V・Racing   作:海苔 green helmet

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SUMMER GP
V・Racing♯36


 ミドリ「ヤバッ!そのS2000のカラーリングカワイイ!!」

 

 部室にミドリの声が響いた。

 

 トモユキ「もう少し声のボリューム下げてくんない?軽く耳鳴りがする。」

 

 ミドリはトモユキの耳を摘まんで引き寄せ叫ぶ。

 

 ミドリ「そのロン毛耳に突っ込めばましになるんじゃないか!」

 

  泉田とミドリはVRダイバーをパソコンに繋ぎ、互いの車を見せあっている。

 

 ミドリ「私もこういう男臭い車にハイテンションなカラーリング施しちゃう!その気持ち分かる!

 私自分のランエボ、ターコイズにしちゃったし。」

 泉田「わかります!わかります!造形が派手なランボとかはグレーとか渋い色で塗ると格好良くなるんですけど、こういう元から渋い日本車ってポップなカラーにすると映えますよね!」

 

 二人の女子の黄色い声が部室内に反響した。

 

 ミドリ「そういやホンダで思い出したけど、」

 

 ミドリがトモユキの方へ向き直る。

 

 ミドリ「シビック壊れた?」

 

 トモユキは驚きと困惑の混ざった表情を浮かべた。うってかわってミドリは訳知り顔でトモユキを見つめる。

 

 トモユキ「何で知ってんだよキモ過ぎるだろ...」

 ミドリ「キヨっさんからタレ込みがあった。」

 トモユキ「あっ、そういう。どうりでキモい訳だ。」

 ミドリ「うんうんキモいよね~。で、次は何買うの?私ちょうどいいの見つけて来たんだけどぉ~」

 

 ミドリはスマホの画面を操作し、半ば押し付けるような形でトモユキに画像を見せる。

 

 トモユキ「アルファードじゃねぇか、誰が買うかこんな目付きの悪いカピバラ車。」

 ミドリ「おっ?炎上発言か?」

 

 二人の会話を割るかのように部室の引戸が開いた。ヤイチが入ってくる。ズボンからシャツが出たままになっている。

 

 ミドリ「そばかす付きヤイッチの登場だぁ!」

 ヤイチ「喧嘩売ってんですか先輩..」

 

 ヤイチは机に鞄を放り投げ、積み上げられた椅子の山から五つ程椅子を持ち上げ一列に並べた。その並べた椅子の上に横になり、いびきをかきはじめる。

 

 ミドリ「コイツ早速来て寝るのかよ」

 トモユキ「邪魔する?」

 ミドリ「私の心を読むな。」

 

 ミドリは黒いポーチを持ってヤイチの枕元に近づく。

 

 ミドリ「ヤイッチぃ、とりあえず起きないと強制的に女装させるぞぉ」

 

 ヤイチは飛び起きた。

 

 ヤイチ「やめてくださいしんでしまいます」

 ミドリ「もうムリ、手錠かけた☆」

 ヤイチ「速っ!?」

 

 確かにヤイチの両手には手錠がかかっていた。プラスチックの偽物なら壊せるかもしれないと思い、左右から引っ張って力をかけてみるもびくともしない。

 

 ヤイチ「あっこれガチのやつだ!」

 ミドリ「よし、手錠もかけたし、まずは...下着からだな!」

 ヤイチ「は!?」

 トモユキ「そうだなまずそこからだな」

 ヤイチ「流石にそこまではやらないですよね!?冗談ですよね!?」

 ミドリ「おらぁ!ゴチャゴチャ言ってねぇで脱がしやすい体制なれぇ!」

 

 ヤイチはミドリに馬乗りされてしまった。

 

 ヤイチ「トモユキ先輩!この人本当に女性ですか!?さっきから発言がヤ○チ○なんですけどぉ!?」

 トモユキ「安心しろ、多分どっちもついてる。」

 ヤイチ「んなアホな!」

 ミドリ「さぁてぇ!ヤイッチの肌にはどんなどんなブラが似合うな!」

 

 ミドリはヤイチのシャツの下に手を突っ込んだ。手を腹の辺りまで突っ込み、そのまままさぐる。

 

 ミドリ「ほっ、ほうほう....」

 

 ミドリはヤイチから離れ、トモユキの方へ行き、耳打ちのような動作をとる。

 

 ミドリ「6だ」

 トモユキ「6か」

 ヤイチ「何の話ぃ!?」

 ミドリ「下は確実に0だわ」

 ヤイチ「やかましいわ!」

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 何が何だかよくわからない内にヤイチは解放された。

 

 ヤイチ「この茶番は一体何だったんだ..」

 

 ヤイチが手首をさすっているとミドリが何か言いたげに片を叩いた。

 

 ミドリ「こんなに腹筋バッキバキじゃ私のイメージする女装なんて出来やしないわ。代わりにほらこれやるよ。」

 

 ミドリの手には何かのカードが握られていた。

 

 ヤイチ「これって...例のカードッスか?」

 ミドリ「それで女性スキンでも買えや。まっ、もう私んじゃないし、新しい車買うでも推しに投げ銭するでも好きに使えや。」

 ヤイチ「先輩...」

 トモユキ「そういって渡してるけど俺と割り勘で買ったヤツだからな」

 ミドリ「雰囲気ぶち壊しだなロン毛ぇ!あっ、ところでさっきから隅っこでフリーズしてるけどそこの女の子新入部員ね」

 ヤイチ「あっ、ヤイチですよろしく」

 泉田「いいい泉田です、よろしくお願いします...」

 トモユキ「さ~て、挨拶も済んだことだし...」

 

 トモユキはヤイチにVRダイバーを投げて渡した。

 

 トモユキ「早速新しい車をGETしちゃいますかぁ!

 ・・・(沈黙?)いやここは皆で[おー!]とか[よし行くか!]とか叫ぶとこでしょ...」

 ミドリ「わかってないな、あえて叫ばねぇのが面白ぇのよ。」

 トモユキ「センス最悪だな!」

 

 トモユキはVRダイバーを装着し、近くにあったパイプ椅子に座る。

 

 ミドリ「うっせ!髪切れ!」

 

 

 

 




 投稿遅れてすんません。ネタ切れは毎回なんですけど、今回は気力が完全になくなってました。
 要因としては平行して書いてる神の駒の方が自由度高くてストーリー練りやすかったってのがありまして...
 こっちはどうしてもワンパターンになっちゃってなかなか次のストーリーが思い付かないんですよ。完全に技量不足ですね。

 実はこの作品、練習用として書いていた側面がありまして、結構色々なこと試してたんですがそこである一定の到達点みたいなのに達したんですよ。これ以上のものを求めるとなるとガチで国語の勉強しなきゃで...なにぶん理系?工学系?なもんで自国の言語にも疎い状態なんです。

 まあ、素人らしくボチボチと書いていきますよ。もちろん完結もさせます。
 では次回を(かなり気長に)お待ちください。

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