東方異形機械《トウホウイギョウキカイ》   作:GUM【グム】

7 / 20
アル君激おこ


6話 「TRANS-AM」

___<am 6:00>山の麓の小屋

 

 

「…朝かァ」

 

 

なんかいつもより早く起きちまったような気が。

 

 

「…ン?」

 

「すぅ…すぅ…」

 

 

妙に身体が重いので横を見ると、

小傘が心地よさそうに眠っていた。

 

「…コイツはコイツで悲痛な過去があってもそれを乗り越えようとしてんだ。

俺もいつまでもグズグズしてるわけにゃァいかねェな。

 

…ソレを気づかせてくれて、有難な、小傘」

 

頭を軽く撫でてみる。

 

「ん…ん」

 

「…」ナデナデ

 

柔らかい。

人間の女性の髪ってのはこんなにフワフワしてんのか。

 

 

「ふにゅ…。アルくん…?」

 

「あ、悪ィ。起こしちまったか」

 

反射的に手を止める。

 

「ぁ…」

 

「?」

 

何だ、何か変な声が。

 

「どうかしたかァ?」

 

「あ、いや…なんでもないよ。

 

ふぁ~~~あ……。

 

ん~!よし!おはようアルくん!」ニコッ

 

 

「あ、あァ…おはよォ…」

 

テンションのアップダウンが激しい。

しかしいい笑顔だなオイ。

 

 

「ごめんね昨日は…。迷惑かけちゃったよね…」

 

「そんな事は全くなァい。

むしろこっちも悪かった、妙ちくりんな事して」

 

 

「い、いや大丈夫だよ!

アルくんに抱き締めれられた時、凄く嬉しかったから…///」モジッ

 

「お、おォ…そうか…」

 

何か顔を赤くして身をよじらせてる。これはどういった感情のもとの動作なんだァ?

 

「あ、それとね。

わちき、アルくんと一緒に行くことにしたよ」

 

「あん?いいのかァ?」

 

「うん。わちきなんかでよかったらね」

 

「いいや、有難ェ。…それと、俺は小傘じゃなきゃァ嫌だがなァ」

 

「え…あ…あぅぅ///」プシュー

 

「…?……?」

 

またこの反応。

俺、何か変な言ってるのかねェ。さっきから…。

 

 

 

___<am 6:30>所在地変わらず

 

 

 

「…それじゃァ、そろそろ出るか」

 

「そうだね」

 

 

立ち上がり、ドアを開けようとした時…

 

グゥゥゥゥゥゥ…

 

 

「ァ…腹減ってたの忘れてた…」

 

夕べはそれどころじゃなかったしなァ。

 

 

「アルくんお腹すいてるの?」

 

「あァ…ここ二日まともな食事食べてねェな…」

 

「わちきは妖怪だから食べなくても平気だけど…。

一回人里に行ってみようか?」

 

「人里ォ?人間がいる里かァ?」

 

「うん。もしかしたら何かくれるかも…」

 

「そうだなァ。どうせ行く当てもなかったしちょうどいいやァ。

それじゃ、その人里ってトコに行くか」

 

「うん!」

 

 

目的地も決まったし、小屋を出た。

 

そのときかがむのを忘れてまたデコに激突。

小傘に大笑いされた…。

 

 

ただ、この娘を笑わせてやれたんなら、不思議と嫌な気はしねェな。痛いが。

 

 

 

 

___<am 7:20>人里付近の上空

 

 

 

 

「結構長い間飛んだが…まだか?小傘」

 

「うーん…たぶんあとちょっとだよ。

それにしてもアルくん凄いねー!空も飛べるんだ!

ただ…この格好はちょっと恥ずかしいけど…///」

 

構図としては、俺が小傘の背中に覆いかぶさってる感じ。

こっちの方が効率もいいし、何より安全だ。

 

しかし軽いな。

妖怪ってのは皆こんなに軽いのか?

 

 

「あ、あそこだ。あそこが人里だよー」

 

小傘が指差した方を見る。

 

…日本。なんという日本家屋。

 

たしか長屋というんだったか…

 

 

「じゃァ降りるぞ、しっかり掴まってな」

 

「わかった」

 

 

だいたい里の入り口くらいの所に着地した。

 

 

「ふゥ、やっと着いた。

ほらよ、もう離れていいぞ」

 

「あ、うん」

 

…なんでこの娘は俺から離れる時いつも寂しそうな顔をするのか。

深い意味はなさそうだが…

 

 

ザワザワ…

 

ザワザワ…

 

 

「…ん?」

 

何だァ、急に騒がしくなってきた。

 

 

チョットナニアレ…

アラテノヨウカイカシラ…

ミロヨアノヘンナカラダ…

 

「…」

 

何か…ヤな予感が。

 

アイツホットイタラコウゲキシテクルンジャナイ!?

エ?ジャアオイハラワナイト!

アノオンナノコハ?

オドサレテルノヨキット!

 

「…ァ?」

 

カチンと来たが、ココで手を出すわけにはいかない。

 

「あ、アルくん…」

 

小傘が不安げにこちらを見つめてくる。

 

「大丈夫だァ…小傘、俺の傍に」

 

「う、うん…」

 

小傘の肩をやや頼りないが左手で抱きつつ、左肩の布を頭にかぶせるようにした。

これでもないよりはマシだ。

こりゃァ…警戒態勢を強めざるを得ねェな。

 

 

ヤッパリオドサレテルンダ!

ハヤクタスケテアゲナイト!

ドウスルノ!?

オッパラウシカナイデショ!

ヤメトケヨー!

 

「……ッ!?」

 

ワー!ワー!

アノバケモノをオイハラエー!!

ヤ、ヤメトケッテ!!

 

 

「あ、アルくん!危ないよ!」

 

「チィッ…!」

 

アイツら…こっちは何も危害を加えてねェのに石を投げてきやがった!

俺はまだいいが、小傘に当たったりしたら絶対許さねェぞ!

 

 

ガキィンッ

 

ガンッ

 

ゴガンッ

 

ガァンッ

 

「…!」

 

何個か当たったが、この程度の石なら痛くも痒くもない。

ただどうする、この状況…!

 

 

キイテナイ!?

コ、コウナッタラアノコヲヒキハナソウ!

ドウヤッテ!?

イッセイニオソイカカレバイケルハズ!

モウヤメロッテバ!!!

 

 

「小傘を狙うつもりか…!」

 

 

アイツ等が一斉に押し寄せてくる。

動こうとして小傘の様子を見ると、

 

 

 

 

「ひっく…うぇ…うぇえ…。

アルくん…。ごめんね…。

わちきが「人里に行こう」なんて言ったからぁ…。

本当に…ごめんねぇ…

うっ…うっ…」

 

 

 

「 ! ! ! 」

 

 

 

 

 

小傘が、泣いている。

 

 

 

恐怖心が限界を超えたのか、はたまた別の事柄か。

 

 

 

ただ、今はそんなことはどうでもいい。

 

 

 

 

コイツらは…何もしていない俺たちに攻撃したあげく…!

 

 

 

 

 

 

 

小傘を…泣かせたァ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」

 

 

 

ウワァッ!?

ナンダ!?

 

 

 

「コれが人間カァ!?」

 

 

 

「知的ナ生命体がスる事かァァ!?」

 

 

 

「勝手に敵と決メ付けて攻撃しテきヤがってェェェ!!!」

 

 

 

「小傘がァァ!!マた泣いチマっただろォォがァァァァァァァァァァァァ!!!!」

 

 

 

 

ヒ、ヒィィィィ!!

オコッテル!!ダカラヤメロッテイッタンダ!!

 

 

 

 

「殺生は好キじゃネェが!!自業自得だァ!!!

テメェらダケハ!!絶ッッッッッ対に許サねェェェェェェェェェェェェェェェェェ!!!

 

 

 

TRANS-AM(トランザム)ゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!」

 

                       6話 おわり




アルケーは本編ではトランザムを使用していませんが、
GNドライヴ三つもあるし二つでも十分出来るかなと。


切れるの早かったか…でもしょうがないよなぁ…(逃避)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。