よっちゃんがいけない!   作:梨善

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こんにちは、うみみです。

ほのぼのよしりこ第2弾を投稿します!


その2

練習がない日の休日。

普段は中々時間が取れずにできていなかった趣味である絵を家で描いていた。

筆を置き、キャンパスに置かれた絵を見て一息つく。

 

「ふぅ・・・。だいぶできてきたかも。それにしても・・・」

 

外を見ると外はカンカン照り。

季節も夏で東京とは違う暑さが辛い。

 

「本当にエアコン、効いてるのかな・・・」

 

エアコンのリモコンを手に取り、表示を温度を見る。

 

「25℃・・・。これ以上下げるとお母さんに怒られちゃうし・・・。うーん」

 

頭を抱えながら、悩んでいるとふと、青い海が目に入った。

きっと千歌ちゃんや曜ちゃんたちはこんな溶けてしまいそうな温度でも外に出て、海で遊んでるんだろう。

とてもじゃないがインドアな私にはできない。

 

「続きをやろう」

 

筆を持ち、再開しようとした時、ドタドタと誰かが階段を駆け上ってくる音が聞こえる。

 

「お母さん?何を慌ててるんだろう」

 

バン!と勢いよく扉が開いた音に驚き、少しだけ跳ねる。

ゆっくり振り向くとそこには・・・。

 

「リリー!!」

 

堕天使がいた・・・。

 

「よっちゃん・・・。どうしているの?」

 

今日、うちに来るという連絡はなかった筈。

 

「エアコン壊れたー!!」

「わざわざ報告するために来たの!?」

 

謎の行動力に私は驚く。

 

「それとバスが涼しかった!!」

「それはそうでしょ・・・」

「という訳で涼ませて」

「どういう訳なの・・・?」

 

よっちゃんは私に許可も取らず、本棚から漫画を1冊選ぶと、ベッドの上でくつろぎ始めた。

 

「・・・本当に涼みに来ただけ?」

「そうだけど?」

 

何もおかしいことはない、と言いたげなよっちゃん。

彼女のことだから私にちょっかいを出してくると思っていただけあって、少し拍子抜けしてしまう。

 

「別にいいけど・・・」

「あら?絵を描いてるの?」

 

よっちゃんは今更気づいたようだ。

こんな大きなものがあれば真っ先に目に入ると思ったが、彼女は違うようだ。

 

「う、うん。最近できてなかったから、たまには」

「ふーん・・・」

 

興味津々に絵を見つめるよっちゃん。

何やら嫌な予感がする。

 

「・・・邪魔しないでね?」

「しないわよ。ま、ヨハネはヨハネで好きにするから」

 

そういうとよっちゃんは漫画を読み始めた。

 

なんとか私の平穏な休日は守られたようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

完成も近づき、もうひと踏ん張りする前に休憩しようと思った私。ふと外を見ると、空は夕日のオレンジ色に染まっていた。

 

「え、もうこんな時間なんだ・・・。夢中になりすぎたかも・・・。あ、よっちゃん」

 

よっちゃんに帰らなくていいのか聞こうと思い、声をかけるが返事がない。

 

「よっちゃん?」

 

振り向くとお腹を出して、漫画を片手に眠っているよっちゃん。

 

「・・・本当に何しに来たの・・・」

 

呆れる私。

しかし、このまま寝かせてよっちゃんが怒られるのは申し訳ない。

 

「よっちゃーん。起きてー」

 

よっちゃんの体を揺すってみるが全く反応しない。

 

「はぁ・・・。もうどうしよう」

「んゆ・・・。り、り・・・」

 

寝言のような呟きでよっちゃんは私を呼んだ。

 

「お、起きてるの?」

 

問いかけてみるが反応を示さない。

まだ眠っているみたいだ。

 

「むう・・・。もう、起きて!」

 

さっきよりも激しく揺さぶると、よっちゃんは瞼を少しだけ開く。

 

「はぁ・・・。やっと起きた・・・。もう日が暮れてるよ」

 

時間を教え、早く帰るように促す。だが。

 

「りり〜」

 

よっちゃんは起きるどころか私に抱きつく。

 

「わわっ!?」

 

そのままよっちゃんは私に覆いかぶさり、胸に顔を埋めた。

 

「ちょっ!?」

 

胸に顔を押し付けられていたり、抱きつかれたり、と恥ずかしさで顔が熱くなる。

しかも余程きつく抱きつかれているため、非力な私では引き剥がせない。

 

「よっちゃ、・・・ん♡」

 

よっちゃんが頬擦りをしたことにより、少しだけ快感が来る。

自分でも恥ずかしい声が出たことにより、一層顔が熱くなるのを感じる。

 

「お、起きなさい!」

 

パチン!と少し高い頬を叩く音が響いた。

 

「いたっ!?」

 

よっちゃんは飛び跳ねるように起き上がる。

 

やっと離れたよっちゃんから這いずるように離れ、体を起こして座る。

 

「・・・よっちゃん、帰らないでいいの?」

「え?」

 

よっちゃんは外を見ると目を見開く。

 

「やばっ!?」

 

何も言わずにドタバタと部屋を出ていくよっちゃん。

 

本当に何をしに来たんだろう・・・。

 

1人残された私はやけにうるさい鼓動を落ち着かせようとする。

 

「なんでこんなにドキドキしてるの・・・?」

 

今の私自身がまるで分からない。

きっとこれも・・・。

この動悸も・・・。

 

「よっちゃんがいけないんだよ・・・」




はぁ・・・。満足・・・。
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