転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話 作:S,K
本編に先駆けてプロローグをどうぞ!
プロローグ〜16年後〜
破滅の災害『ゼロ・リバース』…研究中であった永久機関『モーメント』の暴走により起きた事故、それは旧童実野町の半分を吹き飛ばす大災害となった。
被害を受けた面積の3分の一は海に変わった、そして残りは本土から隔離された大地『サテライト』となった、日本政府と海馬コーポレーションは全力を上げて町の復興を急いだ…結果5年ほどで童実野町はネオドミノシティとして表向き再建を果たした…しかしサテライトはほとんど再建が進まなかった。
「爆発で汚染されてるんじゃないか?」
「隔離されて治安が悪化してるんじゃないか?」
「ゴロツキ達がサテライトを埋め尽くしているらしい」
人々のいわれなき風評がサテライトへの支援を滞らせた、そして噂に惹かれ本当に悪人達がサテライトに入り込み治安が悪化した…まさに世紀末である。
しかし…そんなサテライトの住民にも希望はあった。
『希望の島』と呼ばれる場所である。
そこは旧海馬ランドのあった場所でシティとサテライトの中間点にある島である、その場所には不思議な噂が残っていた。
曰く、『ゼロ・リバースに耐え住民・数万人の命を救った』
『ゼロ・リバース直前にソリッドビジョンの暴走がありモンスターにスタジアムに投げ込まれたら命が助かった』
『三幻神・「ラーの翼神竜」を見た』
『ただ一人行方不明者がいるらしい…その人物がスタジアムを守ったのではないか?』etc…
今は廃墟と化しているがKC社がこの島を基点にサテライトとシティを繋ぐ橋の建設を予定していて後は治安維持局の認可待ちである…しかしその日はまだ来ない……
そしてもう1つサテライトの住民の希望があった…それは…
「ハァ…ハァ…何なんだよアイツは!!」
一人のガラの悪い男が廃墟の中を逃げていた…彼はこの辺りの場所を締めていた『エビルデーモンズ』のボスだった男だ…しかしそれは過去の話、彼のチームは一人の男により壊滅し彼自身も追われているのだ。
「ハァ…ハァ、『チームサティスファクション』が無くなって俺達の天下になったと思ったのに〜!!」
『それは甘い考えだな、上には上がいる…お前達は好き勝手に暴れ過ぎた…!』
「ヒィ…!で、出た!!」
逃げる男の前に人影が現れる、機械の鎧を装着し顔を隠した男…
「や、やめてくれ!もう悪い事はしないから!!」
『その言葉…信じるぞ?まともに働けよ?』
鎧の男はチンピラに背を向ける
「へ…へへっ…死ねぇー!!」
チンピラは手近にあった鉄パイプを振り上げる!
『「キラーナックル」!』
「ガッ…ぐへぇぇぇ!?」
ノーモーションで放たれた鉄拳は正確に腹に直撃しチンピラを吹き飛ばした…。
『いつもワンパターンなんだよ…お前らは…』
呆れたように呟くと男は去って行った…。
彼の名前は人呼んで『
Side???
幼い時の記憶…人によっては3〜4歳頃からしか記憶に残らないらしいが…オレは違った、この記憶は1才頃のものだろうか…?
覚えているのは一面灰色の空…降りそそぐ雨音、それがオレの入っていたカプセルを濡らす…実際にマーサに見せてもらったが本当に小さいモノだった。
そしてしばらくすると赤い帽子を被ったボロボロの男が現れた…彼は赤ん坊のオレを見ると涙を流した、そして何事かをオレに喋りかける…そういう記憶だった…。
その後、オレはマーサに引き取られそこで生活した…クロウやジャックという仲間達と出会い苦労しながら楽しい時を過ごした…。
「お〜い遊星!新しいジャンクパーツを見つけてきたよ〜!」
「すまんなラリー…盗品では無いな?」
「当たり前だよ遊星!もう少しで新しいDホイールが完成するのにそんな事しないって!」
「ああ…ありがとう!」
かくして物語は動き出す、赤き竜と冥界の神、そして未来との戦い…間近にそれは迫っていた…。