魔法少女いろは☆マギカ 1部 Paradise Lost   作:hidon

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FILE #77 蒼海幇vs竜ケ崎 中堅戦 ― 後編ー決着

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「UGggg……」

 

 

 高菜舞桜は困惑していた。

 崙 明零のスピードは倒れる前と比べて明らかに飛躍していた。

 チームメンバーから回避不可能とさえ言われた百眼の光線も、彼女は難無く回避した。息一つ乱れずに。

 

 ――――これが、蒼海幇の実力。

 

 ――――これが、中国拳法。

 

 ――――これが、天才少女の神髄。

 

 

「GuuuUuuUuU……!!!」

 

 

 負けてなるものか――と、舞桜は低く唸った。

 自分とて、“秘密兵器”と呼ばれた身だ。

 本来、結界を含めて『一つの生命体』と呼ばれる魔女を、自分の身体一つに集約させることで、究極のパワーとスピードとタフネスを得たのだ。

 正に、“怪獣”のように。

 誰にも負けることは無い。誰にも追いつくことはできないし、許さない。

 

 そうだ、誰にも――――

 

 

「……追いついてみてくださいよ」

 

 

 

「GI……!?

 

 GUUA!!!」

 

 

 

 明零の、心中を見透かした様な挑発的な一言が舞桜の逆鱗に触れた。

 舞桜はお辞儀をするような動作で、背中を丸めた。剣山の尖端が、一斉に明零へと向く。

 

「ミャオッ!!」

 

 明零、再び猫の真似――両手を丸めて、上体を低くして構える。

 瞬間――舞桜が咆哮!!

 

 

「GOAAAAAAAAAAA!!!」

 

 

 同時に、背中の剣山から突起がミサイルの様に一斉発射!!

 だが、攻撃は想定内。明零は再びミャオミャオ鳴きながら、猫の如き俊敏さで自分の身長くらいは有る大型の突起を、ひらり、ひらりと回避していく。

 10秒間避け続けると、攻撃が止んだ。

 明零が周りを見渡すと、擂台はすっかり針山地獄と化していた。

 

「それでもうおしまいですかっ!?」

 

 

「……HA~」

 

 

「……!!」 

 

 舞桜の顔面は百眼に覆われていて表情は見えないが、今の声は明らかに愉悦に染まっていた。

 明零は目を細めて、近くに突き刺さった一本の針を睨む。

 

 

『gi……gi……』

 

 

「……!」

 

 気を研ぎ澄まして、耳を澄ますと、確かに聞こえた。

 ――――間違いない。針の中に、『何か』が居る。

 

 明零が気づいた刹那――――針に()()()()()()()『眼』が出現した。

 同時に、針が割り箸のように割れる。二つの針の間に、ゴボゴボと気色悪い音を立てて、『肉』が形成されていく。やがてそれは、毬のような毛むくじゃらの球体を形成すると、身体中から高菜舞桜と同じ『百眼』が出現して、一斉に明零を睨む。

 

「使い魔!?」

 

 

『gigigigiiggigi』

 

『giiiiiiiiiii!!!』

 

『gi・gi・gi・gi・gi・gi』

 

『giigiiiiigiiiigiiii』

 

 

 それは一体だけでは無かった。鋸の刃音のような“鳴き声”が周囲から聞こえて、明零が振り向くと、()()()()()針から出現した“使い魔”が、無数に存在していた。

 ざっと見渡すだけでも、30匹はいる! それらが蜘蛛の如くカサカサ足音を立てて近寄ってくるのだから、不気味この上ない!

 

「っ!? ……………」

 

 流石にこの光景には一瞬ギョッとなる明零だったが、すぐに腹式呼吸を行って、気を引き締める。そして――――

 

「征ッ!!」

 

『giiiiiii!?』

 

 至近距離で近づいてきた使い魔の一匹を、ワンインチパンチで迎撃! 爆音を伴った一撃は、皮膚を軽く貫き、使い魔は桃と朱色の血漿を撒き散らしながら、擂台の端まで吹っ飛び、絶命した。

 

 

「GUAAAA!!!」

 

 

 だが、使い魔ばかり構ってもいられなかった。

 攻撃した瞬間の隙を見て、舞桜が瞳の光線で明零を狙撃する!

 

「ミャオッ!」

 

『gii……? giiiiiiiii!!?』

 

 彼女は読んでいた。

 明零はまたも猫のように姿勢を低くして、近くに居た使い魔の腹の下に潜り込む。

 舞桜の放った光線は、使い魔の球体に直撃! 金切り音の様な悲鳴を挙げながら、使い魔は体がドロドロに溶けて絶命した。

 液体状となった使い魔の身体が明零の全身を覆う。

 

「ぷはっ」

 

『giiiiiii!!!』

 

「っ!」

 

 ヌルリと顔を顕す明零。

 すると、至近距離に居たもう一匹の使い魔が、その鋭利な足で明零の顔面を貫こうとしていた。

 

「ミャオン!」

 

 踏み抜かれるよりも早く、明零は猫の様に鳴いて、飛翔した!

 足と球体の付け根を、蟹ばさみの如く両足で捉えると、腰を捻る。

 

『giii!?』

 

 すると、使い魔の視界がギュンッ一転した。

 床に薙ぎ倒されたそれは、そのまま明零の“盾”となる。

 

『giiiiiiiiii!?!?』

 

 舞桜が放った光線が顔面に直撃して、使い魔は悲鳴を挙げて絶命した。

 

 

 明零は今、攻撃回避と使い魔の撃退、そして高菜舞桜の攻撃への防御を同時にやってのけた。

 まさに、神業であった。

 

 

 

 

 

 

 

 ――――結界の外。チーム竜ケ崎の観客席。

 

 

「な、なんかヤバくないですか~……?」

 

「クソっ!」

 

「親分っ!?」

 

 いきなり結界に向かって全力疾走する樹里を、灼が呼び止める!

 

「ちくしょうっ! 灼ぅッ!! アタシに続けぇ! こんなことでウチの“秘密兵器”が敗れるなんてあっちゃならねえんだッ!! 絶対になァッッ!!」

 

 振り向いた樹里の顔は泣いていた。灼が慌てて羽交い絞めにする!

 

「ちょちょちょっ!? 待ってくださいよ! 乱入したらほんっとーに終わっちゃいますからねウチらッ!!」

 

「うおおおおおおおおお!! 頑張れ――――!! 頑張るんだ舞桜―――――!!」

 

「…………」

 

「先生! 試合ばっか見てないで、たまにはこのバカ止めてくださいよっ!?」

 

 

 ――――後に灼が頭痛薬を飲んだのは、言うまでも無い……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――――結界内・擂台。

 

 

「Grrrruuu……!!」

 

 

 高菜舞桜の苛立ちは頂点に達していた。

 それもその筈である。全力を尽くして攻撃してるのに、一向に決定打にならない。

 使い魔に気を取られた隙を付いて光線で狙撃する。すると、明零は()()()()()()かのように、使い魔を捉えて、“盾”にして回避する。

 そんな応酬が5分間、繰り返されていた。

 30匹はいた筈の使い魔は、既に全滅――――明零は窮地を脱し、高菜舞桜の顔にはいよいよ焦りが生じていた。

 

 

「GAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!」

 

 

 高菜舞桜が怒りの咆哮を盛大に挙げると、彼女の足元に特大の魔法陣が出現する。

 明零は動じず、深呼吸をして構えた。

 高菜舞桜が魔法陣に向けて、自分の尻尾を突き刺す。すると、

 

「っ!」

 

 明零の足元にも同じく特大の魔法陣が出現した。それは彼女を中心に捉えている! 

 直後――――明零は目を見開いた。

 彼女の周囲の床から、高菜舞桜の尻尾が“生えてきた”のだ! 一本だけでは無い。3mはあろうかという極太な鉄柱と見紛う程のそれが、八本も生えて、明零を周囲を取り囲んだ!

 

「……ミャオ!!」

 

 全ての尻尾の先端が、大きく仰け反った時――――明零が鳴いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――――どうしてだ。どうして、崙 明零は倒れない。

 

 

「G G G G ……」

 

 

 高菜舞桜の百眼には、狼狽の色が浮かんでいた。

 今、彼女の眼の前で起こっているのは、明零がまたも猫の真似で、自分の攻撃を回避している光景であった。

 鞭の如き俊敏さで風を切って迫ってくる鋼鉄の尾――――計8本による同時攻撃を、明零は涼しい顔でひらりひらり、又は、のらりくらりと避けていく。それは正に極上の劇団が演じる曲芸の様で。

 ふと、審判の美雨を見ると、その顔に心配の色は微塵も無く、ただ、その華麗な動きに見とれていた。

 

 

「GUuuuuu……!!」

 

 

 ――――私は強い。

 

 ――――竜親分が“秘密兵器”と呼んでくれた。

 

 ――――(もも)姉さんは、頼ってくれた。

 

 ――――先生が評価してくれた。

 

 ――――なのに……!

 

 

<焦っているんですね。高菜舞桜さん……>

 

 

「!? GOOA!!」

 

 

 不意に明零のテレパシーが頭に響いてきた。

 再び心を見透かされた様な一言に、そんなことないっ! と言わんばかりに声を張り上げる舞桜。

 

<無駄です。あなたの攻撃には、さっきみたいな精細さが、感じられない>

 

 

「GUuuu……」

 

 

<大ざっぱに振り回しているだけ。パターンはもう、読めました>

 

 

「gu…………」

 

 

 舞桜が後退した。

 自分の意志では無く、明零への“恐怖”により、自然と足が動いていた。

 百眼は小刻みに震え、相貌は血の気が引いたように、白く染まりつつあった。

 

 

<私の“勝ち”です>

 

 

 明零を取り囲む尻尾群の動きが、停止した。

 その内の一本に向けて、明零が拳を突き出す。

 

 

「征ッ!!」

 

 

 

 ――――ズドン。

 

 

 盛大な破裂音が、静寂に満ちた結界の内部で木霊した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――――暗闇の中を、明零は泳いでいる。

 

 

 そこはかつて、師の修行によって沈められた“深海”の領域よりもっと深く感じられる場所であった。

 視界は全て漆黒に染められており、何も見えない。

 水圧のような“何か”が全身を締め付けてくる。そのせいで身体が鉛の様に重く、動きも鈍い。

 だが、明零は暗黒を両手で掻き分けながら、只管、前へと泳ぎ進む。

 

 宛ては無い。何も感じられない。

 ただ、信じていた。

 果てしない暗闇の向こうに、彼女の“心”があると――――

 

 

 そう、全ては、彼女を知る為に――――

 

 彼女の言葉を聞く為に――――

 

 自分の言葉を、彼女に届ける為に――――

 

 

 

(どうして……!?)

 

(どうして……倒れてくれないの……!!?)

 

 

 おぼろげだが、声がはっきりと聞こえてきて、明零は目を見開いた。

 ――――『そこ』に、いるんですね。高菜舞桜さん。

 

 声の方向に向かって泳ぎ進める。

 声が次第に大きくなる。

 

 

(私の方が強いのに……体だって、こんなにも大きいのに、どうして……!!)

 

 

 怒りに震える様にも、泣きじゃくっている様にも聞こえた。

 すると、小さな“何か”が、暗闇の中心に現れた。

 目を凝らし見ると、それは“怪獣”・高菜舞桜の顔面に生えた百眼の一つであった。

 血管が走り、真紅に染まっているそれは、ギロリと明零を睨み据えていた。

 

 

<高菜舞桜さん>

 

 

 怒りを顕わにした“瞳”に近づいて、明零が小さく語り掛ける。

 声に驚いたかのように、大きく震顫した。

 

 

<どうしてあなたは、その力が欲しいと思ったんですか?>

 

 

(…………)

 

 

 問いかけた途端、“瞳”が、下を向き、暫しの静寂が訪れた。

 それは彼女の躊躇いを顕していた。

 

 

(………………馬鹿に、されたから……)

 

 

 “瞳”は明零をしかと見つめ、小さく声を挙げた。

 

「えっ」

 

 

(みんな、体が小さくて、碌に運動もできなくて、気も小さな私を……トロイとかノロマって、馬鹿にするだけ馬鹿にして……! でも、いつまでも馬鹿にされて溜まるかって……)

 

 

 真っ赤に染まった瞳は、涙に濡れていた。

 刹那――――暗闇に映像が映し出されて、明零は顔を上げた。

 これは、高菜舞桜の過去だ。魔法少女になる、少しばかり前の出来事だ。

 

 普通の人間だった頃――――彼女に友達はいなかった。

 身体が小さく、生来の気の弱さのせいでスポーツは全く出来ず、そればかりか外に赴くことすら禄に関心を持てなかった。

 必然的に、クラスメイトに必ず二、三人はいる『調子の良い連中』から、槍玉にされた。

 

 ……いや、彼ら彼女らの言葉は、言葉の暴力と断ずるには可愛らしく聞こえ、まだ『弄り』の範囲内だと明零は思った。

 だが、舞桜にとっては『虐め』だったのだろう。

 彼女は、自分の“弱さ”が酷いコンプレックスだった。

 だから、自分の容姿や、動きの鈍さに関する物言いは、全て心に突き刺さってしまったのだ。

 

 そんな舞桜の唯一の楽しみと言えば、ごく稀に公開される『怪獣映画』を観に行くことであった。

 ある時、怪獣映画を観た帰り道――――彼女の前に、“それ”が現れて、転機が訪れる。

 

 

 

 

『キュゥべえ、わたしを魔法少女にして!!』

 

【願い事は決まったかい?】

 

 自然と舞桜の目線は横を向いた。

 映画館の外壁には、今しがた鑑賞した『怪獣映画』のポスターが貼り付いていた。

 舞桜はそれを指差し、強く言い放った。 

 

『あのポスターの…………アレだ! 怪獣に変身できるようにしてよ!!』

 

 キュゥべえは逡巡するように、下を見つめた。

 

【……君の願いは叶えられるだろう。だが、とてもリスキーだ。もしかしたら君は君で無くなるかもしれない】

 

『馬鹿にされたままの人生よりはずっといいよ!!』

 

【………………】

 

 

 キュゥべえは少し黙り込んでいたが――――やがて、意を決するように舞桜をしかと見て、言い放った。

 

 

『……分かった。良いだろう。契約は成立だ』

 

 

 以上が、経緯だった。

 

 

 

 

 ―――――

 

 

(――――キュゥべえにそう願ったの。そうしたら、いつの間にか、こんな力が自分には合って……)

 

 彼女は“その後”を語り出した。

 最初は、普通の魔法少女として戦っていた。だが、ある時、倒した魔女のグリーフシードの穢れをソウルジェムが()()()吸収してしまい、“怪獣”の姿になっていた。

 当時は、理性を失い、闇雲に暴れ回っていたところを、大庭樹里や両蘭百花ら、竜ケ崎の面々が止めてくれたのだという。

 

 

<そう、だったんですね……>

 

(ごめん、最低だよね。わたし……与えられた力で、調子に乗って……こんなの、自分の力じゃないのにね……)

 

 静かに語りかける瞳から、怒りは感じられなかった。

 ただ、自分の“弱さ”を克服できない悲しみと諦めが感じられた。

 しかし、

 

<いいえ>

 

 明零は、穏やかに。優しく微笑んで、首を振った。

 

<高菜舞桜さん、あなたは凄い人でした>

 

(えっ)

 

<わたしが今まで戦ってきた誰よりも強く、大きい人でした。正直に言うと、負けるかもって、本気で思っちゃいました>

 

(そう……)

 

<ありがとうございます。舞桜さん>

 

 明零は、瞳に向かって、ペコリとお辞儀した。

 

<あなたのおかげで、わたしはもっと、前に進むことができました。武術の極意に、近づくことができました。だから、これからは>

 

 

 

 ――――もっと、()()()力に自信を持ってください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「試合終了!! 崙 明零の勝利!!」

 

 

 ――――暗闇が晴れた。

 

 

 擂台の上は、あちこちが爆発したように破損し、見るも無惨な状態となったが、それ以外に大きな物的被害も無く、けが人は一人も出ずに済んだ。

 死闘を勝ち抜いた明零には、周囲から盛大な拍手が送られたが、彼女はそれらにまるで意に介さなかった。

 

 

「高菜舞桜さんっ」

 

 担架に運ばれていく彼女に駆け寄って、声を掛ける明零。

 

「大丈夫ですカ?」

 

「うん……」

 

 変身が解け、普通の少女の姿となった舞桜の顔は、微笑んでいた。

 

「ありがとう、明零ちゃん」

 

「エッ?」

 

「あの力を……竜ケ崎のみんなが、頼ってくれた。凄いって、強いって……評価してくれた。だけど……次に出すのは、“怖い”とか、“ヤバイ”とか“エグイ”とか……そんな言葉ばっかり。だから」

 

 

 ――――感謝されたのは、はじめてだよ。

 

 

 そういう舞桜は、敗者には見えなかった。

 長い憑き物が落ちたみたいに、晴れやかに見えた。

 

「これからは、もうちょっと、自信を持ってみるね。この力、“好き”になってみるから」

 

「ええ。また、会いましょう」

 

「うん。……次は、負けないからね」

 

 舞桜は言いながら小指を差し出した。

 

「うんっ! 約束ですっ」

 

 明零も力強く頷くと、小指を差し出して、舞桜のそれと絡み合わせる。

 二人は指切りをして、離れた。

 担架に運ばれていく舞桜に、舞零は拱手をしながら、いつまでも見送っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――――かつて、師・(ワン) 海龍(ハイロン)が教えてくれた話を、明零は思い出していた。

 

 かの“塩田剛三”が、弟子に教えたと謂われる【武術の極意】。

 それは、

 

 

 

 

『自分を殺しに来た相手と “友達” になること』――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ※ちなみに、チーム竜ケ崎の応援席では――――

 

 

 

「燃えたよ……。燃え尽きたぜ……。真っ白にな……」

 

 ベンチにもたれかかって、真っ白な灰と化す、劇画調の大庭樹里が居た!!

 

 

 ――――ご愛読ありがとうございました。

 ――――大庭樹里先生の 次回作に ご期待ください!!

 

 

「いや、なにやる気無くなったからって勝手に連載終わらしてんですかっ!? まだ私がいますよっ!? 続けて続けてっ!!」

 

「………………」

 

「あっ、ダメだこれ完全に逝ってるっ!? 先生、何とかしてくださいっ!!」

 

「絶体絶命!! 果たしてチーム竜ケ崎は無事大将戦まで勝ち抜くことができるのだろうかっ!!」

 

「いやなに真顔で無駄に威勢の良いナレーションしてんすかっ! ってか微妙に傷つくんですけどっ? 私超がんばるんで期待してくださいマジでっ!!」

 

 

 ――――結局、頭痛薬と一緒に胃痛薬も併用した、宮根 灼であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





 というわけで、長い長い中堅戦はこれにて終了となりました。
 文章量、約三万字……どうしてこうなった……!?

 普段は、下書き→清書作業するんですが、
 今回はにノリにノレたので、ほぼ下書きのままです。

 ごちゃごちゃしてますが、雰囲気を楽しんでいただければ幸いです。 

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