V・Racing   作:海苔 green helmet

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  近未来のゲームV・Racingの中で繰り広げられる熱い(?)バトルを描いた物語です。
 

 ※1素人の書いた作品です、文法的間違い、描写の分かりにくい部分等が有りましたらお手数ですがご報告願います。
2投稿は不定期です。
  3登場させてほしいキャラクターや車が有りましたら、気軽にコメントしてください。
  4アドバイスは大歓迎です。



 V・Racing♯14~SHADOW・GHOST~

    V・Racing♯14「SUN LIGHT」

 

 影幽霊「ムカつくな、その走り(そのマシンの性能を試すような走り、コッチも舐められたもんだ)」

 

 J(ここは少しブレるのか...

 でも、前と比べれば確実に性能が上がってる

 これなら..カッ飛ばせるかもな..)

 

 ステアリングを握る手がワナワナと震える、二個目のヘアピンが迫ると体が勝手にカウントを始める。

 

         

 

 180のブレーキランプが光る、ギアを落としてステアリングを切るとタイヤは悲鳴を上げて滑り出す。

 

 カウンターを戻してアクセルの開度を調整しながら開けていく。

 

 J(げえっあのハチロクってこの立ち上がりにもついてくるのか?)

 

 影幽霊(突っ込みは申し分無いが、カウンターの当てすぎだぜ、折角の稼いだ速度が無駄になってる

 早くそれに気づいてくれ...)

 

 ストレートの伸びはやはり180に分があるようで、少し直線が続くとグッと差が開く。

 しかし、曲がりではシャドウゴーストのハチロクが格の違いを見せつける。

 

 たが...

 

 影幽霊(この野郎!?...上手くなってやがる

 マシンの限界を知る度に調整して無駄を省いて走ってやがる、さっきの性能を試すような走りをしていたのはこの為だったのか?)

 

 180の動きが変化しつつあった、ぎこちなさが抜け、徐々に確実性のある走りに変わる。

 

  ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 ゲス男「予想通りだな、ヤイッチョンは..認めたくないがオレ達より何倍も上手い」

 

 王子「うん..でも、幽霊に勝てると思う?」

 

 ゲス男「・・・」

 

 王子「おい何で黙ってんだ(-_-#)」

 

 

 

 

 

 赤いS13に一人の男が近づく。

 

 リョージ「コンコンッ、こんな所で会うなんて奇遇ですなカスミさん」

 

 S13のドアが開き、血のような赤毛の女が出てくる。

 カスミはリョージを冷ややかな目で睨む。

 

 カスミ「..リョージ、アタシは前にお前に会った時になんて言った?

 そのちんけな脳ミソ使って思い出せ、アタシは[もう近寄るな]と言った筈だ」

 

 リョージはクスッと笑みを浮かべる。

 

 リョージ「確かにそんな事もあったような...

 話をねじ曲げまるけど、2JZの調子はどう?

 私の記憶が正しかったのなら、[太陽]に載ってるのはSR20の筈」

 

 カスミ「・・・お前いつから知ってた」

 

 リョージ「実を言うと私も[太陽]狙ってたんだよね~、なんせあの紅の最高傑作ですからね

 そして[太陽]の行方を追ってゆくうちにあることに気がついたんだよ

 そうエンジンがすり替わっていたんだよ

 本来なら[太陽]にはフルチューンされたSR20が搭載されている筈...しかしいくら音を聞いても2JZの音にしか聞こえない

 余り表舞台に姿を見せなかった[太陽]だからこそ、その違いに気づけるのはごく僅か...

 単刀直入に聞いて良いですか?

 [太陽]のSR20は何処へ?」

 

 

  ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 J「短期決戦って言われたけど..

 冗談じゃねぇな、あちらさんも速いのなんのって」

 

 影幽霊(ダラダラと付き合っていられないな...

 次のヘアピンで決める!

 また、簡単に勝っちまうのか..)

 

 ハチロクはコーナーの出口で180と外側ガードレールとの間に鼻面をねじ込みカウンターアタックを仕掛ける。

 このセクションのストレートは短く、すぐに次のヘアピンが来てしまう。

 

 ここぞとばかりにブレーキングで追い込むハチロク、インを取られている180は後退する他無い。

 

 その規格外な軽さを誇るボディと強力なダウンフォースを発生させるGTウィングを生かして、地面に張り付くように走るハチロク。

 

 軽ければ吹っ飛ぶ、ならば押さえつければ良い

 

 対してヤイチの駆る180はたった一日で仕上げた足回りと、明らかにオーバーパワーな正体不明のエンジン。

 シャドウゴーストのハチロクに比べ全くバランスが取れていない。

 そんなピーキーなマシンをヤイチは己の体に染み込んだテクニックのみで組み伏せる。

 

 J「(う、嘘だろ立ち上がりで追いつけない

 ..あっちはアクセル開けやすいんだろうな...)

 つまりはよぉ、コッチも開けりゃついて行けるってことだろ!次で抜き返してやらぁ‼」

 

 次のヘアピンが迫る、ハチロクは目一杯アウトに寄り、180もそれに続く。

 

 二台のマシンは同時にコーナーに進入する。

 脱出で並ぶ。

 

 J(ここだっ!)

 

 タコメーターの針をレッドゾーンまで放り込む、Gの逃がし切れていない車体はドライバーの意思に反し明後日の方向を向こうとする。

 

 だが、ヤイチは至って冷静だった。

 暴れる180をカウンターで押さえ込み、ロケットのようなスピードで加速する。

 

 影幽霊(クソッ、ここで抜かれたのはマズイ

 この先はこのコース最大の高速区間..

 離されるぞ..)

 

 しかし180は思ったように離れて行かない、約8メートル程間隔を開けてそれ以上離れない。

 

 180のメーターは既に160kmオーバーを示している。

 

 J(何だ?伸びないぞ、アクセル目一杯踏んでんのに)

 

 その時、突如180のボンネットがガタガタと揺れ始める。

 

  ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 ゲス男「あっ!今思い出した」

 

 王子「ナンジャラホイ」

 

 ゲス男「ボンピンだよボンピン」

 

 王子「え?なにそれアタシのことかい?(゚∀゚)」

 

 ゲス男「いやボインじゃなくてボンピンね

 ボンネットピンの事だ、軽いボンネットに交換したあとは必要不可欠な物なんだぜ

 付けないとボンネットが風圧で勝手に開いちまう」

 

  ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 180が右コーナーに差し掛かったその時...

 

 J 「何だ?ボンネットが..うわっ!?」

 

 ガタガタと揺れていたボンネットは鈍い音と共に持ち上がり、フロントガラスに向かって吹っ飛んでくる。

 

 幸い、ボンネットの右のヒンジが折れ、フロントガラスの左側のみにヒビを入れて後方に飛んでいった。

 

 J「あっぶね~冷や汗かいてもうたわ

 (あれ?なんかさっきよりもエンジンのフィーリングが良くなった気がする)」

 

  ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 この時立体駐車場ではちょっとした騒ぎが起きていた。

 

 ギャラリー「おい!あれ...[太陽]だ..」

 

 ギャラリー2「いやお前さっきもそれ言ってたよな」

 

 ギャラリー「そういうことじゃなくて

 あの180に載ってるエンジン[太陽]のSR20だ!

 太陽のエンジンヘッドには黒と赤で日章旗がペイントしてある、見ろ!あの180と同じだ」

 

 

 

 リョージ「今の聞いた?見つかったらしいよw」

 

 カスミ(遂に..遂に見つけた...ではあの男が..)

 

 

 

 [戦闘不能を1確認、移動します]

 

 

 

 

 立体駐車場にヤイチの180とシャドウゴーストのハチロクが戻ってくる。

 

 ゲス男と王子が戻って来た180に駆け寄る。

 

 ゲス男「おぉ!すげぇ勝ったじゃねぇか‼」

 

 ヤイチは180から降りると不思議そうな顔をして尋ねた。

 

 J「えっ僕勝ったんですか?」

 

 ゲス男「何か分からないけど幽霊が戦闘不能になったらしい、見に行こうぜ」

 

 ヤイチはゲス男と王子に手を引っ張られ強引にシャドウゴーストのいた場所へ連れていかれる。

 

 人混みを押し退けて入って行くとそこにはハチロクの無惨な姿があった。

 フロント部に180のボンネットが刺さり、ボディを突き破ってエンジンに深刻なダメージを与えている。

 

 影幽霊「いやー参ったね、君の速さに気をとられてボンネットを避け損なっちゃったよ」

 

 J「本当にごめんなさい!」

 

 影幽霊「謝らなくていいよ、それとこれ」

 

 シャドウゴーストはヤイチに茶色の封筒を渡す。

 

 影幽霊「賞金だ受け取ってくれ」

 

 J「いえっそんな、大事なマシン壊しておいて賞金なんて受け取れません、ハチロクの修理に使ってください」

 

 ヤイチがそう言うとシャドウゴーストは腹を抱えて笑い出す。

 

 影幽霊「ハッハッハッ、いやさ、俺は運営と仕事してるからこんなんタダで幾らでも直してくれるんだよ

 だから俺が持っててもしょーがないでしょ、ほらどうぞ持ってけ泥棒」

 

 ヤイチ「えぇ..でも」

 

 

 ヤイチが迷っていると後ろから声がした。

 

 豆犬「だったらその賞金俺が貰おう」

 

 その場にいた全員が振り返る、そこにいたのは豆犬だった。

 豆犬の背後には最終調整を終えた紺色のSA22cが停まっていた。

 シャドウゴーストは紺色のSAを見るとちょっとにやけ..

 

 影幽霊「君かぁ、ちょっと来るの遅かったね

 この通り俺のハチロクはもう走れる状態じゃなくて..」

 

 豆犬「車ならあるだろ、ポルシェがよお..」

 

 しばらくの間その場の空気が凍る。

 

 影幽霊「へへっ、そうだったな、忘れていたよ

 さあ次のレースだ」

 

 ハチロクがあった場所には既に黒いポルシェ991カレラが停まっていた。

 

 豆犬「ああ、始めようぜ第二ラウンドを」

 

 

 

 続くぅ

 

 

 




 
 後1話でSHADOW・GHOST編終わりですね~
 ホントに大分書いた..第1話を読み返して見ると....
 書き直した方がいいかな?(;^ω^)

 次の章は一人称視点で書いてみようと思います、取り敢えずいろいろ手を出してみてダメだったら戻します。



 

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