東方異形機械《トウホウイギョウキカイ》 作:GUM【グム】
___<am 11:20>香霖堂
「リンノスケか。店主ってこたァ、ここはなんかの店なのかァ?
あ、この布もらっていいか」
「どうぞ。お代は…まぁ今回はいらないよ。
道具屋、という建前かな。趣味みたいなものだから。
それでも客は偶に来るけどね、「客」は。
それより、君の名前は?名前もさぞ妙なんだろうね」
「大きなお世話だァ。俺はー…多分アルケーガンダム…かなァ」
大きめのボロ布を左手の付けねにかぶせながら、首を傾げつつ答えた。
「多分?ずいぶん曖昧なんだね」
「記憶がないもんでねェ。それより道具屋ってことはよォ、
針金とか鉄板とかはあんのか?」
「話を変えるのが上手いね。多分奥にあるから取ってこようか?」
「すまねェが頼む」
「はいはい」
リンノスケはまた店の奥に入ってった。
これでなんとか足はマトモになるだろ。
左手もカモフラージュまでは出来ないが配線むき出しより幾分かマシだ。
リンノスケを待つ間、どこかに腰掛けようとスペースを探している時、
外から何かが走ってくる音が聞こえた。
「…ン?なんdバタン「香霖!お茶出してくれお茶ー!」ドゴォぬおァッ!?」
突然ドアが勢いよく開き、思いっきり後頭部にぶつかった。
痛ェ!またこれかよ!なんでいっつも頭なんだよォ!
「ん?今何かにぶつかったような気がするんだぜ…?」
後頭部を抑えてドアの裏でうずくまっていたため、
あっちからは見えていないらしい。迷惑千万だ…!
何やら女の声だが…
「魔理沙…もっと静かに入ってきてくれないかい?」
「えへへー、悪い悪い。」
「ところでアルケー君はどこだい?姿が見えないんだが?」
「アルケー?何の話だぜ?」
「ココだオラァァァァァァ!!」
後ろから叫びかける。
白黒の服とヘンテコなトンガリ帽子、腰あたりまで伸びた金髪。
飛び上がり、こっちをただでさえ大きい瞳をさらに大きくして見た。
「うひゃぁ!?なんだなんだ!?なんなんだぜコイツー!?」
「大した言い草じゃないのォォォ!!ドアは静かに開けろォォォォ!!」
「も、もしかしてあのぶつかった感覚はオマエかー!?」
「あァそうだよ!!」
「まあまあ、落ち着きなよアルケー君。
ハイ、針金と鉄板」
「…あァ、すまねェ。悪かったな嬢ちゃん。怒鳴っちまって」
「え?あ、ああ、こっちも悪かったんだぜ…」
リンノスケに促され、クールダウンする。
謝るってのァ慣れねェな。サーシェスって奴がそんなタマだったんだろうなァ。
「じゃァちょっと外行ってくる。戻った時にまとめて俺の事話すわァ」
「ああ。お茶を出して待ってるよ」
そう言い、俺は外に出た。
ガチャ
バタン
「?…?香霖、知り合いか?」
「ああ。ついさっき会ったばかりだけどね」
___<pm 12:00>香霖堂の外
キュィィーーーーーーーーーーーーーーーーン…
「…ふゥ、こんなモンかねェ」
とりあえず、右足の木の棒を軸にし、
鉄板を左足のビームサーベルで溶解させる。
そしてドロドロになった鉄を棒に沿うように流し、
ところどころに針金を混ぜ、鉄筋コンクリートの原理で丈夫に固めていく。
そうして出来上がった、左足に似せた鉛色の義足。
だいぶバランスも取り易くなった。
あとは余った針金を左手の配線にうまく繋ぎ、
フレーム状ではあるがまさにアームという感じの義手を作った。
配線に繋いであるので一応動かすことはできる。
「これでモノは掴めるだろォ、この布はまだいりそうだァ」
やりたいことをやったので、香霖堂に戻る。
ガチャ
「助かったぜェ、有難よリンノスケ」
「お役に立てたなら光栄だよ」
「うわっ、さっきまで木の棒だったのにすっかり直ってるんだぜ!」
奥から二人が出てくる。そりゃァ珍しいわなァ。
ただの木の棒ほぼ元通りだもんなァ、色以外。
「奥にお茶を淹れてあるから飲むといいよ。
尤も、君は飲めるのかどうか分からないけどね」
「物は試しってやつだァ、じゃァ頂くか」
ユノミ…だったか、陶器の器に日本茶がなみなみと注がれている。
それを左手のアームで掴み、口(?)元に近づける。
何故か今の俺には嗅覚があるらしく、茶葉の香ばしい匂いが漂う。
おそらく口だと思われる部分にユノミを付け、流し込むように傾ける。
その時、俺の中に一つの感情が芽生えた。
確かに、「口」に液体が流れた。
確かに、「口」に温かさを感じた。
確かに、「口」で「味」を感じた。
「これが………{味}……か……!!」
茶葉から滲み出たであろう、少々の渋さ。
その中に僅かに感じられるほのかな甘み。
ヴェーダ…今ほどコレを偉大に思ったことはない!!
「美味ァァい!!」
俺に、「味」のデータを与えてくれたのだから…!!
「「…。」」
リンノスケとヘンテコ少女が引きつった笑顔で
俺を見ていたのは後から聞いて知った。
そのあと、俺はこれまでのいきさつを話した。
といってもたった一晩の話、大した事はない。
あと、リンノスケから少女の名前は「マリサ」と聞いた。
「恐らく、君は外の世界から迷い込んできたんだろうね」
「外ォ?どういうこったァ」
「ここは「幻想郷」。忘れられたモノが来る世界だぜ。
でも偶にアンタみたいに迷い込んでくる奴らもいるんだぜ」
「成る程ねェ。まァ、別に俺は構いやしねェな。
どうせ帰る場所も、無ェんだろうしなァ」
それから俺は「幻想郷」について詳しく話を聞いたり、
「味」について教えてもらったりした。
味に関する興味は尽きそうにねェな。
___
「とりあえず私はアンタが何者なのか知りたいぜ。
一旦霊夢のところまで来てもらうぜ?」
「レイム?誰だそりゃァ」
「見たらわかるのぜ。香霖、借りてくぜ?」
「ああ。じゃあアルケー君、また会おう」
「あァ、世話んなったな」
「また困ったら来るといい。やれることならしてあげるよ」
「助かるゥ」
「じゃ、行くぜ」
「ああ、じゃァな」
壁に立てかけていたバスターソードを持ち、余りの鉄板を溶かして作っておいた
バスターソードを背にかけておくためのホルダー…
日本じゃ「鞘」と言ったか。それに差し込む。
「ああ、じゃあ」
リンノスケは手を軽く振り、店の奥に戻っていった。
ガチャ
バタン
___<pm 14:40>「博麗神社」へ移動中
「へー、アンタ空も飛べるんだな」
「伊達に機械やってねェよ」
「外の世界の機械は空も飛べるのぜ?」
「さァな…俺以外は知らねェぜ」
空中を飛びつつ「レイム」とかいう奴の所に移動している。
マリサは魔法使いらしい。
コレを聞いたときは思わず噴き出しそうになったが何とか堪えた。
しかしこうして箒にまたがって飛んでいる以上、冗談じゃなさそうだ。
変わってんなー、人間は。
そんなことを思いながら、GN粒子を撒き散らしつつ
俺はマリサの後を追うように飛行した。
ヴォンッ
「…アルケーガンダム。
ココに迷いこんだのは何かの縁なのかしらね。
これからどうなるんでしょうね、
ヴォン…
2話 おわり
MO
HA
YA
NA
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MA
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ではでは次回もry