ぬのを知る度に、そうやって悩んでいたのかい? 悩まなかったろう? 悩んでも、そこから何かした訳でもないだろう」

 

 白い獣の顔は相変わらず虚無しか浮かんでいないが、声色はどこか嘲笑っているようにも聞こえて仕方なかった。無情な言葉を耳元で浴びせる。

 

「殺したければ殺せばいい。死にたければ死ねばいい。自分には関係ない。何処で何人死のうが君は興味無かった筈だ。それがどうして、今更になって悩むんだい」

 

 もうやめてほしい。

 これ以上、彼の言葉を聞いていたら、自分の奥底に押し込んだ黒いものが溢れかえってきそうだ。

 耳を塞ぐ。だが、彼の言葉は彼の口から紡ぎ出されたものではなかった。

 

『やれやれ、魔女と戦えなくなると僕たちとしても困るんだが……仕方ない、君がこれ以上沈み込まないように、あらかじめ伝えておこう』

 

 まるで電波を受信したかの様に、頭の中で彼の声が響いた。

 逃げようが無かった。

 

『君の因果は強い。だから、“幸運”はこれで終わりじゃない』

 

「え……?」

 

 愕然と、目を見開いた。つまりは――――

 

『これ以上誰かが不幸になったとしても……気に病まないことだね。君には全く関係無いのだから』

 

 ――――寧ろ、降ってきた幸運を、喜べばいい。

 

 白い獣――キュゥべえは、それだけ告げると、これ以上話は無いと言わんばかりに、背中を向けて去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、キュゥべえの言った通りの展開になった。

 誰かに“不幸”が下され、鶴乃に“幸運”が舞い降りた。

 

 参京駅北口地区市街地再開発事業計画の実質的主導者、梓 つむぎと、その夫、梓 康弘が――――

 

 

 死んだのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「亡くなったって……!? どういうことですか!?」

 

 参京商店街近くの公園のベンチで鶴乃と並んで座っていたいろはが驚きの声を挙げる。

 

「休暇中に二人で出かけていた時に、魔女に襲われて……」

 

「やちよさんは……?」

 

「モデルの仕事と神浜市のPRも兼ねて東京に営業に行ってたんだって。ほんと、呑気なもんだよね。代わりに立ち向かったのが、やちよと同じチームメンバーだった安名メルと、雪野かなえだったけど……」

 

 よほど強い魔女だったらしい。

 その二人も死んだ。魔女の命と引き換えに。

 

「そんなことって……!」

 

「主導者が不在になったことで、参京区(うち)に出向いてた工事業者は大混乱。反対派の人達もこれをチャンスと見て業者相手に暴動を起こしちゃってね……」

 

 事態を重く見た総責任者の神浜市長は、現場の混乱を収拾するべく、サンシャイングループ代表の日秀源道と対談し、再開発計画の一時中止を提案。

 源道もすぐに合意し、Divine Light of CITYの役員達に計画の無期限凍結を表明するように指示を出した。

 無論、これによりサンシャイングループは事業に関わる予定だった各業者から強いバッシングと、多額の違約金を請求されることになるが、

 

「これで、サンシャイングループも少しは打撃を受けるかもって、期待してたんだけどね……」

 

 鶴乃は溜息を吐いた。

 源道は難無く処理したらしい。

 

「七海やちよと梓みふゆも遺族からメチャクチャ文句を言われてさ。相当参ってたみたい。先に梓みふゆが耐えきれなくなって、治安維持部を辞めたの。それで、あいつは独りぼっちになった。責任を恥じたのか、PR活動も営業も自粛して、魔女の退治だけに専念するようになった。ほんと、ざまあみろ、だよね」

 

 ちなみに、PR活動と営業は一年後に再開させている。

 これには市長や八雲みたま等、彼女を支持する人々の強い推しがあったとの話だが、真相は不明だ。

 

「由比さん……!」

 

 いろはが睨みつける。鶴乃は顔を俯かせた。

 

「ごめん、不謹慎だったよね。全部わたしの願いのせいなのに……そんなこと考えちゃう自分が余計に嫌になってさ……」

 

 後悔がぶり返してきたのか、鶴乃の肩がガタガタと震えだした。

 

「嫌になって、嫌になって……どうしようもなくなって、わたし……とんでもないこと、考えちゃった」

 

 手のひらをじいっと見つめて、震える声で呟いた。

 手の中をいろはは見る。何も無いが、鶴乃の目にはそこに何かが映っているのかもしれない。

 拭いたくても、拭いきれない。

 見る度に、自分の後悔と罪悪を思い出させる程の、何かが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 鶴乃と万々歳を脅かすものは、綺麗さっぱりいなくなった。

 鶴乃の力ではなく、彼女自身の“願い”によって――――

 

 じゃあ、七海やちよや梓みふゆと対抗する為に得た、この魔法少女の力はどうすればいいのだろう。

 持て余す訳にはいかない。

 参京区には都合よく魔法少女は自分一人しかいないから、人々を魔女から守る為に行使するのは良いだろう。

 

 でも、それだけでは――――

 

 守り切れない。闇雲に目の前に現れた脅威に立ち向かっていくだけでは、治安維持部と同じだ。

 脅威の根源を、断ち切らなければ、参京区に真の平穏は訪れない。

 

 七海やちよは健在だ。

 日秀源道も健在だ。

 再開発計画も、いつまた再開されるのか分からない。

 

 “力”への渇望が始まったのはその時だろうか。

 ふと、もっと、強くならなければと思った。

 誰よりも強くなれば――――そう、“最強”と呼ばれるぐらいに自分が強くなれば、脅威は恐れおののいて、自ずと引いていくだろう。

 しかし、疑問は有った。

 “力”をどうやって身に着けていけばいい?

 

 そうだ――――!!

 

 答えはすぐに出た。考えるまでも無かった。

 七海やちよが、神浜市の守護神と呼ばれているのは、彼女が市内で“最強”の魔法少女であるからに他ならない。

 魔法少女にとっての強さの指標が単純に“力”を示すことなら――――自分もそうしていけばいい。

 

 

 

 

 

 

 そして、鶴は掃き溜めに落ちた。

 だが、生憎、その鶴は利口だった。

 掃き溜めに落ちた事をチャンスと捉えたのだ。

 沈んでも、“そこ”から抜け出せれば自分はもっと美しい鶴になれると信じ切っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 神浜市より、ずっと離れた街。●●県●●市――――

 

 梅雨はとっくに過ぎたというのに、この日の空はどす黒く沈んだ暗雲に覆われていた。

 叩きつける豪雨と、地鳴りがするほどの雷。どれだけ強靭な生命体であろうと、神が創り上げた大自然の力を目の当たりにすれは、怯え竦むしかない。

 それが例え彼女達――神の摂理から逸脱した存在である――魔法少女であったとしても。

 だが、魔女が出現したなら、話は別だ。

 雷雨に撃たれようが、討伐に向かわなくてはならない。それが彼女達の義務なのだから。

 

「はぁ……はぁ……」

 

 夜闇の様な曇天の下で、一人の魔法少女が全身を散弾の様な豪雨に撃たれながら疾駆する。

 彼女はこの街を護っている魔法少女チームのリーダーだ。

 自分から買って出たつもりは無かったが、気づけば、最年長は彼女で、必然とまとめ役になっていた。

 つい先ほど、他のメンバーを集めて、魔女を撃退したばかりだった。本当ならとっくに安心してる筈なのに、彼女の顔は、酷い焦燥感に塗れていた。

 まるで、何か、悍ましいものに追われている様な――――

 

「!!」

 

 高層物の屋上から、次の建物の屋上へと飛び移ろうとした瞬間だった。

 肩を、ギュッと掴まれた。

 

「ひ……」

 

 魔法少女の顔が緊張で強張る。おそるおそる振り向くと――――狐の仮面が有った。

 

「っ!!」

 

 逃げられない、と悟った瞬間、魔法少女は意を決した。

 武器を取って臨戦態勢を構える。だが、独りで立ち向かえる自信は正直無かった。

 何せ、他の仲間も、魔女を退治して解散した直後に――――“奴”に襲われたのだから。

 

「だ、誰なの……!?」

 

 狐の仮面と白いフードを被り素顔を覆い隠した中華風の薄い衣装の少女は、武道家の様に拳を構えると、意気揚々と名乗った。

 

「“決闘少女”だっ!!」

 

「っ!?」 

 

「あんたがこの街で一番強い魔法少女だって聞いてる。わたしと尋常に勝負しろ!!」

 

「何なの!? 一体、何の目的が有ってこんな真似をっ!!」

 

 魔法少女は困惑した。他の地区の魔法少女と有ったことは無いが、同じ魔法少女なら、仲間の筈だ。どうして仲間を襲う?

 だが、狐の仮面の返答はにべもない。

 

「問答無用!! 覚悟っ!!」

 

 決闘少女が飛び掛かる。

 4人もの魔法少女を短時間で潰した相手だ。相当な手練れと見ていい。真正面から相手をしては勝負にならない。

 

「!」

 

 ならば、ひたすら攻撃から逃げ続けて、隙を見せたら反撃する!

 一瞬で頭の中で作戦を立てた魔法少女は、相手が目前まで迫ると、横に飛んで避けようとする。

 しかし――――

 

「グウッ!!」

 

 動作がワンテンポ遅かった。

 足が地面を蹴るよりも早く、決闘少女の飛び膝蹴りが腹部に綺麗に決まった。

 

「がはっ」

 

 胃酸を撒き散らしながら、魔法少女の体が勢い良く転がった。

 腹部を両手で抑え込んで、痛みに呻き、悶える。

 だが、決闘少女は追撃を止めなかった。

 魔法少女の体に馬乗りになると、拳を高く上げた。

 

「ひぃ」

 

 目に涙が浮かぶ。あれが振り下ろされたら、一溜りもない。

 少女が咄嗟に顔を両手で守ろうとするが――――

 

 ヒュン、と風切り音が鳴った。

 同時にめきり、と鈍い音が響いた。

 

 何が起きたのか分からなかった。

 

「……!?」

 

 ――――最初は口がまったく動かないことが不思議だった。滝のような雨が自分の口に次々と流れ込んでいくが、吐き出せない。

 

「っ!!」

 

 瞳が大きく見開かれ驚愕に染まる。

 相手の拳が振り下ろされてから5分くらいは経ったろうか、ようやく理解できた。

 頬骨が、砕かれている。

 

「あぁ……あぁ……っ!!」

 

 叫びたい程の激しい痛みが急激に襲い掛かってきた。魔法少女は顔面を抑えながらのたうちまわる。

 だが、決闘少女はそんな魔法少女の悲痛な姿を見ても、一端も情け容赦を掛けようとは思わなかった。

 馬乗りのまま、仮面の奥で冷ややかに光る目で見下げて、淡々と問いかける。

 

「認めてよ」

 

「……?」

 

 魔法少女は、困惑した。一体何を?

 

「私が“最強”だって、認めてよ」

 

 心の底が震えるような、威圧に満ちた声だった。無論、魔法少女に拒否権は無い。

 

『わかり……ました……』

 

 喋れない代わりに、テレパシーで伝える。

 

『あなたが、“最強”の、魔法少女です……』

 

 仮面の奥で、口元がニタリと歪んだ。

 満悦だった。覚えのない高揚感を感じていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「わたし、は……」

 

 鶴乃の両手を見る目は、震えていた。

 話を聞いていて、いろはには手のひらに何が見えているのか、薄っすらとだが、理解できた気がした。

 恐らく、【痛み】。

 多くの魔法少女達を傷つけた時の返り血で、彼女の手は今も、汚れているのだ。

 

「自分勝手な理由で、多くの魔法少女を、傷つけた」

 

「どうして……!!」

 

 いろはが強い眼差しをキッと向ける。

 

「どうして、そんなことをしたんですか!?」

 

 いろはが声を荒げた。

 鶴乃の悲しみと辛さは、痛い程分かる。だから、彼女の気持ちを非難するつもりは無い。

 だけど、その行為だけは間違っている。それだけは、否定しなければならなかった。

 

「力が、欲しかった」

 

「そんなことの為に……!」

 

 馬鹿げているとハッキリ言ってやりたかった。

 だが、それだけ鶴乃は追い詰められたのかと思うと、言葉に詰まった。

 

「そう、そんなことだった」

 

 鶴乃が乾いた笑みをいろはに向けた。

 

「いろはちゃんと話してて、なんとなく気づいたの。あの時、わたしが求めていたのは、多分……“力”なんかじゃなかった」

 

「え?」

 

「わたしは……弱いままの自分を、消し去りたかった」

 

 出会った時は炎の様に爛々と輝いていた瞳の朱色が、今は一息で消えそうな程に、小さく揺らいでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――――

 

 

 

 

「決闘少女だ!! お前に勝ってわたしがこの町の“最強”になるっ!!」

 

「はあ!? あんた、何訳わからないこと言ってんのよっ!!」

 

「問答無用!! 覚悟!!」

 

 次に戦った別の町を治める魔法少女も、存外呆気なかった。飛び掛かり、膝蹴りを見舞ったところ、鳩尾に鮮やかに決まった。

 彼女はそのまま、呻きながら地面に転がり、苦しみだした。

 

「さあ、認めてよ。わたしが“最強”の魔法少女だってことを!」

 

「わけが、わから」

 

 ない、などと言わせる気は無かった。頭を思いっきり踏みつけてやった。

 メキメキと骨が軋む音が聞こえたが、何故か今の自分には心地いい響きだった。

 

「認めてよ」

 

 威圧。踏みつける足に一層体重を掛ける。

 

「わかり……ました」

 

 魔法少女は観念したのか、涙声でつぶやいた。

 

「あなたが、“最強”です」

 

 

 

 

 ――――

 

 

 

 二週間も経たない内に、潰した魔法少女は20人を超えていた。

 最初の魔法少女を叩きのめした時から、ずっと、空は曇天が続いていたが、鶴乃の気持ちは晴れやかだった。快晴の中で優雅に空を飛んでる様な心地よさだった。

 自分は強い。どんな魔法少女が相手だろうと、負けない。

 ――――この日も、強い魔法少女を求めて、神浜より遥かに離れた街を訪れていた。

 風の噂に聞いたところでは、この街を治める魔法少女は、『今まで誰にも負けたことが無い』らしい。

 楽しみで武者震いがしてきた。そんな魔法少女を倒せれば、自分の“最強”は更に立証されるのだから。

 この街に足を踏み入れた時、近くで魔女の気配を感じたが、10分後には無くなった。自分の求めている魔法少女が近くにいることは確かだった。

 狐の仮面が曇天の街中を疾駆する。この辺りは、台風が近づいていると予報があったため、街中を歩いている一般人はいない。

 戦うには都合が良かった。

 

「待ちなさいっ!!!」

 

 突然、背中に声が叩きつけられた。

 咄嗟に振り向く。

 

「え……?」

 

 思わず、仮面の下で口をぽかんと開けてしまった。

 当然だろう。そこに居たのは紛れも無く魔法少女だったが、小さいのだ。

 

(この子が?)

 

 この街を治める魔法少女だと言うのか――――噂を聞いてからゴリラの様な怪物を想像していたが、拍子抜けだ。

 少女の背丈は、自分より頭二つ分は小さい。青い瞳がクリクリと大きく瞬き、制服のような衣装越しの体格はとても痩せっぽちだ。

 中学生……いや、年齢が二桁になったばかりの小学生だろうか。

 

「あなたが決闘少女ね! 私と戦いなさい!!」

 

「っ!!」

 

 鶴乃は更に驚きに目を見開いた。

 初めてだ。まさか、向こうから戦いを挑まれるなんて思いもしなかった。

 少女の顔は本気そのもので、腰からショートソードを取り出して構える。

 

「……!」

 

 鶴乃もゆっくりと、拳を握りしめて、戦闘態勢を取った。

 躊躇いが無かった訳じゃない。

 だが、自分には“最強”になる使命がある。その為なら迷いや、甘さはとことん切り捨てる。非情に苛烈に、相手の心と体を粉砕する。

 

「挑まれたからには、どんな魔法少女だろうと、容赦しない……!」

 

 鶴乃が気迫を込めた声で牽制するが、小さな少女は微塵も怯まない。

 

「あなたが“最強”だなんて、私は認めない」

 

「はっ?」

 

「いきなり襲って暴力を振るうような人が、強いとは思わない」

 

 思わず仮面の下で笑みが零れそうになった。

 この少女の言ってることは可笑しい。現に自分は強さを証明しているのだから。

 決闘少女の噂は波の様に広がり、最近では自分を姿を見たら逃げ出す者もいる。出会った瞬間平服して、「あなたが最強です!」等と言い出す者もいる。

 

「何いってんの」

 

 仮面の奥の瞳が冷たく輝いて、少女を捉える。

 

「魔法少女なんて、弱い奴らばっかりだよ。力を見せつけたら、呆気なく引き下がる様な奴らばかり。それってさ……」

 

「…………」

 

 黙って睨みつける少女の眉間に、皺が寄った。あからさまに嫌悪感を浮かべていた。

 

「わたしがそれだけ強いってことなんだよ! 負けたことだって一度も無い! 今まで戦った魔法少女の全てがわたしの力に平伏した! みんな、わたしを“最強”って認めたんだ!!」

 

「だから?」

 

「だから……って!?」

 

 捲し立てる鶴乃の耳を、少女の冷え付いた言葉が貫いた。 

 

「そんなの、強いって言えるの? 人を傷つけて調子に乗ってるのって、カッコ悪いよ。そんなのただの不良じゃん」

 

「っ!!」

 

 少女の言葉が、心の奥底に沈んでいた黒いものを噴き上げた。

 まるで、溜め込んでいたものが爆発したように、鶴乃の足は飛び出していた。

 ――――そこまで大口を切るなら、自分を納得させるだけの強さを持ってるんだろう。

 一瞬で距離を詰めると、勢いよく拳を振り抜いた。狙いは顔面。少女はショートソードで受け止めようとするが、

 

「あぐっ」

 

 衝突。ぐちゃりと、気色悪い音が響いた。

 鶴乃の予想に反して、拳は少女の顔面に深々と決まった。鼻骨を粉砕。少女の華奢な体が衝撃で吹き飛び、地面に何度も叩きつけられる。

 

「っ!!」

 

 その光景を見て、我に返った。咄嗟に自分の拳を見る。少女の砕けた鼻からの血液で真っ赤に染まっていた。

 急に胸がずしりと重くなった。

 自分は何をしている。こんな小さな子を痛めつけて、正しい筈が――――

 

「っ!」

 

 ――――いや、正しい。

 首を振って、自分をそう戒める。自分は“最強”にならなければいけない。甘さを捨てると先刻(さっき)決めたばかりじゃないか。迷う必要なんてない。

 

「ぐぅ……」

 

 鼻が非ぬ方向に曲がり、顔を血塗れにしながらも、少女はどうにか体を起こそうとするが、叶わなかった。

 眼線の先にある曇天が、狐の面で遮られる。

 

「っ!!」

 

 ――――マウントを取られた!

 少女が即座に察したのも束の間、決闘少女の拳が高く振り上がる。

 この時点で、鶴乃は勝利を確信していた。あとはいつもどおり、負けを認めるまで甚振るだけだ。

 毅然としていた少女の顔が、初めて恐怖に歪んだ。咄嗟に顔面を両腕で庇った。

 

「あぁっ!」

 

 ひゅ、と風切り音。

 何かがパキリと折れる音が鳴り、少女が悲鳴を挙げる。

 振り下ろされた拳は、少女の枯れ枝よりも細い両腕をいとも簡単に粉砕した。力を失った両腕が、だらりと地面に横たわる。

 

「認めてよ」

 

 狐の仮面の奥から、低く震えた声が響く。

 

「わたしが“最強”だって、認めてよ」

 

「認めないっ!!」

 

「っ……」

 

 だが、少女の瞳は一端の力を失っていなかった。

 カッと見開いた眼力が、決闘少女を怯ませた。

 

「あなたみたいな酷い人を、強いなんて絶対に認めない!!」

 

「……っ?」

 

 呆気に取られた。少女の力強い眼差しは、何処かで見覚えがあった。

 懐かしいけど、思い出したくなかったもの。

 

 ――――そんな目で、見ないでよ。

 

 自分の心を見透かされてるみたいで、気持ち悪い。だから、

 

「認めてって、言ってるでしょ……」

 

 スッ、と決闘少女の拳が振り上がった。

 この一発で、終わりにする。   

 

「そうやって、殴れば、認めて貰えるって思ってるの?」

 

「っ!!」

 

 少女の言葉が再び自分の心に踏み込んだ。

 苛立ちが沸点を超えた。このまま殴ってやろうと振り下ろした矢先だった。

 

 

「あなた、只のバカだよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――――

 

 

 

 

 ――――いつかは、分からない。

 ただ、凄く古い記憶だった。自分がまだうんと小さかった頃だ。

 物心が付いて1年ぐらいしか経っていない頃かもしれない。

 あの時から、自分は祖父が好きだった。

 だから、だいすきなおじいちゃんのためなら、どんなこともできた。

 

「鶴、おめえ、なんであんな真似をしたんだ」

 

 あのころから、おんじはきびしいひとだった。

 

「だってあいつ、おじいちゃんのこと、わるくいったんだもん」

 

 でも、わたしにはうんとやさしかったから、ゆるしてもらえるっておもってた。

 

「バカ野郎!!」

 

 おんじはどなった。かおを、パンッて、ひっぱたかれた。

 わたしはしんじられなかった。なんでおこられたのかわからなかった。

 

「バカ野郎が……っ」

 

 

 ――――あれからずっと経ったけど、おんじがわたしに怒ったのは、あれが最初で最後だったと思う。

 あの時のおんじの目は、とても怖かったけど、辛そうで、悲しそうだった。

 

 

 

 

 ――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 少女に、トドメが刺されることはなかった。

 鶴乃の拳は止まっていた。

 拳が目の前にあるにも関わらず、少女は目を強く見開いたままだった。

 その瞳には仮面を被る自分が映っていた。激情を宿した瞳で必死に何かを訴えているようだった。

 自分への怒りと嫌悪。それしか無いと思ったがよく見ると、悲哀の色も混じっていた。

 自分を哀れんでいる様な視線が、小さい頃に一度だけ見た――――大叔父の目と、重なった。

 

「ぅ」

 

 途端に、胃の奥底から猛烈な嘔気が昇り上がってきた。

 少女の目が、異様に怖かった。

 まるであの時のおんじの目のようで、叱られてるみたいで。

 

「うわあああっ!」

 

「ぐぅっ!!」

 

 だから、振り払うべく少女の顔面を殴った。少女が気を失って目を開けなくなればいいと願って、何度も拳を小さな顔面に振り下ろす。

 

 わたしは強い。わたしは強い。わたしは強い。わたしは強い。わたしは強い。わたしは強い。わたしは強い。わたしは強い。わたしは強い。わたしは強い。わたしは強い。わたしは強い。わたしは強い。わたしは強い。わたしは強い。わたしは強い。わたしは強い。わたしは強い。わたしは強い。わたしは強い。わたしは強い。わたしは強い。わたしは強い。わたしは強い。わたしは強い。わたしは強い。わたしは強い。わたしは強い。わたしは強い。わたしは強い。わたしは強い。わたしは強い。わたしは強い。わたしは強い。わたしは強い。わたしは強い。わたしは強い。わたしは強い。わたしは強い。わたしは強い。わたしは強い。わたしは強い。わたしは強い。わたしは強い。わたしは強い。わたしは強い。わたしは強い。わたしは強い。わたしは強い。わたしは強い。わたしは強い。わたしは強い。わたしは強い。わたしは強い。

 

「わたしが“最強”なんだあああああああああああああああああああああああああっ!!!」

 

 少女の顔面は、原型を留めない程、ぐちゃぐちゃに腫れ上がっていた。殴ってる途中で歯も何本か抜け落ちた。骨も何本砕いたか分からなくなった。

 しかし、少女は決して鶴乃から目を逸らさなかった。強い瞬きは衰えることなく鶴乃を射抜いていた。

 ――――だが、もう限界は近い筈だ。

 今度こそ留めを刺そうと、最後の一発を顔面に振り下ろした。

 

 

「もうやめてえっ!!」

 

 

 突然、強い叫び声がどこかから聞こえてきた。

 拳を止めて振り向くと、少女と良く似た風貌の魔法少女が飛びかかってきていた。驚いて少女の体から飛び退くと、魔法少女は少女の体に覆い被さり、泣き喚いた。

 

「もうこれ以上おねえちゃんを傷つけないでっ!!」

 

「おねえ……ちゃん……?」

 

 愕然と目を見開く。

 魔法少女は、お姉ちゃんと呼んだ少女よりも遥かに体が小さかった。

 

「おねえちゃん……体が弱いのに、わたしひとりじゃ心配だからって……魔法少女になってくれたの」

 

 ひっくひっくと、見るも無惨な姉の体に顔を埋めて、魔法少女は懸命に訴える。

 

「周りに頼れる魔法少女はいなくって……でも、お姉ちゃん、いっしょうけんめい頑張って、私と、この町を護り続けてきたんだよ……! それなのに……!!」

 

 魔法少女が顔を上げた。涙に濡れた瞳が、激しい憎悪の色を纏って鶴乃を睨みつける。

 

「なんなんだよお前ぇ……っ! おねえちゃんが何か悪いことしたってのかよぉ……!!」

 

「あ……」

 

 まるで野獣の様な気迫に、鶴乃の足が竦んだ。

 そんな事情があったなんて微塵も考えて無かった。知らずに、自分の感情が向くまま、痛めつけてしまった。

 罪悪感が一気に湧いてきて、足が震えてきた。

 そこで妹が顔を上げる。怒りに満ちた形相で、吠えた。

 

「お前なんかよりおねえちゃんの方がよっぽど強いよ!! “最強”だよ!! おまえなんかちっとも強くない!! ただの犯罪者だよ!!」

 

 何も言い返すことができなかった。

 妹が涙を撒き散らしながら、小石を拾って投げつけてくる。顕にされている腹部に勢いよく当たった。

 

「っ……」

 

 少女の膂力は弱いのか、小石が当たった場所はちっとも痛く無かったが、代わりに胸がズキリと傷む。

 気がつくと、足が一歩引いていた。

 震えが全身に走ってくる。

 自分はまた、間違えたのか。思い込むあまり、バカな真似をしてしまったのだろうか。

 だが、目の前の妹が、答えてくれる筈も無く。攻める様な瞳をギンッと瞬かせた。

 

 

「鬼、悪魔、人でなし」

 

 

 耳を塞ぎたくなった。

 それらは、自分がかつて、七海やちよに言った言葉じゃなかったのか。

 妹の口が、裂けそうなぐらいに大きく開いた。

 

 

 地獄に堕ちろ―――――!!

 

 

「ひっ……」

 

 体から一気に力が抜けた。腰が落ちてその場で尻もちを付いた。

 

「違う……わたしは……」

 

 仮面の下で涙がとめどなく溢れだした。

 

「ただ、みんなを守りたいから……力が欲しかった、だけで……」

 

 分かっている。

 そんな言葉はただの言い訳だ。信じてもらえる筈が無い。

 妹の瞳が苛烈さを増した。到底信じられないと訴えている。

 

「そんなものの、為に」

 

 妹が歯をぎりりと食いしばった。

 

 

「おねえちゃんを、殺そうとした(・・・・・・)の……っ!?」

 

 

「えっ」

 

 妹のその一言が、鶴乃の頭に何かを過ぎらせた。

 

 

 

 

 

 

 

『私は神に選ばれた純潔なる聖女である』

 

 

『私達はこの力を以てこの船に蔓延る不浄な不信仰者共を殲滅、及び服従させるものとする』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うそ……」

 

 自分が、人殺し? あの、テロリストの少女と、同じ?

 

「ぅ……」

 

 頭が割れそうな程、痛い。胸も張り裂けそうだ。

 一体自分は何をやっているのか? いつ間違ったのか? どこで間違ったのか?

 何度も自問自答するが、答えは出ない。

 もしかしたら最初からだったのか? 自分みたいな奴が、魔法少女になったこと事態、間違いだったのか?

 

「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっっ!!!」

 

 悲痛に耐えきれなくて、割れそうな頭を抱えて、喉が引き千切れるぐらい叫んだ。

 妹はそんな鶴乃に、同情も哀れみも顔に表すことなく、ただ冷ややかに見つめていた。

 彼女は自分を同じ人間とは思っていないのだろう。

 この叫びさえ、獣の遠吠えのようなものと認識しているのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――――ねえ、いろはちゃん。

 

 

 ――――わたしって、くるってるのかな? 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




まず最初に、長くなりすぎました。
分けるところも見いだせずこのまま投稿させていただきました。
本当に申し訳ありません。

そして、『決闘少女』ですが……ええと……こちらも暗くなりすぎました。
鶴乃好きの皆様、本当にごめんなさい。

メインストーリーが、順調に終わりへと歩みだそう?としているのに、拙作は未だに暗闇の底でうずくまっている状態です……

鶴乃の過去は以上で書ききったので、鶴乃編は一旦休止にして(まだ続くんかい!)、いろはの話に戻そうと思います。
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