V・Racing   作:海苔 green helmet

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 一つの世界に太陽が二つ、太陽は上がれば必ず沈まなければならない。
 どちらの太陽が先に沈むのか...それはまだ分からない
 


V・Racing♯17~WHEN THE SUN GOES DOWN~

  V・Racing♯17「救済とふりだし」

 

 綺麗な星空が見える、舞い上がる体は、ゆっくりと落ちていくように感じる。

 咄嗟に背を丸め頭を守る体制になる。

 

 激しい痛みが背骨や肘に走る、付けていたゴーグルにヒビが入る。

 耳をつんざく金属と共にバイクが僕の頭上を吹っ飛んでゆく。

 

 

 震える足に活をいれ立ち上がる。

 後ろから声がして振り返るとさっきのやたら細い奴がバイクを停めてこちらに走ってきた。

 

 アキラ「おい、大丈夫?随分派手に転んだようだけど?って血が出てるじゃん‼」

 

 さっきから肘がなんかヒリヒリすると思ったら、これが原因か。

 見ると皮膚がはがれて出血している。

 

 しかし僕はそんなことどうでもよかった。

 

 クロスボウ「....いまの......今の...サイッッッコウ‼」

 

 アキラ「え"!?」

 

 興奮のあまり早口になってしまう。

 

 クロスボウ「アドレナリンどっばどっば、心臓ばっくばく、頭キーン....

 全部ひっくるめて最高としか言いようがない!」

 

 

 アキラ「バカじゃないの!?命を危険にさらして何が最高よ‼もっと自分の」

 

 言葉を遮る。

 

 クロスボウ「お前やってることと言ってることが矛盾してるよ。

 闘争心に任せて走るって事はな、命を削るのと同じ事なんだよ。

 まだ命が惜しいなら走るの辞めな、走りたいなら命の未練なんか捨てちまえ

 未練なんてリミッターにしかなんねえよ」

 

 タイミングが良いのか悪いのか、いきなり強い風が吹き、顔を覆っていたマフラーがずれる。

 

 細い奴が一瞬後ずさる、驚きを隠せていない。

 

 ヘルメット越しで顔が見えなくても、その表情がどんなものなのか解る。

 こんなガキが無免許であんなスピード出してたら、そら誰でもビビるわな。

 それに、本来将来の夢に向かって真っ直ぐ突き進んでゆく筈の子供が、命を自ら投げ出すような行為をし、あろうことかそれを楽しんでいるのだからこの反応は当然といえば当然だ。

 

 ズレたマフラーを着け直す。

 

 クロスボウ「心配してくれるのはありがたいけど、俺様にはこれしか無いんだ」

 

 倒れたバイクを戻しまたがる。

 

 クロスボウ「...お前、女だろ

 俺には将来が無い、だけど多分お前にはある...

 何故ならこの俺様を見てそんな反応ができるってこたぁまだ助かる未来が残されてるってことだ、飲まれる前にやめちまいな」

 

 僕はそう言い残すと、暗い下り坂の道を駆け下りた。

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 その走り屋の噂は時々耳にしていた。

 

 古いスクーターにまたがり、危険な運転を繰り返す。

 

 まさかあんなガキが風切りのクロスボウだったなんて、今でも自分の目が信じられない。

 

 アタシは友人とツーリングに行って以来[走り]というものに目覚め初めてしまったらしい。

 なんというのだろう、アタシの内側に秘められた走り屋としての魂が目を覚ました、そんな感じだった。

 しかし、最近その[走り屋としての魂]に恐怖を抱くようになっていた。

 あんな光景を見た後なのだから仕方がないのかもしれない。

 アイツは[飲まれる前にやめろ]と言っていた、あれはもしかしたら闘争心に飲まれる前に手をひけということだったのかもしれない。

 

 アイツはどこかもの悲しい目をしていた、街灯に照らされたアイツの表情からは明らかに何かが欠けたような雰囲気が漂っていた。

 

 

 私は決心した[走り]からは手をひく...

 

 だが、アイツ自身はそんなつもりはなかっただろうけどアイツを助け出してくれた。

 だからアタシもアイツを助ける。

 アイツはアタシに忠告をできるくらいには一応理性はまだあった。

 つまりはアイツも助かる余地はある。

 

 

 一応クロスボウのバイクの写真をゲットした。

 アイツのバイクに貼ってあったステッカーの一部をよく見ると、一つ見覚えのない物が貼ってあった。

 普通は何かパーツのメーカー等のステッカーを貼るのだが、これは違うようだ。

 そのステッカーには[テック]と印刷されていた。

 

 色々調べてみるとこの[テック]はあるビリヤード場の会員にだけ配布されるものらしい。

 

 アタシはテックに行ってみる、取り敢えずクロスボウと話してみる。

 

 

 

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 ミドリ「いやでもねぇ可愛いだけじゃねぇ~」

 

 トモユキ「つってもお前は顔だけ良ければ何でも良いだろ」

 

 ミドリ「失礼な‼ワタシは顔だけで男を選んでいる訳じゃない!

 顔とスタイルと口の臭いで選んでいるんだ!」

 

 トモユキ「(* ゚∀゚)ヒデェー」

 

 

 本当にこの二人は訳の分からない話ばかりしているな。

 

 リク「ところで180どうなったんですか?」

 

 突然の質問に少し驚いた。

 

 トモユキ「おっ、そうだよお前の[180SX壊]どうなったんだよ」

 

 ヤイチ「いや、カイってそっちじゃないんですけど

 180なら...コウジさんに任せてあります

 エンジンに興味津々だったんで」

 

 興味津々という言葉を聞いてリクさんの顔が驚きと哀れみに満ちた表情に変わる。

 

 リク「鋼二に任せたのか?あの改造魔に?」

 

 ヤイチ「かっ改造魔!?」

 

 嫌な予感しかしない、今頃僕の180がデッパでシャコタンでタケヤリになってたら...

 

 リク「あいつ派手好きだし...悪くてネオン、性能重視なら、すくなくともボンネットからタービンはみ出してるな」

 

 ヤイチ「(゜ω。)ピャァ」

 

 リク「今すぐに取りに行った方が良いぞ」

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 あの工場に着くと出口に取り払われた180のノーマルパーツが山積みになっていた。

 急いで中に入るとそこには...

 

 コウジ「おう来たか、ちょうど仕上がったとこだぜ」

 

 意外とシンプルにまとめられ...てない。

 シンプルではない、派手..と言うほど派手でもない。

 つか、カッコいい。

 

 少し大きめのフロントスポイラー、リトラクタブルを外して四灯固定式にしたヘッドライト、地面との隙間が数センチしかないサイドスカート。

 

 何もかもが僕好みに仕上げられていた。

 

 コウジ「意外とエンジンに手こずったわ、オーバーヒート起こしかけてたぞ

 インタークーラーもいいやつ入れといた」

 

 J「え?そんなに冷却系ダメでした?」

 

 コウジ「エンジンのフィーリング自体は普通

 ただ、冷却系が何故かノーマルだった

 でも、新しくて良いのに変えといたから今度はオーバーヒートするなんて事ない筈...多分な

 それより、すげぇぞこのエンジン、ざっと450はある」

 

 J「よ、450馬力!?」

 

 道理でアクセルを開けたときにケツが滑りまくる訳だ、パワーをサスやタイヤが受け止めきれてなかったんだ。

 

 豆犬「あっれー、結構カッコいい」

 

 コウジ「結構?最高の間違いだろ?」

 

 ここで一つ疑問が浮かんだ。

 

 J「あのぉ~、これ改造費は?」

 

 コウジさんは少し悩んで、ポロッと意外な事を言った。

 

 コウジ「一番高い値段だな....タダだ」

 

 へ?

 

 J「え?...タダ!?」

 

 コウジ「ボンネットのパーツとフロントガラス以外な、それ以外は全部タダ。

 むしろこっちはいいエンジンいじらせてもらっただけで十分な利益だよ

 ほら鍵だ試運転行ってこいよ」

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 Jと豆犬が去ったあと、KITTに一台のS13が入ってきた。

 

 コウジ「らっしゃい、どんなエンジンをご所望かな?」

 

 カスミ「ふざけないで、アタシの頼んでおいた太陽のエンジンは?」

 

 コウジ「太陽?太陽太陽....あ~あれか、あれならさっき客に返しちまったよ......テヘ(´▽`)」

 

 カスミ「はぁ!?なんで?ヤツが来たら外してといてと言ったでょう?」

 

 コウジ目がまるで[ゴミ]を見るような目になる。

 

 コウジ「はあ...なんでかって?

 そりゃぁ、きにくわねぇからだよ

 アンタも走り屋の端くれなら、ヤツに走りで勝って自分で取り返しやがれ‼

 アイツでも自分より速い奴には何も言えないだろうからな

 あと、俺はあくまでもフェアを重要視する

 だからアイツに試運転に行かせた、てめぇはそのS13の運転に慣れてるからな

 今からアイツら追いかけて行っても無駄だぜ、俺の仲間はもうてめぇを妨害する準備を整えてんだ」

 

 カスミはコウジを悔しそうに睨み付け工場を後にし

た。

 

 コウジ「さあ~てと、次の挑戦者はこいつか...」

 

 コウジの見つめる先には青いスバルBRZが置かれていた。

 

 コウジ「フラットなんて久しぶりだぜ、腕がなるなぁ♪」

 

 続く

 

 

 

 

 




 う~ん( ̄~ ̄;)未だにレースシーンが思い付かない、これじゃタイトル詐欺だよ。
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