東方異形機械《トウホウイギョウキカイ》 作:GUM【グム】
「え…あ、アルくん!?どうしちゃったの!?
身体が赤く…!」
「…小傘ァ…大丈夫だァ…。
お前はココで待っテな…。
何、心配スんな…殺しゃしネェよ…。殺しハなァ…!!」
ナンダ!?カラダガアカクナッテク!
ソレドコロジャナイ!ニゲナイトコロサレル!!
ハ、ハヤクニゲロ!
「おォおォォォ!!散々人ヲ攻撃しておイてェェ!!
自分らダけ逃げルつモリかァァァァァァァァァ!?!!?
いイ根性してンじャねェカァァァ!!
だガなァア!!逃がしゃシねェぞォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!」
「あ、アルくん!!待って!!」
バッ!!
ガシャンッ
ウワァァァァ!?
アノキョリヲハネテキタ!?
オイ!アイツケンヲヌイテルゾ!!
「オラァァァァァ!!」
ガスゥッ
ボコォッメキメキィッ
ジ、ジメンガワレタァ!?
ケンヲタタキツケタダケナノニ!!
「誰モ殺しゃシねェよォォォォォォォォォ!!
死ぬホど痛い目にハ遭わセてやルがなァァァァァァァァ!!!」
ダ、ダレカァァァァ!!
ヒィィィィ!
キャァァァァァァ!!!
ニ、ニゲロォォォォォ!!
「う…うぇぇぇぇぇぇん…!!お母さぁん…!助けてぇ…!!」
ア、アノコガアブナイ!!
マズイ!!モウケンヲフリアゲテル!!!
ゼンブオレタチノセイダ…オレタチガヘンニコウゲキスルカラ!!
「ケッ!ガキがァ!!とっトと逃げレば良かッタモンをよォ!!
テめェの不幸を呪いヤがれェェェ!!
オラァァァァァァァァァァァァァァ!!!
…ァァァァァ…
ァァ………ア?」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!まだ死にたくないぃ…!
死にたくなんてないよぉ……!!ぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁあああぁぁぁん!!」
「……………………………
…………死にタく…なイ?
……俺ァ今、この子を殺そうとし た…?
……………俺は、何を……やって ん……だ………………」
バチ…バチバチッ…!!
シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン…
ポフッ
「うぇぇぇ………え………ぇ?」
ナデ…ナデ…
「ご免…なァ…。怖がら…せ…ちまっ………て………。
殺しゃしねェよ……死なせや…しねェ………から…な…………」
ドサッ
「…え……」
タ、タオレタ…?
イマ、アノコノアタマヲナデタヨナ…
ナンデ…?
「……!!アルくん!!」
「………小…傘…?」
「どうしたの!?しっかりして!」
「……ちょっと…休むが…てら……頭を冷やす……。
その間…アイツらと…話をつけといて…くれ」
「え、あ、うん…わかった…。
……絶対に起きて、話聞かせてよ!?」
タッタッタ…
「分かって…るゥ…………………」
ピピー
WARNING!
WARNING!
-不完全状態の上でのTRANS-AM使用によりエネルギー著しく減少-
-エネルギー残量2.3% 起動続行困難-
-GNドライヴ・チャージシステム強制起動-
-GNW-20000 機能停止-
「………こういう…時に…限って…俺は…ロボ…ット…なん…だな………………」
ピーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
___<am 9:10>人里 空き家屋内
「アルくん…一体どうしちゃったのさ…」
アルくんに頼まれたとおり
村の人たちにわちきたちが何者なのかを説明してきて、
今は倒れたままのアルくんの枕もとにいる。
みんな凄くいい人たちで、アルくんが倒れてからすぐに謝ってきてくれたんだ。
確かに急に大きなロボットが出てきたら驚くよね…。
あと、何だか怖かったからわちきが妖怪だってのも隠しておいたけど、
皆信じてくれて助かったよ。
とにかく、話がわかる人たちで本当によかった。
でも、なんでアルくんは…わちきが泣いてるのを見て、あんなになっちゃったんだろう?
心配してくれた…という感じじゃなかったよね。
あんなに怒るなんて…アルくんのことはまだまだ分かりそうにないなぁ。
「あの……傘のお姉ちゃん…?」
「あ、すばめちゃん。どうしたの?」
「妖怪さん、まだ起きないの…?」
「うん…。結構時間も経ったと思うんだけど…」
アルくんが攻撃しようとして、結果的に
アルくんを止めることになった…らしい、
この女の子はすばめちゃんっていうみたい。
まだ小さいのに、成り行きとはいえ
自分を襲ったアルくんをこうして気遣ってあげられるほど心優しい。
いい子だなぁ。
あと、らしいっていうのは、わちきはその場にいなかったから。
アルくんの行動にビックリしたっていうのもあるけど…
アルくんに「ここで待ってろ」って言われたから…かな。
何だかよく分からなかったけど、不思議と怖くはなかった。
むしろ…あんな状況なのに安心できた…。
どうしてなのかなぁ…?
「あの…お姉ちゃん…?」
「えっ!?な、何!?」
「いや…急にぼーっとしだしたから…」
「あ、ご、ごめんね。なんでもないよ」
「そう…。
それにしても、なんで妖怪さんは私を襲わないで、
謝ってくれたのかな…?」
「…きっと、本当は凄く優しいんだよ」
横目で寝てるアルくんを見ながら、言ってみた。
まだわちきにとって、アルくんは分からないことばかり。
でも、昨日初めて会って話して、分かったことが一つだけある。
多分アルくんは、底抜けに優しいんだ。
もちろんまだ分からないけど、わちきは確信を持ってそう思ってる。
冷たい人が、一晩中初対面の妖怪を抱きしめててくれるわけがないもの。
「…優しい…。だから、謝ってくれたんだね…」
「きっとそうだよ。…だから、この妖怪さんを…怖がらないであげて」
アルくんは妖怪って言われるのを嫌う感じがする。
それに、本当に優しいのなら怖がられるっていうのも嫌だろうなぁ。
けど。
「うん、私怖がらないよ。
だって、妖怪さんのこと、好きになっちゃったから」
その心配は全くなかったみたい。
「……へ?好き?」
「うん。頭を撫でてくれた人は、妖怪さんが初めて。
お母さんは私が小さい時に病気で死んじゃって、
お父さんは会ったこともないの。顔も知らない。
里のみんなは私にすごく優しくしてくれるけど、たまに私をからかう子もいるの。
わかってるのに……ヒック、わかってるのにやっぱり寂しくて…。グスッ。
…でも、妖怪さんは私の頭を撫でてくれた。
「死なせない」って言ってくれた。
私を助けてくれた…。」
「…そう…だったんだ。よく話してくれたね、よしよし」ナデナデ
「ふぇぇぇ…」グスグス
なんて強い子なんだろう。
ずっとずっと、一人で温かみを知らずに生きてきたなんて。
アルくんはこの子の心を見て、攻撃を止めたのかもなぁ。
___<am 11:30>人里
ピーピー
-GN粒子フルチャージ完了-
-エネルギー残量98.9% 十分に稼動可能-
-TRANS-AM system:一時的に起動可 起動推奨:無
-GNドライヴ・チャージシステム解除 ノーマルモードに移行-
-GNW-20000 機能再開-
グポォォォォン
目が光る音が聞こえ、視界が開ける。右目だけだが。
何だ、俺ァ寝てんのか?
ご丁寧に布団まで。運ぶの大変だっただろうなァ。
「……………やっとかァ………で、ココは………ん?」
周りを見ようとして起き上がろうとすると、左右の胸部に重みを感じた。
で、見てみると…
「クー…クー…」
「スヤ…スヤ…」
「………何か
右には小傘が、
左には…俺が攻撃しかけた少女が…。
それぞれ、俺に抱きつくようにして眠っていた。
「………なんじゃこりゃァ?」
訳が分からん。その一言だ。
6話 おわり
怒るのが早い人は冷めるのもまた早いのです。
なんだこれ
なんだこれ
アルケーがどんどんタラシに。こんなはずでは。
そんでもってやっと次からほのぼのできます…
主に里でダラダ……違う、のびのびするつもりです。
書きやすそうだ…。