魔法少女いろは☆マギカ 1部 Paradise Lost   作:hidon

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 長らくお待たせいたしました。

 ※オリキャラ登場します。



FILE #44 それぞれの思惑②

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――――19:00 宝崎市。

 

 夜も更けて冷え込んだ空気が全身に突き刺さるようだった。

 宝崎駅の3番線ホームでは、いろはが、葉菜と累に見送られていた。

 

「じゃあ、いろは! またなっ!!」

 

 笑顔で豪快に手を振る彼女の姿を見てると、不思議と寒く感じなかった。

 

「ういちゃんを見つけたら、真っ先に紹介してくれよ!!」

 

「うん! 葉ちゃん、約束するよ!」

 

「おとうさんとおかあさんにもよろしくね~」

 

 累も呑気そうに手をひらひらと振った。

 よかったと、心からそう思う。

 自分が抜けることで、彼女達との関係がギクシャクしないか心配だったけど――――安心した。 二人は変わらない。

 いつまで経っても、そのままでいてくれる。

 

「ありがとう! 累さんもお元気で!」

 

「まあ、のびのび生き残ってるよー」

 

「たまには遊びに来いよっ!」

 

「あたしらもその内遊びにいくからねー」

 

 そんな気がしたから、自分は安心して次に進める。新しい生活への一歩を、踏み出せる。

 話し合ってると、電車が到着。

 プシューとドアが開く音がしたので、いろはは二人に背中を向けて乗り込んだ。

 

「葉ちゃん、累さん! またね!!」

 

「おう!」

 

「次はお土産持ってきてねー♪」

 

「ふふ」

 

 累の言葉に笑みが零れてくれたのは僥倖だった。

 ……正直、次に二人に会えるのはいつになるか分からない。そう思うと、寂しさが込み上げてきて……涙が零れそうだったからだ。

 でも、累のお陰で、そんな気持ちも吹き飛んだ。それに泣いてお別れなんて、二人も望んでいない筈。

 

 ドアが閉じられる。

 電車がゆっくりと動き出す。 

 二人の姿がどんどん小さくなる。

 でも、いろははずっと手を振り続けた。

 

「……よしっ!」

 

 ゆっくりと手を下ろされた手が、自然と握り拳を作っていた。

 戦いは、これからだ。

 新しい街で、大切な家族を取戻す為に――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――――駅のホーム。

 

「いっちゃったねー」

 

「ああ」

 

 いろはを乗せた電車は、もう闇夜の中へ消え去ってしまった。

 二人だけが、その場に取り残された。

 

「累さん心配だなー……おみやげ」

 

「心配するとこそこかよ……」

 

 ……いろは、当分あたしは、苦労しそうだ。

 主にこいつ()の扱いに。

 

 もはやツッコム気力も無い。

 寂しさも悲しさもどこかへと吹き飛んだ。

 葉菜はガックリと項垂れる。

 元気よくステップする累の背後を幽鬼のように付いていきながら、いろはが早く目的を達成して、地元に帰ってくれることを願ってやまなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――――21:00 神浜市・中央区。みかづき荘。

 

 ここまで、誰にも襲われなかったのは運が良かったかもしれない。

 大金を受け取ったことは葉菜に話したが、彼女は「どーしても悪いと思うんなら出世払いだっ!」と言いのけて借金扱いにしてくれた。

 

「ただいまー」

 

 玄関を開けるた途端に、緊張した。

 シン、と静まり返ったリビングには、今日起きた出来事をすぐに打ち明けられそうな大人たちはいなかった。

 いるのは……

 

「おかえりなさい……」

 

「まさら、さん」

 

 苦手な彼女だ。大きい革製のソファを一人で陣取ってテレビをご覧になっている。

 表情が自然と強張ってしまう。しかし、彼女もこれからは家族の一人だ。話し合って、打ち解けなくてはならない。

 

「ご飯、たべた?」

 

「ええ……途中で」

 

「そう」

 

「まさら、さんは?」

 

「帰ってすぐに」

 

「そうですか…………」

 

「……………」

 

 会話終了。

 

 まさらはもういろはに興味関心を無くしたかのように目線をテレビに向けた。

 ――――気まずい。

 いろはの背中に汗が滲んで、じんわりと冷たくなる。

 自分は話が得意な方では無い。

 学校では、必要最低限の会話しかしなかったし、魔法少女チームでも、累と葉菜が積極的に話しかけてくれたから、良好な関係が築けたと言ってもよくて……。

 だから、まさらのように、こちらから話しかけないといけないタイプは、正直怖い。

 変なことを言ったら、素っ気ない態度を取られそうで。

 そうされたら、これからの関係もギクシャクしてしまいそうで。 

 

「……っ!」

 

 ああ、ダメだ。 

 頭がカーッと熱くなって冷や汗が滲んできた。

 いろはの右手は汗を拭う様に、自然と(・・・)額を撫でた。

 

「……!」

 

 瞬間――――まさらの顔がいろはに向く。

 

「……それ!」

 

 何かに気づいたような、ハッとした顔だった。

 

「え……?」

 

「手で額を撫でるその仕草……この前、海外ドラマで見たけど……貴女、恥じてる(・・・・)?」

 

 ギクリとした。

 恥じてる、というよりはまさらの前なので緊張しているのだが……。

 いや、確かにそれを彼女に悟られるのは、恥ずかしい事かもしれない。

 

「それは……」

 

「何かあったの?」

 

「え、ええっと……」

 

「大丈夫。笑ったりしないから」

 

 目が泳ぎ出すいろはとは対照的に、まさらの瞳はいろはを強く見据えていた。

 

「そ、そうですか……じゃあ」

 

 声が上ずりながらも、いろはは会話を始めた。

 

 ――――今日、地元で起きたことを。

 

 学校で、自分の為のお別れ会が開かれたこと。

 自分は、それに全く興味が持てなかったこと。

 クラスメイトと別れることが寂しいと思わなかったこと。

 

 魔女に襲われて、死にそうになったこと。

 だけど、魔法少女のチームメイトが駆け付けてくれて、助けてくれたこと。

 二人と一緒に夕食を食べて、談笑して、最後に、見送って貰ったこと――――

 

「……ご苦労様」

 

 話し終えた後に、そう労ってくれたので、緊張が少し解けた気がした。 

 途中で興味を失くされるか心配でならなかったが、意外にも彼女は瞳を反らすこと無く、最後まで真剣に聞いてくれた。

 

(それにしても―――― )

 

 思い返してみると、中々に濃密な一日だったと思う。

 本当に神浜市に来てからの数日間は色んなことが起き過ぎだ。一日がこんなにも早く終わるなんて今まで思ったことが無かった。

 そう考えると――――

 

「またそれ」

 

 まさらがまた(・・)仕草を指摘してきた。

 無意識の内に、右手が額を撫でていた。

 

「あ、ええっと……本当に、私って地元じゃ無作為に生きてたんだなあって思っちゃって……」

 

「何も積み上げてこなかった、何も興味を持てなかった自分が、恥ずかしいって?」

 

「あはは……まあ、そんなところです」

 

 苦笑いを浮かべて肯定すると、まさらは否定するように首を振った。

 

「悪いことじゃない」

 

「えっ?」

 

 てっきり呆れられると思っていただけに、まさらの言葉は意外だった。

 

「私にも、そういう時期があったから」

 

「まさらさん、も……?」

 

 迷わずコクリと頷く。

 

「貴女の話を聞いて思ったけど……多分、それって誰にもあることだから、気にしなくていいと思う」

 

「そう……ですか」

 

 そう言って貰えると少し安心した。

 それに、まさらの評価も改めた。

 冷たい、氷のような人だと思っていたけれど、もしかしたら彼女も不器用なだけで、本当は……

  

「貴女が羨ましい」

 

「えっ?」

 

 いろはは目を開けてびっくりした。

 またまた意外な言葉が飛び出してきた。

 

「不謹慎だと思うけど、刺激的な毎日を送れてる貴女が羨ましい。だから、安心していいんじゃない?」

 

「安心……?」

 

「変われる可能性があるから」

 

 変わる……。

 確かに、自分の環境は目まぐるしく変わったけど、だからといって、私自身変わることってあるのだろうか。

 いや、もう変わっているのに、気が付いていないだけなのか。

 分からない。いまいち、実感が湧かない。

 

「変わる……? まさらさんは、どうなんですか?」

 

「私は……秘書業務も慣れちゃったから、刺激が欲しいと思ってる」

 

「退屈、してるんですか?」

 

 まさらは即座に首を振った。

 

「いえ、こころと市長がいるから……前ほど、退屈はしてない」

 

「あはは、何か分かるなぁ~」

 

 あの市長の前では、どんな魔法少女も形無しだろう。相当振り回されているに違いない。

 

「……! そうだ!」

 

「?」

 

 市長と聞いて、いろははハッと口を開けた。

 首を傾げるまさらの前に、一枚の厚みのある封筒を置く。

 

「これは……?」

 

「私の今後の為にって、葉ちゃんのお父さんが……」

 

 その重みに僅かばかり目を見開いて驚いた。

 だが、直後にまさらは、力強く頷く。

 

「分かった。一先ず私が預かって、明日市長に委ねるわ」

 

「ありがとうございます」

 

 市長と直接繋がっている彼女にしか頼めなかった。

 まさらが懐に封筒をしまうのを見て、安心して表情を綻ばす。

 

「……不思議」

 

「……え?」

 

 と、いろはは呆気に取られてしまう。

 まさらが丸い瞳で自分をジ~~っと見つめているからだ。

 

「貴女、自然に笑うのね。私の前だけ、ぎこちなかったのに」

 

 思わずあっとなるいろは。

 今更気が付いたが、まさらに対する緊張はもう無かった。

 

「……多分、安心したんだと思います」

 

「安心?」

 

 きょとんとなるまさら。恐らく彼女に自覚は無い。

 だから、それをはっきり伝えようと思った。

 

「私とまさらさん、結構似てるところがあるんだなあ、って分かって」

 

「似てる? 私と、貴女が?」

 

 まさらは目を丸くして驚いたまま。

 本当に人の言葉をそのまま受け止めてしまうらしい。首を傾げる仕草が少し可愛いと思ってしまった。

 

「まさらさんと距離が近くなれて、嬉しかったんだと思います」

 

「距離が、近く?」

 

「はい。だって私たち、家族なんですから。仲良くなれなかったら嫌ですよ」

 

 言った直後に、いろははビックリ仰天の余り、思考が真っ白になった。

 今までずっと無しか映さなかった、まさらの表情が――――笑った。

 時間にすると本当に1秒に満たないぐらいの僅かなものだったが、確かに右の口端が上がったのだ。

 

「……そう、良かった」

 

「まさらさん?」

 

 いろはは更に驚いた。

 まさらの表情がまた変化したからだ。眉を下げて不安そうな顔を顕わにして語り出した。

 

「私は家族を失ってないから、失った貴女の気持ちがよく分からない。だから、貴女とこれからどう接していけばいいか……ずっと考えてた。……でも、私なんかじゃ冷たくすることしかできないと分かったから、極力、やちよさん達に投げてしまおうって思ってた」

 

「まさらさん……」

 

「あの人達は、私より全然経験も豊富だし、友人も多いから……」

 

 いろはは言葉に詰まった。

 まさらが自分に不愛想で、素っ気ない態度を取っていたのは、彼女なりの不器用な気遣いなのだろう。

 自分がまさらを気にしなくていいように、あえて突っぱねるような態度を取っていたのだろうか。 

 

「だから、貴女の方から距離を詰めてくれて。私に頼ってくれて……なんというか、安心したのかも」

 

 まさらの口端が再び吊り上がった。

 

「まさらさん、ちゃんと笑えるんですね」

 

 それを見ていろはも満足そうに笑い返した。

 

「嬉しいことがあったら、誰だって笑うと思うけど?」

 

「そうですね」

 

 暗いニュース速報が淡々と聞こえるリビングの中で、二人の心は暖かさに満ちていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 全員が中々帰ってこない上に、電話を掛けても繋がらない。

 そんな訳でいろはとまさらは、まずみたまから探しに行くことにした。

 魔法少女は夜間活動が基本な為、彼女の店、ミロワールは来客によっては深夜帯まで開いていることも珍しくない。

 無論、調整課はどんな魔法少女もウエルカム。傭兵が魔法少女の個人情報を入手する為に、殴り込んでくることも屡々(しばしば)あるらしいのだが。

 

「全員、返り討ちにされたそうよ」

 

「えっ!?」

 

 まさらが言うと、いろははギョッと目を見開く。

 

「人柄に惑わされて懐柔されるか……あるいは叩きのめされるか」

 

「なんか、想像できないですね……」

 

 特に後者は。

 あの可憐な見た目と不純物が一切無い陶器のような白腕から、手練れの魔法少女をねじ伏せる姿が想像できない。

 

「あの人はやちよさんに体術指導を行ったこともあるの。昔は、神浜町(ここ)で相当ブイブイ言わせてたそうよ」

 

「ブイブ……? なんですかそれ?」

 

「威勢を誇るって意味ね」

 

「……みたまさんのことがよく分からなくなってきました」

 

「安心して。私も分かってないから」

 

 とにかくあらゆる意味で、凄い人なのには変わりない。

 話しながら薄暗い通路を歩いていると、ミロワールの正面玄関に辿り着いた。

 いろはが、扉を開けると――――

 

 

「いらっしゃいませ―――――☆☆☆」

 

 

 元気溌剌な大音声が聞こえてきて、いろははうっとたじろぐ。

 

「……えっ!?」

 

 同時に、唖然とした。

 店のバーカウンターにいたのはみたまでは無く、全く知らない女性だ。

 海の様な青色のショートカットヘアの頭頂部には犬耳の様な癖毛が両サイドにツンと生えている。

 満面の笑みは愛くるしく、身長は自分と同じくらいだが、バーテンダースーツで纏った肢体はスレンダーな体つきを強調していた。

 

「あ――――っっ!!!」

 

 バーカウンターの女性は、いろはを視認するやいなや、犬耳のような髪をぴょこぴょこ動かしながら飛び出してきた!

 

「いっろっはっさ―――――ん!!!」

 

「わっぷ」

 

 いろはに激突、そして抱擁。

 顔に柔らかい二つの球体を押し付けられて息が詰まる。

 

「あ、貴女は……」

 

 着痩せするタイプなのか、自分のそれよりも大きく、ふかふかしてて羨ましい。

 ぺりっと女性を引き剥がすと、ビシッとおでこに水平に手を当てて敬礼!

 

「これはこれは申し遅れました!! 初めまして環いろはさんっ!! わたくし、夕霧 碧(みどり)と申しますっ!」

 

 その名字を聞いた途端、いろはがあっと驚いたのは言うまでも無い。

 

「夕霧って、もしかして、青佐さんの!?」

 

 碧は満面の笑みでピースサイン。

 

「そうでーす!! ここの最上階で神浜市の絶景を背中にしてふんぞり返ってる市長の娘でーす!!」

 

 よっろしっくねー!! と碧はいろはの両手を握ってぶんぶんと振り回す。

 その膂力は凄まじくいろはの体も振り回されそうになる。

 

「よ、よろしくお願いします……」

 

「あ、ちなみに彼氏募集中なんで宝崎市にイイ男性が居たら教えてくださいねーっ!!」

 

「こら」

 

 いい加減歯止めが利かなくなりそうなので、まさらが頭をチョップして食い止めた。

 一呼吸置いてから、いろはが問いかける。

 

「えっと……碧さんはこちらで働いてるんですか?」

 

「はい! たまにここで調整課のお手伝いをさせて頂いてますっ! ま、学費稼ぎのバイトですねーっ」

 

「みたまさんはどこに?」

 

 続けてまさらが問いかけると、碧は頭をツンツンとつついた。

 何かを思い出す時に必ずやる癖らしい。

 

「ああ、八雲課長……じゃなくてみたまちゃんなら」

 

 

 ――――ピーターさんと一緒に呑んでますよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――――同時刻。みかづき荘より近くの居酒屋。

 

「………うっぷっ」

 

「飲み過ぎよ」

 

 豪快に中ジョッキのビールを一気飲みする美女――まったくいろはや彼女を慕う子が見たら何て思うか――に辟易するピーター。

 

「私にとっては水と変わりなわいよぉ」

 

 まぁ味覚がダメなので、間違ってなくはないが……。

 ピーターはハア、と溜息を付く。

 新しい家族ができたことを“二人で”祝おうと彼女に呼ばれてきたのに、これじゃあやけ酒だ。

 既に呂律も回ってない。

 

「本題を言う前に潰れないで頂戴」

 

「……」

 

 下唇を噛んだ。

 あからさまに不満な表情が、顔に顕れる。

 

「貴女が私を誘って呑みにいくのは決まって、何か相談があるときでしょう?」

 

 みたまとの付き合いは長い。

 彼女が――――いや、調整員は皆、頑固な性分なのをピーターは重々承知だった。自分から積極的に求めなければ中々本心を話してくれない。

 というのも、魔法少女を見守る立場にある調整員は常に明るく笑顔で振舞わなければならないからだ。

 それはみたまが課長に着任してから自分に、そして各町の調整員にも厳しく戒めさせていることである。

 暗い顔を見せていたら、魔法少女達の間に不安が走ってしまうからだ。

 

「いろはちゃんのこと、何か気づいたの?」

 

「…………」

 

 先ほどまでどうでもいい話を捲し立てていたみたまの舌が、ピタリと止まった。

 緩んでいた顔が、急に引き締まり、氷の表情を作り出す。

 

「……ねえ、ピーター」

 

 一呼吸置いた後に、意を決してみたまはピーターを見つめた。

 

「なに?」

 

 彼女の口調が変わった。

 ピーターも自然と目を細めて、精悍な顔を見据える。

 

「ちょっと“古巣”に戻ってもらえるかしら」

 

「あら、何か知りたいことでも」

 

 ――途端、肝が冷えた。

 みたまの目つきが、敵を見つけた兵士の様に鋭くなったからだ。

 

 

「PROJECT MAGIA RECORD」

 

 

「……!?」 

 

 思わず目を見開くピーター。

 怒りにも等しい形相から、聞いた事の無い英語の羅列が飛んできた。

 

「まさか、それって……」

 

「ええ、いろはちゃんの魂を覗いた時に見えた“深淵”の一部。研究所のような施設で、そのワードがあったの」

 

 “研究所”と聞いてピーターの背筋に悪寒が走った。

 まさか、いろはが――――いや、あの研究は大昔に中止された筈。

 あくまで、自分の知る限り、ではあるが。

 

あちらの人達(・・・・・・)は戦後職を失い困窮する日本人への救済処置として雇用という形で、“少女狩り”を行ってきた歴史がある。貴女を疑う訳じゃないけど、可能性は否めない」

 

「……分かったわ、調べてみる価値はあるわね……」

 

 言い切った後には、ピーターは大きく溜息を付いていた。

 これで、また皺が増えそうである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回登場した夕霧 碧のイメージ図です。
(カスタムキャストで作成)


【挿絵表示】


まさらさん、登山イベで凄く魅力的な子だと思いましたが如何せん書くのが難しいキャラです……
(投稿が遅れたのはそれも理由の一つだったり)

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