転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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バトルシティ・レジェンド 決勝戦

「…という訳で追い詰められたゲイザーは自爆した、生きているかどうかは…わからない、もし生きていてもしばらくは動けないでしょう…」

 

「ふぅん…『未来の破滅を阻止するための秘密結社』イリアステルか…貴様も厄介な奴らに目を付けられたものだな…」

 

「パラドックスもその組織の1人だったのか…」

 

気絶した俺は秘密裏に病院へと運ばれた…幸い数時間で目が覚め、今は回復魔法・モンスターをフルに使いながら回復・事情説明中である…ついでに今、病室にいるのは翠・遊戯・海馬・城之内・十代の計6人である。

 

 

「でもよぉ…あの『ラプラス』とか言う奴、1回戦から出てたんだぜ?そんなあぶねえ奴には見えなかったけどなぁ…?」

 

「貴様は…それだから凡骨と言われるのだ…それは奴が過去を改変してお前達の記憶に存在を刷り込んだのだ!そのような事実はない!」

 

「だぁ〜!!凡骨って言うな海馬ァ!!ならなんで遊戯や遊海は改変前の記憶があるんだよ!?おかしいだろ!」

城之内は改変の影響を受けて海馬対エドの試合を忘れてしまっていた…そしてその事を海馬に馬鹿にされている…

 

「城之内君…僕達は遊海の不思議なバリアに守られたんだ…遊海、その痣の事は何かわかる?」

 

「ああ…これは恐らく『赤き竜』と言われる神に選ばれた証…シグナーの痣って呼ばれているもの…だと思う」

遊海は右腕を捲り上げる…そこには定着した炎の痣があった…。

 

「この痣には強力な力の探知や外的異常現象からシグナーと近くの人を守る力があるんだ…俺が知っているのは6種類…でもこの痣はどの痣とも違う、俺は暫定的に『ドラゴン・フレイム』って呼んでる」

 

「たしか…遊星も竜の頭の模様の痣があったな…ドラゴン・ヘッドってか?」

以前に遊星と過去の遊戯と共闘した十代は痣を見つめる…

 

「ああ…話に聞いた通りなら遊星の痣はそれで合ってる、俺がもう少し早く覚醒してればその時の記憶も忘れなかったと思うんだけどなぁ…」

 

「遊海先生…」

十代は少し前の遊星との会話を思い出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なぁ遊星?お前達の時代にも遊海さんはいるんだろ?どんな感じだった?」

 

『遊海さんは…すごい人です、傷つきながらたくさんの人達を救ったんです…あの時も…』

遊星は輝く夕日を見つめる…その目には何が映っているのか、それは十代にはわからなかった。

 

「へぇ〜、先生も相変わらずだなぁ…アカデミアにいた時もいつもボロボロだったし…まぁ先生らしいっちゃらしいな!あの人は本当の"ヒーロー"だよ!」

 

『十代さん…えぇ、そうですね!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで遊海…決勝には間に合うな?」

 

「はい!全力で休んで回復します!」

 

「ならばいい…『決闘王』を賭けた決勝戦…楽しみにしているぞ!遊海!そして遊城 十代!!」

 

「「はい!」」

 

 

 

 

 

 

 

「遊海さん…ゲイザーは…」

 

「恐らく…死んだはずだ、『ヘイト・バスター』はお互いを破壊するカード…あれで生きてたら…化物だよ」

 

俺はゲイザーの遺体を確認してはいない…しかしあの爆発で死なないのは文字通り『不死』になっている俺達ぐらいのものだろう…。

 

 

「そう…ですか」

翠は俯く…

 

「どうかしたのか?」

 

「いえ、彼を見た時…なんだか悲しい気持ちになったんです…」

 

「悲しい…?なんでだ?あんな狂気に侵されてたような奴に…」

 

「わかりません…たぶん気のせいですね!『モウヤンのカレー』食べますか?」

 

「ああ…ありがとう、翠!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『レディース&ジェントルマン!!ついにこの日がやってきた!!…次代の「決闘王」を決める…決勝戦の始まりだぁぁぁぁ!!!』

 

 

「「「「わあぁぁぁぁ!!」」」」

 

一夜明け…ついに決勝戦の日が訪れた、スタジアムは満員御礼、知った顔もたくさん集まっている…!

 

 

『まずは1人目!プロランキング上位の城之内とカイザーを降し、決勝まで登り詰めた流浪の決闘者…遊城 十代!!』

 

「「「わあぁぁぁぁ!!!」」」

 

 

「アニキ〜!頑張って〜!」

 

「応援してるザウルスー!」

 

「十代!遊海先生を超えろー!お前ならやれるぞー!!」

 

十代の応援席には翔・剣山・万丈目・明日香・レイ・カイザーなどアカデミア出身の決闘者達が応援団を組んでいる!

 

 

 

『そして2人目!「決闘王」にもっとも近い男!文字通り「世界最強」のデュエリスト!…「赤帽子」白波 遊海!!』

 

「「「「わあぁぁぁぁ!!」」」」

 

 

 

「遊海さん!ファイトです!!」

 

「遊海!君なら大丈夫!」

 

「「やったれ〜!!遊海!」」

 

「遊海!頑張って!」

 

「遊海!そんな坊主に負けるんじゃないよ!!」

 

遊海の応援席…そこには翠や遊戯、双六さん・城之内・本田・杏子・獏良や舞など古くからの友や決闘者達がいる、他にも羽蛾や剣崎、斎王や影丸理事長…果てにはラフェール達三銃士にマリク(本物)ディーヴァまで見にきている…すごい顔ぶれだ。

 

 

「十代…本気で来い!今こそ最強を決めるぞ!!」

 

「先生にその言葉をそっくり返すぜ!俺の成長を見せてやる!!」

 

 

『さぁ…スタジアムのテンションは最高潮!!世界最強を決めるデュエルの始まりだ!!』

 

 

 

 

 

 

「「デュエル!!!」」

 

 

遊海LP4000

十代LP4000

 

 

 

「俺のターン!ドロー!」

「手札の『レベル・スティーラー』を墓地に送り『クイック・シンクロン』は特殊召喚できる!」

ガンマンのような格好をしたロボットが現れる ATK700

 

 

「(俺はもう一度『ジャンク』デッキを使う…十代の先生として…負ける訳にはいかない!)さらに墓地の『スティーラー』は『クイックシンクロン』のレベルを一つ下げて墓地から特殊召喚できる!」

クイックシンクロンのレベルを喰らい一つ星のてんとう虫が現れる DEF0

 

クイック レベル5→4

 

「そして墓地からモンスターが特殊召喚に成功した時、『ドッペルウォリアー』は特殊召喚できる!」

黒い兵士が現れる ATK800

 

 

「そしてレベル2の『ドッペルウォリアー』とレベル4の『クイックシンクロン』をチューニング!」

 

2+4=6

 

「集いし力が鋼鉄の騎士を呼び覚ます!シンクロ召喚!『ジャンク・ガードナー』!」

緑色の堅き戦士が現れる DEF2600

 

「そのモンスターは…!」

 

「見覚えがあるか?そうだろうな!俺は魔法カード『調律』を発動!デッキの『ジェット・シンクロン』を手札に加えデッキトップを墓地へ!」

 

墓地送り

ダンディライオン

 

「ラッキー!綿毛トークン2体を特殊召喚!そして『ジェット・シンクロン』を召喚!」

2体の綿毛とエンジン型のロボットが現れる DEF0✕2  DEF0

 

「俺はレベル1の『レベルスティーラー』にレベル1の『ジェットシンクロン』をチューニング!」

 

1+1=2

 

「デュエルを新たな地平に導け!シンクロ召喚!『フォーミュラシンクロン』!シンクロ召喚成功時に1ドロー!」

レースカー型のロボットが現れる DEF1500

 

「俺はカードを2枚伏せてターンエンドだ!」

遊海LP4000

ジャンクガードナー フォーミュラ 綿毛✕2  伏せ2 手札1

 

 

『遊海は「決闘王」を破ったジャンクデッキを使ってきた!さぁ対する十代はどうする!?』

 

 

「遊海先生…やっぱりすげぇな、でも俺だって成長してるんだぜ!」

 

 

 

「俺のターン!ドロー!」

「俺は魔法カード『ネオス・フュージョン』を発動!手札の『グラン・モール』とデッキの『ネオス』を墓地に送り召喚条件を無視して融合モンスターを特殊召喚する!来い!『グラン・ネオス』!」

腕にドリルを装備した大地のネオスが現れる ATK2500

 

 

「『グラン・ネオス』の効果を発動!『ジャンクガードナー』をデッキに戻す!ネビュラス・ホール!」

 

「させるか!『フォーミュラシンクロン』の効果発動!相手ターンにシンクロ召喚を行う!レベル6の『ガードナー』にレベル2の『フォーミュラシンクロン』をチューニング!」

 

6+2=8

 

「星海を切り裂く一筋の閃光よ!魂を震わし世界に轟け!!シンクロ召喚!『閃光竜スターダスト』!」

フィールドに光が集う…そして天空から光輝く白き竜が現れる ATK2500

 

「…『閃光竜』、お前が俺の守護竜なのか?」

《キュオオン!!》

 

右腕に刻まれた痣が疼く…俺にとっての守護竜はこいつらしい

 

「『スターダスト・ドラゴン』!?いや、でも微妙に違う…まぁいいや!俺はフィールド魔法『ネオスペース』を発動!『グランネオス』の攻撃力が500アップ!さらにエンドフェイズにデッキに戻らない!」

周囲が虹色の宇宙空間に変化しネオスが力が強化される

 

グランネオスATK2500→3000

 

「よくはないな!墓地に送られた『ジャンクガードナー』の効果で『グランネオス』を守備表示に変更する!」

 

「しまった!」

 

グランネオスDEF2000

 

 

「くっ!…カードを2枚伏せてターンエンド!」

十代LP4000

グランネオス ネオスペース 伏せ2 手札1

 

 

 

『プロチャンピオン遊海!十代の攻勢をあっさり躱した!』

 

 

 

 

「俺のターン!ドロー!」

「『シンクロン・エクスプローラー』を召喚!効果により墓地の『クイック・シンクロン』を効果無効にして特殊召喚!」

赤い機体の丸っこいロボットが現れる、さらに身体の中心の穴からガンマンが飛び出してくる!

ATK0  DEF1400

 

「俺はレベル2の『エクスプローラー』とレベル1の『綿毛トークン』にレベル5の『クイックシンクロン』をチューニング!」

 

2+1+5=8

 

「集いし闘志が怒号の魔人を呼び覚ます!シンクロ召喚!粉砕せよ!『ジャンク・デストロイヤー』!」

破壊者の名を持つ四腕の戦士が現れる ATK2600

 

「『デストロイヤー』の効果を発動!このカードがシンクロ召喚に成功した時!召喚時に使用したチューナー以外のモンスターの数までフィールドのカードを破壊する!『ネオスペース』と『グランネオス』を破壊!タイダル・エナジー!」

破壊の波動が十代のフィールドを蹂躙する!

 

「ヤベッ!リバース罠『ヒーローバリア』!このターン攻撃を一度だけ無効にする!」

 

 

「バトル!『ジャンクデストロイヤー』でダイレクトアタック!デストロイ・ナックル!」

 

「『ヒーローバリア』で攻撃を無効にする!」

 

迫りくる破壊の拳がシールドに防がれる!

 

「『閃光竜』でダイレクトアタック!流星閃撃(シューティング・ブラスト)!」

聖なる光の奔流が十代に迫る!

 

「リバースカードオープン!『リビングデッドの呼び声』!墓地の『ネオス』を特殊召喚!」

十代のエースである白きヒーローが現れる ATK2500

 

「『ネオス』と『スターダスト』の攻撃力は互角!相討ちだ!行け!ラス・オブ・ネオス!」

《ハァッ!!》

 

ネオスが飛び上がり手刀を閃光竜に向ける、閃光竜とネオスは激突し大爆発が起きる!

 

「よしっ!なんとか凌いだぜ!サンキュー、ネオス!」

 

 

 

 

 

「それはどうかな?」

 

「なにっ!」

爆煙が晴れる…そこには翼で自身を守る閃光竜の姿があった。

 

 

波動音壁(ソニック・バリア)…1ターンに一度、『閃光竜』は自分のフィールドのカード1枚をいかなる破壊からも守る力を持っている!」

 

「すげぇ…流石先生だぜ…!」

 

「ありがとよ!俺はこれでターンエンド!」

遊海LP4000

閃光竜 デストロイヤー 綿毛 伏せ2 手札1

 

 

 

 

『強い!強すぎる!!十代は手も足も出ないぞ〜!?』

 

 

 

 

「俺のターン!ドロー!」

「魔法カード『強欲な壺』を発動!2ドロー!…さらに『テイクオーバー・5』を発動!デッキトップ5枚を墓地へ!」

 

 

墓地送り

ネクロガードナー

バーストレディ

コンタクト

ブラックパンサー

ヒーローシグナル

 

 

「そして『ネオスペース・コネクター』を召喚!」

ネオスに似た2頭身の宇宙人が現れる ATK800

 

「『コネクター』の効果発動!召喚に成功した時!デッキから『グローモス』を守備表示で特殊召喚する!」

光のヒトガタが現れる DEF900

 

「さらに『コネクター』のもう一つの効果!自身をリリースして墓地の『ネオス』を特殊召喚!」

コネクターが粒子となり消え去る、そして再び白きヒーローが現れる DEF2000

 

「そして『ネオス』と『グローモス』でコンタクト融合!『グローネオス』を融合召喚!」

光輝く鎧を着たネオスが現れる ATK2500

 

「『グローネオス』の効果発動!『閃光竜』を破壊する!シグナルバスター!」

光を槍が放たれる!

 

「甘いぞ十代!『閃光竜』の効果は相手ターンでも発動できる!波動音壁!」

翼で光の槍が弾かれる!

 

「いや!これでいいんだ!装備魔法『アサルト・アーマー』を『グローネオス』に装備!攻撃力を300アップ!」

黄色のオーラがネオスに力をあたえる!

 

グローネオスATK2500→2800

 

 

「バトルだ!『グローネオス』で『ジャンク・デストロイヤー』を攻撃!ライトニングストライク!!」

光の剣をネオスが振り下ろし破壊者を両断する!

 

「ぐぅ…!」

遊海LP4000→3800

 

「さらに『アサルトアーマー』の効果を発動!このカードを墓地に送り!『グローネオス』はもう一度攻撃できる!頼むぜ!『閃光竜』を攻撃!」

ネオスが黄色のオーラを振り払い閃光竜に迫る!

 

「リバース罠『リビングデッドの呼び声』を発動!墓地の『フォーミュラシンクロン』を特殊召喚!」

再びレーシングカーが現れる ATK200

 

「っ!?なんで攻撃力の低いモンスターを!?」

 

「こうする為だ!速攻魔法『リミットオーバー・ドライブ』を発動!俺はシンクロモンスター『閃光竜』とシンクロチューナー『フォーミュラシンクロン』をデッキに戻す事でエクストラデッキからレベル10のシンクロモンスターを召喚条件を無視して特殊召喚できる!」

 

「なんだって!?」

遊海を中心に風が渦巻く!

 

「俺はレベル8の『閃光竜』にレベル2の『フォーミュラシンクロン』をエクストラチューニング!」

 

8+2=10

 

 

「集いし夢の結晶が新たな進化の扉を開く!エクストラ・アクセルシンクロ!現われろ!『シューティング・スター・ドラゴン』!」

進化を遂げたスターダストがフィールドに顕現する ATK3300

 

「攻撃力3300!?攻撃中止だ!…ターンエンド!」

十代のターンが終わりグローネオスは宇宙へと戻っていった。

 

十代LP4000

フィールド無し 手札0

 

 

『十代!遊海相手に先制ダメージを与えるも新たなドラゴンが立ち塞がった〜!これは万事窮すか!?』

 

 

 

 

 

「俺のターン!ドロー!」

「『シューティング・スター』の効果発動!デッキトップ5枚をめくり…その中のチューナーの数だけ攻撃ができる!!」

 

「なっ…最大5回の連続攻撃だって!?(墓地には『ネクロガードナー』がいる…先生が3枚引き当てたら…俺の負けだ…!)」

 

 

「いくぜ…1枚目!」

 

クイック・シンクロン!

 

「2枚目!」

 

調律!

 

「3枚目!」

 

ジャンクシンクロン!

 

「4枚目!」

 

ジャンクジャイアント!

 

 

「そして…ラスト…5枚目!!…ドロー!!!」

遊海が最後のカードをドローする…それは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チューナーモンスター・グローアップ・バルブ!!

 

 

 

 

「…俺の負けか…でもすげぇワクワクするデュエルだったぜ…先生!」

 

「ああ、俺もだ!十代!!バトル!『シューティングスター』でダイレクトアタック!シューティングミラージュ!!」

シューティングスターが3体に分身し十代のライフを削りきった!

 

十代LP0

 

遊海 WIN!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『き……決まったぁぁぁ!!2代目「決闘王」!その称号を手にしたのは…白波 遊海!!世界最強の座を勝ち取ったぁぁぁぁ!!!』

 

 

 

「「「わあぁぁぁぁ!!!!」」」

 

 

 

「十代…またいつでも挑んで来い、俺はいつでも待ってるからな!」

 

「ああ!次は先生を超えてやるぜ!」

 

十代と遊海はリングの中心で握手を交わす…長いようで短かった戦いはここに幕を閉じたのだった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『それではバトルシティ主催者のKC社長・海馬 瀬人氏からのトロフィーの授与だ!』

そして表彰式、リング中央に設けられたお立ち台には俺、十代、カイザーの3人が登っている、本来であればゲイザーとカイザー亮の3位決定戦があるがゲイザーが行方不明の為カイザーが3位となったのだ。

 

「丸藤 亮!見事な決闘だった!お前の作る新リーグには海馬コーポレーションも支援しよう!ありがたく思うがいい!」

 

「はい!ありがとうございます!」

 

 

 

 

 

「遊城 十代!お前も見事な決闘だったが…相手が悪かったな!しかしまだ成長の猶予はある!いつか奴を超えてみせろ!」

 

「おうっ!!次は絶対に先生に勝ってみせるぜ!!」

 

 

 

 

「そして…白波 遊海、不測の事態もあったがよく乗り越えた!…オレからお前にトロフィーを渡すのはよくないな…もっと相応しい奴がいる、来い!遊戯!」

海馬の声と共に遊戯が遊海の前に歩み出る

 

「遊海!本当におめでとう!これからも色々大変だと思うけど頑張ってね!」

 

「海馬さん…遊戯…!ああ!俺が背負った『決闘王』の称号…それに恥じない決闘者であり続けてみせる!」

そして遊海はトロフィーを受け取る…ここに2代目決闘王が誕生した…!

 

 

『これにてバトルシティ・レジェンドは閉幕だ!また来年!通常のバトルシティでお会いしよう!グッバイ!リスナー達!!』

 

 

 

「「「わあぁぁぁぁ!!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドクン!

 

 

 

 

 

 

「ッ!?痣が…!!」

突如シグナーの痣が赤く光る…それと共に誰かの感情が流れ込んでくる、苦しみ…怒り…愉悦…痛み…それがごちゃまぜになったような感情が…!

 

「ガッ…ぐぅ…!!」

 

「遊海!!どうしたの!?大丈夫!?」

腕を抑え膝をついた俺を心配して遊戯が駆け寄ってくる

 

《クリクリ!!?》

《十代…嫌な予感がする…、何かよくないモノが現れようとしてる!!》

 

「なんだって…!?」

精霊であるユベル達が十代に注意を促す…!

 

 

 

「この…痛みは…まさか…!!!アグッ…!!」

腕の痛みと共に一つのイメージが頭に流れる…銃を持ち自分の腕を誰かに渡す男…その腕と3枚のカードを持って逃げる男…そして…赤ん坊をカプセルに入れて射出する…不動博士一一!

 

 

 

「そんな…駄目だ…ダメだァァァ!!!」

 

「遊海!どうしたというのだ!何があった!!」

 

「海馬さん…絶対にスタジアムから誰も出さないで!…あと…翠に『ごめん』と…!!」

俺は海馬に伝言を託し外へと飛び出した!

 

「おい!遊海!?何処へ行く!!!」

 

「遊海さん!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぜぇ…ぜぇ…!アヤカ!実体化してスタジアム周辺を守れ!!」

 

【マスター!…死ぬつもりですか…!!】

実体化したアヤカがスタジアムを囲むように顕現する、彼女も事態を把握したようだ

 

「死ぬつもりはない…!でもみんなだけは…守らなくちゃいけない!!!」

 

 

「おい…なんだよアレ…?ソリッドビジョンの暴走か!?」

 

「早く逃げようぜ!!」

 

 

「フレア!トフェニ!近くにいる人達をスタジアムに連れていって!多少手荒でもいい!早く!!!」

 

《御意!》

 

【ユウミ…あなたは…】

 

「…大丈夫だよフレア、俺は不死だ…これくらいじゃ死なないよ…!」

海馬ランド周辺にいる人達をドンドンスタジアムに入れて行く…

 

「メガロック…スタジアムを囲むように大地を隆起させて…!」

 

《遊海…それがお前の覚悟なのだな?》

 

「ああ…町を救うのは俺だけじゃ無理だ…でも手の届く範囲の人は救ってみせる!!精霊アーマー全力展開!コンプリートフォーム!!!」

クリフォートフォームの鎧を核として全ての力を籠める!

 

『翠…ごめん、でも絶対に生きて戻る…!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…最初に見えたのは一面の青空だった、次いで目の前を覆い尽くす破滅の白い光…そして衝撃

 

 

『ぜぇいあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!』

 

スタジアム正面に展開した最高硬度の障壁で全ての力・熱量を受け止める…あまりの力に足がずり下がる…でも…耐えなきゃ…耐えられなければ…みんな死んでしまう…!!!

 

 

「負けて…たまるかああああああ!!!!」

 

 

その直後、遊海は光に飲み込まれる…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

未曾有の災害『ゼロ・リバース』…その発生は突然の事だった…。


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