東方異形機械《トウホウイギョウキカイ》   作:GUM【グム】

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長くて無茶苦茶です。

だいぶネタバレです…ご注意を…!


12話 ツミトバツ

 

 

 

 

___<pm16:10>茶屋

 

 

 

「何とか言いなさいよ!アイツは何処って聞いてんの!!」

 

 

何だこの女…。

俺を知ってるみてェな口の利き方だな。

アイツってのァ…察するに俺のパイロットか。

 

 

 

「…小傘、慧音、すばめ。ちょっくら席外してくれねェか」

 

 

「え?う、うん」

 

 

「分かった。行くぞ、すばめ」

 

 

「ぇ?うん…」

 

 

 

スタスタ…

 

 

警戒はするに越したこたァねェ。

…コイツ、様子を見てるとどうやら俺に対してよからぬ思念があるみてェだな。

 

 

 

「ちょっと待っててくれねェか、やりてェ事がある」

 

 

「…好きにしなさい」

 

 

 

ちょっとは落ち着いたか。

しかし…名前は分かってもどういう奴なのかが全く分からん。

ヴェーダに頼ってみるか…。

 

便利なもんだねェ。

 

 

 

ピピッ

 

―GNW-20000 ヴェーダアクセス開始―

 

 

……

………

 

 

―アクセス完了:ヴェーダ端末起動

 

 

 

…「検索、「チーム・トリニティ」」」

 

小声で呟く。

すると、視界にデータが投影された。

 

 

 

【「チーム・トリニティ」

 

 

ソレスタルビーイングを名乗ったガンダムマイスターであり、

 

長男「ヨハン・トリニティ」

次男「ミハエル・トリニティ」

末妹「ネーナ・トリニティ」

 

の3人の兄妹から成る。

 

 

三人はデザインベビーであり、

いわばマイスター用の作られた人間である。

 

民間人を巻き込んだ過剰ともとれる武力介入行動により、

ソレスタルビーイングからは決別されている。

 

 

彼らの実際の立場は

「監視者」アレハンドロ・コーナーが作り出した「捨て駒」に近い。

 

 

後にアレハンドロが差し向けたGN-X(ジンクス)部隊に襲撃され、

孤立した所をアリー・アル・サーシェスに攻撃される。

 

 

「ミハエル・トリニティ」

‥射殺。後に搭乗機の「ガンダムスローネツヴァイ」をサーシェスに奪取される。

 

 

「ヨハン・トリニティ」

‥腹部に被弾、搭乗機「ガンダムスローネアイン」に搭乗し迎撃を試みるも失敗。

奪取されたスローネツヴァイに撃墜され、死亡。

 

 

「ネーナ・トリニティ」

‥「ガンダムスローネドライ」にもとから搭乗していたため被弾は免れる。

しかしスローネツヴァイに苦戦、撃墜されそうになるが、

武力介入したソレスタルビーイングの「ガンダムエクシア」に救助された。

 

追記:5年後、「ラグランジュ5」のコロニー「エクリプス」で

アロウズの大型MA:GNMA-0001V「レグナント」に搭乗する

「ルイス・ハレヴィ」に襲撃を受け、

「ガンダムスローネドライ」のコックピットごとGNクローに貫かれ戦死。

この時点で「チーム・トリニティ」は完全に壊滅した】

 

 

 

 

 

 

 

…。

 

成る程、ねェ。

 

 

 

 

ピピッ

 

―アクセス終了・ヴェーダ端末通常稼動―

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ネーナ・トリニティ…だな?

アイツってのァ誰の事だ?」

 

 

「しらばっくれてるんじゃないわよ!

何で動いて喋ってるのか知らないけど!

アンタは「アルケーガンダム」!あの男の機体じゃない!」

 

 

「あの男…サーシェスって奴の事か…。

いかんせん俺…「アルケーガンダム」にゃァ記憶が無ェ。

そいつがどんな奴だったのか、それは名前と容姿しか知らねェんだ」

 

 

「…クッ!なんなのよもう!

あのバケモノに刺されて死んだと思ったらこんなところに来てて!

 

…にぃに達を殺した奴のMSに会ったのに、

アイツに何も仕返ししてやれないなんて…!」

 

 

 

 

 

 

 

……何?

 

 

 

「………今、殺した、と言ったか?」

 

 

「え…?」

 

 

 

 

 

 

「「にぃに達を殺した奴」…

つまり、サーシェスはお前の兄貴を…殺したのか?」

 

 

 

「そ、そうよ…!!

アイツがヨハン(にぃ)を…ミハエル兄を…!!

アイツが…アイツが私たちを…!!」

 

 

 

「……そう、か」

 

 

 

 

強気に振る舞っていたが、言葉が終わらないうちに

涙が目に溜まり始めた。

 

 

 

そりゃそうだ、こんな酷ェ話はない。

目の前に(かたき)の乗ってたMSがいるんだからな。

 

 

憎く恨めしく…恐らく最期までこの女はサーシェスの事を憎み続けたんだろう。

 

 

 

その憎しみの中に、俺も入っていた筈だ。

 

 

さっきのヴェーダのデータ内にあった「ガンダムスローネツヴァイ」。

俺はコイツの姿に酷似していた。

 

 

GNバスターソードにGNファングといった武装面でもそうだが、

ただ単純、目つきが似ている。

 

ひどく悪い目つき。どう考えても似せてあるようにしか思えない。

 

 

 

つまり、俺はアレのデータを元に開発された可能性がある。

 

 

それは、この女にとってはえげつねェ程の皮肉だろう。

ともかく、俺にはコイツにするべき事がある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ネーナ、一つやりてェことがある」

 

 

「な、何よ…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

茶屋の椅子から立ち上がり、彼女の前に立つ。

 

 

 

 

 

 

 

そのまま膝をつき、両手を前に差し出し、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(こうべ)を、強く地に叩きつけ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え…な、何して…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…本当に、本当に!悪かったァァァァァァァァ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

「ッ!?」ブワッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本の謝罪用の姿勢、「土下座」の体制をとった。

彼女もどうやらそれを理解したようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「謝っても許されるたァ思ってねェェ!!

ただ言わなきゃ気が済まねェんだ!!

これから俺ァサーシェスの罪を背負って生きてかなきゃならねェ!!

だがァ!!

言わなきゃ俺ァこれからココ(げんそうきょう)で生きていく資格もねェェェ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…!!」ポロポロ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「煮るなり焼くなり好きにしてくれても構わねェ!!

それでお前の気が少しでも済むんなら俺ァ文句は言わねェ!!

何なら今ココで殺してくれてもいい!!」

 

 

 

「…うぅ…!」ポロポロ

 

 

 

「土下座」の姿勢のまま頭を大きく上げる。

大粒の涙を流すネーナの顔が映る。

 

 

 

 

 

 

「もう誰かを恨むな!!

お前はもう自由だ!!誰にも恨まれやしねェんだ!!

 

俺が言えた立場じゃねェが…!

もしお前を恨むような奴がいたら…

 

 

兄貴の分も含めて!俺がソイツをぶった切ってやる!!

 

 

 

 

だから…だから…ッ!!

 

 

 

 

 

お前はァァァァ!!兄貴達が迎えにくるまで笑って待ってろォォォォォォォ!!」

 

 

 

 

 

 

 

拳で地面を殴りつけ、叫んだ。

力のあまり地面にヒビが入ったが気にしている場合ではない。

 

 

 

立ち上がり、呆然としているネーナの前に立つ。

潤んだ目で上目遣いをしてくる。

そんな彼女の両肩を掴み、訴える。

 

 

 

 

「もしだ、もしお前が今の俺の罪を許してくれるとすんなら…。

 

 

…俺の肩に、手を軽く乗せてくれ。

 

 

 

許さないんなら、左手の布を引きちぎれ。

遠慮なんざいらねェ、思いっきりだ」

 

 

 

 

「…わかったわ」

 

 

 

「頼む」

 

 

 

肩から手を離し、「右目を閉じた」。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……………

布を掴まれた。

 

 

 

 

 

やっぱり、無理か。

当たり前か、俺は家族の敵。

罪なんざ、そうそう償えるもんじゃねェ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………!?

 

 

 

 

 

ギュウッ

 

 

 

 

バタン!!

 

 

 

 

 

 

 

「…っなァ……ッ!?」

 

 

 

 

 

一瞬何が起きたか理解できなかったが、

やっと「押し倒された」というのが分かった。

 

 

 

 

 

「こりゃァ…どっちと捉えりゃァいい?」

 

 

 

「アンタは許すわ。にぃに達が聞いても許すと思う。

だってアンタ、いい奴だもん♪」

 

 

 

まだ目は赤いが、それでもようやく笑顔を見せてくれた。

 

 

 

「…そうか、許してくれたのか…。

 

 

 

 

すまねェ、そして有難な」

 

 

 

「じゃあ、お詫びのしるし、頂戴?」

 

 

「ん?また土下座すればいいのか?」

 

 

「違ーう、もっといいもの!」

 

 

「あん…?わかんねェな…

というかそろそろ退いてくれ、周囲の目が痛い」

 

 

「あ、ごめんね」

 

 

やっと退いてくれたか。

軽いんだが、周囲の視線が突き刺さるようだ。

 

 

 

 

「それで…印ってなんだ?

勿体ぶらずに教えてくれェ、やってやれん」

 

 

「いいよ、私からやったげる」ギュッ

 

 

 

「は……?何を…むぐっ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

始めて「口」の存在を実感したのは香霖堂だった。

日本茶を顎の少し上の部分に当て、流し込む。

そうすることによって、「口内」に茶が流れ込むといった仕組みだ。

 

しかし「口内」がどこなのかは外見からでは分からないだろうし、

自分でも「口内」がどこなのか分からなかったが。

 

 

 

 

 

 

 

「…んむ…ん…」

 

 

 

 

 

今ネーナにされた行為。

接吻…一般的には「キス」と呼ばれるもの。

これで俺には「口」及び「口内」が存在するのがはっきりわk…

 

 

 

 

「くぁwせdrftgyふじこlp;!?!?!???」

 

 

 

「んーん…ふほいひゃらめぇ(うごいちゃだめ)…」

 

 

 

「!!?!? !? !!?」

 

 

 

 

―WARNING!―

 

―オーバーヒートまで残り3度―

―冷却装置作動―

 

 

 

 

!?

何だ!?急に体熱が上昇している!

不味い…このままでは!

 

 

「…んー……ぷはっ」

 

 

「ップハァ!ゼハー…ゼハー…」

 

 

 

―通常体温を確認―

―冷却装置停止―

 

 

 

 

「しるし、確かにもらったよ。

アンタの「口」、刹那のよりよかったよ♪」

 

 

「」

 

 

 

 

人間ってのァ…凄ェ事するもんだ。

キスってのは舌がねェと出来ないものかと思ってたが…

舌の無い俺とあんなことして何が楽しいんだ、ネーナ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それにしてもまァ…小傘と慧音、すばめを離脱させておいて良かっt

 

 

 

 

 

     「「………………………………………………………………」」

 

 

 

 

 

…。

 

 

 

 

何故だ…。

 

 

 

 

なぜここにいる…小傘…すばめ…!

そしてなぜそんな暗い目で俺を見る…!!

 

 

 

 

 

「…あ゛ァ…?」

 

 

「あ、さっきの…」

 

 

 

 

「…す、すまない…二人とも急に走り出したと思ったら…」

 

 

「…慧音、お前にゃァ責任はねェ」

 

 

「え?そ、そうか…」

 

 

「俺ァちょっとアイツらと話してくる…。

ネーナ、慧音に詳しい話を聞いてくれ…」ザッ…

 

 

 

「あ、あー…気をつけてな…」

 

 

「慧音?貴女の名前?」

 

 

「ああ。上白沢慧音。君は?」

 

 

「ネーナ・トリニティ。ネーナでいいわ」

 

 

「そうか。では君について詳しく聞こうかな」

 

 

 

カクカクシカジカ

 

 

 

 

「なるほど、それで今に至ると…。

アルケーと似たような生い立ちだな。

 

しかしアルケーとはどういう関係だ?

その、さっき…とんでもないことをしていたからな…」

 

 

「んっふっふ~、知りたい~?」

 

 

「…むむ、確かに知りたくはある…しかし」

 

 

「しかし?」

 

 

「今はあちらを気にしたほうがいいかもしれないな…」

 

 

「えっ?」キョロ

 

 

 

 

<アルクンアレハドウイウコトナノ!?

<アル…アレハサスガニアンマリダヨ!

<ナンデダ!?オレガオマエラニナニシタッテンダ!?

<ジカクガナイノガマタアクドイヨ!コノドンカン!!

<ドンカン!?オレァニブクネェゾ!!ヘタナコウゲキハハジキカエセルゾ!?

<アル…ソウイウコトジャナイヨ?

<ン?チガウノカ?

<アルクン…スバメチャン、コレハタイヘンカモネ

<ウン…アソコノアカイカミノオネエチャンモ…

 

 

「……ふぇ?」

 

 

「…私にはよくわからないが…

 

 

ネーナ、君も頑張れよ!」

 

 

 

「え、ええ?ええええ!?違う、違うわよ!?

私はアルケーを許すって言っただけで…!」

 

 

 

「…お、今初めて俺の名前呼んだな」

 

 

「え!?いや違うの!これは…」

 

 

「?何が違うんだ?」

 

 

「や、そうじゃなくて……ぅぅぅぅ~…」

 

 

「…?」

 

 

「…う…」

 

 

「う?」

 

 

「うるさーーーーーーい!!それよりアルケー!アンタ

何してもいいって言ったわよね!」

 

 

「ん?あァ、まァそんな感じのことは言ったな」

 

 

「じゃあ命令するわよ!

アンタはこれから私の護衛をすること!!」

 

 

「護衛?」

 

 

「そう!私を守るの!」

 

 

「そうか。お安い御用だ」

 

 

 

「「!?」」キュピィィィーーーーン

 

 

 

 

「じ、じゃあこれからずっとつきっきりだからね!

私から離れるなんて許さないんだから!」カー

 

 

「へいへい」

 

 

 

 

「「むぅぅぅぅ~…」」

 

 

 

 

「…そういうのに疎い私でもわかる…。

これが「ドロドロ」ということなんだな…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

___<???>???

 

 

 

「なぁ兄貴、ネーナのあの姿…どう思う?」

 

 

「ああ、私達といた頃…いや、それ以上に楽しげだ」

 

 

「見た目も俺達が死ぬ位の時に若返ってるし。

チッ、悔しいが認めざるを得ねぇな」

 

 

「ああ。

…本当に久しぶりに、あの子の笑顔を見れた」

 

 

「長年待った甲斐があったってもんだな」

 

 

「…それでは、そろそろ行くとしようか」

 

 

「おう、兄貴」

 

 

 

 

「…貴方達も、不幸にもかのような世界に産まれてしまったのですね。

皮肉にも先日、貴方達を殺害した者がここに来ました」

 

 

「…奴は何と?」

 

 

「「今更罪悪感など感じても無駄だ」

…そんな事を門を通る前に言っていました」

 

 

「…そうですか」

 

 

「それでは、そろそろ判決を。

5年も待つ羽目になるとは想定外でしたが」

 

 

「悪い悪い、やっぱ兄として心配なんだよ」

 

 

「お気持ちは十分察しますけどね。

それでは、参ります。

 

 

「名、「ヨハン・トリニティ」、

「ミハエル・トリニティ」。

 

 

四季映姫・ヤマザナドゥが下す貴殿らの行き先は…

 

 

 

 

 

…「天国」」

 

 

 

 

ギ…ギギギギギィ…

 

 

「殺生をしたのは感心できませんが

それ以前に造られた存在、あげく捨てられるという悲痛な人生。

そこを考慮し、今回特別に天国としました。

 

 

…今度貴方達が生まれる時は、平和な世界であるよう願っています」

 

 

 

「ありがとうございます。では…」

 

 

「ありがとな、それじゃあな」

 

 

スタスタスタ

 

 

 

 

ギギギギギギギ……

 

バタン

 

 

 

 

「しかし…近頃奇妙ななりの者が増えてきましたね。

幻想郷に迷い込まなければいいのですが…」

 

 

 

                   12話 おわり




どんどん立つフラグ。
ネーナじゃなくてくぎゅうです。(え?)


多分映姫様の出番は増えてきます。
ごめんなさい、こうでしか出せないんです…
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