転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話 作:S,K
「お疲れ様です海馬社長!」
『うむ、よく来た、では…早速頼むぞ!』
「はい!」
とある休日、海馬社長に呼び出された俺はKCのテストサーキットに来ていた。
『今回はWRGP開催に合わせた新たなフィールド魔法…「スピード・ワールド2」のテストプレイをしてもらう!準備はいいな?』
「はい!…それで対戦相手は…ライディングロイドですか?」
ライディングロイド…5D's本編でイリアステルに盗まれ「ゴースト」や「ディアブロ」と呼ばれる元々はDホイーラー検挙のためのロボットである。
『いや、今回はアレではない…これだ!!』ポチッ
海馬社長がリモコンを作動させる…そして1台の流線型のバイクが自動運転で走ってくる、どことなくブルーアイズを彷彿とさせるデザインだが…まさか…
『これはオレ専用のDホイール「ブルーアイズバースト」…今回のテストプレイの相手はオレだ!』
そういうと海馬社長はヘルメットを被りDホイールに跨がる。
「マジですか…!?」
『いたって真剣だ!…アテムとの戦いで久々に熱い魂を呼び起こされたのだ…手加減はいらん!デュエルだ!』
「受けて立ちます…海馬さん!!」
【ライディングデュエル・スタンバイ…ニューシステムアップデート…コンプリート!!】
「『ライディングデュエル!アクセラレーション!!』」
海馬LP4000 SP0
遊海LP4000 SP0
特殊ルール ライディングデュエル
スピードワールド2常時発動
『オレのターン!ドロー!』SP0→1
『「Spーオーバー・ブースト」を発動!自分のスピードカウンターをエンドフェイズまで4つ増やす!』SP1→5
『さらに「Spースピードフュージョン」を発動!自分のスピードカウンターが4つ以上ある時!自分の手札・フィールドのモンスターを墓地に送り融合召喚扱いで融合モンスターをエクストラデッキから特殊召喚する!オレは手札の「青眼の白龍」2体を融合!現れろ!「
2体の龍が融合し双頭のブルーアイズが現れる ATK3000
「いきなりか…!」
『さらに「青き眼の乙女」を召喚!』
白く美しい髪を持った青目の少女が現れる ATK0
『カードを1枚伏せターンエンド!「オーバーブースト」の効果でオレのスピードカウンターは1つになる!』
海馬LP4000 SP1
爆裂龍 乙女 伏せ1 手札0
「容赦ないですね海馬さん!というか前より強くなってません!?」
『フン!当たり前だ!オレは社長であると共に決闘者だ!…お前と遊戯を超えるために研鑚を積んできたのだ!!』
「そうですか…なら俺も本気でいきますよ!!」
「俺のターン!ドロー!」SP1→2
「相手フィールドにレベル5以上のモンスターがいる時!手札の『ジャンク・ジャイアント』は特殊召喚できる!」
両肩にドリルの付いた巨人が現れる DEF2400
「そして手札の『レベルスティーラー』を墓地に送る事で『クイックシンクロン』は特殊召喚できる!」
ガンマン風の姿をしたロボットが現れる ATK700
「さらに『クイックシンクロン』のレベルを一つ下げる事で墓地の『レベルスティーラー』は特殊召喚できる!」
クイックシンクロンのレベルを喰らい一つ星のてんとう虫が現れる ATK600
クイック☆5→4
「『クイックシンクロン』は『シンクロン』と名のつくチューナーの代わりにシンクロ素材にできる!俺はレベル1の『レベルスティーラー』にレベル4の『クイックシンクロン』をチューニング!」
1+4=5
「集いし星が音速の戦士を呼び覚ます!シンクロ召喚!突撃せよ!『ジェット・ウォリアー』!」
黒い機体の戦士が現れる ATK2100
「『ジェットウォリアー』の効果発動!シンクロ召喚に成功した時!相手の場のカードを1枚手札に戻す!俺が選ぶのは『双爆裂龍』!ジェットバウンス!」
『させん!リバース罠「亜空間物質転送装置」を発動!エンドフェイズまで「双爆裂龍」を除外する!』
ジェットウォリアーのジェットエンジンが作動し双爆裂龍を吹き飛ばそうとするが、亜空間へと飛ばされた事で効果が不発となる。
「なら『ジェット・シンクロン』を召喚!」
青と白のカラーリングのジェットエンジン型ロボットが現れる ATK500
「そして再び墓地の『レベルスティーラー』の効果を発動!『ジェットウォリアー』のレベルを一つ下げ、自身を特殊召喚!」
レベルを喰らい再びてんとう虫が現れる ATK600
ジェット☆5→4
「俺はレベル6の『ジャンクジャイアント』とレベル1『レベルスティーラー』にレベル1の『ジェットシンクロン』をチューニング!」
6+1+1=8
「星海を切り裂く一筋の閃光よ!魂を震わし世界に轟け!シンクロ召喚!現れろ!『閃光竜スターダスト』!」
光を纏い遊海の守護竜である決闘竜の1体が降臨する ATK2500
『来たか…「スターダストドラゴン」に酷似したお前のドラゴン…!』
「さらに墓地から『ジェットシンクロン』の効果を発動!手札を1枚捨て自身を特殊召喚する!…ただしこのカードはフィールドを離れたら除外される!」
再びエンジン型のロボットが現れる ATK500
「そして俺はレベル4の『ジェットウォリアー』にレベル1『ジェットシンクロン』をチューニング!」
4+1=5
「速さを求める魂が!新たな力を覚醒する!シンクロ召喚!疾走せよ!『アクセル・シンクロン』!」
胴体がバイクになっているロボットが現れる DEF2100
「『アクセルシンクロン』の効果発動!デッキからレベル3『ジャンクシンクロン』を墓地に送り、このモンスターのレベルを3下げる!」
アクセルシンクロンはジャンクシンクロンのデータを読み込みレベルを変動させる ☆5→2
「(今出せる…全力で!!)俺は!レベル8の『閃光竜』にレベル2となった『アクセルシンクロン』をチューニング!!」
『それは…!17年前の!!』
8+2=10
「集いし力が拳に宿り!鋼を砕く意志と化す!アクセル…シンクロォォォ!!!」
その一瞬、遊海のDホイールは目視できるスピードを超え…限界を超えたDホイールは海馬の目の前から消え去る!
『なっ…遊海が消えただと!?』
海馬の目の前から消えた遊海…しかし、それは一瞬の事…ソニックブームを起こしながら再び遊海、そしてスターダストの面影を持つ戦士が現れる!
「現れろ!神速の戦士!『スターダスト・ウォリアー』!!」
ATK3000
『シンクロモンスター同士でのシンクロ召喚だと…!まだ我が社でも開発できていないぞ…!』
「これが今出せる俺の全力です!俺はさらに『スターダストウォリアー』のレベルを下げる事で再び『レベルスティーラー』を特殊召喚!」
三度、てんとう虫が現れる…もはや過労死レベルである ATK600 ☆10→9
「バトル!『スターダストウォリアー』で『青き眼の乙女』を攻撃!シューティング・スター・フィスト!!」
神速の拳が乙女へと振るわれる!
『させん!「乙女」の効果発動!攻撃対象となった時!攻撃を無効にし、このカードを守備表示に変更!さらにデッキから現れろ!我が魂!『青眼の白龍』!!』
《La〜…》
乙女が跪き祈りを捧げる、スターダストウォリアーの拳はバリアに防がれ…天空から伝説の龍が降臨せんとする…! ATK0→DEF0
「させない!『スターダストウォリアー』の効果発動!自身をリリースしモンスターの特殊召喚を無効にし破壊する!ヴィクテムカウンター!」
神速の戦士がその身を粒子に変える…そして降臨しかけた龍は消え去った…。
『チィ…これがお前の本気か遊海…!』
「えぇ!これが人類の行き着くシンクロ召喚の極致!アクセルシンクロ!…俺はこのままターンエンド!エンドフェイズに『スターダストウォリアー』は戻ってくる!」
『そしてオレの「双爆裂龍」も帰還する!』
海馬の場に再び双頭の白龍が現れる ATK3000
遊海LP4000 SP1
スターダストウォリアー 手札1
『オレのターン!ドロー!!』SP2→3
『バトルだ!「双爆裂龍」で「レベルスティーラー」と『スターダストウォリアー』を攻撃!「双爆裂龍」はモンスターに対し二回攻撃ができる!喰らえ!撃滅のツインバースト!!』
2本の首がそれぞれエネルギーを貯め「滅びのバーストストリーム」を放つ!
「『双爆裂龍』の『スターダストウォリアー』に対する攻撃時!手札から『ラッシュウォリアー』の効果を発動!このカードを墓地に送り!攻撃力を倍にする!迎え撃て!シューティング・アサルト・ナックル!!」
攻撃力6000となったスターダストウォリアーの拳がバーストストリームを裂き『双爆裂龍』に直撃する!
『ぐおおお!!?』
海馬LP4000→1000
『やるな…しかし!甘いぞ!!「双爆裂龍」は戦闘では破壊されず、戦闘で相手モンスターを破壊できなかった時!そのモンスターを除外する!消え去れ!「スターダストウォリアー」!』
爆煙から現れた双爆裂龍が再びブレスを放つ、それはスターダストウォリアーの身体を貫き粒子へと変える!
「まだだ!「スターダストウォリアー」が自分の場から離れる時!エクストラデッキからレベル8以下の『ウォリアー』シンクロモンスター…『ロード・ウォリアー』を召喚条件を無視して特殊召喚できる!!」
粒子が集い、気高き戦士の王が現れる ATK3000
『くっ…リカバリーも万全か…!ターンエンドだ!』
海馬LP1000 SP2
双爆裂龍 乙女 手札1
「俺のターン!ドロー!」SP3→4
「『Spーエンジェルバトン』を発動!2枚ドローして1枚捨てる!…さらに墓地の『ラッシュウォリアー』を除外して効果発動!墓地の『ジャンクシンクロン』を手札に加える!そして『シンクロン・キャリアー』を召喚!」
背中にクレーンの付いたロボットが現れる ATK0
「さらに俺は『シンクロンキャリアー』の効果で『ジャンクシンクロン』を通常召喚!『ジャンクシンクロン』の効果で墓地の『ボルトヘッジホッグ』を特殊召喚!」
オレンジ色のロボットと全身の針がネジになっているハリネズミが現れる ATK1300 DEF800
「そして『ロードウォリアー』のレベルを下げて『レベルスティーラー』を特殊召喚!」
再びてんとう虫が現れる…心なしか疲れているように見える ATK600
「俺はレベル2『ボルトヘッジホッグ』とレベル2『シンクロンキャリアー』とレベル1の『レベルスティーラー』にレベル3『ジャンクシンクロン』をチューニング!!」
2+2+1+3=8
「集いし闘志が怒号の魔人を呼び覚ます!シンクロ召喚!薙ぎ払え!『ジャンク・デストロイヤー』!!」
破壊者の名をもつ4本腕の魔人が現れる ATK2600
『……』
「『ジャンクデストロイヤー』の効果発動!このカードのシンクロ素材としたチューナー以外のモンスターの数まで相手フィールドのカードを破壊する!『双爆裂龍』と『乙女』を破壊!タイダルエナジー!!」
破壊の波動が爆裂龍と乙女を飲み込み破壊する!
『……』
「…?…『ロードウォリアー』でダイレクトアタック!」
ロードウォリアーが海馬に飛びかかりそのライフを削り取った。
海馬LP0
遊海WIN!
『…遊海、ちょっと来い…』
「はい?」
デュエル終了後、遊海は海馬に呼ばれる
『スゥ…この馬鹿者が!!』ゴチン!!
「あいたぁっ!?」
海馬は遊海の頭に拳骨を叩き込む…なお20才で成長が止まっている遊海よりも海馬の方が少し背が高かったりする。
「いつつ…なにするんですか海馬さん!」
『馬鹿者!今回のデュエルは「スピードワールド2」のテストデュエルだと言っただろうが!効果を使わずにデュエルを終わらせてどうする!!』
「あっ…(汗)」
『確かに本気でこいとは言ったが…限度があるだろう!!世界のデュエリストでも貴様と同じレベルなど数える程しかいないのだ!』
「す、すいません…熱くなりすぎました…」
『反省しているならば良い!…もう一度デュエルだ!!…無論、別のデッキでな…』
「は、はい!!」
【ライディングデュエル・スタンバイ!!】
「『ライディングデュエル!アクセラレーション!!』」
遊海LP4000 SP0
海馬LP4000 SP0
「俺のターン!ドロー!」SP0→1
「『聖刻龍ーアセトドラゴン』は攻撃力を1000にする事でリリースなしで召喚できる!」
朝を司る龍が現れる ATK1900→1000
「さらに『聖刻龍ーシユウドラゴン』は『聖刻』モンスターをリリースして特殊召喚できる!さらにリリースされた『アセト』の効果で通常モンスター『ギャラクシーサーペント』をデッキから特殊召喚!」
青い聖刻龍と星の煌めきをもつ竜が現れる ATK2200 DEF0
「レベル6の『シユウ』にレベル2の『ギャラクシーサーペント』をチューニング!」
6+2=8
『再び現れろ!シンクロ召喚!「閃光竜スターダスト」!』
スターダストドラゴンの写し身の竜が現れる ATK2500
「カードを1枚伏せターンエンド!」
遊海LP4000
閃光竜 伏せ1 手札3
『オレのターン!ドロー!』SP1→2
『「Spーオーバーブースト」を発動!スピードカウンターを4つ増やす!』
SP2→6
「え…」
『さらに手札から「Spースピードフュージョン」を発動!手札の3体の「青眼の白龍」を融合!現れろ!!|「真青眼の究極竜」《ネオブルーアイズ・アルティメット・ドラゴン》!!』
新たなる力を手にした究極竜が顕現する ATK4500
「ちょっと…」
『バトル!「真究極竜」で「閃光竜」を攻撃!ハイパー・アルティメット・バースト!』
「待って!?『閃光竜』の効果!
『無駄だ!「真究極竜」は3回攻撃ができる!!アルティメットバースト!サンレンダァ!!』
「それはダメだってぇぇぇ!?」
遊海LP0
海馬WIN!
『…すまん、熱くなり過ぎた…』
「お互い様ですね…もう一度やりましょう…」
その後、深夜までデュエルを続けたが…『スピードワールド2』が真価を発揮する事は無かった…
『ゼェ…ゼェ…今日はここまでだ…効果を発動できなかったが…データは取れたからな…』
「そ、そうですか…それならよかった……」
「お疲れ様です遊海さん、海馬さん…」
「まったく…兄様も遊海も大人げないんだから…」
ピットスペースで休む遊海と海馬…そのそばには二人の帰りが遅く心配し駆けつけた翠、そして成長し好青年となったモクバの姿があった。
『遊海…WRGPの事だが…』
「なんですか…?」
『お前は出場するのか?…「決闘王」、お前が声をかければ遊戯も十代も…他の奴らも協力するだろう』
「それは…」
それは実際、遊海が悩んでいる事だった。イリアステルの襲撃に備え、彼らを守るには遊星達のそばにいる方がいい…その一方で遊海は決闘者の性として大会に参加したいとも思っていたのだ…。
『お前が出るとなればデュエル界に激震が走るだろう…17年前に表向き行方不明となったお前が復活を果たせばな…』
「まだ半年以上時間があります…ゆっくり考えますよ」
『そうか、じっくりと考える事だな…今日は解散だ、また何かあったら頼むぞ遊海』
「えぇ、いつでもどうぞ海馬さん」
二人の男は夜空を見上げる、その時…流れ星が一条、流れ落ちた…
Side海馬
「兄様のあんな顔、久しぶりに見たな〜」
『何をいうモクバ、あんな顔とはなんだ?』
海馬邸へと戻る車の中…海馬兄弟は言葉を交わす
「へへっ…あんな『楽しそうな顔』をした兄様はって事!嬉しいんだろ?遊海が復活してさ?」
『…否定はせん、奴は決闘者の頂点に立つ男だ…その復活が嬉しくないはずがないだろう?』
「もう、そういうのじゃなくてさぁ…あっ!そうだ報告があるんだ兄様」
『なんだ?』
「1つは…開発中のライディングロイドが治安維持局の研究所から盗まれたんだ、今セキュリティが血眼で探してる…」
『何?…あの研究所の防犯は完璧だった筈だが…もう1つは?』
「もう1つはその治安維持局、レクスの後任の長官が決まったみたいだよ」
『そうか…今までは磯野を出向させていたが…後任は誰だ?』
「うん、ホセ・イリアステルとプラシド・イリアステル、それにルチアーノ・イリアステルの三人長官だってさ…なんでも理事会の全会一致で決まったとか…」
『なっ「イリアステル」だとぉ…!?行き先変更だ!遊海の家に迎え!!』
〔り、了解しました!!〕
モクバの話を聞いた海馬はすぐさま目的地を変更する。
「兄様!?いったいどうしたんだよ!」
『モクバ…この町に危険が迫っている…!以前の「ドーマ」の時のように…!至急、遊海と相談せねばならん…!』
海馬は急いで遊海のもとへと向かう…WRGPまで残り1年に差し掛かろうとしていた…。
『…久しいなホセ、プラシド、ルチアーノ』
『ああ、久しぶりだなゲイザー…息災だったか?我ら未来人の中で生身なのはお前と運命の神だけだからな』
『問題ない…それからこれを渡しておく、KC謹製のデュエルロイドだ、上手く使ってくれ』
「フン…ただの木偶だが…この時代の奴らにシンクロ召喚の不必要を知らしめるためには有効だ、早速リプログラミングしよう」
「キッヒッヒ、それで…お前はどうするのさゲイザー?」
『お前達に任せる…しばらくは静観するさ、全ては…』
「「『未来を変えるために』」」
今回のスピードスペル!
スピードワールド2
フィールド魔法
このカードはライディングデュエル時に必ず発動される。このカードはフィールドから離れない。
自分が「Spー」以外の魔法カードを発動した時、2000ダメージを受ける。
①お互いのターンのスタンバイフェイズ時に発動する、自分のスピードカウンターを1つ増やす。(最大12個まで)
②自分のスピードカウンターを任意の数取り除き以下の効果を発動できる。
・4個 自分の手札の「Spー」の数×800ダメージを相手に与える。
・7個 自分のデッキから1枚ドローする。
・10個 相手フィールドのカードを1枚選んで破壊できる。
Spースピード・フュージョン
通常
自分のスピードカウンターが4つ以上ある時に発動できる。
①手札・フィールドから決められたモンスターを墓地に送り、エクストラデッキから融合モンスターを特殊召喚する。(この召喚は融合召喚として扱う)