転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

128 / 434
〜とある時代〜

「よし!かっとビングだ!!遺跡のNo.を見つける為に…出発だぁ!!」

「「「おー!!!」」」





「これは…この前に通った時より荒れてますわね…!?」

《これも先程の異変が関係しているのか…?》

ドガン!!
『うわぁぁぁ!』

「なっ…なんだぁ!?」

《っ…何かと衝突したらしい!不時着するぞ!!何かに捕まれ!!》

「「うわあああ!?」」

…これはもしものIF、とある世界の希望の創造者は目的地を外れ墜落する…その出会いは何を齎すのか…?


未来からの訪問者〜想定外の出会い〜

「ふぅ…久々にゆっくりできる…」

 

「いつもいつもお疲れ様です遊海さん!コーヒー飲みます?狭霧さんからトリシューラプリンを頂いたんですよ!」

 

「おっ!それは美味しそうだ!」

 

祝勝会から早1ヶ月が経った、シティとサテライトの復興作業も概ね終わり、あとはネオ・ダイダロスブリッジの本格開通を待つばかりである…そして今日は翠と共に久々の休みが取れたのでリラックスタイムである。

 

 

 

「甘ーい!これがシティで最高級のプリン…!」

 

「たしか『高価格・高人気・高カロリー』の三拍子が揃ったスイーツだったかな…前世で食べたプリンよりも美味いかもな…!」

シティの人気店「ターミナル・エイト」の看板メニューであるトリシューラプリン…流石である。

 

 

ツンツン

 

「ん?」

椅子に座っていた俺の胸あたりを誰かにつつかれる、視線を落とすと心なしか目を輝かせたフレアが俺を見上げていた…この流れは…

 

「…プリン食べる?」

 

《是非!!》

俺はスプーンでプリンを一口掬いフレアの口元に持っていく…

 

《いただきます!…!!》チュルン

フレアは一口でプリンを平らげると顔が弛み膝の上で蕩けたようになってしまった…なんだろう、前世で見たやる気のないフクロウの動画を思い出すな…

 

《甘くて美味しいです〜…》

 

「(遊戯やアテムに見られたらどんな反応するのかな…)」

 

《(たぶん目を丸くして驚くでしょうね…あっ、データを取れたので材料さえあればプリンの再現が可能になりましたよ?)》

 

「(…サラッと念話してるうえにデータいつの間に取ったんだ?アヤカ…)」

なお、この後…アヤカが中古の冷蔵庫を改造して「無限トリシューラプリン製造器」を造ったのはまた別の話である…まさか本当に作るとは…。

 

 

 

 

「でも…ついにこの時が来たか…」

俺は手元のA4の紙を見つめる、そこには…

 

『集え!最強の座を求めるDホイーラー!第1回WRGP(ワールド・ライディングデュエル・グランプリ)開催!』と書かれたポスターがあった、全世界から強者が集うであろうライディングデュエルの大会が遂に開催される…そして…。

 

 

「イリアステルの介入が始まるまであと2ヶ月…あいつと戦う日も近い…!」

 

「イリアステル滅四星のゲイザー…ですね」

 

「ああ…転生者だと思われる謎の男…アイツも絶対に出てくる…!決着をつけてやる…!」

 

 

イリアステル滅四星…それはこの時代から200年以上先「モーメントにより滅びた未来」からやって来る未来人達の事だ。

 

一人目は絶望の番人・アポリア

当初はルチアーノ・プラシド・ホセという「自分の人生で3度絶望を味わった時の自分」に分割し表向きのイリアステルのリーダーとして振る舞っていた、そしてWRGP決勝戦で正体を現し遊星やジャック達と激戦を繰り広げた。

 

二人目は戦律のアンチノミー

遊星にアクセルシンクロを伝える為にゾーンが全ての記憶を消して遊星達の「仲間」になるように送り込まれた男…アーククレイドルで自分の正体を思い出して遊星に希望を繋げた。

 

三人目は逆刹のパラドックス

モーメントが暴走する一因になった「デュエルモンスターズ」を破壊する為に過去へと遡りペガサス会長を殺そうとした男、記憶がないが…少なくとも2回俺は出会っているらしい…。

 

四人目…無限界帝・ZーONE

俺の知るイリアステルメンバーの中で唯一の生身の人間であり、他の「イリアステルメンバーの記憶を宿したアンドロイド」の創造主…年齢は少なくとも百歳以上、長い時間を孤独に過ごし未来を救う為に全てを捧げた偉人。

何度も過去を改変し未来を救おうとしたが未来を変える事はできず、さらに自身の寿命を感じ最終手段として「未来のネオドミノシティ」であるアーククレイドルを現在のネオドミノシティに衝突させモーメントごと全てを消そうとした男。

 

そして…謎の五人目、観測者・ゲイザー

17年前、突如として俺の前に現れた未来人の「転生者」…バトルシティ・レジェンドで自爆して死んだと思っていたが…ディヴァインによって瀕死状態だった俺の前に再び現れてあろう事か怪我の治療をしたらしい。

17年前は俺に対して凄まじい殺意を持っていたが…いったい奴の目的は…?

 

 

 

「…考えても仕方ないか、奴と対峙した時に直接聞けばいい…だが17年前のようにはいかないからな…!」

 

「遊海さん…」

翠は複雑な思いを抱いていた…翠とゲイザーには直接の面識は無い、あるとすればバトルシティにおいて遊海と戦う姿だけだった…そしてその時、翠は戦うゲイザーの姿を見て「哀しい」と思ってしまったのだ…それが何故かは自分でもわからなかった…。

 

 

「…空気が重くなっちゃったな…翠、ツーリングでも行こうか?」

 

「あっ!いいですねそれ!行きましょう!」

 

 

 

……

 

 

「うわ〜!速ーい!!」

 

「翠ー!落ちるなよ〜!」

 

現在、翠と二人乗りをして高速道路を疾走中である、前世と違って制限速度がないんだよな…

 

「このままサテライトの方まで行ってみようか?」

 

「了解です!風になりましょー!!」

 

「(翠ってもしかして…スピード狂の気があるのかな…?)よーし!行くぞ!ゴールデンドライブー!!!」

 

 

 

 

 

 

「あ〜楽しかった!これがスピードの世界なんですね!私もDホイール乗ってみようかな〜」

 

「まずはライセンスを取るところからだな!本気なら機体は頼んでおくよ?」

 

「はい!お願いします!」

サテライトからシティを一望できる高台にて遊海達は休息を取る…そこでは平和な時間が流れていた。

 

「翠…きっとこれから先、また激しい戦いになる…だけど俺は必ずこの町とお前を守ってみせる…!」

 

「…遊海さん、無理だけはしないでくださいね?いつも心配する私の身にもなってください…」

 

「ああ…無理はしない、全力を尽くすだけさ!」

 

「それまったく変わってないじゃないですかー!!」

 

「あはは…ごめんごめん、冗談だよ!」

 

「もう…」

こうして遊海と翠の平和な時間はこのまま過ぎて行く…と思われた、しかし…

 

 

《マスター!時空間の歪みを感知しました!何かが来ます!!》

 

「なんだと!?まだ早すぎる!イリアステルが来るのまだ2ヶ月も先のはずだぞ!?」

アヤカが注意を促す…そして()()()()()()()

 

「なっ…あれは!?」

遊海達の視線の先、そこでは「たくさんの歯車が合わさったような飛行船」がサテライトの外れへと落下していく様子があった…。

 

「遊海さん!!」

 

「ああ!行くぞ!!(なんで…なんでかっとび遊馬号がこの時代に…!?)」

遊海達はDホイールに跨り飛行船の落下地点へと向かった…。

 

 

 

 

 

 

 

Side???

 

 

 

 

「イテテ…皆大丈夫か〜?」

 

「うん、なんとか…」

 

「いきなりひどい目に遭いました…」

 

「たくっ…!なんなんだよさっきのは…!」

乗ってきた飛行船から投げ出された4人の子ども達は周囲を見回す…

 

「ていうか…ここは何処なんだ?目的地は森の中なんじゃなかったか?」

 

「たしかに…でもここは…一面の荒れ地ですね」

 

《遊馬!みんな!無事か!》

 

「アストラル!オレ達は無事だぜ!…ていうか…ここは何処なんだ?」

 

半透明の青い少年?が特徴的な髪型の少年…九十九 遊馬に話しかける、彼は未来でアストラルの記憶のカード『No.』を集めるために戦う勇士である。

 

 

《現在地は日本だ…ただし遊馬の故郷であるハートランドが生まれる前…過去の日本のようだ》

 

「か、過去〜!?オレ達タイムスリップしちまったって事か!?」

 

《ああ、飛行船に何かがぶつかった衝撃で時空間の穴に落ちてしまったらしい…それに今の衝撃で飛行船が故障してしまったようだ、修理をしなければならない》

 

「マジかよ!?アストラル直せるか?」

 

《ああ、そこまで致命的なものでは無い…1時間もあれば終わるだろう、その間周囲の見張りを頼む…ここは過去の世界だ、何が起きるかわからない》

 

「ああわかった!頼むぜアストラル!」

 

《ああ、それでは修理に…》

 

「待て、アストラル、遊馬!誰か来るぞ!!」

 

「《!?》」

 

ブルル…キキーッ!

 

紫髪の少年・神代 凌牙の声で二人は警戒する…そして五人の前に1台のバイクが現れ停車する…。

 

「これは…!お前達怪我はないか?飛行船が落下するのを見て駆けつけたんだ!」

 

「私達は敵ではないわ、安心して!」

赤帽子の青年と紫髪の少女がそう声を掛けてきた

 

 

 

Sideout

 

 

 

 

 

 

「(おいおい…本当に遊馬達じゃないか…!メンバー的に『No.44』を探しに行く最中か?)」

飛行船の落下地点に到着した俺は内心焦りを隠せないでいた…目の前にいるのは跳ねた赤い前髪が特徴な少年…ZEXALの主人公・九十九 遊馬と半透明の青い少年アストラル、その彼女(?)である観月 小鳥、そして遊馬のライバルであり後の「バリアン七皇」の1人・ナッシュこと神代 凌牙と妹である璃緒が揃っていた…なんでこんな場所にいるんだ!?

 

 

《すまない、私達は事故でこの場所に不時着してしまったのだ…ここは何処だろうか?》

 

「ここは日本・ネオドミノシティの旧サテライトだ…とりあえず怪我が無いようでよかった、俺は白波 遊海、そして妻の翠だ」

 

《そうか…情報提供感謝する、そして…》

 

「アンタ達…何者だ?アストラルに驚かないばかりか飛行船まで見えてるみたいだからな…!まさかバリアンの手先か!!」

 

「あっ…!(しまった!?アストラルは普通の人間には見えないんだった!?)」

 

 

「おい二人ともどうしたんだよ!?この人達はオレ達を心配して来てくれたんだぞ!?」

 

《遊馬…彼らからは複数のNo.の力を感じる…!彼らは少なくともただの人間では無い…!》

 

「なんだって…!?」

その言葉を聞いた遊馬も表情を険しくする

 

《ユウミと言ったな…私達はNo.というカードを集めているのだが…心当たりはないか?》

 

「それは…(しまった…どうする…!)」

 

《沈黙は肯定と判断する!遊馬!彼とデュエルするんだ!》

 

「わかった!…ちょっと気分が引けるけどしょうがねぇ!かっとビングだ!」

 

「遊海さん…!」

 

「こうなったらしょうがない…!デュエルで説得する!!」

 

 

 

 

『デュエルディスクセット!Dゲイザーセット!』

 

「デュエルディスク・マスタールール3開放!ハアッ!」

デュエルディスクが展開し右目の周りに模様が現れる。

 

 

【ARビジョン・リンク完了…デュエルターゲット・ロックオン!】

 

 

 

「『デュエル!!』」

 

 

 

遊馬LP4000

遊海LP4000

 

 

 

 

 

『オレのターン!ドロー!』

《遊馬!最初から全力でいくんだ!》

 

『わかった!オレは「ゴゴゴ・ゴーレム」を召喚!』

モノアイの巨人が現れる ATK1800

 

『さらにレベル4モンスターの召喚に成功した時!「カゲトカゲ」は特殊召喚できる!』

ゴーレムの影から薄いトカゲが這い出してくる ATK1100

 

『いくぜ!オレはレベル4の「ゴゴゴゴーレム」と「カゲトカゲ」でオーバレイ!!』

 

No.39

 

『2体のモンスターでオーバレイネットワークを構築…エクシーズ召喚!!現われろ!「No.39希望皇ホープ」!』

《ホープ!!》

銀河から白い塔が現れ光の戦士へと変形する! ATK2500

 

「エクシーズ召喚…いきなりか…!」

 

『オレはカードを2枚伏せてターンエンド!』

遊馬LP4000

ホープ 伏せ2 手札2

 

 

 

 

 

「俺のターン!ドロー!!」

「手札の『連撃の帝王』を墓地に送り魔法カード『汎神の帝王』を発動!2ドロー!さらに墓地から『汎神』を除外し効果発動!デッキから三枚の『帝王』となのついたカードを相手にみせ相手の選んだ1枚を手札に加える!俺は三枚の『帝王の深怨』を見せる!」

 

「全部同じカードじゃねぇか!?」

《計算されたプレイングだ…!彼は並のデュエリストではない!》

 

 

「俺は手札の『烈風帝ライザー』を公開し魔法カード『帝王の深怨』を発動!効果によりデッキからフィールド魔法『真帝王領域』を手札に加え…発動!」

フィールドがギリシャ調の神殿に変わる

 

「そして『天帝従騎イデア』を召喚!さらに効果によりデッキから『冥帝従騎エイドス』を特殊召喚!」

光の騎士と闇の魔法騎士が現れる ATK800 DEF1000

 

 

「攻撃力800…?しかも通常召喚もした…エクシーズ召喚もできないけど…?」

《遊馬!油断するな!》

 

「『エイドス』を召喚したターン、俺は追加でアドバンス召喚ができる!2体のモンスターをリリース!現われろ!『天帝アイテール』!」

天空から天界を治める帝が降臨する ATK2800

 

「アドバンス召喚モンスター…!」

 

「さらにリリースされた『イデア』の効果発動!除外されている『汎神』を墓地に戻す!さらに『アイテール』の効果!デッキの魔法カード『帝王の開岩』と『再臨の帝王』を墓地に送り…デッキから現われろ!『怨邪帝ガイウス』!」

天帝がゲートを開くと禍々しい闇の帝王が現れる ATK2800

 

「そんな…!高い攻撃力のモンスターが2体も…!」

 

 

「バトル!『エイドス』で『ホープ』を攻撃!邪帝滅殺撃!」

 

《遊馬!》

 

「わかってる!『ホープ』の効果を発動!自身のORUを一つ使い、攻撃を無効にする!ムーンバリア!」

ORUを吸収したホープは邪帝の拳を受け止める!

 

「ならば『アイテール』で『ホープ』を攻撃!天帝の怒り!」

 

「もう一度ムーンバリア!」

天空からの魔力弾を再び無敵のシールドが受け止める!

 

「ッ…やはり硬い…!」

 

《今だ!遊馬!》

「応っ!リバースカード『反発力』発動!相手モンスターの攻撃が無効になった時!戦闘を行なうはずだった2体の攻撃の差分のダメージを与える!300ダメージだ!」

遊馬の罠からちいさな悪魔が飛び出し俺に突進する

 

「痛てッ!?」

遊海LP4000→3700

 

「くっ…カードを伏せてターンエンド!『アイテール』の効果で特殊召喚された『ガイウス』は手札に戻る!」

遊海LP3700

アイテール 真帝王領域 伏せ1 手札3

 

 

 

 

「オレのターン!ドロー!」

《「アイテール」の攻撃力は「ホープ」より上だ、戦法を変えるぞ!》

 

「応!『ガガガガール』を召喚!」

着崩した魔法使いの服を着た少女が現れる ATK1000

 

「さらに装備魔法『ワンダーワンド』を『ガガガガール』に装備!そして『ワンダーワンド』の効果発動!装備モンスターをリリースする事で2ドロー!」

ガールが緑色の宝玉が付いた杖を装備する、さらに杖を振りマスターである遊馬に祝福を与える。

 

「よし!来たぜ!魔法カード『RUMーヌメロン・フォース』を発動!『希望皇ホープ』でオーバレイネッ【ビー!ビー!】なんだ!?」 

《「ヌメロンフォース」が発動できないだと!?》

 

「そんな…なんでよ!?」

 

遊馬がドローしたのは希望の象徴「ヌメロンフォース」…しかしデュエルディスクはエラー音を発し効果が発動しない!

 

「悪いな、フィールド魔法『真帝王領域』の効果だ、俺の場にアドバンス召喚したモンスターがいる限り相手はエクストラデッキからの特殊召喚はできなくなる」

 

「なんだって!?」

「『ヌメロンフォース』の効果無効が発動するのはランクアップの後…遊馬の手が読まれている…!奴はいったい…!」

 

「くっ…ターンエンドだ!」

 

「エンドフェイズにリバースカード!永続罠『真源の帝王』を発動!墓地の『連撃』と『深怨』をデッキに戻して1ドロー!」

 

遊馬LP4000

ホープ 伏せ2 手札3(内1枚『ヌメロンフォース』)

 

 

 

 

《攻防一体のデッキ…エクストラデッキからの特殊召喚メタ…隙がまったく無い、彼はカイト以上のデュエリストだ…!》

 

「でも負ける訳にはいかねぇ…相手がバリアンなら尚更だ…!」

 

 

「(どうしたもんかなぁ、話すタイミングが…遊馬達はなんだかヒートアップしてるし…早めに誤解を解いた方がよさそうだな…)」

 

 

 

「俺のターン!ドロー!」

「永続魔法『進撃の帝王』を発動!さらに再び墓地の『汎神』を除外して効果発動!再びデッキの『深怨』3枚を公開し1枚を手札に加える!そして『深怨』を発動!手札の『烈風帝ライザー』を公開しデッキから『帝王の烈旋』を手札に加える!さらに『真源』の効果を発動!墓地の『開岩』と『深怨』をデッキに戻して1ドロー!」

 

「動きが止まらねぇ!?」

 

「すまない…これで終わりだ、魔法カード『帝王の烈旋』を発動!さらに手札の魔法カード『帝王の凍気』の効果発動!フィールドに攻撃力2400以上守備力1000のモンスターがいる時、相手のセットカードを破壊する!右の伏せカードだ!」

 

「『エクシーズリボーン』が!?」

 

「さらに墓地に送られた『凍気』の効果発動、墓地の『再臨』と共に除外する事でさらにセットカードを1枚破壊する!」

 

《っ…『ダメージ・ダイエット』までも…!》

 

「そして『真帝王領域』の効果発動!手札の『ライザー』を公開しそのレベルを2つ下げる!これでレベル8の『ライザー』は生贄1体で召喚できる!俺は遊馬の場の『希望皇ホープ』をリリースする!」

 

「《なんだって!?/なんだと!?》」

遊海の宣言と共に希望皇ホープが竜巻に飲み込まれる!

 

「俺がさっき発動した『烈旋』の効果…それは発動したターン、アドバンス召喚をする時に相手モンスターを生贄にできる効果だ!現れろ!『烈風帝ライザー』!」

ホープを包んだ竜巻が遊海の場に移動する…そして竜巻が消え緑色の鎧の帝王が現れる ATK2800

 

「バトルだ!『ライザー』でダイレクトアタック!風帝嵐撃!」

ライザーの凝縮された嵐の力が遊馬に襲いかかる!

 

「うわあぁぁ!?」

遊馬LP4000→1200

 

「さらに『アイテール』で追撃!天帝の怒り!」

天空から魔力弾が降り注ぐ!

 

《遊馬!》

「わかってる!手札から『ガガガガードナー』を特殊召喚!このカードは相手から直接攻撃を受ける時に特殊召喚できる!」

盾を持ったヤンキーが現れ攻撃を全て受け止め破壊される。

 

「よく耐えたな…俺はターンエンドだ!」

遊海LP4000

アイテール ライザー 真帝王領域 進撃 真源 手札3

 

 

 

 

《遊馬!大丈夫か!?》

「ああ、アストラル…まだいけるぜ…!!」

 

《ならば…このドローに全てを賭ける!ZEXALだ!》

 

「ああ!でも…この世界で使えるのか?」

 

《できなければ負けてしまう…いくぞ!!》

遊馬とアストラルは顔を見合わせ覚悟を決める!

 

 

「かっとビングだ!オレ!!オレ自身とお前で!オーバーレイ!!」

遊馬とアストラルが赤と青の光に変化し上空に飛び立つ!

 

《私達二人でオーバレイネットワークを構築!》

 

『希望に輝く心と心…二つを結ぶ強い絆が奇跡を起こす!エクシーズチェンジ…ZEXAL!!』

上空で赤と青の光が合わさり光の大爆発が起きる…現れるのは闇を光に変える、強き絆の戦士…ZEXALⅡ!!

 

「遊馬…アストラル…!」

 

「デュエリスト同士が合体した…!(これがZEXAL!!凄まじい力だ…!)」

 

 

『オレのターン!…全ての光よ!力よ!我が右腕に宿り、希望の光を照らせ!シャイニング…ドロー!!』

遊馬…否、ZEXALのデッキトップが輝き勝利に導くカードがドローされる!

 

 

 

『魔法カード「貪欲な壺」を発動!墓地の「ゴゴゴゴーレム」「カゲトカゲ」「ガガガガール」「ガガガガードナー」「希望皇ホープ」をデッキに戻し2枚ドローする!ダブルシャイニングドロー!!』

再びデッキトップが輝き2枚のカードがドローされる!

 

『「サイクロン」を発動!「真帝王領域」を破壊する!』

 

「っ…!手札から『増殖するG』の効果発動!相手が特殊召喚する度に1ドローする!」

フィールドに嵐が吹き荒れ、景色が元の荒野に戻る

 

『そして「ゴブリンドバーグ」を召喚!』

プラペラ飛行機に乗ったゴブリンの編隊が現れる ATK1400

 

「『ゴブリンドバーグ』の効果発動!手札のレベル4モンスター『ガガガマジシャン』を特殊召喚する!」

ゴブリンの編隊がコンテナを開く…その中から着崩した魔法使いの服を着て背中に「我」の文字のある青年が現れる ATK1500

 

「1ドロー!」

 

『オレはレベル4の「ガガガマジシャン」と「ゴブリンドバーグ」でオーバレイ!』

 

No.39

 

『再び現れろ!「希望皇ホープ」!!』

再び希望の戦士が降臨する ATK2500

 

「1ドロー!」

 

『さらにオレは魔法カード「RUMーヌメロンフォース」を発動!「希望皇ホープ」1体でオーバレイネットワークを再構築!!カオスエクシーズチェンジ!!』

ホープが光に変わり銀河に飛び込む!

 

「っ…チェーンして『真源』の効果を発動!墓地の『領域』『烈旋』を戻して1ドロー!!」

 

No.39

 

『現れろ!CNo.39!希望に輝く魂よ!森羅万象を網羅し!未来を導く力となれ!「希望皇ホープレイ・ヴィクトリー」!』

 

「1ドローだ!」

ホープが赤と白の鎧を纏う、これこそは遊馬とアストラル…二人の絆が生み出したホープの新たな姿だった ATK2800

 

 

『そして「ヌメロンフォース」が発動した事で「ヴィクトリー」以外の表側表示のカードの効果は全て無効になる!バトルだ!「ヴィクトリー」で「アイテール」を攻撃!さらに「ヴィクトリー」の効果を発動!このカードがモンスターを攻撃する時、そのモンスターの効果は無効となり「ヴィクトリー」の攻撃力はその攻撃力分アップする!ビクトリーチャージ!!』

ヴィクトリーに格納されていた第三・第四の腕が現れ四刀流になる!

ATK2800→5600

 

『「ヴィクトリー」で「アイテール」を攻撃!ホープ剣ヴィクトリー・スラッシュ!!』

 

4刀流となったホープの剣が振り下ろされアイテールが砕け散り大爆発を起こす!

 

「ぐおおおっ!?」

遊海LP4000→1200

 

 

『オレはカードを伏せ…ターンエンド!』

ZEXAL LP1200

ホープレイヴィクトリー 伏せ1 手札0

 

 

 

「ぐっ…ゴホッ!ゴホッ!…効いたぁ…流石につら…ガフッ…!」

 

「遊海さん!!」

アイテールの爆発に巻き込まれた遊海…ZEXALの纏うフィールは凄まじく肉体的にも大ダメージを受けてしまう。

 

『おい!アンタ…血が…!』

 

「気にするな…ちょっとした体質でね…ZEXALか…確かに凄まじい力だ、だが俺が背負う名に懸けて負ける訳にはいかないなぁ…!」

 

《背負う名だと…?》

 

『アンタ…いったい何者なんだ?』

ZEXALは遊海に問いかける

 

「名乗るタイミングがなかったからな…改めて名乗ろう!我が名は白波 遊海…古き友から受け継いだ称号は『決闘王』!その名に懸けて…お前達を倒す!!」 

 

『決闘王だって…!?』

《聞いた事がある…はるか昔、古代エジプトのあるファラオがその名で呼ばれた事があると…!彼はこの時代でその名を継いだ人物なのか…!?》

 

「さぁいくぜ希望の戦士!俺の力をその身に刻め!!」

 

 

 

「俺のターン!…ドロー!!」

「再び魔法カード『帝王の烈旋』を発動!」

 

『やらせない!カウンター罠「ゴブリンのその場しのぎ」を発動!500ライフを払い魔法カードの発動を無効にし手札に戻す!』

ZEXAL LP1200→700

 

「『烈旋』の発動は1ターンに一度のみ…しかし準備は整った!」

 

『なんだと!?』

 

「相手の場に『家臣トークン』を特殊召喚する事で『雷帝家臣ミスラ』は特殊召喚できる!」

雷を纏った鎧の女性が現れる ATK800

 

さらにZEXALの場にミスラに瓜二つのトークンが現れる DEF1000

 

「そして『ミスラ』をリリースし『邪帝ガイウス』をアドバンス召喚!」

闇を纏う帝王が現れる ATK2400

 

 

「『ガイウス』の効果!『家臣トークン』を除外する!」

ガイウスが魔力を込めた球を家臣トークンに投げつける…そしてトークンは異次元に消え去った…

 

『何故「ホープ」ではなくトークンを…?』

 

「フッ…その答えはこれだ!『ミスラ』をリリースした事で効果が発動している!俺は追加でアドバンス召喚を行なう事ができる!そして…このカードはアドバンス召喚したモンスター1体でアドバンス召喚できる!進化せよ!『怨邪帝ガイウス』!!」

ガイウスがさらなる鎧を纏い進化を遂げる ATK2800

 

『そのモンスターは…!』

《1ターン目に「アイテール」の効果で特殊召喚されたモンスター…!!》

 

「『ガイウス』の効果を発動!アドバンス召喚に成功した時!相手の場のカード1枚を除外し1000ダメージを与える!受けろ!邪帝抹殺波!!」

ガイウスが腕を地面に叩きつける…そこから闇が広がりホープをのみこみ爆発を起こした!

 

「《うわあぁぁ!!》」

 

「遊馬!アストラル!!」

遊馬&アストラル LP0

 

遊海WIN!

 

 

 

 

 

 

「っ…!遊馬!アストラル!無事か!?」

デュエルの直後、凌牙達が倒れた遊馬達に駆け寄る

 

「イテテ…オレは大丈夫…あ!?アストラル!?」

 

《心配するな遊馬…私も無事だ、…どうやら私達は見逃されたようだ…》

倒れた遊馬の隣にアストラルが現れる、二人の身体は土汚れこそ付いているものの、大きな怪我はしていなかった。

 

 

「すまない、なるべく加減はしたんだが…大丈夫か?」

 

「ああ…アンタよりかは大丈夫だと思うぜ…」

遊海がゆっくりと歩いてくる、服はボロボロで身体も傷だらけになっている…見方によっては遊海が負けたように見えるだろう…。

 

 

「気にするな、そもそも俺のせいだからな…アストラルだったか?お前の感じたNo.の気配は…これだろ?」シュッ!

遊海は1枚のカードをアストラルに投げ渡す

 

《なっ…これは…!?》

 

「どうしたんだよアストラル?そんなに驚いて…ええ!?!?」

遊海の渡したカードを見た遊馬とアストラルは驚きのあまりフリーズしてしまう。

 

 

「おい…何を驚いてるんだ?…なっ…もう一枚の『ホープ』だと!?」

二人の間からカードを見た凌牙が目にしたのは遊馬達の持つ『ホープ』と瓜二つのカード『A(アナザー) No.39希望皇ホープ』だった。

 

「なんで『ホープ』がもう1枚あるんだ!?」

 

《待て…効果が違う!『No.』との戦闘でないと破壊されない効果が無く…エクシーズ素材が無い時に攻撃されると破壊される効果を持っている…!》

 

「俺と翠の出自は少し特殊でね…そのカードはお前達の求めるカードとは違うだろう?」

 

《…このカードには…私の記憶は宿っていない…遊馬、私達は勘違いでデュエルを挑んでしまったようだ…》

 

「マジかよ…ハッ!?…す、すみませんでしたぁぁぁ!!」

荒野に遊馬の謝罪の声が響き渡った…。

 

 

 

 

 

 

 

《一度死を経験した上での転生…そんな事があるのか…》

 

「ああ、それにしても驚いた…まさかタイムスリップどころか平行世界を移動してこの世界に来るなんて…デュエルモンスターズは不思議なもんだ…」

俺とアストラルは情報を交換する、そしてわかったのは遊馬達が「この世界の未来」では無く『アニメ寄りの未来』からやって来た事だろう…その根拠はもちろんシンクロ召喚の有無である、どうやらドルべと超空間で衝突しこの世界に落ちたようだ…。

 

 

「お前達は遺跡のNo.を探しに行く途中だったな?」

 

《ああ、早く元の世界に戻らなければ…》

 

「なら飛行船の修理を手伝おう…アヤカ、いけるか?」

 

《はい!マスター!お任せください!》

 

《デュエルモンスターズの精霊の実体化…驚きだ…だが修理を手伝ってもらえるならありがたい、協力を頼むアヤカ》

 

《えぇ!任せてください!》

 

 

その後二人がかりで修理をおこない、30分程で修理は終わった。

 

 

 

 

 

 

「座標は既にセットしてある、これで元の世界に戻れる筈だ」

 

「遊海…すまねぇ、オレ達の勘違いで…」

 

「気にするな遊馬、失敗は誰にだってあるさ…人は失敗と成功を繰り返して成長する…そういう生き物だよ」

 

「遊海…ああ!失敗は成功の母だ!」

 

「ふっ、その意気だ…遊馬、1人のデュエリストとして一つ助言をしよう」

 

「?」

 

「『お前はお前のままでいい』…どんなに辛くても自分の進んだ道を…かっとビングを信じろ、必ずお前は世界を救えるだろう!」

 

「遊海…応!かっとビングだ!オレ!!」

 

「ああ!かっとビングだ!遊馬!」

遊海と遊馬は拳を合わせエールを贈りあった…。

 

 

 

 

「遊海…疑って悪かったな…」

 

「気にするな凌牙…紛らわしい事をしたのは俺だからな…。そうだ…お前にもアドバイスだ」

 

「なんだ?」

 

「『自分を見失うな』…俺から言えるのはこれだけだ、何かに迷ったら今までの事を思い返せ…必ず答えは出る」

 

「…?わかった、心の隅に覚えておくぜ」

 

 

 

 

「じゃあな遊海!またいつか会えたらデュエルしようぜ!」

 

「ああ!じゃあな遊馬!世界を救う勇者!」

 

ウィーン…ゴゴゴ…

飛行船が浮上し空間に穴が開く…そして飛行船は超空間へと消えていった…。

 

 

 

「行っちゃいましたね…」

 

「ああ、でも…あいつらならきっと大丈夫だ!…さぁ帰ゴフッ!」

 

「きゃ〜!?遊海さーん!?」

 

 

こうしてあり得ざる異世界との交流は幕引きを迎えたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

Side遊馬

 

 

「しっかし…強かったな〜遊海…でも次は絶対に勝ってやるぜ!」

 

《遊馬…それは難しいかもしれないぞ》

 

「えっ…?なんでだよアストラル?」

飛行船にてあり得ざる出会いを経験した遊馬は異世界の決闘王にリベンジに燃えるが…アストラルがそれを制する…。

 

《彼に見せられた「A No.」…アレには私の記憶は宿っていなかったが…その代わり彼の記憶の一部が宿っていた。…先程の彼はおそらく本気の2割も出していないだろう…!》

 

「な、なんだって…!!」

 

《彼は幾度も困難な敵を相手にし、それに勝利している…「決闘王」の名に偽りは無い、彼は全ての決闘者の頂点に立つ男だ…!》

 

「そうなのか…でも、わずかでも勝てる可能性があるなら…オレは…オレ達は勝利を掴んでみせる!かっとビングだ!オレ!!」

 

《…君は相変わらずだな遊馬…そうだな、遊馬と私がいれば不可能な事など無い!次こそは勝つぞ!遊馬!!》

 

「応!!」

 

 

勇士達は異次元を進む…その後、彼らが障害を越え、3つの世界を救ったのはまた別の話である。




というわけで…遊戯王ZEXALから遊馬達の先行登場でした!
彼らの世界は「アニメ寄りの平行世界」なのでこの後に出てくる「遊海のいる世界」の遊馬達とは別人となるのであしからず…。

今回も読んで頂きありがとうございました!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。