東方異形機械《トウホウイギョウキカイ》 作:GUM【グム】
しかし怒らせるとこのざまである。
___<pm13:50>アルケー宅
「んー、4人分とか言ってたか。まだ足りねェような気もすんが…
まァそこまで言える身分でもねェし我慢すっかァ」
「4人分も食べてまだ入るんだ…すごいお腹だね」
「どこに入ったのかは永遠の謎だがなァ」
「た、確かに。お腹…というか、アルくん自体が機械なのに、
ものが食べれるっていうことがわちきにとってはびっくりだよ…」
「俺にも驚きだァ、自分に驚くってのも変な話だが」
蕎麦といい煎餅といい、日本の食文化は風味豊かなモンが多いらしい。
どういった調理の仕方であんな深みのある味が出せんだろォなァ?
「さて、と…腹もこしらえたし、ここの里を見て回るか。
すばめ、案内頼んでいいかァ」
「わかった」
「あ、わちきも行くー」
「…あ?そういやバスターソードは何処行った?」
今頃気付いた。
そういや目が覚めた時から見かけねェな。
「あの大きな剣のこと…?
それなら里の入り口のところに刺さってる。
…私を襲おうとして、倒れるときに手から落ちて地面に刺さったの。
みんなして抜こうとしたんだけど、誰ひとり抜けなくてそれでほうってある。」
「あー、結構重いだろうなァありゃ。
しょうがねェ、取りに行くか。
…ここからどう行けば入り口なんだ」
「私が案内する。ついてきて」
「おゥ、ありがとさん」
「…」フンス
「!?」
(なに今の!?なんでわちき見て威張ったの!?なんなのこの敗北感は!?)
___<pm 14:00>人里 入り口
「…ここ」
「おォ、見事に突き刺さってんな。
で、俺のバスターソードを抜こうとしてるあのオッサンは誰だ?」
「…知らない」
「やれやれェ…小傘、すばめ、ちょっと頼まれてくれるか」
「…?わかった…」
「えっ?あ、うん。何するの?」
「「嫌かも知れねェが」あのオッサンに何してんのか聞いてきてくれねェか」
「わかった。…けど、確かにやだ」
「そ、そこまで強調しなくても。
いいけど、どうしてアルくんが聞かないの?」
「ちょっとやりてェ事がある。
いいか、危なくなったら迷わず逃げろ。
それじゃ頼んだぜ」
「う、うん…」
トテトテ…
「すいませーん、そこの人ー。何してるんですかー?」
「ひぃッ!?だ、だだ誰だ!?こっちに来るな!!」バッ
「きゃっ…!」
「わっ!危ないなぁもう!何すんのさ!!
すばめちゃん大丈夫?」
「う、うん…大丈夫…」
「こ、ここの剣は俺のもんだ!!誰にも渡さねぇぞ!!
こいつを抜いて売って俺は金持ちになるんだ!!!
金持ちになって他の奴らを見下してやるっていう夢が叶う」
「あんたさっきの騒ぎを知らないの!?」
「ああああんな妖怪風情!俺たちに敵うわけがないんだ!!」
「はぁ?
(…この人、アルくんが死んだと思ってるのかな…。
それにしても酷く錯乱してるね。
あの里にもこんな欲にまみれた人がいたなんて…)
「あのバケモノは消えた!!消えたやつの物をどうしようが俺の勝手だ!!」
「…見苦しい…」
「ずいぶんと身勝手じゃないか…!」
「さっきから!うるさいんだよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!
俺の夢の邪魔をするやつなんか!殺してやるぅぅぅぅ!!」ブンブン
「うわっ!!つるはしなんて振り回さないでよ!!」
「きゃあっ!」ガッ
「すばめちゃん!?肩から血が…!!」
「だ、大丈夫…だよ、かすっただけ…」
「………!!」キッ
すばめちゃんの傷はそんなに深くなかったけど…
この男…すばめちゃんを…!!
「すばめちゃん、ちょっとここで待ってて。
あと、これからわちきがすることはアルくんには黙っててね」
「へ?…う、うん」
スペルカードをこういう風に使いたくないんだけど…しょうがない!
--「…嬢ちゃん、「戦う」ってのがどんなことか分かるか?」
--「うん。「誰かを守るために身を犠牲にする事」でしょ?」
アルくん、わちきは逃げないよ。
あのときアルくんに答えたとおり…
これはわちきの「戦い」なんだ!!
「傘符「パラソルスターメモリーズ」!!」
パパパパパパパパパパパ
「ぎゃああああああっ!?」
「そのくらいの弾幕なら死なないよッ!
でも、次はちょっと応えるかもねっ!!」
ドヒュン
「ああああああああ!!……がッはぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?!?」ゴスゥッッ
パシッ
「「わちき」は痛いよ!なんせ「本体」は傘なんだからね!」
「お、お前も…妖怪…かぁぁ…!」
「そうだよ。でも残念、だれも貴方の言うことなんて信じないだろうね」
「ちくしょお…覚えてろぉ!!」ダダッ
「!?まだ動けた!?待てー!」
「だ、誰が待つかぁ!!」ダダダ
「は、早い…あっ」
ドンッ
「あ!?俺は今急いでんだ!!さっさとど……け……」
「おーおー、必死なこってェ。
だが先にぶつかったのはオッサンのほうだぜェ?」ヘラヘラ
「あ………お……さっきの……バケモノ……」ダラダラダラ
「勝手に人のモンを盗ろうとしてんじゃねェよ。
すでに懲らしめられたみてェだが…
オッサンの罪は重いぜェ?」ニタァ
「ひぃぃぃ!?今…目が……!?」
「さァてどうしてやろォかねェ…?」
「う…うわあああああああああああああああああああああああ!!!!」ダダダァ
「お?逃げやがった。
…OK、刑務執行ォ」
「ハァハァ…いくらあのバケモノでも俺の足についてこれ「遅ォい」る…は?」
ドッゴォォォォォ!!!
「ゴバヘェッッ」
バタッ
「バケモノ嘗めんなよォ。
腹パンで勘弁しといてやらァ。
さてと、バスターソードを…」
ズボッ
「傷は無し、動作は…」
ガキンッ
「問題なし。流石ァ」
カチン
「アルくん!何処行ってたのさ!」
「あァ、悪かったな。
ココに「酒」があるのかどうか聞いてたんだァ」
「お酒…?
そ、それより!すばめちゃんがケガしちゃったんだ!」
「なにィ!?あのオッサン酒癖悪ィなァ!!
…すばめはどこだ」
「あ、あそこだよ」
「…あ、アル…」
「大丈夫かァ?肩に切り傷か…そんなに深くはねェな。
すばめ、里に医者はいるか?」
「うん、いる」
「じゃァ一応診せとくか。おぶるぞ」
ヒョイ
「わっ!?」
「動くなァ、落っこちちまうぞ」
「う、うん…///」
「良い子だァ。そんでもって小傘」
「………」
「…?おい、小傘?」
「…えっ?な、何?」
「どうした?上の空というか…何か思いつめたみてェな顔して」
「あはは…やっぱりアルくんにはわかっちゃうか…。
いやね…わちきがしっかりしてたら、
すばめちゃんがケガすることもなかったんじゃないかって…」
「お姉ちゃん…」
「ごめんね、すばめちゃん…。
わちきがしっかりしてたら…」
「小傘、その自分を責める癖なんとかしろォ」
「ふぇ?」
「なんでもかんでも自分が悪いなんて思うんじゃねェよ。
今回も悪いのは俺だァ。こうなるのは予測できたはずなのによォ。
すばめを守ろうとしたんだろ?だったらそれでいいじゃねェか。
こうしてすばめも大したことなかったんだしなァ」
「で、でも…」
「ほれほれ、この話はもう終わりィ。
帰ったら3人で蕎麦食おうぜェ、な?」ニカァ
「!…………うんっ!!」
「……ん!」
「今度は天麩羅蕎麦ってのを食ってみてェ」
「わちきはきつねそばが食べたいなー!」
「私は…ざるのおそばかな…」
9話 おわり
それがこのざまである。(二回目)
小傘はボスなんです。強くてもいいんです!!