転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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最終決戦!・序〜冥界の王復活〜

サテライトで待ち受けていた7人のダークシグナーを打倒したシグナー達…しかし、僅かにタイムリミットである夕暮れを過ぎてしまった…そしてサテライトを大きな地震が襲い、ネオドミノシティの上空には巨大なコンドルの地上絵が浮かび上がっていた…!

 

 

 

 

「遊星!無事か!?」

 

「あの地上絵はなんだ!地縛神は全て倒したのではないのか!」

 

「ジャック!クロウ!」

遊星達のもとにジャックとクロウが合流する、これでこの場には遊海を除いた4人のシグナーと牛尾と狭霧、翠とトビーが集まっていた…。

 

 

「お前が十六夜 アキか…デュエルには勝ったらしいが…いったい何があった?」

 

「あなたがクロウね…ごめんなさい、私がモーメントの制御装置を作動させるのが間にあわなかったの…!」

アキと初対面のクロウが事情を聞く、しかしこの状況を説明できる人物はいなかった…。

 

 

 

ゴゴゴゴゴゴ…!

 

 

 

「また地震…!?」

 

「いったい何が起きてるんだ!?」

 

「みんな気をつけて!()()()!」

 

「翠さん!来るって…何が!?」

翠の言葉に遊星が問いかける

 

「…邪悪な『冥界の王』が復活する…!」

 

 

 

 

 

旧モーメントにて…その禍々しい光が黒く塗り潰されていく…その正体は重油のような黒い泥、それは旧モーメントの位置するクレーターから溢れ出す…それは徐々に人型をとり、最終的に巨大な異形の魔神が現れる…その正体こそダークシグナーを使い現世を破壊しようとする者…冥界の王だった。

 

 

 

 

      冥界の王出現

 

 

 

 

 

 

 

[オオオ…!!!]

 

 

「あれが…冥界の王…!」

 

「な…何なんだよありゃあ…!」

遊星達は地上から巨大なる冥界の王を目撃する…規模としては地縛神以上の大きさである

 

 

[オオオオオオ…!]

そして冥界の王は歩みを進める…その赤い眼が見据える先には新たに現れたコンドルの地上絵があった。

 

 

「ねぇみんな、あの巨人…シティに向かってない…!?」

 

「遊星…たしかルドガーの野郎『制御装置の封印に失敗したら冥界の王が現れる』って言ってたよな…!」

龍可が冥界の王の目的に気付き、クロウはルドガーの言葉を思い出す。

 

 

「あれが冥界の王だって言うんならこの世界は終わりなのか…?全てが闇に閉ざされちまうって言うのかよ!!」

 

「牛尾君!まだ諦めては駄目よ!まだ私達は…シグナー達は誰も欠けてはいない!まだ完全に閉ざされた訳じゃないわ!」

弱気になっている牛尾に狭霧が発破をかける…確かに冥界の王は出現した、しかしその身体は完全ではない…!

 

《クリリーン!!》

 

「クリボン…どうしたの?」

 

《クリクリリーン!!》

 

「龍可、どうしたんだ?カードの精霊が何かを伝えようとしてるのか?」

 

「…クリボンが言ってる…!アレをコンドルの地上絵に行かせてはダメって…!」

 

「なんだって…!?」

龍可が精霊の声をみんなに伝える…クリボンは怯えている、精霊だからこそ分かる事もあるのだろう…。

 

 

《…クリボンの言うとおりよ…!あのドロドロの巨人があの地上絵に到達したら…世界は闇に包まれてしまうわ!》 

 

「ウィンダ…でもあんなデカイのどうやって止めるんだよ!」

龍亞が現れたウィンダに問いかける、今の状況はミジンコがクジラに挑むようなものだろう。そしてまた変化が現れる、それは…

 

「ッ…!赤き竜の痣が…!」

 

「光ってる…!」

4人に刻まれた赤き竜の痣が光を放つ…!

 

 

《キュオオォォン…!》

 

「赤き竜!?」

冥界の王の瘴気に覆われた空から赤き竜が姿を現す…

 

《キュオオォォン!》

 

「「「なっ…うわぁぁぁ!?」」」

赤き竜がシグナー達に向かって突進し彼らを飲み込んだ…!

 

 

 

 

「ここは…?」

遊星達が気付くと宇宙空間のような空間を飛ぶように移動していた。

 

 

「ここは…赤き竜の中なの…?」

 

「いったい俺達を何処に連れていこうというのだ…!」

 

「…わからない、でもここを抜けた先にこの事態を解決する鍵がある…そんな気がするんだ…!」

 

そして前方に光が現れ遊星達の視界は光に包まれた…。

 

 

 

 

 

 

「イテッ!」

 

「ここは…ゴドウィンの家…なっ!?何故祭壇が地上に!?」

光が消えるとそこはネオドミノシティのゴドウィンの自宅だった…ただ、前と違うのは地下にあったはずの祭壇が家を破壊し地上に現れているという事である。そしてシグナーチームにも変化があった、それは…

 

 

「あっ…遊海さん!?大丈夫ですか!!?」

 

「なっ…遊海さん!?」

 

「イテテ…連れて来るのはいいが…もう少し優しく連れてきてくれよ…」

シグナーチームの少し後ろ…そこには怪我をした遊海が倒れ込んでいた、車で休んでいる時に赤き竜に拉致されたのだ…。

 

「待て…白野が遊海…『伝説の決闘王』白波 遊海だというのか!?」

 

「嘘でしょ…ゼロ・リバースの時に行方不明になったって…!」

遊星の言葉にジャックとアキが反応する、身近にいた人物が決闘者であれば必ず名前は知っている有名人だったのだから無理もない…

 

 

「嘘をついてて悪かったな、アイツに警戒されないように偽名を名乗ってたんだ…」

 

「アイツ…それはいったい…?」

 

「姿を見せろ…レクス・ゴドウィン!!」

 

『気づいていましたか…ダークシグナーに勝利したようですね、シグナーの諸君…だが、冥界の扉を閉じる事はできなかった』

 

「ゴドウィン!」

祭壇の頂上…そこに光を放つビーカーを持ったレクスが現れる。

 

「ゴドウィン!教えてくれ!オレ達は冥界の王に負けてしまったのか?この世界は『終わりです』なん…だと…!?」

遊星の問いかけにレクスは一言で返す、その顔はポーカーフェイスを保っている

 

『冥界の王はこの場所へと向かっています』

 

「冥界の王が…何故!」

 

『この場所…この神殿で儀式を執り行う為です、その儀式を行う為に赤き竜の力を使い、私が貴方達をこの場所へと呼んだのです』

ゴドウィンはビーカーを掲げる、そこにはドラゴン・ヘッドの痣を刻んだ左腕があった。

 

「その腕…貴様の腕なのか!」

ジャックがゴドウィンに問いかける、以前ゴドウィンは自分に向かってきた機械の破片を義手であった左腕で受け止めた事があった…。

 

『答えは否です、ジャック…この腕は我が兄・ルドガーの遺したモノ…そして…!』

ゴドウィンは遊星達に向かって背中を見せる…その背中にはコンドルの地上絵が浮かび上がっていた…!

 

「その痣…まさか…!」

 

『そう…そのまさかです!うおおぉぉぉ!!!』バリバリバリ!

ゴドウィンの肉体が肥大化し服を破る、そして肌に紫色のラインが刻まれ白目は黒目へと変わった…

 

 

 

【私はダークシグナーとなったのだ!!そして…まだ終わりではない!!】

そう言うとゴドウィンは義手を取り外しビーカーから取り出したルドガーの腕を自身の左腕へと接着する、その腕は不思議な力により完全に接合される…!

 

 

「ゴドウィン!貴様なにを…なにをしようとしている!?」

 

【ふむ、完全に我が物になるには時間がかかるか…遊星!我は神となる!赤き竜と冥界の王…この2つの力を得て『究極の神』となるのだぁ!!】

ゴドウィンは左腕を空に突き上げる…それと共に大地が鳴動し祭壇の高さが倍以上巨大化する!

 

「まずい!離れるんだ!!」

遊星達は慌てて祭壇の近くから避難する

 

 

 

 

【これより冥界の王を迎える儀式を始める…!その儀式はコンドルの地上絵におけるライティングデュエルによって執り行われる!…そして我がシグナーである君達を倒し、その魂を冥界の王に捧げる!そうする事で冥界の王は完全に復活するのだ!!】

空中へと投影されたゴドウィンが腕を広げながら宣言する。

 

「ふざけるんじゃねぇ!ゴドウィン!!お前が…お前が遊星達にダークシグナーを倒せって頼んだんじゃないのかよ!!」 

 

【フッフッフッ…最初から我の計画の内だったのだ!さぁ…どうする?冥界の王は間もなくここにやってくるぞ!!】

クロウが叫ぶがゴドウィンは計画の内と吐き捨てる…冥界の王はサテライトとシティの間の海を渡って来ている…時間の猶予は少ない…!

 

 

 

「ゴドウィン!このデュエルに勝てば…冥界の王は消えるんだな!?」

 

【消えるでしょう、だが…それは私がさせない!神たる我が!!!】

ゴドウィンの答えを聞いた遊星は覚悟を決める…ゴドウィンを倒し冥界の王を倒すと…!

 

 

「このデュエル…受けて立つ!!」

 

「ゴドウィン!貴様など蹴散らしてくれる!!」

シグナーの痣を輝かせ遊星とジャックがゴドウィンに宣戦布告する!

 

「ならオレだってやってやる!!…と言いたいが…ここはアンタに任せるべきなのか…遊海」

クロウは遊海を見つめる…しかし遊海は首を横に振る

 

 

「クロウ…デュエルはお前に任せる、俺は…奴を相手する…!」

遊海の見つめる先…そこにはゆっくりと進行する冥界の王の姿があった

 

「なっ…あんなデカブツと戦うっていうのか!?無茶だ!」

 

「無茶は承知の上だ、俺がアイツを翻弄し時間を稼ぐ…ゴドウィンはお前達に任せる!チームサティスファクションの底力を見せてくれ!」

遊海はクロウを見据え拳を突き出す

 

「遊海…アンタの想い確かに受け取った!決闘王に任されたんなら負ける訳にはいかねぇ!オレはシグナーじゃねぇが…サテライトの奴らの為に…アイツを倒す!!」

クロウは拳を突き合わせ遊海からのバトンを受け取る…これでメンバーは確定した…!

 

 

 

 

「翠、トビーを頼む…安全な場所まで連れて行ってくれ…!」

 

「はい…!遊海さん!その前に回復を!」

翠は遊海に回復魔法を使う、そのお陰で傷は完全に塞がった。

 

「白野…絶対に帰って来て…!」

 

「トビー…ああ、絶対に帰ってくる!だからいい子にしてるんだぞ…翠!頼む!」

 

「はい!…ウィンダ!」

 

《うん!全速力で行くよ!》

《キュイィィ!》

翠はキムンファルコスを召喚しこの場を一時離脱する。

 

 

「さて…精霊変身!!」

翠を見送った遊海はクリフォートの鎧を纏う…修復が終わっていないのか全身傷だらけになっている

 

「遊海…無理だけはしないで…!」

 

「わたし達も応援してるから…!」

 

「龍亞…龍可、お前達はここで見届けるんだ、遊星達の戦いを…お前達の信じる心が俺達の力になってくれるはずだから…!」

遊海は2人の頭を優しく撫でながら言葉を伝える

 

「牛尾さん、アキ…2人を頼む!」

 

「ええ…任せて!」

 

「お前こそ無事に帰って来いよ…遊海!」

 

「はい…それじゃあ戦いが終わったら会いましょう!…来い!『閃光竜』!!」

《キュオオオン!!》バサッ!

シグナーの痣を輝かせ遊海は閃光竜を召喚し冥界の王に向かって飛び立った…。

 

 

 

 

 

「勝負だゴドウィン!!オレ達のデュエルで冥界の王を止めてみせる!!」

 

【フッ…ルールは3対1の変則デュエル、貴方達には1人4000のライフを、私は3倍の12000のライフ…お互いに最初のターンは攻撃できない、異存はありませんね?】

 

「ねぇよ!」

 

「いくぞゴドウィン!これが俺達の…」

 

「最後の戦いだ!!!」

 

【いいでしょう…さぁ、儀式を始めるぞ!我は神となる!!!】

そしてついにこの世界の命運を決めるデュエルが始まった!

 

 

 

 

    「「「【デュエル!!】」」」

 

 

 

デュエルダイジェスト

 

超越者 レクス・ゴドウィン LP12000

 

クロウLP4000

ジャックLP4000

遊星LP4000

 

 

特殊ルール

変則ライティングデュエル

「スピードワールド」常時発動

 

初ターン攻撃不可

 

ターン進行

クロウ→ジャック→遊星→レクス

 

 

「オレのターン!ドロー!」

 

「『BFー銀盾のミストラル』を召喚!さらに手札の『BFー黒槍のブラスト』の効果により自身を特殊召喚!カードを1枚伏せターンエンド!」

クロウLP4000

 

「俺のターン!ドロー!」

 

「『マッドデーモン』を召喚!カードを伏せターンエンドだ!」

ジャックLP4000

 

「オレのターン!ドロー!」

 

「『マックスウォリアー』を召喚しカードを1枚伏せターンエンド!」

遊星LP4000

 

このデュエルではお互いに最初のターンは攻撃できない、遊星達はそれぞれモンスターを召喚し盤面を固める。

 

 

「ゴドウィン!何故お前はダークシグナーになった!俺達はお前からダークシグナーを倒せと言われたんだぞ!!」

 

【フン、簡単な話だ!赤き竜と冥界の王…この2柱の神の戦いに決着をつける為だ!!】

 

「なんだって…!?」

 

ゴドウィンは語る、5000年周期で行われてきた赤き竜と冥界の王の血みどろの戦争…そして17年前、レクスの兄・ルドガーの身体で始まった前哨戦、ルドガーはダークシグナーの力に支配されたが希望を繋ぐ為に左腕を切り落とし…ゼロ・リバースを起こした。

 

 

【私は我ら兄弟の運命に従い君達シグナーを集め…兄のもとに向かった、私はその時までにある結論に達していた、運命の底の底を見つめた果てに……私は兄に負けた】

 

クロウがボマーと戦っていた頃…レクスは旧モーメントでルドガーと対峙しデュエルを行った…結果はルドガーの勝利…それはレクスが手を抜いた仕組まれた勝利だった。

 

 

【私は兄に敗北しその死の間際に願ったのだ!「兄と同じく2つの神を身体に宿したダークシグナーになる」という願いを…!我は神となり赤き竜と邪神の戦いに決着をつける!冥界の王の力で世界を破壊し!赤き竜の力で世界を再生する!私が…我が!新世界を創造するのだ!!!】

 

「ふざけるなゴドウィン!!」

 

「そんな事の為にサテライトのガキどもや他の奴らも消えなきゃならなかったのか!?」

 

「このジャック・アトラス!貴様の妄想に付きあう気は無い!」

ゴドウィンの言葉を聞いた遊星達はゴドウィンに物申す!

 

「ゴドウィン!お前は間違っている!運命を変えるのは神の力じゃない!俺達が抗い勝ち取るものだ!!」

 

【笑止!では貴様らは何を以て戦うと言うのだ!】

 

「それは…俺達!仲間達との絆の力だ!!」

 

 

 

【いいだろう!お前達の言う絆の力など脆いものだと教えてやろう!我のターン!ドロー!】

 

【自分の場にモンスターがいない時!「太陽の神官」は特殊召喚できる!さらにチューナーモンスター「赤蟻アスカトル」を召喚!】

ゴドウィンのフィールドに太陽を祀る神官と赤蟻が現れる

 

【我はレベル5の「太陽の神官」にレベル3「アスカトル」をチューニング!】

 

5+3=8

 

【太陽昇りし時!全ての闇を照らし出す!降り注げ光よ!シンクロ召喚!いでよ!「太陽龍インティ」!】

フィールドに四本の首を持つ「シグナー」としてのゴドウィンのドラゴンが現れる、しかし展開はまだ終わらない。

 

 

【墓地の「アスカトル」を除外しデッキから「泣き神の石像」を特殊召喚!さらに1000のライフを払い手札の「DT 黒の女神ウィタカ」を特殊召喚する!】

黒いローブを着た魔女と石像が現れる

 

ゴドウィンLP12000→11000

 

【1ターンに一度「ウィタカ」のレベルは場のシンクロモンスターと同じにできる!よって「インティ」のレベルを得た「ウィタカ」はレベル8となる!我はレベル2の「泣き神の石像」にレベル8の「ウィタカ」をダークチューニング!】

 

2-8=-6

 

【闇に月満ちる時…魔の囁きが聞こえ出す!死へと誘え!ダークシンクロ!いでよ!「月影龍クイラ」!】

フィールドに4本の首を持つ「ダークシグナー」としてのゴドウィンのダークシンクロモンスターが現れる…しかし…

 

 

【「クイラ」は召喚されたターンのエンドフェイズに破壊される!カードを2枚伏せターンエンド!】

エンド宣言と共にクイラは雲の中に沈んでいった…。

ゴドウィンLP11000

 

 

「へっ…大層な登場した割にもう退場かよ!神だか運命だか知らねぇがよぉ…飛び越えてやるぜ!伝説のDホイーラの様になぁ!!」

クロウはゴドウィンに叫ぶ…昔サテライトに存在し、ダイダロスブリッジから空へと飛び立った伝説のDホイーラの想いを胸に宿しながら…

 

【フッ…「伝説のDホイーラー」ですか…、だが彼は代償として腕を失った…】

 

「…何を言ってやがる…?」

ゴドウィンは伝説のDホイーラーを馬鹿にするように呟いた。

 

 

「今は関係ねぇ…オレのターン!ドロー!」

 

「オレは『Spーチューンアップ123』を発動!ダイスロール!…出目は2だ!よって「ミストラル」のレベルを1アップする!オレはレベル4の『ブラスト』にレベル3になった「ミストラル」をチューニング!!」

 

3+4=7

 

「黒き旋風よ!天空に駆け上がる翼となれ!シンクロ召喚!現われろ!『BFーアーマード・ウィング』!!」

クロウのエースカードたる黒き翼の戦士が現れる

 

「さらに手札から『BFー漆黒のエルフェン』を召喚!このカードは自分フィールドにBFモンスターがいる時、リリース無しで召喚できる!」

その名の通り全身が漆黒の羽で覆われた鳥人が現れる

 

「バトルだ!『アーマードウィング』で『インティ』を攻撃!ブラックハリケーン!!」

アーマードウィングが飛翔しインティの本体である太陽に拳を叩き込む!…しかし。

 

【だが攻撃力は「インティ」が上!消え去るがいい!】

インティは2本の首でアーマードウィングを拘束し太陽から熱線を放ちアーマードウィングを消し飛ばす…だがアーマードウィングは無傷で後退する

 

「『アーマードウィング』が戦闘する時、このカードは破壊されず自分が受ける戦闘ダメージは0になる!そして『楔』は撃ち込んだぜ!」

 

【なに?】

攻撃を受けたインティには黒い棘が突き刺さっている…!

 

「『アーマードウィング』の効果だ!このカードが攻撃したモンスターに楔カウンターを置く!さらに、その楔カウンターを取り除いてそのモンスターの攻守を0にする!!」

楔が消え去りインティの身体に巨大な亀裂が刻まれる!

 

 

「『エルフェン』で『インティ』を攻撃だ!」

エルフェンはインティのもとまで飛び立ちその身体を斬り裂いた!

ゴドウィンLP11000→8800

 

 

【フッフッフッ…愚かな…!太陽に…神に歯向かう事は許されない事なのだ!…あの時、伝説のDホイーラーは左腕を失う事で嫌というほど思い知った…!】

 

「なにを言っているんだ…!」

 

「まさか…伝説のDホイーラーとは…!」

遊星は気づく、伝説のDホイーラー…失った左腕…そして今戦っているゴドウィンの話…それが1本の糸で繋がった…!

 

【「インティ」の効果を発動!このカードを破壊したモンスターを破壊し、そのモンスターの攻撃力分のダメージを相手に与える!神罰を受けるがいい!】

インティからの呪いがエルフェンを破壊し…祭壇からの雷撃がクロウに直撃する!

 

「うっ…うわぁぁぁ!!」

クロウLP4000→1800

 

 

「クロウ!無事か!!」

 

「チィ…なんとかな…!」

 

【フッ、頑丈なものだ…そして墓地の「インティ」の効果を発動!墓地の「クイラ」を特殊召喚する!日が沈めば月が闇夜を照らす、月が沈めば太陽は再び昇る!これが世界の理だ!】

雲の中からクイラが現れる…!

 

「ゴドウィン!聞きたい事がある!」

 

【なんだ?遊星】

 

「サテライトの伝説Dホイーラー…それはお前の事だな!!」

 

【いかにも!その通りだ!】

 

「「なんだと!?」」

クロウとジャックは驚愕する、サテライトの伝説の正体が目の前のレクスだと言う事に…!

 

【伝説のDホイーラーは学んだ!運命には抗えないと!…だがそれは凡人だからだ!くだらない人間だからだ!運命を変える為には人間を超越し神と為る!その時初めて奇跡は起きるのだと!!】

 

「ふ…ふざけんじゃねぇぇ!!オレは絶対に信じねぇ!オレ達の伝説を穢されてたまるかよぉぉ!!」

クロウは魂の雄叫びをあげる…伝説のDホイーラーにもっとも憧れたからこそ、その本人が世界を破滅させようとしている事が信じられないのだ。

 

【受け入れろクロウ・ホーガン、これが真実だ!…そして()()()()()!】

ゴドウィンが左腕を掲げる…それと呼応するように下さい遊星達のシグナーの痣が輝き()()()()()()()()()()()

 

 

「なっ…なんだと!?」

 

「痣が…消えちゃった…!?」

 

【フフフ…フハハハ!準備は整った!我は究極の神へと近づいたのだ!】

ゴドウィンの胸…そこには完成された赤き竜の痣が輝いていた…。

 

「そんな…!全ての痣がゴドウィンに…!?」

 

【諦めろ人間共!我に勝ち目は無い!…誰であろうとな…!】

 

「なに…!」

 

 

「ぐおあああ!!」

 

ズカーン!!

 

「「「なんだ!?」」」

ゴドウィンが勝利宣言をした瞬間、龍亞達の近くで爆発が起きる…否、その正体は…

 

「うっ…うぐああ…!」

 

「遊海さん!!」

 

「そんな…!」

瀕死となり身体を()()()()()遊海がクレーターの底で痛みに苦しんでいた…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side遊海

 

 

[オオオ…]ズシー…ン ズシー…ン

 

「あれが冥界の王か…!」

 

遊星達と別れた遊海は冥界の王の近くまで近づいていた、冥界の王はサテライトとシティ間の海峡を我が物顔で進んできていた。

 

「本当なら俺の手出しは不要だろう…だが、貴様を阻ませてもらう!『閃光竜』!海面スレスレまで行ってくれ!」

 

《キュオオ!!》

閃光竜は降下し海面近くで滞空する

 

「…本当ならやりたくないが…いくぞ!精霊転身!モードネクロス・トリシューラ!!…絶対零度!!」

 

ビキビキ…カチーン!

遊海は十数年振りにトリシューラの力を纏う、世界を氷結させた最強の龍の冷気は周囲の海水を氷結させ冥界の王の足を凍らせた。

 

[オオオ…!?]

 

「少しは効いたみたい…ゴボォ!!…クソッ…!やっぱり無理か…!」 

遊海は吐血し変身も解除される…身体がトリシューラの力に耐えられなかったのだ…。

 

「でも…この氷は簡単には溶けねぇ、あとは…!」

 

[オオオ!!]ブゥン!

 

「コイツを翻弄するだけだ!閃光竜!」

《キュオオン!!》

遊海に迫った巨大な腕をバレルロールで回避する、あくまで凍ったのは脚のみ…両腕は自由に動いてしまう、さらに…!

 

[ゴオオオ!!]バシュン!!

 

「くっ!?波動音壁!」

冥界の王が炎の息吹を放つが、それをバリアで受け止める…!

 

「あれが街に当たったら大変な事になる…閃光竜!上空を旋回しつつ流星閃撃で攻撃だ!」

《キュオオン!!》

 

閃光竜は上昇し光のエネルギーを打ち込むが冥界の王にはたいしたダメージは入っていない…冥界の王が腕を振り回し、遊海が避けて反撃する…その攻防が数分間続いた…。

 

 

「くそっ、ジリ貧だ…!攻撃力が足りねぇ!こうなったら…アヤカ!行けるか!!」  

 

《マスター!しかし身体が…!》

 

「俺の身体はどうでもいい!アイツを倒す事が先決だ…!」

17年前…その身に大量のマイナスエネルギーによる汚染を受けた遊海は著しく弱体化した、精霊アーマーはクリフォートの力しか使えず、精霊の実体化…特にアポクリフォート・キラーやラーの翼神竜などと言った強力なモンスターを召喚しようとすれば…一気に体力を使い切ってしまうだろう…

 

「アヤカ…頼むぞ…!我が魂を守りし機殻の王よ!今こそ顕現せ…うぐっ…!?」

相棒を召喚しようとした遊海の右腕に痛みが走る…そして…

 

《キュオオ…ン…》

「そんな…痣が…うわっ!?」

 

《マスター!!》

遊海の痣が消え去ると共に閃光竜も消滅する…赤き竜の痣はそれ自体が強い力をもっており、遊海はその力を使い閃光竜を実体化させていた…しかし痣が離れた事で閃光竜の実体化を維持できなくなり落下したのだ、そして…

 

[オオオオオオ!!!]

 

「しまっ…!」

 

ズガン!!

 

「ガハッ…!?」

遊海に冥界の王の手が直撃する…それは遊海に飛行機が直撃したような衝撃を与え、ボールのように吹き飛ばした…。

 

 

Sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぐああああっ…!!」

 

「おい!遊海!大丈夫か!!」

苦しむ遊海に牛尾が駆け寄る…しかし

 

「牛尾…さんっ!来ない…で…!汚染され…る…!!」

 

「なんだと…!」

遊海の身体は黒いエネルギーに汚染され黒く染まっていく…黒いエネルギーは遊海の体力を根こそぎ奪っていく…!

 

 

【フフフ…無様なものですね「失われし決闘王」白波 遊海!冥界の王は生贄を求めている!そこに自分から突っ込むなどとは!さぁ…冥界の王の生贄になるがいい!】

 

「うるせぇな…ゴドウィン…!俺を舐めるな…!伊達に何回も世界を救う手助けはしてねぇんだよ…!」

遊海はヨロヨロと立ち上がる

 

【フッ、やせ我慢を…我には見えているぞ遊海!貴様の身体も!魂も!冥界の色に染まっている!貴様はとっくに死していてもおかしくない筈だ!なぜまだ立ち上がる!】

 

「決まってるだろ…俺が『決闘王』の名を背負ってるからだ!我が友に懸けて、この程度の闇には屈する訳にはいかないんだよ…!」

遊海はゴドウィンを睨みつける…その白目は黒く染まっていく…!

 

【は、ハハハハ…!何を言っている!その闇に堕ちようとする身体で何ができる!!】

 

「遊海さん!」

 

「心配するな遊星…お前達はデュエルを続けろ…!俺は死にはしない、まだ俺の心は折れてはいない…!!」

遊海の肉体は黒く染まる…数多の悪意が遊海を侵食する…しかし遊海の瞳は未だ輝いている…!

 

 

 

「我、全てを破戒する者…全ての闇を乗り越え人を救う者…!我が身に満ちる闇よ…我に力を!!マイナスエネルギー…開放!!」

 

その瞬間、遊海の身体は闇に包まれた…。




今回のスピードスペル!

Spーチューンナップ123
通常魔法
自分のスピードカウンターが2個以上ある時発動できる。
①自分のモンスター1体を対象に発動できる。サイコロを振りその出目の半分の数値分、そのモンスターのレベルを上げる。
(出目が1の場合はレベルが1上がる)

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