リク:悪役みたいな主人公。親しい人物とは基本的にタメ口で話す(それなりに口が悪い)。
身長が低い、160cmちょうど....と本人は言っている。
実は結構神経質で精神的な障害を抱えている。
井根:怪しすぎる探偵。
いつもお面姿でボイスチェンジャーで声を変えているため性別が分からない。
実はトランスジェンダー。
リョージ先生(華村 竜仕):物真似が下手(得意技ライントレース エェ...)。
自分がこうしたいと思ったことは必ず成功させるという信念をもっている。
SAはわざとバランスを崩し、ドリフトでコーナーへ進入した。安定したスライド、開きすぎないカウンターステア。その走りはさながらWRCの競技車両のようであった。
ルームミラーを見ると、二つのポジションランプの光が、自分の車のすぐ後ろに張り付いて来ているのが見えた。
豆犬(食らいついてくるっ...!?)
次々とカーブやストレート、そしてシケインを抜けていくがRX-8は豆犬のSAのすぐ後ろから離れない。豆犬は今自分が対峙している相手が強敵であることを再度悟った。
ストレートで加速させようとアクセルを目一杯踏み込むが、RX-8が離れる気配は微塵もない。
豆犬(嘘だろ!?手に入れて間もない筈っ...!なんでそんなに乗れてるんだ!)
左コーナー、食いつかないタイヤをスライドさせて進入。車体が横を向いて滑っていく。
豆犬(クソッ幻は雨でも速いのか!嫌な記憶が甦ってくるぜ...散々その車にぶっちぎられた記憶がよ!)
豆犬の視線がチラチラとルームミラーの方へ向いてしまう。
SAの挙動に焦りが見え始める。
カウンターの舵角が広がり、ドリフトアングルも大きめのものになってしまう。
豆犬「うっ..(細かいミスを連発してしまう、突っ込みでスピードを殺しきれずにドリフトで打ち消してしまった...通過スピードが落ちるっ...!)」
リョージ(焦りか...精神面は以外なくらいに脆いな、これじゃ勝っても嬉しくない。
先生は万全状態の君と勝負したかったんだけどなぁ、残念無念また来年ってやつだな。
ってことで今日は一旦勝たせて貰いますか、また万全な時にもう一度というこで。)
アウトからRX-8の鼻先がSAにならびかける。それと全く同時だった。
豆犬はルームミラーを手に取り180度回転させた。
豆犬「・・・・。
そうだな、苦渋の選択だ...」
SAが突然アウトに寄る、RX-8はそれを避けきれずにフロントに軽くヒット。
リョージ「なんっと!」
豆犬(ちょっとダーティにいかせてもらった。安心しろ、ここからはちゃんとクリーンだぜ。)
右カーブへ進入するためSAはコースの左へ車体を寄せた。
リョージ(なんだそのライン取り?タイムアタックのつもりか!?)
豆犬(後ろは見なくていい。視覚から得る情報を少なく、そしてシンプルにするんだ。
これから始まるのは俺一人のタイムアタック...敵はいない!)
SAの挙動が元に戻っていく。確実にペースが上がっている。
エンジンは咆哮し、アスファルトに食らい付こうとタイヤが水を掻き出す。
ルームミラーを回転させることにより、視覚から得られる情報が少なくなった。豆犬は後方の視界に割いていた集中力を全て運転に注ぎ込むことによって、運転の精度を引き上げたのだ。
これによって後方からのアタックを防ぐことが出来ないという弱点を抱えてしまったが、豆犬は既に防御を棄てていた。防御しても無駄だということを理解していた。
豆犬(これは賭けなんだ!相手への妨害、防御ではなく、もはや相手など居ないと過程して速度のみを追及する。こんな攻略しか今は吐き出せない....)
僅かな期間にて息を吹き返した走り、しかしそれはリョージのモチベーションを崩すような出来事にはならなかった。
リョージ(しぶとい!...しかしながら悪足掻きに過ぎない。....そう来なくては!
さて、次は...あのジャンプ台か、どう攻略してくれるんだ、見せてくれ...!)
寧ろテンションが上がり、ペースも速くなってしまう。
緩く上がる坂が現れる。
豆犬はギアを五速にチェンジ、エンジンの回転数を9500rpmまで引き上げる。250馬力が990kgの車体を押し進める。
二台は坂を駆け上がっている行く。
そして...
リョージ「!?」
豆犬はジャンプ直前でブレーキを作動させ、車体を横へ向ける。危険を感じたリョージもブレーキを踏み込みRX-8を減速させる。
SAは直ドリ状態のままジャンプを強行した。
リョージの思考が停止する。
リョージ(バカな!なんだ今のは?何故ここで?何故それを?メリットは?その行動に対するデメリットは少ないんだろうな!?理解出来ない!解らん!)
その走り、いや、フライトと言った方が正しいかもしれない。SAは横を向いたまま宙を舞っていた。
空を裂き、雨を弾き、慣性でもって突き進む。
地面に着地し、ドリフトを継続させながら二連ヘアピンへ進入していく。
リョージ(速い...だと....。
今のはなんと解釈したらいいものか。
過去にもD1なんかで似たような走りをしていた人がいた。映像も残ってる。
だが、それは[魅せるためのドリフト]![走るためのドリフト]なんかじゃない!まさか今の一瞬で走るためのドリフトに昇華させたとでも言うのか!?)
RX-8もヘアピンへ進入する。
リョージ(何かが湧いてくる、これは今まであまり感じてこなかった感情だっ...!
これは、嫉妬!
ただの嫉妬じゃない、少しばかり恐怖を帯びた嫉妬だ!
先生にはその走りは出来ないし、思い付きもしない。
そういう発想力は先生には備わって無いんだ。だからこそ先生は他人の技を盗み、引き出しを増やし、自分の発想力の無さをカバーしてきた。
君は今まで相手をしてきたどんなドライバーよりも脅威的だ!今!ここで勝っておく!今勝っておけば二度と戦わなくて良いんだ!
絶望に落ちるくらいに引き離し、圧倒的に勝利し、リベンジなんて単語が浮かばないくらいに捻り潰してやる!
でなければこの相手は先生、つまりこの僕の目標の前にそびえる決定的な壁になるだろう!)
リョージとRX-8が遂にその本領を発揮させる。
まさに銀色の閃光と言わんばかりのスピードでコーナーを通過していく。
あっという間にSAに追い付き、そして抜き去って行く。
豆犬(あの音、あの挙動、スーパーチャージャー....プラス4WD!)
豆犬はそのテールランプを食い入るように視ていた。
ステアリングを握り直し、少し深呼吸する。
豆犬(デジャ・ヴか....いや、負けない...!)
続く