うみみと申します。
のんびりとしたよしりこ小説を不定期で投稿します。
今回はその1発目です!
よろしくお願いします。
「ねぇ、よっちゃん」
台所で食器を洗いながらリビングのソファでくつろぐ後輩の名前を呼ぶ。
「何よ、リリー」
私のことをリリーと呼ぶ彼女は津島善子ちゃん。
彼女は朝から突然うちにやって来たと思ったら今のように何もせず、ゴロゴロしている。
今はお昼を2人で食べ、食器を洗っている途中。
今日、両親は家を出ていて寂しいお昼になるかと思っていたけど、よっちゃんのおかげでそんなのは全く感じなかった。
「今、ご飯食べたばっかりなのにもうお菓子食べてるの?」
「これは食事では補えぬ分の魔力の補給元。これ無くしてヨハネは存在できないのです!」
私ではあまり理解できない難しい言葉を話すよっちゃん。
とにかく大好物のチョコレートが食べたかったようだ。
「もう・・・。今更だけど、本当に何しに来たの?」
アポなしでいきなりうちに来たよっちゃん。
本当に何をする訳でもなく、ただうちに来て自分の家のようにくつろいでいる。
「うーん。そうねー」
よっちゃんはチョコレートを1粒口に放り込み、飲み込むと、自分の唇をぺろっ、と舐める。
「リリーと一緒に居たいから」
ニヤリ、と笑みを浮かべるよっちゃん。
「なっ!?」
あまりこういうことを言われたことがない私は全く耐性がなく、一瞬で顔が紅く染まる。
よっちゃんには背中を向けてるから、私の顔は見えないはずだ。
「なななななな何言ってるの!からかうのは良くないんだよ!」
「別にからかってるわけじゃないわ。ヨハネとしてはリトルデーモンが何をしているのか気になっただけよ」
「あ、あぁー。そういうこと・・・。そのリトルデーモンっていうのになった覚えはないんだけどなぁ・・・」
一瞬でも脈アリだと思った自分が恥ずかしい。
まだ熱い頬を水で冷たくなった手でこねながらため息をつく。
まだ食器洗い終わってないから早く終わらせちゃおう。
「リぃーリぃー」
「何?」
やけに伸ばして私を呼ぶよっちゃん。
流し台の水を止め、振り返ると。
「ダイヤ」
「は?」
よっちゃんはお団子を解いていた。
「えっ・・・と・・・?んん?」
きっとダイヤちゃんのモノマネをしているんだろう。
でもどこの辺りがダイヤちゃんのマネなのか全く分からない。
「んっ!ここ!」
よっちゃんは口元を指差し、強くアピールする。
「えー?」
首を傾げながらよーく見ると、ちょこん、と黒い点がよっちゃんの口元に付いていた。
「それ、チョコ?」
「そうよ。ダイヤみたいじゃない?」
「どうなんだろ」
「むー。何よー。つれないわね」
よっちゃんは少しいじけるとチョコを指で拭い、舐める。
どうやらよっちゃんは閃いた小ネタを披露したかっただけのようだ。
しばらく音沙汰もなく、食器を全部洗い終えれた。
「よっちゃん?・・・寝ちゃってる」
よっちゃんはお団子を作らず、ソファのクッションを抱きしめて、座ったまま眠っている。
「もう・・・。本当に自由なんだから・・・」
1度自分の部屋に上がり、手頃なブランケットを探す。
だいぶ暖かくなってきたとはいえ、まだ少しだけ肌寒い。
タンスにしまっていたブランケットを腕にかけ、下に降りていく。
「体勢変わってる」
クッションは抱きしめたままで、そのまま横に倒れて寝ている。
私はブランケットを広げ、よっちゃんに被せようとした時だった。
「リ・・・リー」
寝言で私を呼んでいる。
普段小生意気でお調子者のよっちゃん。
普段は堕天使を名乗っているが、この姿は天使にしか見えない。
「はいはい。ここに居ますよー」
私は彼女の頭を撫でながら返事をする。
「ふへへ・・・。リリー好き・・・」
「・・・っ!」
なんでこの子には心をこんなに動かされるの?
そう思った私は恥ずかしさもあるが、無性に腹がたった。
「このっ」
ブランケットをよっちゃんに投げつける。
「んにゃ!?」
ブランケットが顔全体に当たったよっちゃんは飛び起きる。
「な、何!?」
よっちゃんはキョロキョロと周りを見る。
するとブランケットに気づく。
「これ、リリーの?」
「・・・」
私はよっちゃんに背中を向けて、正座している。
もちろん、反応する気もない。
「違うの?」
「・・・」
「ねぇ、リリー」
「・・・」
「リリーってばー」
よっちゃんはのそのそと私に近づき、後ろから抱きついてくる。
「なんで怒ってるのよ?」
「・・・いの」
「え?」
「よっちゃんがいけない!」
始まります。
こういうよしりこが大好きなんです。
山も谷もないただのんびりする日常を眺めていたい(切実)。
次回は来月のどこかのタイミングで投稿します。
是非感想、評価お願いします。