東方異形機械《トウホウイギョウキカイ》 作:GUM【グム】
いろいろ予定が重なっていつの間にかこんな時期になってしまいました…。
また今日から活動していきたいと思います!
ちょっと短めです。
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アルケーガンダムのアイセンサーは、紫色に変化した。暗く、しかしはっきりと。
「目」として認識するのは難しいほどアルケーのそれは細く小さいが、
その変化は離れた場所にいた小傘でも見てとれた。
あの身体が赤く染まった時の明確な「怒り」とは違う、純粋すぎる「狂気」。
ちらと見ただけでも、その違いは容易に理解できた。
異常と言えるほどの感情の高ぶりがひしひしと伝わってくる。
妙に生々しい感情の渦に飲み込まれ、戦慄を覚える。
「アルくん……どうしちゃったの…!?」
その性格の豹変ぶりに、小傘は驚きと動揺を隠せずただただ立ちすくむ。
恐怖とも焦りとも捉えられない、奇妙な感覚に囚われてしまった。
「…!?××××!?」
「何グダグダ言ってんのか知らねェがァ!この程度じゃねェだろ、テメェの力は!
もっとだァ!もっと暴れようぜェェ!!」
バスターソードを地面に突き刺し、
右手首をもたげ、急な挙動の変化に動揺する相手を挑発するような格好をとる。
さながら「かかって来いよ」と言っているかのように。
「……………ッ!!」
歯軋りをしたあと、猛烈な勢いで飛びかかる白狼のような妖怪。
爪が折れていようが構うものか、コイツを倒さなくては気が済まない、
とでも言わんばかりに。
しかし、その爪が届く前に、強い衝撃と共に白狼の身体は宙に浮いた。
「………ッッッ!?」
「…気でも狂ってんのかァ?自分から飛び込んでくるなんてなァ!」
アルケーは白狼の突進を横方向にステップで避け、
側面から白狼の腹部を左脚で蹴り飛ばしていた。
そのたった一発の蹴りに込められた残酷ともとれる破壊力を直に食らった白狼は、
痙攣のような動作を起こし、そして吐血した。
「オイオイ、この程度でくたばんじゃねェぞ?
俺ァなァ…まだまだ戦い足りねェんだよォォ!!」
そんな様子に何の躊躇も見せず、吐血で口元が赤く染まった白狼の元に歩み寄る。
蹴りで体内にダメージを負ったのか、
白狼はぐったりと横たわったまま動かない。ただ雑な呼吸を繰り返すだけである。
「…チッ、つまんねェな…!雑魚にゃ用はねェ…」
忌々しげに白狼を睨み、首元に手をかざす。
「…………ッ……!ガハッ………」
「……消えちまいな…!ハッハァ…!」
白狼の首には、アルケーの細く鋭利な指が食い込んでいた。
「ァ………ガ………」
「雑魚なりにイイ顔すんじゃねェか…!クケケケ……!」
邪悪な笑い声を上げながら、白狼を掴んだ右腕をゆっくり上げていく。
アルケーの腕は長く、上げきった時には白狼の足は地面から60cmほど浮いていた。
「…………ッ…………!」
必死でもがきはするが、無慈悲にも首に食い込む指の圧力は変わらない。
手足をバタつかせても、長いアルケーの腕のせいで身体には当たらない。
「フハハハ……!このまま楽になっちまいなァ…!」
白狼の生命の糸が切れようとした時。
「……アルくんッ!駄目だよぉっ!!」
「………………あァ?」
アルケーの背中に、駆け寄った小傘が飛びついた。
一瞬の、僅かな衝撃で指が緩み、転落する形で白狼は自由を得た。
そして力を振り絞るように、不器用な走り方で森の方へ逃げていった。
今ここにいるのは、アルケーと小傘のみ。
「もうやめて!あんなやり方、アルくんじゃないよ!!
あれじゃ、アルくんの方が妖怪だよ!!
どうしちゃったの!?あの優しいアルくんはどこに行っちゃったの!?」
目に涙を浮かべつつ、アルケーの説得を試みる小傘。
しかし。
「………何のつもりだァ…………このガキがァ………!!」
ここにいるのは、「アルケーガンダム」だけではない。
「この俺のォ………!!
「アルケーガンダム」に宿った「魂」も、ここに存在していた。
否。
存在「してしまって」いた。
相変わらずの超スピード展開です(白目)
それでは今年もよろしくお願いしまーす!