俺たちE組はこの日からテスト勉強をしている。殺せんせーが分身して教えている。国語6人、数学8人、社会3人、理科4人、英語4人、ナルト3人。
俺と霊夢はどの教科が苦手なのかわからないためにナルトらしい。
「君に教えた先生を是非見てみたいものですね」
「なんで?」
「この前の小テストに難関大学の問題を載せたのですが君が満点だったので気になったのです」
「へぇー」
いつの間にかそんなに教えられたなんて……姉さんと慧音先生に感謝しないと。
「霊夢さんも中々いい点数ですね」
「まぁ、一つの国を管理しているみたいな仕事だしね」
「ですが、あなたは簡単な問題さっさと終わらして次に移る癖があるので凡ミスが多いです」
「え、そうだったの?」
「先程のテストを見ていましたので」
「なるほどね」
「その癖が治れば蓮くんを超えられますよ」
放課後、俺と霊夢が少し残って勉強した帰り職員室を覗いている渚がいた。
「どうしたの渚くん?」
「今、理事長が中にいたから気になったの」
「私は初めて見るわ」
その時、理事長が殺せんせーに知恵の輪を投げた。
「一秒以内に解いてください!」
「え!?ちょ待っ!?」
一秒後
殺せんせーは知恵の輪で絡まっていた。
「確かに凄いスピードだ。どんな暗殺でもかわせそうだ。でもね殺せんせー、この世の中にはスピードで解決できない問題もあるんですよ」
あの殺せんせーをある意味追い詰めたな。
「こっち来たわよ」
理事長が職員室から出て来た。
「やぁ!中間テスト期待しているよ!」
とても乾いた言葉だった。
俺と霊夢はなんも思わなかったが渚が暗殺者から生徒に戻された。
「頑張って増えてみました」
殺せんせーは昨日理事長に煽られて全員の学力向上目指し始めた。
「だ、大丈夫か?殺せんせー?」
「問題ないですよー」
いや、残像が乱雑だし、なんか変なのになっている。
授業終了後、殺せんせーは疲れて倒れていた。
「ヌルフフ……全ては君達の点を上げるため……そうすれば……」
・生徒からの尊敬の眼差し
・評判を聞きつけた巨乳大学生
おい、教師、最後はどうなんだ?最後は?
「いや、勉強の方はそれなりでいいよな」
「100億あれば成績悪くてもその後の人生バラ色だしね~」
「テストなんかより 暗殺の方がよほど身近な チャンスなんだよ」
全員同意見らしい。
「なるほどね……ちょっとショックだ」
「そうね……あんたも同意見でしょ?」
「えぇ……今の君たちには暗殺者の資格がありませんね。烏間先生とイリーナ先生を読んで校庭に全員出なさい」
「イリーナ先生、あなたはいつも仕事をするとき用意するプランは一つですか?」
突然の質問で戸惑ったが直ぐに答えた。
「……いいえ。プラン一個で成功するのは可能性として低いわ。予備のプランを三つは考えるわ。まぁ、あんたの場合は規格外過ぎるけど……見てなさい次こそ殺して「無理ですね」」
すかさず答えた。
「烏間先生。ナイフ術は第一攻撃が重要ですか?」
「……第一攻撃も重要だが次の攻撃も重要だ。第一攻撃は高確率で避けらる」
殺せんせーは校庭の真ん中で回転をしていたが段々と速度が上がっていた。
「最後に、蓮くんに霊夢さん。彼らを見てどう思いますか?」
「……なぜバカにされて何も思わない」
「集会の時は可哀想と思ったけど、しょうがないなと思ったわ」
「そうです。彼らの様な自信を持てる次の手があるから自信に満ちた暗殺者になれる」
風圧で増して砂煙が立ち始めた。
「君達はどうでしょう?俺たちには暗殺があるからいいやと考えて勉強の目標を低くしている」
風圧が更に増して竜巻になっている。
「危うい君たちに先生からのアドバイスです」
「第二の刃を持たぬ者は暗殺者の資格なし」
竜巻は勢力減らした。
「校庭に雑草や凸凹が多かったのでね。手入れしました」
いつの間にか雑草が生い茂っていた校庭が綺麗な校庭にビフォーアフターしていた。
「もし君たちが自信を持てる第2の刃を示せなければ、先生の相手に値する暗殺者はこの教室にはいないと見なし校舎ごと平らにして先生は去ります」
「第二の刃……いつまで?」
「明日です。明日の中間テスト、クラス全員50位以内を取りなさい」
……E組には悪いが、それは無理だ。このクラスで俺と霊夢とカルマを除いても最高順位が60位だ。
「本校舎の教師たちに劣るほど、先生はとろい教え方をしていません。ミッションを成功させ、恥じることなく笑顔で胸を張るのです」
とりあえず、全力で頑張りますか……
テスト当日
蓮side
なんだこれ?よく見れば殺せんせーが全部教えたじゃねーか。確かにあの先生は、ここの校舎の先生よりはいい教え方をしている。
……ん?
霊夢side
あの理事長ここまでするか!?この問題なんてテスト範囲外じゃないの!?ったく、蓮から予習されていてよかった〜やってなかったら70点ぐらいだったわ……それにしても……
蓮side
この学校甘く見過ぎていた。だったら……楽園の無敵な執事を……
霊夢side
私達に喧嘩を売ったわね。だったら全力で行くわ。この楽園の素敵な巫女を……
蓮・霊夢side
本気にさせたな!!
テスト返却日
E組のほとんどは50位圏外。そりゃ仕方ないわ。
「テスト範囲を大幅に変えるなんて前代未聞だろ」
「本校舎じゃ、理事長自らが授業したらしいわよ」
「この学校の仕組みを甘く見過ぎていたようです…君たちに顔向けできません」
殺せんせーは、完全に責任を負っている。
だが、誰かが殺せんせーにナイフを投げた。
「いいの?顔向けできなかったら、俺が殺しに来んのも見えないよ」
カルマが殺せんせーを挑発してきた。
「俺、問題変わっても関係ないし。俺より凄い奴は後ろにいるし」
赤羽業・学年総合5位
「まぁな」
十六夜蓮・学年総合1位
「殺せんせーのお陰で油断しなかったし」
博麗霊夢・学年総合1位
「俺の成績に合わせてさ、あんたが余計な範囲まで教えたからだよ。蓮たちもだろ?」
「俺はな」
「私は蓮に教えてもらったわ」
「どうすんのそっちは。全員50位以内に入んなかったって言い訳つけて、ここから尻尾まいて逃げちゃうの?それって結局、殺されんのが怖いだけなんじゃないの?」
あー煽り始めた。
「それなら正直に言えばよかったのに」
「ね!怖いから逃げたいって」
殺せんせーは遂には赤い触手を出した。
「逃げるわけではありません!期末テストでアイツらに倍返しで リベンジです」
次の目標は本校舎に勝つことだ。あいつらに思い知らせてやる!
とある会議室
「どうだ?」
一人の若い科学者が和服を着た男の人に尋ねていた。
「ほぉ、中々強い妖気を感じるがまだ小さい。これでは河童と同レベルだ」
「なら捕獲できるか?」
「難しいな。奴の攻撃が速すぎる。人質を取れば可能だろう」
「人質か……ターゲットはいつも同じ奴と帰っているし下校中は危険だ……修学旅行があったな」
「なるほど、修学旅行で人質を一人攫うか」
「な、なぜ一人だ?」
「複数いれば邪魔ができるし隙ができてしまう。大勢で捕まえるんだ」
「な、なるほど」
「妖怪の名は?」
「えっと……真似妖怪、十六夜蓮」