転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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対決・ダークシグナー・闇〜破滅の大邪神〜

ダークシグナー・ディマクを倒した龍亞と龍可…戦いが終わり一息ついた矢先、遊海を狙いダークシグナーとなったバクラ=ゾークが現れた…!

 

 

 

 

 

「エジプトの大邪神…!?しかも3000年前って言ったら…!」

 

「遊戯の野郎に宿ってた『名もなきファラオ』のいた時代と一緒じゃねぇか…!?」

遊星と牛尾は驚きをあらわにする…この時代では「『決闘王』武藤 遊戯には古代エジプトのファラオが宿っていたらしい」という事実が認知されている…。

 

 

『ククク…紹介ありがとうよ白波 遊海、しかし弱くなったなぁ貴様…あのハゲ程度の決闘者相手にボロボロになってよぉ、オレ様を斃した時の力は何処行っちまったんだ?』

バクラは遊海を見て煽る、そしてその言葉を聞いて驚く者がいた…

 

 

「…待って…、白野さんが…白波 遊海…!?」

 

「その人って…ゼロ・リバースの日に行方不明になったって…!」

龍亞と龍可は遊海の背中を見つめる…矢薙に存在を教えられてから2人は遊海について調べていた。

 

 

旧童実野町・童実野高校出身、バトルシティ・ファイナリスト、その後プロデュエリストの世界に進みプロリーグチャンピオンに登り詰める、その直後バトルシティ・レジェンドに参加、決闘王を降し「2代目決闘王」の称号を得た直後…ゼロ・リバースに巻き込まれ行方不明になった最強の決闘者「赤帽子」…その人物が目の前にいる、それは龍可達を驚かすには充分だった。

 

 

「遊星、龍亞、龍可、牛尾さん…離れて…!奴を迎撃します…!」

遊海はデュエルディスクを構える…!

 

『ほう…オレ様に挑むか白波、覚悟はいいんだろうなぁ?』

 

「覚悟なんてとっくに決めてるさ!今度こそ冥界に送り返してやる!」

 

『ハッ…やってみろよ!前回は遊びだ!今回は本気で殺るぜ…さぁ貴様の恐怖に歪む顔を見てやるよ!』

バクラもデュエルディスクを構える、それとともに遊星達と炎の壁で分断される…

 

 

「白野…いや、遊海さん!オレは貴方の事情は知りません!でも…勝ってください!!」

 

「遊海さん!頑張って…!!」

 

「勝ってくれ遊海!」

 

「ああ…勝つさ、我が友『名もなきファラオ』の真名に懸けて!」

遊星達の応援に応える遊海…3000年の因縁を清算する戦いが始まる…!

 

 

 

『フハハハ…さぁ闇のゲームの始まりだ!!』

 

 

 

 

 

 

『「デュエル!!」』

 

 

 

 

バクラLP4000

遊海LP4000

 

 

 

 

 

 

『オレ様のターン!ドロー!』

『「おろかな埋葬」を発動!デッキから「ゴブリンゾンビ」を墓地に送る!そして「ゾンビマスター」を召喚!』

色白のゾンビを操る者が現れる ATK1800

 

 

『さらに魔法カード「生還の宝札」を発動し「ゾンビマスター」の効果発動!手札の「ディアバウンド・カーネル」を墓地に送り、墓地の「ゴブリンゾンビ」を特殊召喚だ!そして「生還の宝札」の効果で1ドロー!』

骨だけになったゴブリンが現れる DEF1050

 

 

「カードを2枚伏せてターンエンドだ!」

バクラLP4000

ゾンビマスター ゴブリンゾンビ 生還宝 伏せ2 手札1

 

 

 

 

「バクラが使うのはアンデットデッキ…とにかく『ゾンビマスター』を除去する…!」

 

『ククク…やれるならやってみろよ…!』

 

 

 

 

 

「俺のターン!ドロー!」

「魔法カード『星呼びの天儀台』を発動!手札のレベル6『エレキテルドラゴン』をデッキ下に戻して2ドロー!」

「そして『聖刻龍一トフェニドラゴン』は自分フィールドにモンスターがいない時に特殊召喚できる!」

遊海の精霊である白い龍が現れる ATK2100

 

 

《主よ、油断無きように…!奴は強敵です…!》

「わかってる!俺は『聖刻龍一アセトドラゴン』を妥協召喚!このモンスターは攻撃力を1000にする事で生贄なしで召喚できる!」

朝を司る紫の龍が現れる ATK1900→1000

 

 

「そして『アセト』をリリースし『聖刻龍一ネフテドラゴン』を特殊召喚!このモンスターは自分の『聖刻』をリリースして特殊召喚できる!さらにリリースされた『アセト』の効果でデッキから『ギャラクシーサーペント』を攻守0にして特殊召喚!」

夜を司る紫の龍と星の煌めく竜が現れる ATK2000  DEF0

 

 

「『ネフテ』の効果発動!手札の『龍王の聖刻印』をリリースして『ゾンビマスター』を破壊する!」

ネフテが尾を振るう、すると三日月状のカッターが現れゾンビマスターを両断する!

 

『チッ…』

 

「バトル!『ネフテ』で『ゴブリンゾンビ』を攻撃!」

ネフテがゴブリンゾンビに突撃し粉砕する!

 

『「ゴブリンゾンビ」の効果発動!デッキから守備力1200以下のアンデットモンスター「死霊伯爵」を手札に加える!』

 

「メイン2!俺はレベル6の『トフェニドラゴン』にレベル2の『ギャラクシーサーペント』をチューニング!」

 

6+2=8

 

「星海を切り裂く一筋の閃光よ!魂を震わし世界に響け!!シンクロ召喚!『閃光竜スターダスト』!」

遊海の痣が強く輝き光のスターダストが降臨する ATK2500

 

 

「カードを一枚伏せ、速攻魔法『超再生能力』を発動!ターンエンド!2ドロー!」

遊海LP4000

ネフテ 閃光竜 伏せ1 手札2

 

 

 

 

 

『チッ…身体は弱ってもタクティクスは変わらねぇか』

 

「遊海さんすごいプレイングだ…1ターンで相手のモンスターを一掃した…!」

 

「あれが…伝説の決闘者の力…!」

 

「『閃光竜』…!やっぱりカッコいい…!!」

バクラは歯噛みし、遊海達はその実力を見て改めて遊海の凄さを知る…

 

 

「バクラ、俺は確かに弱体化してる…でも貴様に負けるほど弱くはないぞ!」

 

『ヘッ、そんな事わかってるよ…!さぁ、蹂躙の始まりだ!』

 

 

 

 

 

『オレ様のターン!ドロー!』

『リバースカード発動!「リビングデッドの呼び声」!墓地の「ゾンビマスター」を特殊召喚!「生還の宝札」で1ドロー!』

再びゾンビを操る者が現れる ATK1800

 

 

『「ゾンビマスター」の効果発動!手札の「死霊伯爵」を捨て「ゴブリンゾンビ」を特殊召喚!1ドロー!』

再びゴブリンのゾンビが現れる DEF1050

 

 

『そして手札から「クリッター」を召喚だ!』

毛むくじゃらの三眼の悪魔が現れる ATK1000

 

 

 

「たくさんモンスターが出てきちゃった…!」

 

「でもチューナーはいない!攻撃力も遊海の『閃光竜』の方が上だ!」

 

『ケッ…うるせぇ餓鬼達だなぁ、なんだよシンクロ召喚なんてよぉ…最凶の闇の前には意味がねぇんだよ!魔法カード「二重召喚」を発動だ!これでオレ様はもう一度召喚ができる…!さぁ…出てこいよ!!我が分身たる闇の太陽!』

バクラが一枚のカードを掲げる…すると闇が強まりフィールドを覆う!

 

 

「なんだよこれ…ソリッドビジョンじゃねぇ…!?」

 

「シグナーの痣が痛む…!何か来る!!」

 

「おいおい…嘘だろ…!?」

 

 

『3体のモンスターを生贄に…「邪神アバター」を召喚だぁ!』

フィールドに闇が集まる…そして漆黒の太陽が顕現した ATK?

 

 

 

「なに?…あのモンスター…!怖い…!!」

 

「あのカードが奴の切り札なのか…!?地縛神と同じ…いやそれ以上の闇を感じる…!」

遊星達はアバターを見て畏れを感じる…

 

 

「嘘だろ…そのカードはペガサス会長が処分した筈だ!」

 

「おい遊海!そのカードを知ってるのか!?」

牛尾が遊海に問いかける

 

「…あのカードはペガサス会長の作った『三幻神』の抑止力として作られた『三邪神』の1枚、『ラーの翼神竜』の対になる邪神『アバター』…!でもそのカードは二十年以上も前に失われたはずなんです…!!」

 

「三幻神の抑止力だって…!?」

約二十年前…とあるカードデザイナーの手で持ち出された三邪神…それは遊海と翠の奮闘により回収されペガサス会長の手によって処分されたはずだった…。

 

 

『ヘッ…処分されたからこそオレ様が持ってるのさ、処分された三邪神は冥界に流れ着いた…それを持って来たのさぁ…!まずは生贄になった「クリッター」の効果発動!デッキから「ネクロフェイス」を手札に加える!そして「アバター」の効果発動!相手は2ターンの間、魔法・罠を発動できず…攻撃力は常に全フィールドのモンスターで1番高い攻撃力に+100の攻撃力となる!「閃光竜」の姿を写し盗れ「アバター」!!』

アバターの姿が揺らめき…漆黒の閃光竜が現れる ATK?→2600

 

 

「漆黒の『スターダストドラゴン』…!?」

 

「ひっ…!」ギュッ

漆黒のスターダストへの恐怖で龍可は龍亞にしがみつく

 

「龍可…大丈夫!白野…遊海ならきっとすぐに倒してくれる!!」

龍亞は震える足を抑えながら龍可を抱き寄せる

 

 

『バトルだ!「アバター」で「閃光竜」を攻撃!流星闇撃(ダークネス・シューティング・ブラスト)!!』

漆黒のブレスが遊海に迫る…!

 

「『閃光竜』の効果発動!自身を戦闘破壊から守る!波動音壁(ソニックバリア)…うわぁぁぁ!!!」

閃光竜が翼で自身を守る…しかしその衝撃は遊海とギャラリーに襲いかかる!

 

遊海LP4000→3900

 

 

 

「おいおい!こっちにも来るぞ…!?逃げろ!」

 

《させません!!》

 

「エンシェントフェアリー!!」

衝撃が届く直前、エンシェントフェアリードラゴンが実体化し闇の波動を防ぐ

 

《皆さん無事ですか…!》

 

「ありがとうエンシェントフェアリー…!」

 

「あっ…遊海が!」

龍亞がフィールドを見る…既に鎧は無くなり遊海は膝をついていた…。

 

 

「ぐっ…たった100ダメージなのに何て衝撃だよ…!?」

 

『フハハハ…!脆いなぁ!さぁ…我を恐れよ!このゾークを!!フハハハハ!!』

 

バクラLP4000

アバター 生還宝 伏せ1 手札2

 

 

 

 

 

 

「まさかそんな奴を引っ張り出して来るか…反則だろそれ…!」

遊海はフラフラと立ち上がる

 

「遊海さん!大丈夫ですか!?」

 

「ああ…心配するな遊星、あんな奴には負けねえよ…こんなところでへこたれたら…翠に怒られちまう…!」

 

『ハッ!痩せ我慢しやがって…さぁ貴様の無残な死はすぐそこまで迫ってるぞ…!』

 

「そっくりそのまま返すぜバクラ…!慢心は敗北の元だ!いくぞ…!闇の貯蔵は充分か!!」

 

 

 

 

 

「俺のターン…ドロー!!」

「『ネフテ』をリリースして『聖刻龍ーシユウドラゴン』を特殊召喚!さらに『ネフテ』の効果で墓地の『ギャラクシーサーペント』を特殊召喚!」

青の聖刻龍と煌めく竜がが現れる ATK2200 

DEF0

 

 

「シンクロ召喚の用意が整った!!」

 

「俺はレベル6の『シユウドラゴン』にレベル2の『ギャラクシーサーペント』をチューニング!!」

 

6+2=8

 

「漆黒の闇を裂き天地を焼き尽くす孤高の絶対王者よ!!万物を睥睨しその猛威を振るえ!シンクロ召喚!『炎魔竜レッドデーモン』!!」

体に赤いラインの入った悪魔竜が現れる ATK3000

 

 

「ジャックの『レッドデーモンズ』にそっくりだ!」

 

「強いオーラを感じる…!これが伝説のデュエリストの本気…!」

 

 

『ヘッ、何が闇を裂く竜だ!我の闇はこの程度では晴れる事はない!!「アバター」の攻撃力はさらにアップする!』

アバターの姿が黒い炎魔竜に変わるATK2600→3100

 

「それはどうかな!『炎魔竜』の効果発動!このカード以外の表側モンスターを全て破壊する!燃え尽きろ漆黒の太陽!真紅の地獄炎(クリムゾン・ヘル・バーン)!!」

 

『なっ…なんだとぉぉ!?』

炎魔竜が大地に拳を叩き付ける…そして大地の怒りたる獄炎が偽りの太陽を燃やし尽くした…閃光竜は波動音壁を張る事で破壊を免れる。

 

「バトルだ!『炎魔竜』でダイレクトアタック!極獄の絶対独断(アブソリュート・ヘル・ドグマ)!!」

覇竜の拳がバクラに突き刺ささり殴り飛ばす!

 

『ぐ…ぐうぉぉぉ!!?』

 

バクラLP4000→1000

 

 

 

「やったー!!大逆転だ!!」

 

「いいぞ遊海!!そのままそいつを吹っ飛ばせ!」

 

 

『フフフ…フハハハ…!痛い…痛いぞ…!!だがこの痛みが真なる闇を呼び起こすのさぁ…!戦闘ダメージを受けた事で「トラゴエディア」は手札から特殊召喚できる!!』

 

「なんだと!?」

バクラのフィールドに異形の悪魔が現れる DEF?→600

 

 

《フフフ…!久しいな…覚えているかオレの事を!!貴様を倒す為に邪神に付いてきたのだ!》

 

「っ…!貴様…封印したはず…!」

トラゴエディア…アテムの時代近くのクル・エルナ村出身の男の魔物…偶然遺跡に入ったディーヴァに取り憑き世界を闇に沈めかけたが…遊海を依代にしたアテムに倒され封印されていた邪悪なる者である。

 

『コイツも冥界での拾いモンだ…さぁ、攻撃するか?』

 

「…『炎魔竜』の効果を使ったターンは他のモンスターは攻撃できない、ターンエンドだ…!」

遊海LP3400

炎魔竜 閃光竜 伏せ1 手札2 (魔法・罠使用不可残り1ターン)

 

 

 

 

 

 

 

『我のターン!ドロー!』

『魔法カード「貪欲な壺」を発動!墓地の「ディアバウンド」「ゾンビマスター」「アバター」「死霊伯爵」「ゴブリンゾンビ」をデッキに戻し2ドロー!…フハハハ…リバース魔法「闇の支配者との契約」を発動!レベル10の「トラゴエディア」を生贄に捧げ我自身「闇の支配者ーゾーク」を儀式召喚する!さぁトラゴエディアよ!我と貴様の闇を1つに!!!』

《おぉぉ…偉大なる邪神よ!我が力を使い真の姿に…!》

バクラの姿が闇に包まれ、そして消える…バクラの姿は消え去り、邪悪なる破壊神ゾークが顕現する…! ATK2700

 

 

「えっ…!?ひ、人がモンスターになっちゃった!?」

 

「そんな…!?」

 

【フハハハ!まだだぁ…!手札から装備魔法『巨大化』を発動!さぁ愚かなる人間共よ…我が供物となるがいい!!】

巨大化を発動したバクラ…否、ゾークがサテライトの霧…人々の魂を吸収する、そして現れるは『闇の支配者』に非ず、正真正銘の闇の神…大邪神ゾーク・ネクロファデスが3000年の時を超え顕現した! ATK2700→5400

 

 

 

       大邪神顕現

 

 

 

「デカい…!地縛神と同じ…いや、それ以上の力を…!?」 

 

「あ、あわわわ…!?」

 

「え、エンシェントフェアリー…!!」

 

《大丈夫です龍可、あなた達だけは守り抜きます…!!》

遊星達は絶望する、攻撃力5000越え…それはまさに神の領域だった…

 

 

「チートが過ぎるだろお前…!」

 

【グハハハ…!!ようやく貴様を蹂躙できる…!さぁ…苦痛の叫びをあげろ!我の効果発動!洗脳ダイス!】

サイコロのソリッドビジョンが回転する…出目は…4!

 

【4…ならば貴様の『炎魔竜』を破壊する!ダークカタストロフィー!!】

闇の破壊光線が炎魔竜に迫る…!

 

「『閃光竜』!波動音壁!!」

閃光竜が闇の破壊光線を弾く!

 

【ならば我で『炎魔竜』を攻撃!ゾーク・インフェルノ!!】

巨大な火球が炎魔竜を燃やし尽くす!

 

「ガッ…ぐああああああああああ!!!」

 

遊海LP3900→1500

 

 

「「「「遊海(さん)!!!」」」」

巨大な火球は遊海すらも飲み込み燃え上がる…遊海は身体を焦がし倒れ伏した

 

【ハハハハハハ!!どうだ!痛いか!苦しいか?貴様は楽には死なせん!その魂までも壊し尽くしてやろう…!】

 

 

 

ゾークLP1000

ゾーク(巨大化) 生還宝 手札1

 

 

 

 

 

 

「ぐっ…あ…(ダメージが…大きすぎる…意識…が…)」

遊海は倒れ伏したまま動けない…アテムや過去の遊海すらも追い詰めた邪神…その闇のダメージは凄まじいものだった。

 

「遊海さん!立て!立ってくれ!!」

 

「負けないで!!起きて!!」

遊星達が必死に呼び掛ける…しかし起き上がる事ができない…!

 

【フハハハハ!動けないか?ならばトドメを刺してやる…!】

ゾークの手が伸び倒れた遊海を掴む…そしてそのまま握り締める…!

 

「ガッ…ぐあ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!?!」バギバギバギメキ

 

 

「イヤァァァァ!!!」

 

「くっ…!」

 

「貴様ァ!デュエリストなら正々堂々デュエルで決着をつけやがれ!!遊海を離せ!!!」

子供達は耳を塞ぎ牛尾はゾークに向かって叫ぶ!

 

【ガハハハハ…笑止!我は決闘者に非ず…我は『神』!!この者を殺し、再び世界を闇に染めてくれるわ!ハハハハ!!…だが、コイツは離してやろう…ほら!】

 

「ガッ…あ…」

 

ゾークは握っていた遊海を手放す…しかしその高さは約100メートル地点、重力に従い遊海は地面に向かって墜ちていく…。

 

 

「遊海さん!!」

 

「遊海!!」

 

 

「(…流石にこの高さから落ちたら意識が飛ぶな…すまない遊星…遊戯…アテム…!!)」

遊海には精霊達を呼び出す余力も回避する余裕もない…そして地面が迫り…

 

 

 

 

 

「遊海さん!!」ビュウ!ガシッ

 

 

 

 

【貴様は…!】

 

地面に叩きつけられる寸前…遊海は誰かに抱きとめられる…

 

 

 

「み、翠…ど…して…?」

 

「嫌な予感がしたから飛んで来たんです!!こんなに…ボロボロになって…!」

 

《翠!とにかく着陸するよ!!》

ウィンダ…キムンファルコスの背中に乗った翠だった、シティで待機していたが虫の知らせを感じサテライトに向かっていたのだ。

 

 

 

 

 

「翠さん!?どうしてサテライトに…!?」

 

「話は後よ遊星くん…まずゾークをなんとかしないと…!」

 

【フッ…情けないな白波…女に助けられるとは…さぁ、デュエルを続けてみろ!】

 

 

 

 

「翠…頼む…ドロー…を…!」

 

「わかりました…!一緒に戦いましょう遊海さん!」 

翠は遊海を抱き起こしカードをドローする

 

「今…『アバター』…効果、魔法ダメ…だ…」

 

「はい…!伏せカードがこれなら…このままターンエンドでいいですね?」

 

「ターン…エンド…」

 

遊海&翠LP1500

閃光竜 伏せ1 手札3

 

 

 

 

 

【我のターン!ドロー!】

【我の効果を発動!洗脳ダイス!】

出目は…1!

 

 

【お前達のモンスターを全て破壊する!カタストロフ!】

大地が砕け遊海達に迫る!

 

「『閃光竜』の効果発動!波動音壁!!」

閃光竜が遊海と翠を守護する!

 

【防ぐか…しかしこれで終わりだ!我で『閃光竜』を攻撃!ゾークインフェルノ!!】

 

再び火球が遊海達に迫る!

 

「リバースカード『攻撃の無力化』!バトルフェイズを終了します!」

 

【小癪な…我はターンエンドだ!しかし次のターンで終わりだ!!】

ゾークLP1000

ゾーク(巨大化) 宝札 手札2

 

 

 

 

 

 

「なんとか凌いだ…!」

 

「でもこのままじゃアイツらの負けだ!」

 

「負けないで…負けないで!遊海!翠!!」

 

「遊海さん!翠さん!!お願い…!勝って…!!」

遊星達は祈る思いで遊海達を見守る

 

 

 

 

「翠…一緒に引いて…くれ…」

 

「はい!私達のラストターン…このドローにかかっています!」

遊海と翠は手を重ねる、その手は輝き光を纏う…!

 

 

 

 

 

 

「「私達のターン!ドロー!!」」

「これなら…!私は魔法カード『死者蘇生』を発動!墓地の「炎魔竜」を特殊召喚!」

再び悪魔竜が降臨する ATK3000

 

 

「さらに『銀龍の轟砲』を発動!墓地の『ギャラクシーサーペント』を特殊召喚!」

三度煌めく竜が現れる DEF0

 

 

「そして『ギャラクシーサーペント』を除外する事で『レッドアイズ・ダークネスメタル・ドラゴン』は特殊召喚できます!」

黒い鋼の龍が現れる ATK2800

 

 

 

【グハハハ!いくら雑魚を揃えようと無駄だ!我には勝てないぞ!!】

 

「「それはどうかな(でしょう)…?」」

 

【なに…!?】

 

 

「我が身…守りし…太陽よ…!世界を照らせ…!」

 

「3体のモンスターを生贄に…現れて!『ラーの翼神竜』!!」

周囲を光が包む…暗雲は消え去り暖かい光が大地を照らす…そして黄金の翼竜が顕現する!

 

《ゾーク!!我が主を傷つけた罪…神の名において断罪します!!》 ATK?→8300

 

【馬鹿な…ラーだとぉ!?】

 

 

「で、伝説の『神』のカード…!」

 

「綺麗…!」

 

「すごい…すごいよ遊海!!」

太陽神の光は人の希望も照らし出す…遊星達は伝説の神にその目を奪われた…

 

 

「「聖なる太陽よ!全ての闇を焼き尽くせ!ゴッド・ブレイズ・キャノン!!」」

 

《闇よ…消え去りなさい!!!》

 

全てを燃やす太陽の炎がゾークを包み込む!

 

【ガアアァァァ!?…負ける?負けるだと!?このゾークが?!おのれ…おのれぇぇぇ!!!】

怨嗟の断末魔を残し…邪神は燃え尽きた…

 

 

 

ゾークLP0

 

遊海&翠WIN!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おわっ…た…翠、ありが…と…」

 

「お疲れ様です遊海さん…あとは私に任せて休んでいてください…」

 

「ああ…すまな…い…」

デュエルが終わりボロボロの遊海は意識を手放した…

 

 

 

「遊海さん!翠さん!大丈夫ですか!?」

 

「お前達!無事か!」

炎の壁が消え去り遊星達が走ってくる

 

 

「ええ、ありがとう遊星くん、牛尾さん…遊海さんは大丈夫、私達の正体…バレちゃったわね」

 

「オレも正直驚きました…まさかこんな近くに伝説の決闘者がいたなんて…どうして正体を隠すような事を…?」

 

「…ゼロ・リバースの時、遊海さんは精霊達と一緒にスタジアムにいた人達を守ったの、その時のマイナスエネルギーで身体を侵された遊海さんは身分を偽って痩せ細った体で人々を救い続けた、それがこの人の真実…メタルナイトの真実よ」

 

 

「翠さん…遊海さんは治る…?」

 

「すごい怪我してる…」

龍亞達は心配そうに遊海を覗き込む…

 

「大丈夫!遊海さんは不死身よ…すぐに元気になるから…でも時間がないわ、次の制御塔に向かいながら治療しましょう」

 

「鬼柳…今度こそ…お前を倒しに行くぞ…!」

 

「幸いオレの車はまだ乗れる、一緒に乗っていけ!」

 

「ありがとうございます…牛尾さん!」

 

 

 

こうして猿、そして大邪神を降した遊星達は巨人の塔へと走り出した…。




オマケ

ダークシグナー バクラ=ゾーク
初代・記憶編にて遊戯達の結束により呼び出された「ホルアクティ」に倒された邪神…その存在を「冥界の王」が復活させたもの。
ただし「大邪神」の状態で復活させた場合、自身に反逆する可能性を恐れ盗賊王バクラと闇バクラの肉体をベースにその精神を復活させた。

遊海とのデュエル中、自身の分身たる「闇の支配者ーゾーク」を依代に「大邪神ゾーク・ネクロファデス」として復活、遊海を瀕死に追い込んだが「ラーの翼神竜」の攻撃により完全に消滅した。


…もしも、遊海がデュエルに負けていた場合…ゾークは全ての「地縛神」と「冥界の王」を取り込み、この世界を滅ぼしていただろう…しかしそれはあり得ざる未来である。

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