V・Racing   作:海苔 green helmet

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 登場人物

 リク:悪役みたいな主人公。親しい人物とは基本的にタメ口で話す(物凄く口が悪い)。
 身長が低い、160cmちょうど....と本人は言っている。
 実は結構神経質で精神的な障害を抱えている。

 井根:怪しすぎる探偵。
 いつもお面姿でボイスチェンジャーで声を変えているため性別が分からない。
 実は‐‐‐‐‐‐‐‐ー。

 リョージ先生(華村 竜仕):物真似が下手(得意技ライントレース エェ...)。
 自分がこうしたいと思ったことは必ず成功させるという信念をもっている。


V・Racing♯31

 リョージ(雨のバトルってやつはとてもシビアだ。

 ちょっとでも無理をしようものなら、水という名の悪魔に足をすくわれる。

 変にアタックして相手がスリップ。自分も巻き添えでクラッシュなんてバッドエンドは御免だね。

 離れすぎず、近づきすぎず、行けると思ったらブチ抜く。

 幻の性能を全て見抜いた訳ではないが、決定的なアドヴァンテージはこちらにある.....

 スキを窺いつつ終わらせるときは一瞬で片をつける。)

 

 R35は前を行くRX-8と一定の距離を保ち、緩やかに登る右カーブをさも下り坂の様に加速してゆく。

 先導するRX-8もR35にひけをとらない伸びをみせる。

 

 が、突然RX-8のブレーキランプが点灯する。

 

 ハムサンドイッチ(そうらお出でなすった!このコース最大の難関 上がり坂のカーブをアクセル全開で抜けた後にくるこの...!)

 

 RX-8の影から前方の様子を伺うリョージ、その目にとんでもない景色が飛び込んできた。

 

 リョージ「なっ!?(道がないだとぉ!?)」

 

 道が途中から暗い虚空へと消えている。

 だがRX-8はコースの右に寄り突き進む、そしてその虚空へ落ちていった。

 

 リョージもそのままR35をその虚空へ突っ込む。

 一瞬車体が浮いたように感じたが、すぐにアスファルトに着地した衝撃がシートを通して伝わって来た。

 

 一安心もつかの間、目の前にガードレールが迫る。

 

 リョージ(なるほどな....!)

 

 ブレーキを断続的に作動させ、過重移動を起こし、弱めのオーバーステアを誘発させる。

 左に旋回させると更に右に回り込むヘアピンが現れる。

 

 リョージ(さっきのは簡単に言えばジャンプ台だ。

 登りきった直後に一気に下る坂、そしてその後に待ち構える二連ヘアピン。

 道が消えたのように見えたのは坂が急だったから。

 ヤツが下る前にブレーキを使ったのは、ジャンプさせないため。

 こんな路面状態で、しかもアクセル全開で加速してきた直後にジャンプし着地しようものならあっという間に足をすくわれる。)

 

 左ヘアピンを曲がりきると、RX-8のテールランプの光を僅ながら確認することが出来た。

 

 リョージ(対応速度が遅れた、それなりに離されたようだ...

 だが.....

      依然として問題はない

 アドヴァンテージはこちらにある。

 反撃開始、最初のアドヴァンテージ....アテーサE-TS)

 

 R35は路面の水をものともせず凄まじい加速を見せる。

 最高出力600psのエンジンは、その重量級ボディを軽々と加速させる。

 緩い左カーブ、驚くほどクイックに曲がっていく。

 

 R35GT-Rには後輪がスリップすると前輪に駆動力を配分する装置が搭載されている。

 この装置は、4WDながらFR的なコントロールを可能とする。

 

 もっと細かい説明が必要な筈だが、作者もGT-Rに詳しい訳ではない。

 

 要は、加速性能は4WD、コーナリング性能はFR、それでいて純粋なFRようにはスピンしにくい。

 正に夢のような特性をこのGT-Rは持ち合わせているのである。

 

 いつの間にかRX-8との差縮まっていた。

 

 ハムサンドイッチ(やっぱり流石上位ドライバー!

 ミスっても立ち直りが早い、小手先のトラップにはそう簡単には引っ掛かってくれないわね!

 そして日本を代表するスーパーカーGT-R!

 とにかく速い!

 世の中には鈍重という言葉がある、動作が重くのろいとかそういう意味だ。

 それの対義語で軽快という言葉もある。

 R35は車重が重いが鈍重ではない、重さを生かした安定感のある走りをするという。

 あえて言うなら鋭重。

 ドッシリと構えてパワーとディフェンスで相手を追い詰める!

 強敵!だから面白い!自分がランカー相手にどこまで出来るか、型落ちの幻がどこまでR35とやりあえるのか....

 本当に楽しくてしょうがない!)

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 その生命体を見た途端今の今まで何を考えていたのかを忘れてしまった。

 あまりにも唐突だった、予想してなかった。

 

 その生命体の容姿に目が釘付けになってしまう。

 白い肌、眼鏡の奥で優しく、そして少し弱々しく煌めく眼球。風で揺れる茶髪の混じった長髪。

 

 彼女の頬が少し赤くなるのが見えた、少々見つめすぎたかもしれない。

 サッと目を反らし、自然に挨拶する。

 

 リク「だっ、どぅっ、どぅおジャナクテ...

 ど、どうもこんにちは泉田さん」

 

          噛 ん だ

 

 なんでだぁ!?そしてなんだぁ!?このテンパり具合は?

 なんで焦ってんだ?なんで噛んだ?

 頭の中でバカみたいな数の情報が飛び交ってる。

 

 次にすべき行動だの、テンパった理由の解析だの、彼女が自分のことを今どう思っているかの予想だの。

 テンパり過ぎだ!と、とりあえず今すべきは....

 

 リク「座ります?」

 

 そう!こうして手のジェスチャーを入れつつ、着座による休憩を推奨する!

 

 これは極めて自然な行動だ!

 この炎天下の中で立っているのは非常に苦痛だろう!

 

 ん?なんでなかなか座ろうとしないんだ?このベンチは最低でも二人は座れるスペースは確保されている筈だが?

 

 俺は横目で自分が指し示した方向を確認する。

 

 そこには先ほどまで自分が持っていた井根の荷物が置かれていた。

 

 しまったぁぁぁあ!なぁにやってんの俺ぇ!何が[座ります?]だよバカじゃねぇの?座れねぇよ!

 

 井根の荷物を引っ掴み、半ば叩きつけるようにして地面に置く。

 

 リク「ど、どうぞ(苦笑)」

 泉田「あ、ありがとうございます」

 

 泉田はベンチが汚れていないか確認してそっと腰をおろした。

 

 ほぉらぁ!引かれてんじゃん!ひきつった笑顔だったよぉ、明らかに白い目で見られてた!荷物退かすとこ白い目で見られてたぁ!

 

 あっ今気づいた、座らせたのはいいものの、ここからどうすればいいのぉ!?

 [わざわざ隣に座らせといて何もしないって何なのこの人]とか思われるぅ!

 会話か?会話すりゃいいのか?話題なんて昨日の晩飯吐いた事くらいしかねぇぞ?

 

 リクが色々と混乱していると、泉田が口を開いた。

 出てきた声は少し儚げで弱々しかった。

 

 泉田「あの、戸頭さんこの間のプリントありがとうございました。」

 リク「えっ?あっあれですか。

 いえ、いいんですよ。家も近かったから帰宅ついでみたいなものです。」

 

 セーーーーーーフッ!セーフ!とりあえず無言は無かった!

 

 泉田「あのっ!突然つかぬことをお聞きしますが...

 そのお、戸頭さんて○×小学校に通ってたことってあります?」

 リク「はい?」

 泉田「すみません!本当に変な質問で。

 気にしなくてもいいです....」

 

 リクは考え込むと意外な言葉放った。

 

 リク「すみません、小学校の頃のことはあまりよく覚えていなくて。

 最近記憶をうまく引き出せないんですよ。」

 

 

 

 

 続く

 

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