魔王の親友は転生せし喰種 作:睡蓮
閉じていた目を開く。
近くにはクラスメイトがいるがいる場所が明らかに教室とは変わっていた。
まず最初に目に入ってきたのは巨大な壁画。
長い金髪をした中性的な人物の描かれた美しいものだがどこか薄ら寒さを感じる。
周囲は大理石のようなもので出来た大聖堂を思わせる巨大な広場で、法衣を着た三十人ぐらいの人々が祈りを捧げるように跪いていた。
その中から烏帽子のような物を被っている七十代くらいの老人が進み出てきた。
「ようこそ、トータスへ。勇者様、そしてご同胞の皆様。歓迎致しますぞ。私は、聖教教会にて教皇の地位に就いておりますイシュタル・ランゴバルドと申す者。以後、宜しくお願い致しますぞ。」
そう言って老人は好々爺然とした微笑を見せた。
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あれから俺達は長テーブルが幾つも並んだ大広間に通されていた。
他のクラスメイトが座る中でハジメの近くに座る。
全員が着席したタイミングでカートを押しながらメイドさん達が入ってきた。
普段では絶対に見ることのできない本物のメイドに男子生徒が興奮している。
そういう俺も洗練された動作などにすごいなぁと思いメイドを見ていると何故か背筋に悪寒を感じて背筋を伸ばす。
ハジメも同じような反応をしている。
悪寒を感じたほうを見ると満面の笑みを浮かべた白崎が俺達、特にハジメの方をみていた。
全員に飲み物が行き渡るのを確認するとイシュタルが話し始めた。
「さて、あなた方においてはさぞ混乱していることでしょう。一から説明させて頂きますのでな、まずは私の話を最後までお聞き下され。」
主な内容はこうだ。
①この世界はトータスと呼ばれている。
②大きくわけて人間族、魔人族、亜人族の三つの種族がいる。
③人間族と魔人族が何百年も戦争を続けている。
④魔人族による魔物の使役によって拮抗していた戦力が崩れた。
⑤それによって、人間族は滅びの危機を迎えている。
………まさにテンプレだな。
「あなた方を召喚したのは“エヒト様”です。我々人間族が崇める守護神、聖教教会の唯一神にして、この世界を創られた至上の神。おそらく、エヒト様は悟られたのでしょう。このままでは人間族は滅ぶと。それを回避するためにあなた方を喚ばれた。あなた方の世界はこの世界より上位にあり、例外なく強力な力を持っています。召喚が実行される少し前に、エヒト様から神託があったのですよ。あなた方という“救い”を送ると。あなた方には是非その力を発揮し、“エヒト様”の御意志の下、魔人族を打倒し我ら人間族を救って頂きたい。」
そう言ったイシュタルはどこか恍惚こうこつとした表情を浮かべていた。
神託を聞いた時の事を思い出しでもしているのだろう。
このことにいい知れない危機感を抱く。
神を一番として回っている世界だと言うことを理解し、その歪さを感じたからだ。
その時抗議の声を上げた人がいた。
畑山先生である。
「ふざけないで下さい! 結局、この子達に戦争させようってことでしょ! そんなの許しません! ええ、先生は絶対に許しませんよ! 私達を早く帰して下さい! きっと、ご家族も心配しているはずです! あなた達のしていることは唯の誘拐ですよ!」
………さすがは“愛ちゃん”と呼ばれる畑山先生。
真面目に抗議しているにも関わらず、低身長童顔という見た目に加えて、見ている者に庇護欲を感じさせてしまう性格のせいで、そんな場面ではないはずなのに、「ああ、また愛ちゃんが頑張ってる……。」と、ほんわかした空気を作り出した。
普通はもっと緊張感を持つところなのに。
しかし、イシュタルの次の言葉でその空気が凍った。
「お気持ちはお察しします。しかし……あなた方の帰還は現状では不可能です。」
場に静寂が満ち、誰もが何を言われたのか分からないという表情でイシュタルを見ている。
「ふ、不可能って……ど、どういうことですか!? 喚べたのなら帰せるでしょう!?」
「先ほど言ったように、あなた方を召喚したのはエヒト様です。我々人間に異世界に干渉するような魔法は使えませんのでな、あなた方が帰還できるかどうかもエヒト様の御意志次第ということですな。」
「そ、そんな……。」
畑山先生が叫ぶもイシュタルの言葉にへたれこむ。
クラスメイトも事態を理解したのかパニックになり、泣き叫ぶものも出てくる。
俺やハジメはオタクと言われるくらい創作物を読み込んでいるため、まだ最悪の状態ではないこととある程度予想していたことなので平気だった。
そんなクラスメイトを見てイシュタルは侮蔑が込めらた視線を向けている。
神至上主義のようだから「エヒト様に選ばれておいて何故喜べないのか。」とでも思っているのだろう。
そんな中で天之河が立ち上がりテーブルをバンッと叩いた。
そのことで注目が集まる。
「皆、ここでイシュタルさんに文句を言っても意味がない。彼にだってどうしようもないんだ。……俺は、俺は戦おうと思う。この世界の人達が滅亡の危機にあるのは事実なんだ。それを知って、放って置くなんて俺にはできない。それに、人間を救うために召喚されたのなら、救済さえ終われば帰してくれるかもしれない。……イシュタルさん? どうですか?」
「そうですな。エヒト様も救世主の願いを無碍にはしますまい。」
「俺達には大きな力があるんですよね? ここに来てから妙に力が漲っている感じがします。」
「ええ、そうです。ざっと、この世界の者と比べると数倍から数十倍の力を持っていると考えていいでしょうな。」
「うん、なら大丈夫。俺は戦う。人々を救い、皆が家に帰れるように。俺が世界も皆も救ってみせる!!」
握り拳を作りそう宣言する天之河。
無駄に歯がキラリと光る。
天之河のカリスマがここでも遺憾なく発揮され、パニックになっていたクラスメイトは落ち着きを取り戻す。
その顔は希望を見つけたというもので女子生徒の半数は熱っぽい視線を向ける。
「へっ、お前ならそう言うと思ったぜ。お前一人じゃ心配だからな。……俺もやるぜ?」
「龍太郎……。」
「今のところ、それしかないわよね。……気に食わないけど……私もやるわ。」
「雫……。」
「え、えっと、雫ちゃんがやるなら私も頑張るよ!」
「香織……。」
いつもの4人組が天之河に賛同する。
そして、流れるように他の人達も賛同していく。
畑山先生は「ダメですよ~。」と涙目で訴えているが止めることは出来ず、全員が戦争に参加することになった。
(……まずいな。)
そんな状況に危機感を持つ。
戦争に参加するということはいずれ人を殺すということだ。
それなのにそのことに気づいているものがほとんどいない。
こんな状態じゃいつか死ぬぞ。
こんなことを考えながらふとイシュタルのほうを見るとに満足そうな笑みを浮かべていた。
どうやら天之河がリーダーであることを見抜いて利用したようだ。
イシュタルを要注意人物として警戒しておくことにする。
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天之河の宣言によって戦争参加が決まった訳だが、いくら強い力があろうと俺達のほとんどが戦闘経験のないド素人。
そんな奴等がいきなり戦場に出たところで即死するだけだ。
そのことも踏まえて、今居る場所は聖教教会本山がある【神山】と呼ばれていて、麓にある【ハイリヒ王国】にて受け入れ態勢が整っているらしい。
王国は聖教教会の崇める神――創世神エヒトの眷属であるシャルム・バーンなる人物が建国した最も伝統ある国ということで、王国と教会の繋がりの強さを感じさせる。
その移動中にハジメに話しかける。
「ハジメ。」
「錬くん。」
「どう思う?」
俺の質問にしばらく考えをまとめるためか俯き、少ししてから答える。
「正直言って全部を信じることは難しいかな。」
「やっぱりお前もそうか。」
「うん。イシュタルさんの様子を見てたらね。」
それからあれこれと話していると、柵に囲まれ、魔方陣が描かれた台座についた。
全員が台座に乗ったのを確認してから、イシュタルが何やら唱えだす。
「彼の者へと至る道、信仰と共に開かれん、“天道”。」
その言葉に反応して魔方陣が輝き、台座がロープウェイのように麓に向けて動き出した。
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城の中に入り、煌びやかに装飾された廊下を歩いて玉座の間へと向かう。
騎士らしき者や文官らしき者、メイド等の使用人とすれ違ったが、その全員が期待や畏敬の念に満ちた眼差しを向けてくる。
居心地の悪い中最後尾をついていく。
玉座の間ではレッドカーペットの両側に軍服らしき衣装を纏った者達と文官らしき者達が三十人ほど佇んでおり、玉座の前に王様らしき人が
その後、王様やその家族、騎士団長や宰相等、高い地位にある者の紹介がされた。
その際の王様とイシュタルのやり取りから、やはり神が中心なのだと理解した。
歓迎の晩餐会なんかが開かれ、その後各自に用意された部屋に案内された。
これからどうしようか考えるもわからないことが多いので取りあえず寝ることにしてベットに入った。
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翌日から早速訓練と座学が始まり、生徒達には十二センチ×七センチ位の銀色のプレートが配られた。
配り終わったのを確認してから、騎士団長のメルド・ロギンスが説明を始めた。
「よし、全員に配り終わったな? このプレートは、ステータスプレートと呼ばれている。文字通り、自分の客観的なステータスを数値化して示してくれるものだ。最も信頼のある身分証明書でもある。これがあれば迷子になっても平気だからな、失くすなよ?」
非常に気楽な喋り方をする彼は、豪放磊落な性格で、これから戦友になろうってのに何時までも他人行儀に話せるか!」と、他の騎士団員達にも普通に接するようにいうくらいだ。
そちらの方が年上の人に敬語を使われ居心地が悪くなることがなく、気が楽なので良い。
「プレートの一面に魔法陣が刻まれているだろう。そこに、一緒に渡した針で指に傷を作って魔法陣に血を一滴垂らしてくれ。それで所持者が登録される。 “ステータスオープン”と言えば表に自分のステータスが表示されるはずだ。ああ、原理とか聞くなよ? そんなもん知らないからな。神代のアーティファクトの類だ。」
「アーティファクト?」
聞き慣れない言葉に天之河が質問をする。
「アーティファクトって言うのはな、現代じゃ再現できない強力な力を持った魔法の道具のことだ。まだ神やその眷属達が地上にいた神代に創られたと言われている。そのステータスプレートもその一つでな、複製するアーティファクトと一緒に、昔からこの世界に普及しているものとしては唯一のアーティファクトだ。普通は、アーティファクトと言えば国宝になるもんなんだが、これは一般市民にも流通している。身分証に便利だからな。」
なるほどと納得してから、言われた通りにしてステータスプレートに血を付ける。
そして魔法陣が一瞬淡く輝き、ステータスが浮かび上がった。
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黒羽錬 17歳 男 レベル:1
天職:■■(未覚醒)
筋力:300(弱体化)※
体力:300(弱体化)※
耐性:300(弱体化)※
敏捷:300(弱体化)※
魔力:300(弱体化)※
魔耐:300(弱体化)※
技能:全属性耐性(弱体化)※・物理耐性(弱体化)※・状態異常耐性(弱体化)※・気配感知(弱体化)※・魔力感知(弱体化)※・五感強化(弱体化)※・限界突破(弱体化)※・閲覧不可(複数)※・言語理解
※未覚醒状態の影響
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………なんだこれ。
思わず自分のステータスを何度も見直す。
ステータスの基準はわからないが、全ての能力値や技能のほとんどが弱体化しているし、天職や一部の技能が確認出来なくなっている。
「全員見れたか? 説明するぞ? まず、最初に“レベル”があるだろう? それは各ステータスの上昇と共に上がる。上限は100でそれがその人間の限界を示す。つまりレベルは、その人間が到達できる領域の現在値を示していると思ってくれ。レベル100ということは、人間としての潜在能力を全て発揮した極地ということだからな。そんな奴はそうそういない」
どうやらゲームのようにレベルが上がるからステータスが上がる訳ではないみたいだ。
「ステータスは日々の鍛錬で当然上昇するし、魔法や魔法具で上昇させることもできる。また、魔力の高い者は自然と他のステータスも高くなる。詳しいことはわかっていないが、魔力が身体のスペックを無意識に補助しているのではないかと考えられている。それと、後で、お前等用に装備を選んでもらうから楽しみにしておけ。何せ救国の勇者御一行だからな。国の宝物庫大解放だぞ!」
魔物を倒しただけでステータスが一気に上昇するということはないらしい。
やっぱりこっちでも元の世界でも日々の訓練が大切だっていうことか。
「次に“天職”ってのがあるだろう? それは言うなれば“才能”だ。末尾にある“技能”と連動していて、その天職の領分においては無類の才能を発揮する。天職持ちは少ない。戦闘系天職と非戦系天職に分類されるんだが、戦闘系は千人に一人、ものによっちゃあ万人に一人の割合だ。非戦系も少ないと言えば少ないが……百人に一人はいるな。十人に一人という珍しくないものも結構ある。生産職は持っている奴が多いな」
……その天職が確認出来ないんだよな。
塗り潰された状態になっていて。
心当たりはなんとなくあるんだけどあれって職業じゃなくては種族だし。
「後は……各ステータスは見たままだ。大体レベル1の平均は10くらいだな。まぁ、お前達ならその数倍から数十倍は高いだろうがな! 全く羨ましい限りだ! あ、ステータスプレートの内容は報告してくれ。訓練内容の参考にしなきゃならんからな」
(平均低!俺のステータス弱体化してて平均の30倍かよ!………やっぱりあれの影響だよな。運命からは逃れられないってことなのかなぁ。)
俺が落ち込んでいる間にメルド団長の呼び掛けで、早速、天之河がステータスの報告をしに前へ出た。
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天之河光輝 17歳 男 レベル:1
天職:勇者
筋力:100
体力:100
耐性:100
敏捷:100
魔力:100
魔耐:100
技能:全属性適性・全属性耐性・物理耐性・複合魔法・剣術・剛力・縮地・先読・高速魔力回復・気配感知・魔力感知・限界突破・言語理解
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「ほお~、流石勇者様だな。レベル1で既に三桁か……技能も普通は二つ三つなんだがな……規格外な奴め! 頼もしい限りだ!」
「いや~、あはは……」
天之河のステータスにメルドさんが感心する。
その称賛に照れたように頭を掻く天之河。
メルドさんのレベルは62で、ステータス平均は300前後どそれがこの世界でもトップレベルの強さだ。
レベル1で既に三分の一に迫っている天之河は成長率次第ではすぐに追い抜くだろう。
………絶対目立つ。
運動とかで目立たないように周りに合わせていたのに弱体化してても勇者より強いとかこれまでの努力も水の泡だ。
どうにか誤魔化そうと考えるも、次々と確認が終わっていき、すぐに俺の番になったので、諦めてステータスプレートをメルドさんに渡した。
俺のステータスを確認するとホクホク顔だったメルドさんは驚いたように目を見開き、ステータスプレートと俺を交互に繰り返し見ていた。
そんなメルドさんの様子に気が付いたのか自身のステータスに夢中だったクラスメイトがこちらに注目し始めた。
「これは………すごいじゃないか!天職がわからなくなっていて弱体化しているがレベル1で俺とほぼ同じステータスとはな!」
その言葉で俺に視線が集中する。
「技能の数も多いし……これから頑張ってくれ。期待しているぞ!亅
「は……ははは……はぁ。」
乾いた笑みを浮かべ、遠くを見るような目をしている俺の様子に気づかずに、メルドさんはハジメの方に向かった。
ハジメのステータスを確認すると、メルドさんは「うん?」と笑顔のまま固まり、次に「見間違いか?」というようにプレートをコツコツ叩いたり、光にかざしたりする。
しばらくして、微妙な表情を浮かべてステータスプレートをハジメに返した。
「ああ、その、何だ。錬成師というのは、まぁ、言ってみれば鍛治職のことだ。鍛冶するときに便利だとか……。」
その様子にクラスの男子達が反応する。
檜山が、ニヤニヤとしながら声を張り上げる。
「おいおい、南雲。もしかしてお前、非戦系か? 鍛治職でどうやって戦うんだよ? メルドさん、その錬成師って珍しいんっすか?」
「……いや、鍛治職の十人に一人は持っている。国お抱えの職人は全員持っているな。」
「おいおい、南雲~。お前、そんなんで戦えるわけ?」
檜山がハジメと肩を組み、他の生徒達(特に男子)が嗤っている。
「さぁ、やってみないと分からないかな。」
「じゃあさ、ちょっとステータス見せてみろよ。天職がショボイ分ステータスは高いんだよなぁ~?」
あまりにも執拗に聞く檜山とはやし立てるその取り巻き。
その様子に香織や雫などは不快げに眉を顰めている。
ハジメは投げやり気味にプレートを渡す。
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南雲ハジメ 17歳 男 レベル:1
天職:錬成師
筋力:30
体力:30
耐性:10
敏捷:50
魔力:10
魔耐:10
技能:錬成・言語理解
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「……ぶっはははっ~、何だこれ! 半分は一般人じゃねぇか!」
「ぎゃははは~、むしろ平均が10なんだから、場合によっちゃその辺の子供より弱いかもな~。」
「ヒァハハハ~、無理無理! 直ぐ死ぬってコイツ! 肉壁にもならねぇよ!」
一部のステータスが予想と違ったためか檜山は少し言葉に詰まったがすぐに馬鹿にし始める。
その言いぐさに我慢出来ず、ハジメのステータスプレートを持っている檜山の腕を掴む。
「いい加減にしろよお前ら。ハジメが非戦系天職だからってその言いぐさ。黙らないと……………潰すぞ。」
「ひぃ!?」
怒気と少しの殺気を込めて睨み付けると檜山達は顔を青ざめる。
嗤っていた奴等も顔を背ける。
それを無視してメルドさんに質問する。
「メルドさん、少しお聞きしてもいいですか?」
「なんだ?」
「戦争では戦闘系天職ばかりが重視されますか?」
「いいや、そうでもない。いくら戦闘系天職を持ち、ステータスの高い者でも武具が良くなければその力を発揮できない。だから非戦系天職は戦闘系天職と同じく大切なもので優秀な者は重視される。」
「ありがとうございます。わかったか?いくら非戦系天職だからって馬鹿にするな。ハジメの場合は才能がステータスではなく、技術として出ているだけだろうが。」
俺が言い終わるとハジメを馬鹿にしていた奴等は顔を俯け黙り込んでいた。
それに満足してハジメにステータスプレートを渡そうと近づくと、元気づけようとした畑山先生によってトドメを刺されていた。
ハジメのステータスで一部上昇しているのは幼少期から近くに喰種故に馬鹿げた身体能力を持った錬がいたからです。いくら力を抑えたとしても普通の人よりは高かったため、ハジメがそれについていこうとした結果です。