転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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歪んだ伝統〜究極の特別授業〜

「…特に事件は無し…か…ッッ…!」

 

《マスター…大丈夫ですか?》

 

「大丈夫…まだ傷跡が痛むだけだから…」

 

 

ゴースト事件から一週間程が経過した…あれから大きな動きはなく、シティには平和な時間が流れていた。

俺は病院を退院し、家で療養している最中である。

 

 

「ゲイザー…彼奴は闇の中から現れた…刺されるまで完全に気配を断っていた、あのカラクリは何なんだ…?」

 

《…私もまったく気づけませんでした、何かがいると感じた瞬間にマスターが刺されていたので…申し訳ありません…》

 

「気にするなよアヤカ、油断していた俺が悪いんだ…次こそは…!」

 

《マスター…あまり根を詰めすぎないでください、あなたの負担を軽くする為に私がいるのですから…》

 

「ありがとう、アヤカ…少し寝るか…」

 

 

タッタラータラーターラーターラッタラー

 

「ん?この着信音は…はい!白波です!」

神の降臨しそうな着信音の電話に出る…相手は海馬社長である。

 

『オレだ、お前に会いたいという奴が面会に来ている…KCまで来られるか?』

 

「俺に…?わかりました、すぐに向かいます」 

 

…俺に面会…誰だろうか…?

 

 

 

 

 

〜KC・社長室〜

 

 

 

 

「失礼します!」

 

「よく来たな遊海、病み上がりなのにすまないな」

 

「大丈夫ですよ海馬社長、これくらいならかすり傷ですから…」

 

「フン…お前らしいな」

海馬さんと他愛もない話を交わす…昔に比べて丸くなったな〜…

 

 

「それで…俺に面会したいというのは?」

 

「ああ、コイツだ…なんでも頼み事があるらしいぞ?」

 

 

「お久しぶりなノーネ!セニョール遊海!元気そうでなによりでスーノ!」

 

「あ、あなたは…!」

 

「実はアナタに特別授業をしてほしい人がいるノーネ!」

 

「へっ…?」

 

 

………

 

 

 

「なるほど…それでその人の鼻を折りたいと…」

 

「そういう事なノーネ!…まったく、昔のワタシを見てるみたいなノーネ…」

 

「わかりました、引き受けましょう!それで…海馬社長?」

 

「む?どうした?」

 

「ちょっとお借りしたいモノが…」ゴニョゴニョ

 

「ふ…ふはははは!!!いいだろう!使うがいい!」

 

「ありがとうございます!海馬社長!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side遊星

 

 

 

『ヌフフフ…!どうですか!これが究極の勝ち組デッキ「アンティーク」デッキの力です!所詮低レベルのクズモンスターなど役に立たないのです!』

 

 

「御託はいい!どんな強力なカードを使おうと勝てなければ意味はない!」

 

オレは今、とある人物から依頼を受けてデュエルアカデミア・ネオ童実野校の教頭、ハイトマンとデュエルをしている。

最初は機械の修理かと思ったが…まさか「頭のネジを締め直す」依頼だったとは…、そしてこのデュエルには学生生活を始めた龍亞と龍可、そして子供達の退学が懸かっている…負ける訳にはいかない!

 

 

ハイトマンLP4000

古代の機械巨人×3 手札1

 

遊星LP4000

ガード・オブ・フレムベル 伏せ2

 

 

 

『フン!負け惜しみを!バトルフェイズに入るであります!』

 

「その瞬間!リバース罠『チューナーズ・バリア』を発動!『フレムベル』はこのターン戦闘破壊されない!」

 

『無駄です!「機械巨人」は貫通効果を持っているのです!3体の「機械巨人」で攻撃!アルティメット・パウンド!!』

3体の巨人が守備表示のフレムベルを打ち据え、貫通ダメージが遊星を襲う!

 

「くぅ…!」

遊星LP4000→3000→2000→1000

 

『そして魔法カード「レベル・サンダー」を発動!フィールドにいるモンスターのレベルの合計×100のダメージ…2400ダメージを与えるであります!』

 

 

「そんな!?こんなコンボがあったなんて!?」

龍亞達の担任である女教師が驚きの声をあげる…遊星のライフは残り僅か…勝負の行方は…!

 

『ヌフフ!これがハイレベルのエリートだからこそできる究極の1ターンキルであります!』

 

「「「遊星!!」」」

 

「まだだ!手札から『ハネワタ』を墓地に送り、効果ダメージを0にする!!」

遊星の前にモフモフの天使が現れ効果ダメージを防ぐ!

 

『チィッ…ゴキブリ並みの生命力でありますね…!ターンエンド!』

ハイトマンLP4000

機械巨人×3 手札0

 

 

 

 

 

「オレのターン!ドロー!…ハイトマン!今度はオレが特別授業をする番だ!」

 

『なんですと?』

 

「この子達は決して低レベルなんかじゃない!その事をお前に教えてやる!」

 

『笑止!そんなレベル1のチューナー1体で何ができる!』

ハイトマンは遊星の場を見て嘲笑う…しかし

 

「行くぞ!オレは魔法カード『調和の宝札』を発動!手札の攻撃力1000のチューナー『デブリ・ドラゴン』を墓地に送り2ドロー!…引いたぜ?逆転のカードを!」

 

『なに!?』

 

「オレは『エキセントリック・ボーイ』を召喚!」

背中から赤い翼を生やした少年が現れる ATK800

 

「そして『エキセントリックボーイ』をシンクロ召喚に使う時!手札のモンスターをシンクロ素材にできる!オレは手札のレベル5『ターレット・ウォリアー』とレベル3『エキセントリックボーイ』をチューニング!!」

 

5+3=8

 

「集いし願いが新たに輝く星となる!光さす道となれ!シンクロ召喚!飛翔せよ!『スターダスト・ドラゴン』!」

遊星の相棒たるドラゴンが現れる ATK2500

 

 

『くっ…チューナーモンスターにそんな使い方が…!だが「スターダスト」を召喚しようと攻撃力は「機械巨人」が上!勝ち目はありません!』

 

「ああ、確かに『スターダスト』だけじゃお前は倒せない…だがみんなの力を合わせれば!それは可能となる!魔法カード『バラエティ・アウト』を発動!『スターダスト』をリリース!」

 

『なっ…せっかく召喚した「スターダスト」をリリースするですと!?』

 

「それだけじゃない!『スターダスト』のレベルは8!それにより墓地からレベル合計が8になるように墓地のチューナーを特殊召喚する!現れろ!『デブリドラゴン』『ハネワタ』『エキセントリックボーイ』!」 

スターダストが粒子となる…しかしその光に導かれるように3体のチューナーが現れる! ATK1000  200 800

 

『何を考えているであります!?ハイレベルの「スターダスト」をリリースしてわざわざ低レベルのモンスターを…は!?まさか…!』

 

「そうだ!このモンスター達はあの子達のカード!アンタが見下した低レベルモンスターの底力を見せてやる!」

 

遊星はデュエル前にアカデミアの生徒達のカードをデッキに加えていた…「低レベルモンスターで高いレベルのモンスター」に勝つ事で遊星は伝えたいのだ…「この世の中に不必要なものはない」と!

 

 

「罠カード『チューナー・ボム』を発動!フィールドのチューナーを任意の数リリースする!そして相手モンスターを破壊し1000ダメージを与える!『ハネワタ』『ガードオブフレムベル』『エキセントリックボーイ』をリリース!いけ!!」

3体がチューナーが虹色の光を纏い機械巨人に特攻する!

 

『うひぃ〜!?そんな!?』

ハイトマンLP4000→3000→2000→1000

 

「そしてまだオレのモンスターは残っている!『デブリドラゴン』でダイレクトアタック!!」

デブリドラゴンがハイトマンに突撃する!

 

『そんな…!ゲハッ!?』

 

ハイトマンLP0

 

遊星WIN!

 

 

 

 

 

 

 

 

『まさか…私の勝ち組デッキが敗れるとは…低レベルモンスターにこんな可能性が…』

 

「ハイトマン、レベルの高さじゃない」

 

『なんですと…?』

敗北し放心状態のハイトマンに遊星が話しかける。

 

「レベルの高い低いは関係ない、何かを学ぼうとする真剣に学思う…そんな心を持った子供達が揃っているんだ!」

学校は子供達を教え、導く場所…レベルの高い低いではなく「学ぼうとする心」が大切なのだと遊星は説く

 

 

「その通りです、遊星君!」

 

「むっ…あなたは…?」

 

『こ、校長先生…!?』

デュエル場の入口から声がかけられる…それは遊星にハイトマンの修理?を依頼した人物…ネオ童実野校の校長だった。

 

「騙すような真似をしてすまなかった、わしではこの頑固者を修理するのは難しくてね…」

 

『こ、校長が私を修理する為に…!?』

 

「それで…どうだったかね?ハイトマン教頭?」

 

『ハイ…私が間違っておりました…退学は撤回します…』

ハイトマンは項垂れながら生徒達の退学を撤回した…。

 

 

 

「「「遊星!」」」

 

「みんな…ありがとう、君達のカードで勝つ事ができた!」

デュエルを終えた遊星のもとに子供達がやってくる。

 

「遊星!わたし達のカードで勝ってくれてありがとう!」

 

「『スターダストドラゴン』カッコよかった!」

 

「ああ、ありがとう!次は君達の番だ!精一杯色んな事を学ぶんだぞ?」

 

「「「はーい!!」」」

遊星は子供達にエールを送る

 

「よし、それじゃあ今日は…」

 

 

《フン…少し出遅れてしまったか…》

 

 

「「「!?」」」

デュエル場に生徒でも先生でもない第三者の声が響く

 

「何者だ!」

 

《今姿を現そう!ハッ!!》

デュエル場の上から1人の男が現れる…それは

 

 

「「「カ、カイバーマンだ!?」」」

 

《フハハハ!その通り!我が名は正義の味方カイバーマン!ここに質の悪い狐がいると聞いて来たのだが…決着は着いたようだな!》

カイバーマン…海馬ランドにおける人気ヒーロー、たびたびヒーローショーを行ない悪人を高笑いと共に灼き尽くす無敵のヒーローである…余談だがモデルは十中八九海馬社長本人だろう。

 

「狐ですと…?」

 

《うむ、借り物のデッキを「究極」と言い張る「虎の威を借る狐」がいるはずだが?名は…ハイトマンだったか?》

 

『また私の事でありますか!?』

校長の問いにカイバーマンが答える…それはハイトマンを指したものだった。

 

 

《その通りだ!「伝説のアンティークデッキ」?その程度で究極を名乗るとは…片腹痛いわ!》

 

『ムムム…!言わせておけば…!このハイトマン!お前のようなコスプレ男に馬鹿にされる謂れはないであります!!』

 

《そうか…ならばデュエルでそれを示してみせよ!…負ければそのデッキは返上してもらう!》

 

『いいでしょう!デュエルだ!』

ハイトマンとカイバーマンは火花を散らす…

 

「カイバーマン…アンタは…」

 

《なに…古き友に頼まれてな、そこで見ているがいい!遊星!真の究極を!!》

 

 

 

 

 

 

『《デュエル!!》』

 

カイバーマン?LP4000

ハイトマンLP4000

 

 

 

 

 

 

 

 

《俺のターン!ドロー!!》

《「青き眼の乙女」を召喚!》

白い髪を持つ青目の少女が現れる ATK0

 

《カードを2枚伏せターンエンド!》

カイバーマンLP4000

乙女 伏せ2 手札3

 

 

 

『レベル1で攻撃力0のモンスターを攻撃表示!?正気でありますか!?』

 

《フン!ハンデだ!かかってくるがいい!》

 

 

 

 

『おのれ…私のターン!ドロー!』

『手札から「古代の機械石像」を召喚!さらに手札の魔法カード「磁石の円Lv2」を発動!2体目の「機械石像」を手札から特殊召喚!』

歯車が組み合わさった2体の像が現れる ATK500 ×2

 

『そして「機械石像」をリリース!手札から2体の「古代の機械巨人」を召喚条件を無視して召喚するであります!』

土煙と共に機械の巨人が現れる ATK3000 ×2

 

 

『バトルであります!『機械巨人』で「乙女」を攻撃!アルティメット・パウンド!!』

巨人の拳が乙女に迫る!

 

《貴様もカードに選ばれているようだな…だが甘い!「乙女」の効果を発動!自身を守備表示に変更し攻撃を無効にする!さらに俺はデッキからこのカードを特殊召喚する!!》

乙女が座り込み祈りを捧げる…そして天空から神々しい光が降り注ぐ!ATK0→DEF0

 

《降臨せよ!「青眼の白龍」!!》

 

「「「『なんだって!?』」」」

天空からデュエルモンスターズ最強のドラゴンが降臨する ATK3000

 

「そんな馬鹿な…ブルーアイズは世界にたった3枚しか存在しない伝説のカード!まさか…カイバーマンの正体は…!」

 

《フハハハ!さぁ、どうするハイトマン!このドラゴンにどう対処する!》

 

『ヌヌヌ…!「古代の機械巨人」で「ブルーアイズ」をこ《リバース罠「威嚇する咆哮」発動!バトルフェイズは終了だ!》なんと!?』

《ギャオオ!!》

ブルーアイズが咆哮する、それは窓ガラスを揺らし機械巨人に膝をつかせる…

 

《相討ち覚悟で挑むとはいい度胸だ!だが足りん!》

 

『くっ…カードを伏せターンエンド!』

ハイトマンLP4000

機械巨人×2 伏せ1 手札0

 

 

 

「教頭先生の攻撃が躱された!」

 

「しかも相手は伝説のドラゴン…!でもいったいどうして…!?」

 

 

 

 

《俺のターン!ドロー!!》

《さぁ…行くぞ!装備魔法「ワンダーワンド」を「乙女」に装備!そして「乙女」が効果の対象になった事により現れろ!2体目の「ブルーアイズ」よ!!》

2体目のブルーアイズが現れる A3000

 

《そして「ワンダーワンド」の効果発動!装備モンスターをリリースし2ドロー!終わりだ!「融合」を発動!手札とフィールドの「ブルーアイズ」3体を究極融合!!現れろ!「真青眼の究極竜」!!》

カイバーマンの場に最古にして最新たる究極のドラゴンが降臨する! ATK4500

 

 

『こ、これが…究極のドラゴン…!?』

 

「無駄のないプレイングだ…!…無駄の…無い…?もしかして…!」

遊星は何かに気づいたようだ。

 

 

《バトルだ!「真究極竜」で「機械巨人」を攻撃!ハイパー・アルティメット・バースト!!》

《ギュアアン!!》

最強の破壊光線が機械巨人に迫る!

 

『やらせないであります!リバース罠「次元幽閉」を発動!「真究極竜」を除外する!』

 

《無駄だ!チェーンして罠カード「強靭!無敵!最強!」を発動!このターン「真究極竜」は自身以外のあらゆる効果を受け付けない!粉砕せよ!!!》

《ギュアアアン!!!!》

 

真究極竜の目の前に現れた水色の壁は咆哮で粉砕され、機械巨人は爆発する!

 

『うわあああ!!』

ハイトマンLP4000→2500

 

《さらに「真究極竜」はエクストラデッキの「究極竜」「双爆裂龍」を墓地に送り2回の追加攻撃ができる!粉砕せよ!ハイパー・ツイン・バースト!!!》

 

『ひ、ひぇぇぇぇ!?』

続いて放たれた破壊の奔流は機械巨人とハイトマンを飲み込んだ…

 

 

ハイトマンLP0

 

カイバーマンWIN!

 

 

 

 

 

 

 

 

《フハハハハ!粉砕!玉砕!!大喝采!!!》

 

 

「嘘でしょ…!?」

 

「これが伝説のドラゴンの力…!」

 

「教頭をノーダメージで倒しちゃった…!」

 

カイバーマンの高笑いが響く、遊星や生徒達は呆然とその様子を見ているしかなかった…。

 

 

『こ、これが本当の究極…!私はなんて思いあがりを…』

 

《思い知ったかハイトマン!これが究極にして至高のドラゴンデッキだ!…貴様は所詮「井の中の蛙」…権力に縛られ「アンティーク」デッキを持った事で自身の研鑽を忘れた愚か者だ!》

 

『わ、私の完全敗北であります…申し訳ございませんでした…』

ハイトマンは項垂れ、カイバーマンに謝罪する。

 

 

《ふん!わかればよいのだ…なぁ、クロノス校長?》

 

『その通りなノーネ!』

 

「「あ、あなたは!アカデミア本校のクロノス校長!?」」

ドミノ校長と女教師が声をあげる、カイバーマンの声と共に現れた人物…それは鮫島校長の次にデュエルアカデミア本校の校長となったクロノスだった…。

 

 

『セニョールハイトマン、教師とーは生徒を教え導き、時に壁になるものなノーネ、しかーし!「壁」といっても生徒の進路を阻むものではなーく生徒達を理不尽から守るものなノーネ!』

 

『理不尽から守る…?』

 

『そうなノーネ!生徒達にはたくさんの可能性が秘められているノーネ!…その可能性を「落ちこぼれ」だからといって切り捨ててはいけないノーネ!…「アンティークデッキ」は生徒達の可能性を拓き導く為のもの…決して忘れてはいけないノーネ!』

クロノス校長は諭すようにハイトマンに語りかける、まるで過去の自分に言い聞かせるように…。

 

 

『…わかりました…私は生徒達の成績しか見ていませんでした…私は教師失格です、アンティークデッキは…』

 

『ノンノン!今回は大目にみるノーネ!遊…カイバーマンもそれでいいノーネ?』

 

《うむ、そいつには反省の色が見える…今回はいいだろう》

腕を組み様子を伺っていたカイバーマンも同意する。

 

『で、ですが…』

 

『教師とーは生徒達を教え導く者であると同時に生徒達と一緒に成長するものなノーネ…ワタシも教頭時代にその事を生徒から教えられたノーネ!』

クロノスは昔を思い返す…その脳裏には1人の問題児と対峙したデュエルの様子が蘇っていた…。

 

 

『ハイトマン教頭、あなたのこれからに期待するノーネ!』

 

『クロノス校長…!このハイトマン!生まれ変わります!生徒を導く者になってみせます!』

 

『その意気なノーネ!頑張るノーネ!』

 

「あれがアカデミアで『伝説の指導者』といわれたクロノス校長の力…あのハイトマン教頭を改心させるとは…わしもまだまだですな…」

ドミノ校長はポツリと呟いたのであった。

 

 

 

 

「あれ?カイバーマンは?」

 

「いつの間にかいなくなってる!?」

 

「遊星もいないわ、どこに行ったのかしら…?」

 

 

 

 

 

Sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「コホコホ…慣れない声を出すと疲れるな…」 

 

《お疲れ様です、マスター!見事な演技でした!》

 

俺はアカデミアの屋上にいる…まさかクロノス先生から『頑固者の鼻をへし折ってほしいノーネ!』と言われた時は驚いたけど…あの様子なら大丈夫だろう、さて…衣装を海馬社長に返しにいかないと…

 

 

「カイバーマン!」

 

《む?不動 遊星か…どうした?子供達の相手はいいのか?》

屋上にいる俺に遊星が声をかけてくる、追いかけて来たようだ…。

 

「素晴らしいデュエルだった、無駄のないプレイング…圧倒的力…まるで本物の海馬社長のようだ…」

 

《フッ…俺は正義の味方カイバーマン!あの社長とは関係ないぞ?…カードは借りたがな!》

 

「それだけではないだろう…()()()()?」

 

《(思いっきりバレとるー!?)…なんの事かな?》

 

「計算されたプレイング、無駄のない展開…あのプレイングは遊海さんに似ていた…それだけだよ」

 

《フッ…フハハハ!あの決闘王と同じように見られるとはな!しかし彼は過去の人物だ!俺とはまったく関係ないのだよ!…さらば!》

 

「あっ!?カイバーマン!?」

カイバーマンはパルクール的な動きでアカデミアから去っていった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フハハハハ!不動 遊星に正体を見抜かれかけたか!お前は偶にミスをするからな!フハハハハ!」

 

「笑わないでくださいよ海馬社長…割と危なかったんですから…」

KCへと戻ってきた遊海だったが…報告を受けた海馬社長は大笑いである。

 

 

「しかしお前も『ブルーアイズ』を持っていたとはな…昔のオレなら破り捨てていたかもな!」

 

「それだけは勘弁してください社長…」

 

「フッ、冗談だ…オレも丸くなったものだな…そして遊海、ここからは真面目な話だ…新しい長官共についてだ」

 

「…!」

遊海は顔を強張らせる

 

 

「件のゴースト事件から1週間…奴らに動きはない、相当手痛いダメージがあったようだな」

 

「えぇ…しばらくは大きな動きはとれないはずです」

 

「そうか…だがいいのか?奴らはオレの町に害を為す者…すぐに解任する事もできるが…」

 

「やめておいた方がいいでしょう…奴らは歴史に介入し過去を変える事ができる…つまり人を簡単に亡き者にできるという事です、奴らの件は俺とシグナー達に任せてください…!」

 

「そうか、だがいつでも協力はする…無理はするなよ遊海…あいつらも心配していたからな…」

 

「…ありがとうございます海馬社長、今日はこのあたりで…」

 

「うむ、今日はご苦労だった…ゆっくり休むがいい」

 

「はい…失礼します!」

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ…疲れた…今日はもう帰ろう」

 

《マスター…》

 

「アヤカ、そんな不安そうな声をだすなよ…俺は大丈夫、きっと未来を…この町を救ってみせる…!」

 

《マスター…はい!そうですね!マスターとシグナー達の力が合わさればできない事はありません!私も全力でサポートしますから!》

 

「ああ、ありがとうアヤカ…頑張ろうな!」

 

《はい!》

遊海は夕焼け空を見つめる…イリアステル、それにゲイザー…まだわからない事は多い…それでも…

 

 

「あ!遊…白野さーん!こんにちは!」

 

「おっ!龍亞!龍可!学校帰りか?」

 

「うん!今日学校でね…!」

 

「ほう…カイバーマンに『ブルーアイズ』を見たと…」

 

「うん!すごいカッコよかった!あと笑ってた!」

 

 

この町の人々…そして子供達の笑顔を守ってみせると…

 

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