1-1 邂逅
「問おう、君が私のマスターかい?」
「誰ですか!?貴方は!?」
そう言って身構えるマシュ。突然目の前に誰か分からない人が現れたことを考えれば、当然のことだと思う。けど、俺は何故か彼を見上げながら冷静で、彼が悪人で俺たちを傷つけようとしているようには見えなかった。
「ふむ…警戒されてしまっているか…私も何故ここにいるのか分からないのだがね」
「マシュ、落ち着いて。多分この人は味方だよ」
「ですが……」
マシュが警戒するのは、この状況を考えれば仕方ない。だけど、俺はこの人が味方であると半ば確信していた。もちろん、理由はある。
「はじめまして、多分俺が君のマスターだよ。パスの繋がりを感じているしね」
「では彼は先輩のサーヴァント…?ということなのですか?」
「多分ね、さっき俺のことをマスターって言ってたし」
「そろそろ状況が整理できたか?ならば自己紹介をさせてもらおう、サーヴァントアーチャーここに参上した。すまないが聖杯からの情報提供があまり無くてね、出来れば今の状況を説明してもらいたい」
「分かった、だけど移動しながらで良い?結構急いでる状況なんだよ」
「了解した。道中の護衛は任せたまえ」
そこから彼に俺たち自身のこと、今俺達が置かれている状況を説明した。彼はさっきから周りをチラチラ見ている様子だったけど、俺の説明を聞いて納得したよう呟いた。
「なるほど、通常の聖杯戦争とは違って特異点を修復する…そしてここは冬木の街なのか…通りで…」
彼は考え込んでるようだった。俺が彼のことを詳しく聞こうと話しかけようとした瞬間、きゃー!という女性の叫び声が聞こえてきた。駆け出すアーチャーそれに続くマシュ。向かった先には異形に囲まれてる所長がいた。
「アーチャー、マシュ!所長を助け出して!」
「了解した!マスター!」
「はい!先輩!」
マシュは自分の盾を持って突撃し、アーチャーはどこからか取り出した双剣を持って敵と相対している。その剣術は見事で、少し見惚れてしまった、これがサーヴァント。確かにマシュはすごい力を持っている。けれど、その技術はまだ拙いものだと感じていた。けれど彼の剣術は一流だ。どこの時代の英霊かは知らない。だけど、目の前にいる彼は時代に名を残した英雄の1人、そのことをひしひしと感じた。
「戦闘終了です!先輩!所長お怪我はありませんか?」
「……どういうこと?」
「……あぁ、私の状況ですね。実は___」
「デミサーヴァントでしょ!分かるわよ!どうして今になって成功したのか、ということよ!それになんで一般人の貴方がマスターになってるのよ!そして、なんでもう1人サーヴァントと契約してるのよ!」
「所長落ち着いてください…とりあえず霊脈に召喚サークルを築きますので…」
「どこに……って足元ね、分かってたわよ…」
そう言ってマシュは地面に武器を置き、召喚サークルを築く。築いた瞬間、カルデアと通信が繋がる。
「よし、通信が繋がった!2人とも無事かい?!って所長が生きてる!?それにもう1人誰かいる!?」
「落ち着いて、ドクター。これから事情は説明するから…」
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「事情は把握したよ、それにこっちで出来ることは指示しました、所長」
「結構、これから私達は特異点Fの調査を始めます。ていうかさっきから黙ってる、あんたはなんなの!?サーヴァントでこの状況なら真名位名乗りなさいよ!!」
黙っていたアーチャーが口を開く。
「そうだな、所長の言い分はもっとだろう、これは聖杯戦争とも違うようだからね。サーヴァントアーチャー、真名エミヤ、現代のサーヴァントで、ここ冬木出身だ。街が燃えてるのには心当たりがある、解決に尽力しよう」
今この弓兵、とんでもないこと言わなかっただろうか……