転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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終結!ダークシグナー〜希望のバッドエンド〜

「…残るダークシグナーはミスティだけなんだな?」

 

「ええ、他のダークシグナーは遊星君達が倒しました!」

 

 

俺達は旧モーメントから離れアキの向かったトカゲの塔へと向かっている、メンバーは牛尾さんの車に乗る龍亞、龍可、俺、翠と並走する遊星の6人、クロウはジャックを迎えにハチドリの塔方面へと向かっている。

 

「おい遊海!身体は本当に平気なのか?」

 

「ええ…とりあえず無理しなければ大丈夫です!」

牛尾さんの問いに嘘を交えて答える、正直言えば体調は最悪…身体中が痛いし正直決闘盤を構えられるかも怪しい、そもそも精霊アーマーすら纏えないだろう…

 

 

「遊海…さん!大丈夫だよ!アキ姉ちゃんは強いからきっとダークシグナーにも楽勝さ!遊海さんが心配しなくても大丈夫だよ!」

 

「いつもの呼び方でいいよ龍亞…そうだなアキは強い…あの子を信じよう」

 

少し暗くなった俺の顔を見て龍亞が話しかけてくる…アキは確かに強い…でも俺がした事を考えると…。

 

 

「翠…お願いしたい事がある」

 

「はい?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「着いたが…アキと御影さんは既に入場した後か…」

俺達はトカゲの塔の所在地「カプモンランド」へと到着する…ここは元々KCの運営していた子供向けテーマパークだった場所だ、しかし17年前の災害のあとは放棄され荒れ果てている…。

 

 

「…エンジンはまだ温かい…入ってそう時間は経っていない筈だ、手分けして探そう!」

 

「わかった!牛尾、龍亞達を頼む!」

 

「わかった!気をつけろよ遊星!…遊海、お前はどうする?翠は何処かに行っちまったみたいだが…」

 

「俺は精霊達と捜索します!…時間がありません…行きましょう!」

現在時刻16:30…あと1時間程で日が沈んでしまう…、俺達は手分けしてアキと御影さん…そしてミスティを探し始めた…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アヤカ、レーダーによるサーチはどうだ?」

 

《すいません…まだノイズがかかっています、あの黒い霧に含まれる人々の魂が原因と思われます…》

俺はアヤカと共に園内を探索する…フレアやトフェニを召喚して一緒に探せれば手早いのだが…体力が保ちそうにない…。

 

「…たしかアキとミスティの戦う場所はミラーハウスだったか…地図でその場所を見つけよう…案内板は何処だ?」

俺は案内板を探すために荒れ果てた園内を歩く…園内には壊れたメリーゴーランドや汽車があり哀愁を漂わせている…そんな中、広場で案内板を発見する…

 

 

「あったあった…えっと…現在地がここだから…もう少し奥《マスター!伏せて!!》なっ…うわっ!?」ビュン!! バキャ!!

 

アヤカの声に反応し咄嗟に地面に倒れ込む…その瞬間、俺の見ていた案内板がバラバラに砕け散った…

 

「ッ…『アルティメット・サイキッカー』…!?」

遊海の後ろ…そこには「メンタルスフィアデーモン」の最終進化系とも言える融合モンスター…アルティメットサイキッカーが殺気の籠もった目で遊海を見下ろしていた、

 

「チッ…やっぱりアイツは生きていたか…」

 

《グゥオオオ!!》

 

「くっ!!」ズガン

振り下ろされた爪をギリギリで回避する…サイキック族のコイツがいるって事はアイツがいる…!

 

「…考えるのは後だ…精霊変し…ぐぅ…!?」ドクン!!

精霊アーマーを纏おうとした瞬間、身体中に激痛が走る…

 

《グゥオオオ!!》ビュ!!

 

《危ない!マスター!!グッ…!!》ガキン!!

俺に振り下ろされた爪をアヤカが受け止める…しかしだんだんと押されていく…!

 

「アヤカ!!」

 

《マスター…!早く逃げて…ください…!!今の私達では対処できません…!!》

 

「ダメだ…コイツはここで倒さないと…牛尾さん達の所に行くかもしれない…!何か…何か方法は…!」

遊海は頭をフル回転させる…満身創痍の身体で目の前のモンスターを倒す方法を…!

 

「…そうだ…!全身が無理なら…一箇所に集中させればいい!アヤカ!もう少し耐えてくれ!!」

 

《わかりました…!!でも…早く…!》

 

《グゥオオオ!!!》

 

「精霊アーマーを右腕に限定展開…エネルギー充填…!!」

遊海は右腕に全ての力を籠める…エネルギーが過剰に溜まった右腕は光を纏う、イメージするのは前世でやっていたスマホゲームの英霊の絶技…右腕一つで強大な女神に立ち向かった1人の騎士の必殺技…その名は

 

「アヤカ!離れろ!!…我が魂喰らいて奔れ!模倣(イミテーション)銀の腕(アガートラム)!!」ズバン!!

 

《グゥオオオ!?…オ…オ……》ズズン

光を纏った右腕の一閃、それはアルティメットサイキッカーの身体を両断し破壊した…

 

 

 

 

 

「はぁ…はぁ…なんとか倒したか…うっ…ゴホ!!ゴッ…!!」

 

《マスター!!》

喉の奥から血が溢れ…耐えられずに吐き出し地面に倒れる…さ、流石に無理があったか…

 

「や、やっちまった…動けねぇ…」

踏み切りで右足の骨は砕け右腕も変な方向に曲がっている…宝具の再現なんて満身創痍でやっていい技じゃなかった…

 

「アヤカ…応急処置できるか…?」

 

《…あと30秒待ってください…自己修復を終わらせます…》

アヤカを見ると機体に爪の跡が付いていた、しかし自己修復機能で少しづつ修復されていく…

 

「くそ…これじゃあ完全にみんなの足手まといじゃないか…早く…行かないと…!」

 

 

 

 

 

『いや、お前はここで死ぬんだ白波 遊海!「サンダーボルト」!!』

 

 

その瞬間、俺の視界は閃光に包まれ意識はブラックアウトした…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side遊星

 

 

「くっ…どうすればいいんだ…!」

遊海さんや牛尾達と分かれて遊園地を捜索していたオレだったが治安維持局員を名乗る男に騙され建物の地下に閉じ込められてしまった…同じ場所には御影さんも捕まっている、出口は5メートル程上の鉄格子…脱出方法が無い…!

 

 

カンカンカン…ガチャ

 

 

『ほら、貴様の大事な仲間を連れてきてやった…ぞ!』

 

ドサッ

 

「なっ…遊海さん!?貴様…遊海さんに何をした!!」

 

再び戻ってきたトレンチコートの男が人を投げ落とす…それはボロボロになってしまった遊海だった、肌はところどころ焼け焦げている…まるで何かに感電してしまったようだった。

 

 

『アキに仲間はいらない…アキは私だけのものだ…!』バリバリ

 

「貴様…ディヴァイン!?」

 

トレンチコートの男はマスクを破り取る、その正体はアルカディア・ムーブメントの崩壊と共に行方不明となっていた総帥・ディヴァインだった

 

『フフフ…これで私の計画に邪魔な奴らはいなくなった…アキは私の望む世界でこそ輝くんだよ!』カチッ!

 

 

ボカーン!!サバババ…!!

 

ディヴァインがスイッチを押す、すると壁が爆発し大量の水が遊星達のいる地下へと流れ込む!

 

『フハハハ…!さぁそこで醜く溺れ死ぬがいい!フフフ…フハハハハ!!』

ディヴァインは唯一の脱出口を「ファイヤーボール」で歪めその場から去っていった…。

 

 

「くっ…!水が…!」

 

「とにかく白野さんを起こさないと!溺れてしまうわ!!」

 

「ッ…!遊海さん!起きろ!起きてくれ!!」

オレは遊海さんを揺らす…水位は足首辺りまで来ようとしていた…。

 

 

Sideout

 

 

 

 

 

「うぅ…?遊星…狭霧さん…?俺は…」

 

「遊海さん!しっかりしてくれ!緊急事態だ!このままじゃ全員溺れてしまう!」

遊星の鬼気迫る声で意識が浮上する…全身ズブ濡れだ…俺は何をしていたんだっけ…?というか身体が痺れて感覚が無い…!

 

 

「白野さん動けますか!私達は敵の罠に嵌って閉じ込められてしまっているの!そのうえ大量の水が流し込まれているのよ!」

 

「っ…すまない…身体が痺れて身動きがとれない…!俺の事はいい…!2人が助かる方法を考えるんだ…!」

狭霧さんの説明で状況を把握する、水深は約170cm以上…真上に見える鉄格子まで約3m…身体は痺れて動かないし目で見える右腕は水に揺蕩っていて力が入らない…俺の生存は通常ならば絶望的…俺は遊星に俺を切り捨てるように伝える。

 

「そんな訳にはいかない!3人で絶対に生き延びるんだ!!」

 

「あなたをこんなところで死なせる訳にはいきません!!」

遊星と狭霧さんは俺と肩を組んで立ち泳ぎを始める、水深は既に2mを超えた、もし水位があの鉄格子を超える前に助けが来なければ全員がお陀仏だ…!

 

 

 

 

 

 

「ふんぬぬぬ…!!!開けよコンチクショウ!!!」

 

「牛尾くん!頑張って!!もう少…し!!」

水位が4mを超えた頃…狭霧さんの落とした警察手帳を頼りに牛尾さんが危機迫る俺達の居場所に到着する、狭霧さんも遊星も既に体力は限界…牛尾さんも鉄格子をテコの原理で開けようとしているが苦戦している…!

 

 

「(…タイムリミットは5分弱…力を温存している場合じゃない…!)…遊星…狭霧さん…俺を離してくれ…!」

 

「遊海さん何を言うんだ!貴方の右腕と足は折れている!今、手を離したら…!」

 

「…心配するな遊星…別に自殺しようって訳じゃない、だから俺から離れてくれ…!」

 

「…わかった…!でも危ないと思ったらすぐに引き揚げます…!」

遊星と狭霧さんは俺から手を離して離れる…支えを失った俺は水底へと沈んでいく…

 

 

 

 

「(…やるんだな?遊海…呑まれるなよ…!)」

 

「(…わかってる…一瞬で決める…()()()()()()()()()開放…!!!)」

 

その瞬間、水が沸騰したように泡立ち…水面近くに迫った鉄格子は飴細工のように砕け散った…

 

 

 

 

 

 

 

 

Side牛尾

 

 

 

 

「ぐぐぐっ…!!!クソっ…!開け!開けよ!!!」

 

俺は今、人生で一番の本気を出しているかもしれねぇ…最後のダークシグナーを探すために廃遊園地を調査していた俺だったが途中で狭霧さんの治安維持局の証明書を発見…周囲を調べていたら遊星や傷ついた遊海と共に閉じ込められて溺れかけている狭霧さんを発見した、俺は熱で歪められた扉を開けようとしてるが…ビクともしねぇ…!水が鉄格子に来るまであと僅か…早く扉を開けねぇと…!

 

 

「牛尾くん!そこから離れて!早く!」

 

「っ!?狭霧さん!どうしてだ!…アイツはどうした!?」

狭霧さんの焦った声で下を見る…遊星と狭霧さんは水面に浮かんでいるが…遊海の姿が見えねぇ…!

 

「牛尾!遊海さんには何か作戦があるみたいなんだ!だから…っ!?」

 

 

ゴボ…ゴボゴボゴボゴボ!!!!

 

突如として牛尾の足元の水面が激しく泡立つ…そして…

 

 

ザババッ…バキーン!!! 

 

 

「う…うわぁぁぁ!!?」

激しい水柱で牛尾は吹き飛ばされる…その直後、強い強度を誇るはずの鉄格子はガラス細工のように吹き飛んだ…

 

 

「な…なんだってんだよいったい!?アイツ何しやがっ…!?」 

 

その瞬間、牛尾は未だに立ち昇る水柱の中に影を見た…翼を生やした黒いナニカの姿を…しかしそれは一瞬の事、水柱が治まると呼吸を荒くした遊海が力なく水面に浮かんでいた…。

 

 

 

Sideout

 

 

 

 

 

 

「すごい…鉄格子が粉々に…」

 

「これが遊海さんの力なのか…!」

遊海の砕いた鉄格子から脱出した狭霧と遊星は鉄格子の上で息を整えていた…傍には力を使い果たした遊海が寝かせられている…。

 

 

「少し無理…し過ぎたな…完全にエネルギーが空っぽになっちまった…指も動かせねぇ…」

 

「遊海さん…すいません!貴方に負担をかけないでダークシグナーを倒したかったのに…!」

 

「いいんだ遊星…だが俺はここまでだ…あとは頼む、既に戦いは始まってる…!」

遊海は右腕に目を向ける、シグナーの痣はアキとミスティが戦っている事を知らせていた。

 

「遊星…これを持っていけ…何かの役に立つかもしれん…」プチッ

遊海は胸からカルトゥーシュを外し遊星に手渡す…

 

「これは…?」

 

「ちょっとしたお守りだ…大切な物だから後で返してくれ…アキを頼む…!」

 

「…わかった!行ってくる!!」

遊星は駆け出した、アキの居場所は痣が教えてくれるだろう…。

 

「御影さん、オレはコイツを車まで連れていきます!遊星の奴を追ってください…!」

 

「わかったわ!彼をお願いね!」

タオルで水気をとった狭霧も急いで遊星の後を追いかけていった…。

 

 

 

「…遊海、歩けるか?」

 

「すいません、今は無理そうです…」

 

「わかった、おぶってくぞ…少し痛いが我慢してろ」

身動きのとれない遊海を牛尾が背負い、そのまま入り口の方に歩いていく

 

 

「遊海…お前、運が悪すぎだろ…なんで会うたびにボロボロになってるんだよ…バトルシティの時も今もよ…」

 

「わからないです…でも俺は少し怪我を引き寄せる体質なのかも…コフッ」

 

「無理して喋るなよ、あとはあいつ等に任しておいて休んでろ…大丈夫だよ、あいつらは強いからな!」

 

「ええ…きっと彼らなら乗り越えられるはずです…この後も…」

 

「この後…?遊海、それはどういう事だ…?」

 

「……」

不穏な言葉を聞いた牛尾は遊海に問いかける…しかし遊海は気絶していた…。

 

「遊海…お前はいったい…?」

牛尾の問いに答える者は無く…疑問は不気味な夕暮れの空へと消えていった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

デュエルダイジェスト アキ対ミスティ

 

 

 

 

 

 

「…私は黒薔薇の魔女…!貴女を消す!!」

 

『ついに正体を現したわね…!貴女だけは絶対に許さない!!』

 

アキとミスティのデュエルは佳境を迎えていた。

狭霧と分かれてミスティを探していたアキはアトラクションのミラーハウスへと足を踏み入れミスティと対峙した。

そしてミスティが繰り出したのは「サッド・ストーリー」と名のつく3枚の永続魔法、そのカードを通してミスティはアキにトビーについての記憶を見せた。

 

 

「悲しみの記憶」…トビーは姉思いのいい弟だった、ただ普通の人間と違うのは彼が「サイコデュエリスト」だった事…そんなある日、ミスティへ誕生日プレゼントを渡したトビーはアルカディア・ムーブメントへと入るとミスティに伝える、この時ミスティは弟を止めるべきだったと後悔した…。

 

「揺るがない真実」…アルカディアムーブメントへと通い始めたトビー、彼は廊下で当時「黒薔薇の魔女」として活躍していたアキに自分はどうしたら強くなれるかを聞いた…アキは「ディヴァインに頼り、ディヴァインの言う事を聞いていればいい」と言って去っていった…アキからすればほんの些細な出来事だったがこれがトビーの運命を変える事になった。

 

「忌むべき日」…その日、ミスティのもとに電話がかかってきた…それはトビーの失踪を伝える電話だった、トビーはダイモンエリアで戦うアキを見に行ったまま行方不明となった…ミスティは悲しみに暮れトビーを捜し回った、その中で車の運転を誤り崖から転落…ダークシグナーとして蘇ったのだ。

 

その話を聞いたアキはトビーについて伝えた、1年前にアルカディアムーブメントで拷問を受け、命を落としかけた事。間一髪メタルナイトこと白野が突入しトビーを救った事…そしてサテライトで彼は生きているという事を…しかしダークシグナーになり復讐に呑まれているミスティに声は届かずにアキを糾弾し続ける。アキはついに戦意を失いかけてしまう…自分は何もしていないとはいえトビーとミスティの人生を狂わせてしまったアキはミスティと戦う事ができなくなってしまっていた、しかし…

 

 

「冥界の扉は魔女の島にある」

 

 

遊星達を閉じ込めたディヴァインがアキの目の前に現れる…ディヴァインはアキに戦いを促す為に彼女の秘められしサイコパワーを開放…アキは強制的に「黒薔薇の魔女」へと変貌しミスティへと襲いかかる…!

 

 

「あわわ…!アキ姉ちゃんが魔女に戻っちゃった…!?」

 

「そんな…アキさんどうして…!」

そんな2人のデュエルを見つめるのは龍亞兄妹、彼らが一番にこの場所へと到着したのだが…再びおそろしい表情を浮かべデュエルするアキを見守る事しかできないのだった…。

 

 

「龍亞!龍可!」

 

「「遊星!!」」

デュエルが進むなか水攻めから脱出した遊星が龍亞達と合流する。

 

「大変なんだ!アキ姉ちゃんが昔みたいな怖い顔でデュエルを…!」

 

「なんだって…!くっ…アイツは…いた!」

龍亞から話を聞いた遊星は周囲を見渡す…そしてその姿を見つける、下卑た表情でデュエルを観戦するディヴァインの姿を…!

 

 

 

 

「いいぞアキ…!お前の力はダークシグナーをも凌駕する!やれ!!」

 

バタン!!

 

「ディヴァイン!!」

遊星がディヴァインのいるビルの部屋へと突入する!

 

「不動 遊星…!もうあそこから脱出してきたのか…」

 

「ディヴァイン!貴様の目的はなんだ!なぜここに現れた!」

 

「フッ…ダークシグナーがアルカディアムーブメントに襲撃してきたせいで私の計画は潰えた!しかも私の顔までこのザマさ…!」

ディヴァインは髪を掻き上げる…その目の下には太い傷跡が付いていた

 

「しかし…アキに対するマインドコントロールは完璧だ!私はアキの力を使い私をこんな目に合わせた奴らに復讐し!アルカディアムーブメントを再興するのさ!」

狂気の宿る瞳でディヴァインは告げる…既にディヴァインの精神は復讐心で塗りつぶされていた…

 

「ディヴァイン!アキを開放しろ!アキは自分の力を克服した!生まれ変わったんだ!」

 

「アキが生まれ変わった?アキは私の下僕だ!アキの進む道は…私が決める!!出てこい!『メンタルスフィアデーモン』!!」

 

《グオオオ!!》

 

「なっ…モンスターの実体化だと!?」

ディヴァインはモンスターボール実体化させる…悲しいかな17年前、遊海にボコボコにされたディヴァインは遊海に復讐する為に力を高めた…その恩恵として精霊使いと同じようにモンスターを実体化できるようになっていたのだ。

 

「やれ!」

《グオオオ!!》ザン!!

 

「くっ…!?」 

メンタルスフィアデーモンが爪を振り下ろす、遊星は間一髪避けるが部屋にあった机がひしゃげ潰れる!

 

「人の心を操るなんて…許さない!」ピッ

 

「フッ…私の手にかかれば人の心など、どうにでもなる!心の弱みに少し刺激を与えてやればいくらでも私の思うとおりだ!いけ!」

《グオオオ!!》

 

「ぐっ!?ガッ…!」ガキン! ズガン!!

デーモンの爪をデュエルディスクで受け止める遊星…しかし攻撃力2700を誇るデーモンの攻撃は凄まじく壁に叩きつけられる!

 

「強力なサイコパワーを所持していたばかりに孤独を抱えていたアキの心…そこを少しくすぐってやるだけでいいぃ…ミスティも哀れな女だなぁ…弟のトビーがいなくなった怨みでダークシグナーになり、サイコデュエリストにデュエルを挑む!泣ける姉弟愛じゃあないか!だが…所詮アキにやられる運命だがねぇ…!」

 

「くっ…遊海さんから聞いているぞ!トビーや他の子供達を傷つけ何人も死なせたと!!」

 

「チッ…奴め余計な事を…!ああそうさ!私はトビー達に過酷な実験を課した!だがアイツが邪魔に入って殺し損ねたがな!弱いサイコデュエリストなどいらん!…ここまで聞いたからには貴様も生かしておけん!やれ!」

《グオオオオ!!》バチバチ…バン!

 

指示を受けたデーモンはサイコパワーのエネルギー弾を遊星に向かって放つ!

 

「っ…!しまっ…!?」

 

 

 

 

キュイン…カキン!!

 

 

 

「なんだと!?」

 

遊星に迫ったエネルギー弾…それは遊星の懐から飛び出したカルトゥーシュによって防がれる…そして…!

 

『ディヴァイン、よくも俺の仲間に手を出したな…!』

 

カルトゥーシュが光に包まれる…そして現れたのは半透明の赤い帽子を被った青年だった

 

「貴方は…まさか…!」

 

「白波 遊海…!?貴様、さっきまでボロボロだったはず…!?」 

 

『本体の事は知らん、だが貴様が再び害を為すなら…俺は貴様に罰を与える!』

 

「う、うるさい!!もう一度死ねぇ!!」

《グオオオ!!》

 

デーモンの爪が遊海に迫るが…

 

スルッ…ズガン!

 

「すり抜けただと…!?」

 

『ディヴァイン…たくさんの人を悲しませた貴様に「罰」を与える…罰ゲーム!「邪神の餌食」!!』

その瞬間、ビルの天井が破壊され巨大な黒い手がディヴァインを掴み上げる!

 

「うわぁぁぁ!な、なんだァァァ!?」

 

『ディヴァイン…お前だったのね…!お前のせいでトビーは!!』

ギョロリとした巨大な目がディヴァインを睨みつける…その正体は「地縛神Ccarayhua」…ミスティの地縛神である。

 

『許さない…許さない!!』

 

「うわぁぁぁ!!ギッ………」ゴクン

 

「あわわわ…た、たたた食べちゃった…!?」

 

「ヒッ…!」

ディヴァインはコカライアに捕食され退場する…子供には刺激が強かったからか龍亞達は顔を背けている…

 

 

『ディヴァイン…遊星のデュエルディスクは手作りでね…マルチデュエル用の音声ネットワークでアキやミスティにも話が聞こえていたのさ…聞こえてないだろうがな…』

遊海は1人呟く…身の危険を感じた遊星は咄嗟に通信のスイッチを入れた、それが功を奏した形となった…。

 

「遊海…さんなのか?」

 

『ああ、ただし残留思念体だけどな…俺の役目は終わった、またな遊星…』スゥ…カタン

遊海の姿は薄くなり完全に消滅し…あとにはカルトゥーシュだけが残っていた…

 

「遊海さん…」

 

《キュイイイ!!》

 

「あれは…!?」

甲高い鳥の鳴き声を聞いた遊星は空を見上げる…そこには巨大化した緑色の鳥の姿があった…。

 

 

 

 

 

 

 

『トビー…仇は討ったわ、ごめんなさいアキさん…トビーが死んだのは貴女のせいでは無かった…』

 

「ミスティ…」

ディヴァインを捕食し仇を討ったミスティは正気に戻りアキに話しかける…アキは魔女になった反動か座り込んでいる…

 

『もう私には戦う理由はない…私はサレンダーするわ…』

ミスティはデッキトップに手を伸ばす…しかし

 

 

 

 

させぬぞミスティ…戦え…戦うのだ…!

 

『【うぐっ…!?神が…私の中の神が…!】』

 

倒せ…シグナーを倒すのだ…!

サレンダーしようとしたミスティの頭に地縛神の声が響き…黒いオーラに覆われていく…!

 

《キュイイイ!》

 

「『!?』」

その時、甲高い鳥の鳴き声が響き渡る

 

 

「ミスティさん!弟さん…トビー君を連れてきました!!」

 

「「翠/さん!!」」

 

鳥が地上に着地する…その正体はウィンダとキムンファルコス…そしてその背中に乗る翠とトビーだった、翠は遊海の頼みによりマーサハウスまでトビーを迎えに行っていたのだ…

 

 

『トビー…あなた…本当に生きて…!』

ミスティは涙を浮かべる…二度と会えないはずの弟が目の前にいる…それだけでミスティは嬉しかったのだ

 

『私は…負けない…!トビーの為に…負けちゃ駄目なのよ!!』

 

ミ…ミスティ!な、何をする!!やめろ!!

地縛神の制御を振り切りミスティはデッキトップに手を伸ばす…そして…

 

『これで終わりよ地縛神!私はサレンダーを宣言するわ!!』

 

おのれ人間風情がぁ…うっ…うおおぁぁぁ!!!

サレンダーが宣言された瞬間、コカライアは爆発と共に砕け散り…ミスティもそれに巻き込まれた、それは人の愛が神に勝利した瞬間だった…。

 

 

 

 

ミスティ サレンダー

 

アキWIN!

 

 

 

「「ミスティ!!」」

遊星とアキは倒れたミスティに駆け寄る…依代である地縛神がいなくなった事でミスティの身体は崩れ初めていた…。

 

『アキさん…ありがとう、貴女のお陰で私はトビーに逢えた…!』

 

「ミスティ!ダメよ!気をしっかり持って!!」

アキはミスティの手を握り締める…

 

 

「…お姉ちゃん…なの?」

 

『トビー…?』

ミスティのもとにトビーが歩いてくる…しかしその顔は何が起きているかわからないようだった…

 

「ミスティ…トビーはディヴァインのせいで記憶喪失になってしまっているの…でも大丈夫、絶対に彼は私が守るから…!」

 

『ありがとうアキさん…トビーをお願い…私の大切な弟を……』サラサラサラ

 

「ミスティ…!」

トビーの事を託しミスティは逝った…トビーからプレゼントされたペンダントを遺して…。

 

 

 

「トビー…これは貴方が持っていて、ミスティの…お姉さんの形見よ…」

アキはペンダントをトビーの首にかける…

 

「ありがとうアキさん…今の人…」

 

「いつかきっと思い出すわ…きっと…!」

アキはトビーを抱き締めながらそう伝えたのだった…。

 

 

 

 

 

 

 

「…ごめんなさい遊星…みんな…日が落ちてしまったわ…!」

 

「アキ…しょうがなかったんだ、大丈夫だ!サテライトの人々も戻ってきている!きっと解決策はあるはずだ!」

結局、アキはタイムリミットには間に合わなかった…しかしこれでサテライトの人々は全員(一名除く)帰ってきただろう…しかし変化は急激に訪れた…!

 

 

 

 

ゴゴゴゴゴゴ……

 

 

 

「うわぁ!地震だ!!」

突如としてサテライトが激しく揺れ始める…そして…!

 

 

「な、なんだあれは…!」

 

「シティの真上に…コンドルの地上絵だと!?」

 

サテライトの対岸…ネオドミノシティ上空に巨大な地上絵が現れた…!

 

 

 

「いったい…何が起きようしているんだ…!?」

 

 

 

 

 

 

 

これより始まるは神への挑戦…すなわち最終決戦である…

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